JPH0468988B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の目的 ［産業上の利用分野］ 金属板への印刷に利用される。

［従来の技術］ 近年、表面に印刷を施した金属製品が用いられ
ている。

これらのうち平面印刷によるものでは、未裁断
のシート状の金属板に印刷を施した後、必要な形
状のブランクにカツトし、このブランクを加工し
て罐等のそれぞれの製品を製造する。

この印刷は、仕上げ工程を含み、この仕上げ工
程には、印刷面をそのまま乾燥乃至硬化させるド
ライコーテイングと、印刷面の上に塗装液をコー
テイング後乾燥乃至硬化させるウエツトコーテイ
ングとがある。いずれも乾燥乃至硬化させるため
にオーブンによるドライ工程を経る。

第３図に、印刷機においてこのウエツトコーテ
イング工程を行うコーター１０１とその前後の部
分が示されている。

即ち、図柄等が印刷されたシート状金属板２
は、水平な搬送路３上を水平方向４に搬送されて
コーターインフイード５からコーター１０１に供
給され、コーター１０１により塗装工程を施され
た後、オーブンインフイード６に排出され、オー
ブン（図示せず）に供給されて、オーブンで前記
ウエツト・ドライの別により異なる乾燥硬化作用
を受けてオーブンを通過し、印刷工程が完了する
ものである。

ここでは従来のコーター１０１は塗装液７の供
給源であるフオンテンローラ１０８と、フオンテ
ンローラ１０８からの塗装液７を均等に分布させ
るためのデイストリビユータローラ１０９と、デ
イストリビユータローラ１０９からの塗装液７を
コーテイングすべき金属板２に塗布するためのコ
ンポジシヨンローラ１０が互いに連接した状態で
位置し、但しコンポジシヨンローラ１０は金属板
２の搬送路３に上方から接するように位置する。

一方、コンポジシヨンローラ１０との間に金属
板２を挾んだ状態で方向１２に回転し、金属板２
に塗装液７を塗布しつつ方向４に搬送するスクレ
ツパーローラ１１１が、搬送路３の下側から搬送
路３に接しており、スクレツパーローラ１１１の
搬送方向４前方に隣接してドライブギア１１４が
位置し、ドライブギア１１４はスクレツパーロー
ラ１１１から回転力を得て方向１２と逆の方向１
３に回転する。ドライブギア１１４の搬送方向４
前方に隣接してマグネツトローラ１１５が位置
し、マグネツトローラ１１５は金属板２に対する
吸着力を有し金属板２を下方に脱落させることな
くオーブンインフイード６へ案内する。またスク
レツパーローラ１１１にはスクレツパーローラ１
１１に付着した塗装液７をかき落すためのスクレ
ツパーブレード１６が接当し、スクレツパーロー
ラ１１１の下側には、かき落されてスクレツパー
ローラ１１１の下部に伝わる塗装液７を受けてそ
の下方に配置された皿１７に滴下させるためのモ
イスニングローラ１１８が相接している。フオン
テンローラ１０８とデイストリビユータローラ１
０９の下方に塗装液７を供給し余分を受ける皿２
１が配置されている。

［発明が解決しようとする問題点］ このように構成された従来の印刷機のコーター
１０１においては、ウエツトコーテイングの通常
運転時には何等問題がないが、ドライコーテイン
グの通常運転の場合と、通常運転に先立つて台替
えや見当合わせの度に行われるヤレ板を用いての
試し刷りの場合とに、次のような問題がある。

即ち、ドライコーテイングの場合はフオンテン
ローラからの塗装液の供給を行わずにコーターを
通過させるのであるが、スクレツパーローラ１１
１は金属板２の送りの必要から運転せねばなら
ず、余分のコーター動力を費すという問題があ
る。

また、通常運転に先立つて台替えや見当合わせ
の度に行われる試し刷りに用いた金属板は、高価
であるから繰返し使用される。この所謂、ヤレ板
を用いて試し刷りの場合、コンポジシヨンローラ
１０には塗装液７の塗膜があるから、図柄等を試
し刷り後のヤレ板を通常運転のライン通りコータ
ー１０１を通過させると、ヤレ板に塗装液が付着
する。台替えや見当合わせの試し刷りは、印刷の
色や位置の調整のために行うものであるから、こ
のヤレ板にはそのすべてにコーテイングを行う必
要はないにも拘らず、塗装液が付着してしまえ
ば、これを乾燥乃至固化しなれば、次回に使用す
ることができないから、乾燥乃至固化を行う。こ
れを数回繰返すと固化した塗装被膜の厚みで試し
刷りに使用不能となるため、ヤレ板を溶剤等で洗
浄し、オーブンで乾燥する作業が必要になる。ヤ
レ板は、例えば１Kg／１枚の如く重く大きなもの
であるから、この作業に伴うヤレ板の運搬作業、
ヤレ板のオーブンへの挿入作業は、省人・省力の
要請上、大きな問題である。

更に、不要時に、コーター１０１を運転するこ
とにより、コーターの洗浄作業を余分に頻繁に行
わなければならないという問題、及びコーター１
０１の構成上不要時に運転した際不要な部分にま
で塗装液が付着することになる結果、洗浄を要す
る部品の範囲が不要に広くなつており、余分の洗
浄作業を要する、という問題がある。

この発明は、塗装液の塗装が不要な場合に塗装
液を塗布せずに通過させることが可能で、余分の
ヤレ板の運搬・挿入作業やコーター部品の洗浄作
業を省き、かつ、上記余分のコーター動力を節減
することができ、省人・省力に資することが可能
な印刷機の塗装装置を提供することを目的として
いる。

(ロ) 発明の構成 ［問題を解決するための手段］ この目的に対応して、この発明の印刷機の塗装
装置は、金属板の通路の上側の定位置にあつて被
塗装物たる金属板に直接に接触して塗装板を塗布
する塗布ローラと、塗布ローラと着脱可能である
塗装液供給ローラと、金属板の通路の下側にあつ
て塗布ローラと着脱可能であり着の状態では塗布
ローラとの間に金属板を挾圧しつつ回転する挾圧
ローラと、金属板が挾圧される位置に隣接する出
口側位置にあつて塗装済みの金属板を磁力によつ
て吸着しつつ出口に案内すべく回転するマグネツ
トローラと、金属板の通路に沿つた位置に着脱可
能に配設されて入口とマグネツトローラとの間で
通路を通る金属板を通して脱の状態の挾圧ローラ
と塗布ローラとの間を案内するガイド板と、を備
えることを特徴としている。

以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面に
ついて説明する。

第１図においては１はコーターである。ウエツ
トコーテイングの場合は図柄等が印刷された金属
板２は水平な搬送路３上を方向４に搬送されコー
ターインフイード５からコーター１に供給され、
コーター１により塗装工程を施された後、オーブ
ンインフイード６に排出され、オーブン（図示せ
ず）に供給されて、乾燥・硬化される。

コーター１は、金属板２に直接に接触して塗装
液７を塗布する塗布ローラであるコンポジシヨン
ローラ１０と、コンポジシヨンローラ１０と着脱
可能であり、着の状態では前記コンポジシヨンロ
ーラ１０に塗装液７を均一に分布させるべく前記
塗布ローラに相接して回転する塗装液供給ローラ
であるデイストリビユータローラ９と、デイスト
リビユータローラ９に相接して回転しこれに塗装
液を供給するフオンテンローラ８とを備える。コ
ンポジシヨンローラ１０は金属板２の搬送路３に
上から接するように定位置に位置するがデイスト
リビユータローラ９とフオンテンローラ８とはセ
ツトとしてコンポジシヨンローラ１０と自動的に
着脱可能に構成され、脱の状態ではコンポジシヨ
ンローラ１０から離れて位置し、塗装液の供給は
ストツプする。

デイストリビユータローラ９とフオンテンロー
ラ８との下には塗装液を供給しかつ余分の塗装液
を受ける皿２１が配置されている。

一方、コンポジシヨンローラ１０との間に金属
板２を挾んだ状態で方向１２に回転し、金属板２
に塗装液７を塗布しつつ方向４に搬送する挾圧ロ
ーラであるスクレツパーローラ１１が、搬送路３
の下側から搬送路３に接している。スクレツパー
ローラ１１にはスクレツパーローラ１１に付着し
た塗装液７をかき落すためのスクレツパーブレー
ド１６が当接し、スクレツパーローラ１１の下側
には、かき落されてスクレツパーローラ１１の下
部に伝わる塗装液７を受けてその下方に配置され
た皿１７に滴下させるためのモイスニングローラ
１８が相接している。

スクレツパーローラ１１とモイスニングローラ
１８とはセツトとしてコンポジシヨンローラ１０
と着脱可能である。即ち、スクレツパーローラ１
１とモイスニングローラ１８とはトリツプシヤフ
ト２２の一端側に連接して取付けられ、トリツプ
シヤフト２２の他端はエアシリンダ２３のピスト
ンロツドに取付けられており、自動的にエアシリ
ンダ２３を操作して両ローラ１１，１８を上下さ
せ、コンポジシヨンローラ１０に着脱可能に構成
されている。

金属板２がコンポジシヨンローラ１０とスクレ
ツパーローラ１１とで挾圧される位置２４に隣接
した出口側位置に、マグネツトローラ１５が、搬
送路３に下側から接するように配設されている。
マグネツトローラ１５は、方向１２に回転し、塗
装済みの金属板２を磁力によつて吸着しつつ出口
であるオーブンインフイード６に案内するもので
あつて、従来と異なる点は、その回転力をスクレ
ツパーローラ１１からではなく、オーブンインフ
イード６側から得ている点である。即ち、マグネ
ツトローラ１５を駆動するドライブギア１４はオ
ーブンインフイード６を構成するコンベア装置の
コンベアベルトを方向４に駆動すべく方向１２に
回転するギア２５から方向１３への回転力を得、
これによりマグネツトローラ１５を方向１２へ回
転させている。これにより、スクレツパーローラ
１１を回転させることなしにマグネツトローラ１
５を回転させて金属板２を案内させることができ
る。

一方、コーターインフイード５にはガイド板２
６が取付けられている。ガイド板２６は通常運転
時には、コーターインフイード５の上方に退去し
て、搬送される金属板２とは接触しないが、前記
スクレツパーローラ１１がコンポジシヨンローラ
１０から離れた状態のときには、コーターインフ
イード５とマグネツトローラ１５の間に差し渡さ
れる位置へ移動し、コーターインフイード５から
供給された金属板２がコンポジシヨンローラ１０
に接触することなくコンポジシヨンローラ１０と
スクレツパーローラ１１の間を通過してマグネツ
トローラ１５に到達可能とするように構成されて
いる。

フオンテンローラ８、デイストリビータローラ
９；スクレツパーローラ１１、モイスニングロー
ラ１８；ガイド板２６は相互にタイミングを合せ
て着脱するように制御装置（図示せず）によつて
制御され、見当合わせ等のため塗装液塗布を要さ
ないヤレ板を印刷機に供給するサクシヨンフイー
ダー（図示せず）が作動開始すると、先頭のヤレ
板が印刷された後コーター１に到達する間にフオ
ンテンローラ８とデイストリビータローラ９がコ
ンポジシヨンローラ１０から離れ、スクレツパー
ローラ１１とモイスニングローラ１８もコンポジ
シヨンローラ１０から離れ、ガイド板２６がコー
ターインフイード５からマグネツトローラ１５に
差し渡され、印刷済みのヤレ板がコーターインフ
イード５に達すると、ヤレ板は塗装液を塗布され
ずにコーター１を通過するように、また、数枚の
ヤレ板通過後、見当合わせ等が終了したときは、
良品判定ボタン（図示せず）を押すと、サクシヨ
ンフイーダーが作動停止し、印刷済のヤレ板が自
動的にはね上げられ、ガイド板２６が退去しかつ
離れていたローラ１１，１８，９，１０が着の状
態に戻り、通常運転の準備が完了するように構成
される。

［作用・効果］ このように構成された印刷機の塗装装置におい
ては、塗装液の塗装が不要な、ドライコーテイン
グの通常運転及び見当合わせ等のヤレ板への印刷
の運転時には、ローラ８，９，１１，１８をロー
ラ１０から離しておくことによりローラ８，９；
１０，１１，１８は回転させず、金属板２には塗
装液を塗布しないでコーター１を通過させること
ができから、余分の動力を節減し、かつコーター
部品の余分の洗浄作業やヤレ板の余分の運搬・挿
入作業を省くことができ、省人・省力に資するこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の印刷機の塗装装置の通常運
転時を示す正面説明図、第２図は第１図に示す印
刷機の塗装装置において、金属板に塗装液を塗布
せずに通過させる状態を示す正面説明図、及び第
３図は従来の印刷機の塗装装置を示す正面説明図
である。 １…コーター、２…金属板、３…搬送路、４…
方向、５…コーターインフイード、６…オーブン
インフイード、７…塗装液、８…フオンテンロー
ラ、９…デイストリビユータローラ、１０…コン
ポジシヨンローラ、１１…スクレツパーローラ、
１２…方向、１３…方向、１４…ドライブギア、
１５…マグネツトローラ、１６…スクレツパーブ
レード、１７…受け皿、１８…モイスニングロー
ラ、２１…受け皿、２２…トリツプシヤフト、２
３…エアシリンダ、２４…位置、２５…ギア、２
６…ガイド板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金属板の通路の上側の定位置にあつて被塗装
   物たる金属板に直接に接触して塗装板を塗布する
   塗布ローラと、前記塗布ローラと着脱可能である
   塗装液供給ローラと、前記金属板の通路の下側に
   あつて前記塗布ローラと着脱可能であり着の状態
   では前記塗布ローラとの間に前記金属板を挾圧し
   つつ回転する挾圧ローラと、前記金属板が前記挾
   圧される位置に隣接する出口側位置にあつて塗装
   済みの前記金属板を磁力によつて吸着しつつ出口
   に案内すべく回転するマグネツトローラと、前記
   金属板の通路に沿つた位置に着脱可能に配設され
   て入口と前記マグネツトローラとの間で前記通路
   を通る金属板を通して前記脱の状態の挾圧ローラ
   と前記塗布ローラとの間を案内するガイド板と、
   を備えることを特徴とする印刷機の塗装装置。