JPH0470209B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主として自動めつき装置等にプリント
基板等の板状ワークを自動的に供給するための板
状ワーク供給装置に関する。

従来の板状ワーク供給装置では、水平に配置さ
れた平板状のストツクテーブルをシリンダ機構等
を用いてスライドさせるようにし、テーブルの上
面にスライド方向と直角の多数の溝が設けてあ
る。そして溝に板状ワークを嵌め込んだ後テーブ
ルをスライドさせ、送出し装置によつて端に位置
するワークから順に送り出し、ワークを例えばめ
つき装置のコンベヤへ供給するようになつてい
る。

ところが上記従来の構成では、テーブル上の板
状ワークを一担全部送り出した後、テーブルをス
ライドさせて戻す必要がある。従つてテーブルを
戻した状態で溝に板状ワークを嵌め込み、次にワ
ークの供給を行なう迄の間には時間的ロスが生じ
ることになり、作業効率が低下する不具合があ
る。

上記不具合を解消するため、溝を有するテーブ
ルをカセツトタイプとし、テーブルを複数個用意
しておいて、板状ワークの送り出しが一担終了し
てテーブルを戻したとき、予めワークが嵌め込ま
れた別のテーブルと取り換えるようにすることも
考えられる。しかしこの場合でもテーブルを戻
し、取り換える間に時間的ロスが生じることは避
けられない。又テーブルを複数個用意しなければ
ならない不具合があるばかりでなく、テーブルご
と取り換えるため作業が大変である。

本発明は上記不具合に鑑み、板状ワークの供給
の際に時間的ロスが生じず、かつ作業の容易な板
状ワーク供給装置を提供することを目的としてお
り、次に図面に基づいて本発明を説明する。

第１図は本発明による板状ワーク供給装置を取
り付けたプリント基板自動めつき装置の斜視略図
である。第１図において板状ワーク供給装置１の
供給コンベヤ２は、循環方向（矢印Ｆ方向）に対
し直角かつ水平の角棒状のホルダ３を、１対の平
行なチエン（図示せず）の全外周にわたり配置し
たキヤタピラ（登録商標）状の構造である。チエ
ンは図示しないスプロケツトに架け渡されて長円
形に保持されており、スプロケツトの支軸４，５
のうち一方の支軸５はフレーム６より突出し、ス
プロケツト７が固定されている。スプロケツト７
はモーター８の減速機にチエン９を介して連結さ
れている。ホルダ３は塩化ビニル等の樹脂製であ
り、第２図に示すように基部３ａが、チエンピー
ス１０の上端に形成されたブラケツト１０ａにボ
ルト１１によつて固定されている。又ホルダ３は
先端側に向い開く長溝状のワーク差込み用溝１２
を有し、溝１２は第１図に示すようにホルダ３長
手方向に直線状に形成されている。コンベヤ２の
上端の水平面２ａ（ストツクテーブル）では、溝
１２は垂直上方に向かつて開口することになり、
板状ワーク１３を溝１２に嵌合した場合に、ワー
ク１３は垂直に保持される。なおコンベヤ２のフ
レーム６は、その下部が図示しないエレベータに
取り付けられており、コンベヤ２全体が水平姿勢
のまま昇降できるようになつている。又第３図に
示すようにコンベヤ２の側面の適所には、フレー
ム６（第１図）に固定のブラケツト１４に固着さ
れた光センサ１５が配置されており、コンベヤ２
の停止位置を正確に制御できるようになつてい
る。

コンベヤ２の水平面２ａのうち循環方向側（出
口側）端部の上方には、ワーク１３をコンベヤ２
の幅方向（矢印Ｒ方向）に送り出すための送出し
装置１６が配置されている。装置１６は外周面に
送り爪１７を有するチエン１８を備え、チエン１
８は垂直軸回りに回転する１対のスプロケツト１
９（一方のみ図示）に架け渡されている。一方の
スプロケツト１９はトルクコンスタントモーター
等より成る定トルク駆動機構２０により回転させ
られる。

装置１６の近傍には、１対の帯板状ガイド２１
がワーク１３通過用の狭い隙間を隔てて設置され
ている。両ガイド２１は垂直で、コンベヤ２の側
面近傍からＲ方向に延びており、コンベヤ２側の
入口側端部２２は互いに離れる方向に湾曲してワ
ーク導入部を形成している。端部２２はコンベヤ
２の搬送方向（Ｆ方向）を基準にした場合、チエ
ン１８のわずか手前に位置しており、上方より見
て送り爪１７のＲ方向の軌道と同一直線上にあ
る。ガイド２１の垂直下方にはワーク１３の下縁
をＲ方向に案内するレール２３が設けられてい
る。レール２３はフレーム６等に固定され、コン
ベヤ２と一体に上記エレベータにより昇降するよ
うになつている。

２４は自動めつき装置であり、ガイド２１の出
口端部近傍からガイド２１をＲ方向に延長する形
で配置されている。装置２４には垂直軸回りに回
転するプーリー２５，２５′（ガイド２１側）及
びプーリー２６，２６′がそれぞれ並置され、２
対のプーリー２５，２６及びプーリー２５′，２
６′にはそれぞれクランプベルト２７，２８が水
平方向平行にわずかな間隔を隔てて架け渡されて
いる。各対のプーリー２５，２６，２５′，２
６′のうち一方のプーリー２５，２５′は図示しな
いモーターによつて駆動されるようになつてお
り、ベルト２７，２８に挟持されるワーク１３を
Ｒ方向に移動させるようになつている。ベルト２
７，２８の下方には、例えばめつき槽２９の他、
めつき処理に必要な水洗装置、乾燥装置等（図示
せず）がベルト長手方向に並べて配置されてい
る。

なお上記各装置には光センサ１５（第３図）を
はじめとして、リミツトスイツチ等種々のセンサ
ー（図示せず）が設置され、これらのセンサーと
制御装置によつて各部は連続的かつ自動的に作動
するようになつている。

次に作動を説明する。コンベヤ２の入口側（水
平面２ａの循環方向手前側）において、ホルダ３
の各溝１２にワーク１３の下端が人手又は図示し
ていない装置により差し込まれ、ワーク１３は垂
直に起立した状態で出口側（送出し装置１６側）
に搬送される。又ワーク１３は次々と水平面２ａ
に現われるホルダ３の溝１２に連続的に差し込ま
れてゆく。ワーク１３の高さが変わる場合や、要
処理部分の位置が変わる場合には、コンベヤ２を
上下するエレベータにより調整し、ワーク下縁の
上下位置が任意に揃えられる。コンベヤ２の循環
は光センサ１５によつて制御され、溝１２のピツ
チ毎に作動、停止が行なわれると共に、コンベヤ
２の停止時に溝１２が上方から見てガイド２１の
間隙と一直線上に配置される。

コンベヤ出口に達したワーク１３は送り爪１７
により一方の側縁を押されかつレール２３により
下縁を支持されながら両ガイド２１の間をＲ方向
に送られる。ここで送り爪１７は、コンベア２が
１ピツチ前進したことを検知して定トルク駆動機
構２０が作動することによつて、１回循環するよ
うに制御されている。送り爪１７は一定トルクで
ワーク１３を送るようになつており、クランプベ
ルト２７，２８へのワーク１３の挿入はスムーズ
に行なわれる。又駆動機構２０のトルクは制御装
置中のスライダツクによつて調整される。動作タ
イミングは制御装置内のタイマーによつてコント
ロールされる。

クランプベルト２７，２８は矢印Ａ方向に循環
しており、ガイド２１を介してワーク１３が両ベ
ルト２７，２８間に挿入される。このときワーク
１３の上部がベルト２７，２８によつて挟持され
るようにコンベヤ２の上下位置が予め調整されて
おり、被めつき面が下方に突出する姿勢でワーク
１３はベルト２７，２８に保持される。ベルト２
７，２８によつてワーク１３はＲ方向に比較的低
速度で移動し、水洗工程やめつき槽２９内でのめ
つき工程等の各工程において、次々と処理が連続
的に行なわれる。めつき槽２９内でめつき（例え
ばニツケル或は金めつき等）が施され、更に図示
しない洗浄装置や別のめつき槽内での工程の後、
プーリー２６，２６′部分からめつき工程の終了
したワーク１３が取りはずされる。

以上説明したように本発明によると、上端に水
平面２ａを形成して循環する搬送ベルト（例えば
コンベヤ２）を設け、上記ベルト外周面に全周に
わたり循環方向Ｆと直角かつ水平方向のワーク差
込み用溝１２を多数条設け、上記溝１２のピツチ
毎にベルトを循環、停止する駆動機構（例えばモ
ーター８）を設け、上記水平面２ａの循環方向Ｆ
側端部近傍に上記溝１２方向にワーク１３を送り
出す送出し装置１６を配置したので、ワーク１３
の供給を連続的に行なうことができ、時間的ロス
は生じない。しかも単にワーク１３を次々と溝１
２に差し込むだけの作業でよいため、作業者の労
力が軽減でき、又差込み装置等を用いて自動化を
図ることも容易である。更に本発明においては、
送出し装置１６に送り爪１７を有する環状のチエ
ン１８と、送り爪１７により搬送ベルトから離さ
れた板状ワーク１３を両側から案内する１対の帯
板状ガイド２１と、ガイド２１に続いて板状ワー
クを両側から挾持するクランプベルト２７，２８
と、クランプベルト２７，２８の下方の処理槽を
設け、ガイド２１の下側において上記搬送ベルト
の支持フレーム６と共に上下するレール２３を設
けて搬送ベルトとレール２３とを昇降自在とし
て、板状ワークのクランプベルト２７，２８から
の下方突出量を調整できるよう構成したので、ワ
ーク１３の高さがロツト単位で変更されたときワ
ーク６と共にレール２３の高さを変えることによ
り、ワーク１３がクランプベルト２７，２８から
下方へ突出する高さを自由に調節することがで
き、めつき槽２９内でワーク毎にめつきを施す高
さ等を最適値ない調節できる利点が生ずる。すな
わちワーク１３は送り爪１７によりコンベア２か
ら離れた後クランプベルト２７，２８に挾持され
るまでに、ガイド２１とレール２３により所定の
高さに調節される。

なお本発明を実施するためにあたり、次のよう
な構成とすることができる。

(a) 供給装置１のコンベヤ２と同じ構造を有する
ストツカーをプーリー２６，２６′側に設置し
て、クランプベルト２７，２８から送り出され
る工程終了後のワーク１３を次々と保持するよ
うにすれば、作業者の労力を軽減できる。

(b) コンベヤ２は、１条の溝１２を有するホルダ
３によつて構成される必要はなく、例えば第４
図のような構成とすることもできる。第４図に
おいて、コンベヤ２は複数のトレイ３１を１対
の平行なチエン３２の全長に沿つて配置した構
造で、両チエン３２はそれぞれ逆転スプロケツ
ト３３と駆動スプロケツト（図示せず）に架け
渡されている。各トレイ３１は矩形の板状部材
で、前後方向中間部がコンベヤ幅方向のピン３
４を介してチエン３２上のブラケツト３５に回
動可能に支持されており、水平方向に移動する
間は両側縁部がチエン３２に支持された状態で
水平な姿勢を保ち、スプロケツト３３の外周に
沿つて移動する間は垂直又は傾斜姿勢となるよ
うに構成されている。各トレイ上面３６には幅
方向に延びる複数の溝３７が一定間隔を隔てて
設けられ、溝３７に板状ワーク１３を差し込む
ようになつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による板状ワーク供給装置を取
り付けた自動めつき装置の斜視略図、第２図はコ
ンベヤの側面部分図、第３図は光センサの取付状
態を示す斜視部分図、第４図は別の実施例の斜視
部分図である。２……コンベヤ（搬送ベルト）、
２ａ……水平面、８……モーター（駆動機構）、
１２，３７……ワーク差込み用溝、１３……ワー
ク、Ｆ……循環方向。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上端に水平面を形成して循環する昇降自在の
   搬送ベルトを設け、上記ベルト外周面に全周にわ
   たり循環方向と直角かつ水平方向のワーク差込み
   用溝を多数条設け、上記溝のピツチ毎にベルトを
   循環、停止する駆動機構を設け、上記水平面の循
   環方向側端部近傍に上記溝方向にワークを送り出
   す送出し装置を配置し、送出し装置に送り爪を有
   する環状のチエンと、送り爪により搬送ベルトか
   ら離された板状ワークを両側から案内する１対の
   帯板状ガイドと、ガイドに続いて板状ワークを両
   側から挾持するクランプベルトと、クランプベル
   トの下方の処理槽を設け、ガイドの下側において
   上記搬送ベルトの支持フレームと共に上下するレ
   ールを設けて搬送ベルトとレールとを昇降自在と
   して、板状ワークのクランプベルトからの下方突
   出量を調整できるよう構成したことを特徴とする
   板状ワーク供給装置。