JPH0467868B2 - - Google Patents

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JPH0467868B2
JPH0467868B2 JP62221039A JP22103987A JPH0467868B2 JP H0467868 B2 JPH0467868 B2 JP H0467868B2 JP 62221039 A JP62221039 A JP 62221039A JP 22103987 A JP22103987 A JP 22103987A JP H0467868 B2 JPH0467868 B2 JP H0467868B2
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JP
Japan
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liquid
temperature
artificial organ
sterilization
artificial
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JP62221039A
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Kazuo Kuki
Noboru Nakamichi
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は人工臓器の液循環滅菌方法およびそれ
に用いる装置に関する。
〔従来の技術〕
人工腎臓に代表される人工臓器は、近年急激な
発展を遂げ、人工肺、活性炭吸着剤を用いる人工
肝臓、腹水処理装置、血漿分離装置などが実用化
されている。さらに、吸着体(吸着材、吸着剤を
含む、以下同様)を用いる各種治療装置が開発さ
れている(特開昭57−75141号、同58−27559号、
同58−10055号、同58−12656号各公報および特願
昭58−71913号明細書参照。) 通常、それらの人工臓器および治療装置は製造
段階での汚染に備え、製造の最終工程で滅菌され
たのち無菌状態で封印され、使用者に提供される
ものである。
近年、用いられる滅菌方法としては、オートク
レーブによる高圧蒸気滅菌方法が一般的である。
その他の方法としては、ホルムアルデヒド水溶
液やエチレンオキサイドガスを充填する方法およ
びγ線を照射する方法があげられるが、それらの
方法は滅菌剤が使用時にも容器内に残留する危惧
や、γ線照射により内容物や容器が変質して有害
物を内部で発生する危惧など、安全面での問題を
有しており、実用上採用をはばかられるばあいが
多い。
しかし前記オートクレーブによる高圧蒸気滅菌
方法を採用するにあたり、人工臓器の内部に熱容
量の大きい水、生理食塩水または若干の安定剤な
どを含有する水溶液や熱伝導性の小さい固形充填
物が内部充填物(充填材、充填剤を含む、以下同
様)として保有されているばあいには、人工臓器
の外部から高圧蒸気や高温水を加えて加熱滅菌す
るという従来の方法のみを採用すると、人工臓器
内の中心に近い部分の内部充填物の温度を滅菌に
必要な所定温度まで上昇せしめる際、また滅菌し
たのち、外部から冷却して内容物が長時間保持さ
れても変質しにくい温度以下、より好ましくは内
容物をオートクレーブより取り出すとき作業者が
熱いと思うことなく、確実に素手で取り扱うこと
のできる温度にまで下降せしめるのに長時間を要
する。すなわち人工臓器の加温時に、人工臓器の
外壁に近い部分では人工臓器内の中心にある充填
物の温度を滅菌に必要な温度にまで上昇せしめる
ため、滅菌温度以上の高い温度にまで加熱された
り、滅菌に必要な高い温度に長時間さらされるた
め、人工臓器に使用されている容器や内部充填物
の品質の劣化、たとえば吸着体に付加されている
有効成分が除去されるなど致命的欠陥が生ずる。
そこで、オートクレーブ中で高圧蒸気を用いて
人工臓器を滅菌するにあたり、人工臓器を滅菌す
るのに充分な高い温度にまであらかじめ滅菌され
たのち高温に保持された液(通常、水、生理食塩
水または若干の安定剤などを含む水溶液)を人工
臓器内に通液し、その内部温度をほぼ滅菌温度に
到達せしめたのち、高圧蒸気による外部加熱によ
り、滅菌に必要な温度で所定時間、すなわち必要
なグレードの滅菌が可能な時間(たとえば10-8
グレートの滅菌を121℃の高圧蒸気滅菌で行なう
ばあいは20分間)維持して該人工臓器を滅菌し、
ついで該人工臓器に未だ通液していない滅菌され
た高温の液を冷却装置によつて冷却した液を該人
工臓器内に通液し、その内部を冷却せしめること
により、一連の滅菌操作を終了することを特徴と
する急速昇温急速冷却による人工臓器の滅菌方法
が報告されている(特願昭58−245761号および同
59−12462号各明細書参照)。すなわちこの方法は
急速昇温急速冷却することによつて、有効成分の
不必要に多量な脱離や製品の薬効の低下を防止す
ることができる方法である。しかしながら、この
ままの方法では人工臓器内に滅菌された高温の液
を通液する際に、滅菌された高温の液が、該液を
人工臓器内に通液せしめる装置内を通過する間に
該装置に熱を奪われるため、人工臓器直前の該液
の温度を短時間で滅菌に必要な温度に維持するの
はむずかしい。したがつて、人工臓器内の温度を
ほぼ滅菌温度に到達させるには長時間を要すると
いう問題がある。
また冷却する際、人工臓器内に通液する液の温
度が充分に冷却されていないと人工臓器が内部か
ら冷え始めるのに若干の時間の遅れが生じ、設定
温度に下げるのにも長時間を要することになる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、かかる実情に鑑み、鋭意研究を
重ねた結果、人工臓器の滅菌にあたり人工臓器を
長時間高温にさらすことがなく、人工臓器の内部
充填物などの品質劣化、性能劣化をおよぼさない
人工臓器の滅菌方法およびそれに用いる装置を見
出した。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、オートクレーブ中で高圧蒸
気を用いて人工臓器を滅菌するにあたり、加熱装
置が装着されてなる滅菌液貯槽で、人工臓器の蒸
気滅菌温度に近いあらかじめ滅菌されたのち高温
に保持された液(以下、滅菌済所定温度液用高温
液という)を、人工臓器内へ通液装置を用いて通
液する際に、該装置内で熱を奪われ所定温度より
低い温度に下がつた該液を、人工臓器直前から該
加熱装置が装置されてなる滅菌液貯槽へ戻し、所
定温度に達している該液(以下、滅菌済所定温度
液という)のみを、人工臓器内に通液しその内部
温度をほぼ蒸気滅菌温度に到達せしめたのち、該
液の充填下で高圧蒸気による外部加熱により所定
時間滅菌温度に維持して滅菌し、さらにそのの
ち、あらかじめ滅菌されたのち高温に保持された
液(以下、滅菌済高温液という)を人工臓器に通
液する途中で、冷却装置により冷却した滅菌され
た低温の液(以下、滅菌済低温液という)を、人
工臓器内に通液装置を用いて通液し、その内部を
冷却せしめることを特徴とする人工臓器の液循環
滅菌方法およびオートクレーブ中で高圧蒸気を用
いて人工臓器を滅菌する装置であつて、(1)オート
クレーブ中に設置されている人工臓器と、該人工
臓器内部を加熱するために人工臓器の蒸気滅菌温
度に近いあらかじめ滅菌されたのち高温に保持さ
れた液を貯える滅菌液貯槽とを連結する連結管路
に、人工臓器の直前から滅菌液貯槽へ液を戻す循
環管路が接続されており、 前記循環管路中には送液装置が配設されており、
かつ 前記連結管路に循環管路が接続された部分には三
方弁が設けられており、前記滅菌液が所定の温度
になるまでは前記循環管路内へ液を導き、所定の
温度になつたのちは人工臓器へ液を導くよう構成
されてなること、または (2)オートクレーブ中に設置されている人工臓器
と、該人工臓器内部を加熱するために人工臓器の
蒸気滅菌温度に近いあらかじめ滅菌されたのち高
温に保持された液を貯える滅菌液貯槽とを連結す
る連結管路に、人工臓器の直前から滅菌液貯槽へ
液を戻す循環管路が接続されており、 前記循環管路中には送液装置が配設されており、
かつ 前記連結管路に循環管路が接続された部分と、人
工臓器および送液装置とのあいだには、それぞれ
バルブが設けられており、前記滅菌液が所定の温
度になるまでは前記循環管路内へ液を導き、所定
の温度になつたのちは人工臓器へ液を導くよう構
成されてなることを特徴とする人工臓器の液循環
滅菌装置に関する。
〔実施例〕
本発明は、加熱装置を装着されてなる滅菌液貯
槽から人工臓器の蒸気滅菌温度に近い滅菌済所定
温度液用高温液を人工臓器に通液装置を用いて通
液する際に、該装置内で熱を奪われた所定温度よ
り低い温度の液は人工臓器直前で加熱装置が装着
されてなる滅菌液貯槽へ戻し、再度この貯槽で加
熱して滅菌済所定温度液用高温液とし、所定温度
の液のみを人工臓器内に通液して短時間でその内
部温度をほぼ蒸気滅菌温度に到達せしめ、該液の
充填下、高圧蒸気による外部加熱により所定時間
蒸気滅菌温度に維持して滅菌する。
本発明に用いる人工臓器およびその充填物の種
類は、いずれもとくに限定されるものではない。
本発明において、人工臓器の蒸気滅菌温度に近
い滅菌済所定温度液とは、あらかじめ蒸気滅菌な
どの方法で滅菌されたのち冷却装置としての機能
を発揮しえない状態、たとえば冷媒を通液してい
ない状態の冷却装置を通じて人工臓器に通液され
る通常、水、生理食塩水または若干の安定剤など
を含有するそれらの水溶液である。
該所定温度は、人工臓器の外部からの蒸気滅菌
の際の滅菌条件として採用される温度よりも0〜
3℃高い温度である。たとえば多くのばあい、蒸
気滅菌温度は115〜134℃の範囲であるので、該所
定温度は115〜137℃となる。
本発明における人工臓器の滅菌に用いる液を人
工臓器に通液する装置は、前記滅菌済所定温度液
用高温液を加熱し貯えておく滅菌液貯槽、および
該貯槽と人工臓器とを連結する管路からなり、さ
らに該管路には冷却装置が設けられ、また所定温
度より低い温度に下がつた該液を人工臓器直前か
ら該貯槽に戻す管路が分岐して設けられている。
前述のように人工臓器に通液する装置内で熱を奪
われた所定温度より低い温度の液を滅菌液貯槽内
に戻す管路中には、通常用いられているポンプな
どの大量送液装置が設けられるのが好ましい。ま
た、管路が分岐する直前に温度が所定温度よりも
低いかどうかを確認するための温度計が設けられ
ていてもよい。また、熱を奪われた所定温度より
低い温度の液を加熱するために滅菌液貯槽は加熱
装置を装着されているものが好ましい。また、熱
を奪われた所定温度より低い温度の液を加熱する
ために、滅菌液貯槽に該液を戻すための管路の途
中に加熱装置が設けられていてもよい。該加熱装
置により、滅菌液貯槽で、該液を加熱する。
人工臓器が長時間高温にさらされるばあい、内
部充填物などの品質劣化や性能劣化が生ずるの
で、本発明の方法では人工臓器の蒸気滅菌温度に
近い滅菌済所定温度液をうち該装置内で熱を奪わ
れた所定温度より低い温度の液を、人工臓器に通
液する装置に設けられた人工臓器との接続部直前
の分岐した管路から前記滅菌液貯槽内に戻して再
加熱すると同時に再度滅菌済所定温度液用高温液
として貯槽に溜め、所定温度の液のみを人工臓器
に通液し、内部充填液を置換することによつて短
時間で人工臓器の内部温度をほぼ蒸気滅菌温度に
到達させる。内部充填液の置換回数は1回以上、
好ましくは2〜5回である。
人工臓器の蒸気滅菌温度は、人工臓器に用いら
れている容器や内部充填物の品質を劣化させずに
滅菌することができればとくに限定されないが、
通常は日本薬局方に記載された条件、たとえば
105℃以上、多くのばあい115〜134℃を用いる。
その所定時間は、通常115℃のばあい30分、121℃
のばあい20分、126℃のばあい15分、134℃のばあ
い3分などの条件が採用される。
高圧蒸気による外部加熱により所定時間蒸気滅
菌温度に維持して滅菌する方法はオートクレーブ
を用いて通常の高圧蒸気滅菌方法と同様に実施さ
れる。
ついで、本発明は滅菌済高温液を人工臓器に通
液する途中で冷却装置により冷却した滅菌済低温
液を人工臓器内に通液し、内部充填液を置換する
ことによつてその内部を冷却せしめる。内部充填
液の置換回数は1回以上、好ましくは2〜5回で
ある。また、人工臓器を冷却するにあたり、滅菌
済高温液、ばあいによつては滅菌済所定温度液用
高温液を冷却装置に通して冷却し、人工臓器の直
前で人工臓器に通液する装置に設けられた人工臓
器との接続部直前の分岐した管路から前記滅菌液
貯槽内に戻すことにより、該液の温度が冷却装置
により低下するとともにその温度の低下した液
で、人工臓器直前に至る高温の管路の温度を冷却
して低温化させてもよい。この際、通液装置内、
すなわち人工臓器直前に至る管路の冷却が充分で
なく依然として高い温度のままの該液を人工臓器
の直前で滅菌液貯槽へ戻し、設定温度にまで下が
つた該液のみを人工臓器に通液するので、その内
部を短時間で冷却せしめることができる。
つまり人工臓器の直前に設けられた温度計によ
り、充分に設定温度(たとえば60℃未満、好まし
くは20〜40℃)まで温度が下がつていることを確
認したのち、前記の滅菌に必要な所定時間(たと
えば20分間)の経過を待つて、人工臓器直前で該
液の流れを前記滅菌液貯槽に戻す側から人工臓器
への通液側に切り換えることにより、一気に低温
の滅菌済低温液を人工臓器内に通液する。
ここで、滅菌済高温液とは、一旦高温状態で滅
菌されたのち冷却されて滅菌済低温液に転換され
る目的で使われる液のことで、人工臓器の内部温
度昇温用の滅菌済所定温度用高温液であつてもよ
いが、必ずしもこれと同じ高温である必要はな
く、滅菌済所定温度液用高温液の槽、すなわち滅
菌液貯槽の温度を下げることなどによつてつくら
れた70〜95℃の常圧高温水、生理食塩水または若
干の安定剤を含有するそれらの水溶液であつても
よい。
滅菌済低温液とは、前記滅菌済高温液を冷却装
置としての機能を発揮しうる状態、たとえば冷媒
を通液している状態に変換された前記冷却装置を
通して60℃未満好ましくは20〜40℃に冷却されて
いるものをいう。
冷却装置としては、蛇管式、2重管式、プレー
ト式などの公知の液−液または気−液熱交換器な
どがあげられる。
また、冷却装置に用いられる冷媒としては、低
温の水道水、工業用水またはその他の冷却水など
の液体の冷媒、または低温の空気またはその他の
気体を用いてもよい。
人工臓器の蒸気滅菌温度に近い、滅菌済所定温
度液用高温液および滅菌済低温液調整用の滅菌済
高温液は、滅菌された直後のものでもよいし、ま
た一旦滅菌されたのち、菌の繁殖を許さない適正
な温度(たとえば70℃以上、好ましくは80℃以
上)で比較的短時間(たとえば24時間以内)、適
正な容器に保持されたものでもよい。またそれら
は、同一の貯槽から供給されるものでもよいし、
前記滅菌条件を満たす範囲内で別途異なる条件ま
たは装置内で供給されるものでもよい。
なお、前記滅菌済所定温度液用高温液および滅
菌済低温液調整用の滅菌済高温液は、第1図およ
び第2図に示す実施例のばあいにはそれぞれ冷却
装置を通じて人工臓器内に通液される。したがつ
て、滅菌済所定温度液用高温液を通過させると、
それによつて冷却装置をも滅菌しうる。一方、冷
却装置内を滅菌済所定温度液用高温液、ついで冷
却されるべき滅菌済高温液が通過して人工臓器内
に至るのみでなく、たとえば冷媒管路が滅菌済所
定温度液用高温液の槽、すなわち滅菌液貯槽の中
を通過するなど、冷却装置が高温液槽中に存在す
るようにし、冷却装置が滅菌済所定温度液や滅菌
済低温液調整用の滅菌済高温液中に存在するもの
であつてもよい。
また、滅菌済所定温度用高温液を冷却装置を通
過させずに直接人工臓器内に至らしめ、人工臓器
を滅菌したのち、今度は滅菌済高温液が、たとえ
ば冷却装置を経由して人工臓器に至るように別途
設けられた管路を通過して冷却されたのち、人工
臓器内に流入するようにしてもよい。
以下に、本発明を121℃、20分間の高圧蒸気滅
菌を行つたばあいの実施例を用い、第1図および
第2図に基づいて説明する。本発明はかかる実施
例のみに限定されるものではない。すなわち本明
細書中でいう高圧蒸気滅菌の滅菌条件は121℃で
20分間に限定させるものではなく、人工臓器の容
器や吸着剤の特性に合わせて選定することができ
る。すなわち、その条件を日本薬局方に準じて
115℃で30分間、126℃で15分間などに選ぶことが
できるが、これらのばあいは以下の説明に準じて
適宜温度設定値や時間を平行移動的に変更するこ
とが望ましい。
また本実施例では生理食塩水を滅菌済所定温度
用高温液、滅菌済高温液および滅菌済低温液とし
て用いてるが、水または他の安定剤の水溶液を用
いることも可能であることは勿論である。
第1図に示す概略系統図に基づいて、本発明の
滅菌方法の一実施例を121℃、20分間の高圧蒸気
滅菌方法により実施するための装置を用いて説明
する。
オートクレーブ1の中に人工臓器2を設置す
る。前記オートクレーブ1には、加熱器3、高温
溜液4、排出バルブ5が設けられている。前記オ
ートクレーブ1の外部には滅菌液貯槽6および冷
却装置7が設置されている。滅菌液貯槽6にはジ
ヤケツト(加熱装置)8が設置され該槽6を加熱
しうるようになつており、該槽6の上部には呼吸
用フイルター9が設けられている。滅菌液貯槽6
と冷却装置7とは耐圧ステンレス配管で連結され
ている。冷却装置7と人工臓器回路入口11とは
連結管路である耐圧ステンレス配管で連結されて
おり、また人工臓器回路出口19とバルブ14は
耐圧ステンレス配管で連結されている。また、冷
却装置7とバルブ13との間の耐圧ステンレス配
管と滅菌液貯槽6とがバルブ12とポンプ15を
介して人工臓器と滅菌液貯槽とを連結する管路か
ら分岐した、循環管路である耐圧ステンレス配管
で連結されている。また、温度計16がオートク
レーブ1外、冷却装置7の下流側で配管が分岐す
る前に設けられている。
まず、滅菌液貯槽6に人工臓器2の充填液と同
じ水、生理食塩水または若干の安定剤を含有する
それらの水溶液を入れ、ジヤケツト8を用いて
127℃の高温に加熱し、30分間以上保持すること
により液を、滅菌し、滅菌済所定温度液用高温液
および滅菌済高温液となる滅菌された高温の液と
した。
えられた滅菌された127℃の高温の液を人工臓
器の蒸気滅菌温度に近い121〜123℃で滅菌液貯槽
6内に保持した。このとき滅菌液貯槽6内の気相
部は加圧ぎみになり、その圧力は約2.3atmとな
つた。
つぎに、バルブ13を閉じバルブ12を開き、
滅菌液貯槽6内の人工臓器の蒸気滅菌温度に近い
滅菌された高温の液を滅菌済所定温度液用高温液
として通液し、バルブ13の直前で分岐した耐圧
ステンレス配管を通じてポンプ15により滅菌液
貯槽6に液を戻して通液装置内を循環させた。
装置が121℃以上に加温され、該液の熱を奪う
ことが少なくなり、かつその量がほぼ一定とな
り、ポンプ15を通じて戻された該液の温度が人
工臓器の蒸気滅菌温度に近い所定温度、つまり
121℃以上(121〜123℃)とほぼ一定しているこ
とが温度計16で確認されたとき、ポンプ15の
作動を止めてバルブ12を閉じ、バルブ13およ
び14を開き所定温度の該液を人工臓器2の内部
に該回路入口11を通して供給した。このとき、
冷却装置7には冷媒を流さなかつた。すなわち熱
交換することなく、滅菌液貯槽6内の前記滅菌さ
れた所定温度である121〜123℃の液を人工臓器2
に供給し、該人工臓器2内部を通過させ、内部充
填液を置換することによつて人工臓器2の内部温
度をほぼ熱滅菌温度まで上昇せしめたのちバルブ
14を閉じた。
なお、オートクレーブ1の昇温に要する時間を
あらかじめ測定しておき、人工臓器2内部の温度
が121℃に達するときと前記オートクレーブ1の
昇温が終了し、121℃に達するときとを一致させ
るのが好ましい。
前記置換および前記オートクレーブ1の昇温に
よりオートクレーブ1および人工臓器2がともに
121℃以上に達したら、121℃の高圧蒸気滅菌の条
件として設定した所定時間である20分間、人工臓
器2の滅菌を行なつた。滅菌が終了するまでに冷
却装置7に冷媒を流し、冷却装置として機能しう
る状態にしておき、さらにバルブ12を開き、ポ
ンプ15を作動させて冷却装置7を通過すること
により温度の下がつた貯槽6からの流出液を滅菌
液貯槽6に戻し、冷却装置7から人工臓器回路入
口11に至る間の管路もこの液で冷却した。管路
内の温度が60℃未満になるまで下がつたことを温
度計16で確認してポンプ15の作動を止め、バ
ルブ12を閉じた。そののち、所定時間である20
分間の滅菌が終了したとき、冷却装置7を働かせ
たまま滅菌液貯槽6内の安定剤液としての生理食
塩水を滅菌済低温液として人工臓器2内に通液し
て前記方法と同様に置換することにより、人工臓
器2の内部を急速に80℃以下に下げ、約2分後に
は40℃に下げた。
第2図は、本発明の滅菌方法を実施するための
別の実施例を示す概略系統図であり、該装置はバ
ルブ12および13のかわりに冷却装置7と人工
臓器回路入口11とを連結する耐圧ステンレス配
管と、ポンプ15が設けられている耐圧ステンレ
ス配管との分岐点に管路切り換えバルブとして三
方弁18を有し、ポンプ15が設けられている分
岐された耐圧ステンレス配管に加熱装置17を有
するものであるほかは第1図に示す装置と同じ構
成になつている。三方弁18を用いると、ポンプ
15側または人工臓器回路入口11側への開閉を
同時に連動して行なうことができる。また、該加
熱装置17は所定温度より低い温度に下がつた滅
菌済所定温度用高温液を再加熱するためにジヤケ
ツト(加熱装置)8と併用してもよく、また該加
熱装置のみ用いてもよい。ジヤケツト(加熱装
置)8と該加熱装置17を併用したばあい、滅菌
済所定温度液用高温液の加熱がより短時間で行な
えるという利点がある。
これらの操作を行なうことにより、人工臓器内
部の昇温に要する時間が短かくなる。従来の外部
からだけ加熱する方法のばあい、オートクレーブ
内が所定の温度に達してから人工臓器の中心部が
所定の温度に達するまでにかなりの時間がかか
る。たとえば、内径65mmで吸着剤および充填液が
充填された人工臓器のばあい、その時間は120分
にもなる。また、該装置内を通り人工臓器直前に
まで到達する間に熱を奪われ所定温度より低い温
度となつた溶液を滅菌液貯槽内に戻さなければ、
高価な滅菌済の高温液をむざむざ系外にすてるこ
ととなり、さらに、貯槽の容量は排出される液量
をも含まねばならず装備が大きなものともなりそ
の損失は大きい。
〔発明の効果〕
従来の方法では人工臓器の中心部まで熱滅菌す
るばあい、人工臓器を高温に長時間さらすことに
なり材質の劣化が問題になるが、本発明は人工臓
器が高温にさらされる時間が短かいので、かかる
問題はいちじるしく軽減される。さらに前記した
ように通液装置内で熱を奪われ、所定温度より低
い温度に下がつた滅菌液を滅菌液貯槽に戻すこと
によつて、該液を消費することなく該装置を所定
温度にすることができるので、その製造に高いコ
ストのかかつている該液の消費量を節約すること
ができる。また、滅菌後に洗浄および冷却のため
の置換を行なうばあい、一般的には無菌性の確保
が問題になるが、本発明の方法およびそれに用い
る装置では滅菌条件に保持された滅菌液が密封回
路内で冷却されて供給されるので無菌性が完全に
確保される。
さらに、一般的には内部に充填液が充填された
人工臓器を熱滅菌するばあい、充填液の熱膨張に
よる人工臓器の損傷が問題になるが、本発明によ
る方法では熱膨張は人工臓器外に吸収されるので
問題にならない。
本発明の方法およびそれに用いる装置は人工臓
器全般に応用することができ、しかも製造工程の
最終段階における滅菌のみならず、使用中の人工
臓器の滅菌にも適用しうることはいうまでもな
く、滅菌操作を簡略化する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の液循環滅菌方法
を実施するための装置を用いた実施例を説明する
概略系統図である。 (図面の主要符号)、1:オートクレーブ、
2:人工臓器、6:滅菌液貯槽、7:冷却装置、
15:ポンプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 オートクレーブ中で高圧蒸気を用いて人工臓
    器を滅菌するにあたり、加熱装置が装着されてな
    る滅菌液貯槽で、人工臓器の蒸気滅菌温度に近い
    あらかじめ滅菌されたのち高温に保持された液
    を、人工臓器内へ通液装置を用いて通液する際
    に、該装置内で熱を奪われ所定温度より低い温度
    に下がつた該液を、人工臓器直前から該加熱装置
    が装着されてなる滅菌液貯槽へ戻し、所定温度に
    達している該液のみを、人工臓器内に通液しその
    内部温度をほぼ蒸気滅菌温度に到達せしめたの
    ち、該液の充填下で高圧蒸気による外部加熱によ
    り所定時間滅菌温度に維持して滅菌し、さらにそ
    ののち、あらかじめ滅菌されたのち高温に保持さ
    れた液を人工臓器に通液する途中で、冷却装置に
    より冷却した滅菌された低温の液を、人工臓器内
    に通液装置を用いて通液し、その内部を冷却せし
    めることを特徴とする人工臓器の液循環滅菌方
    法。 2 人工臓器内に通液装置を用いて通液し、その
    内部を冷却せしめる際に、該通液装置内での冷却
    が充分でなく依然として高い温度のままの該液を
    人工臓器の直前で滅菌液貯槽へ戻し、設定温度に
    まで下がつた該液のみを人工臓器内に通液し、そ
    の内部を冷却せしめる特許請求の範囲第1項記載
    の人工臓器の液循環滅菌方法。 3 オートクレーブ中で高圧蒸気を用いて人工臓
    器を滅菌する装置であつて、 オートクレーブ中に設置されている人工臓器
    と、該人工臓器内部を加熱するために人工臓器の
    蒸気滅菌温度に近いあらかじめ滅菌されたのち高
    温に保持された液を貯える滅菌液貯槽とを連結す
    る連結管路に、人工臓器の直前から滅菌液貯槽へ
    液を戻す循環管路が接続されており、 前記循環管路中には送液装置が配設されてお
    り、かつ 前記連結管路に循環管路が接続された部分には
    三方弁が設けられており、前記滅菌液が所定の温
    度になるまでは前記循環管路内へ液を導き、所定
    の温度になつたのちは人工臓器へ液を導くよう構
    成されてなる ことを特徴とする人工臓器の液循環滅菌装置。 4 滅菌液貯槽が加熱装置を装着されてなる特許
    請求の範囲第3項記載の人工臓器の液循環滅菌装
    置。 5 滅菌液貯槽へ液を戻す管路中に加熱装置が装
    着されてなる特許請求の範囲第3項記載の人工臓
    器の液循環滅菌装置。 6 オートクレーブ中で高圧蒸気を用いて人工臓
    器を滅菌する装置であつて、 オートクレーブ中に設置されている人工臓器と、
    該人工臓器内部を加熱するために人工臓器の蒸気
    滅菌温度に近いあらかじめ滅菌されたのち高温に
    保持された液を貯える滅菌液貯槽とを連結する連
    結管路に、人工臓器の直前から滅菌液貯槽へ液を
    戻す循環管路が接続されており、 前記循環管路中には送液装置が配設されてお
    り、かつ 前記連結管路に循環管路が接続された部分と、
    人工臓器および送液装置とのあいだには、それぞ
    れバルブが設けられており、前記滅菌液が所定の
    温度になるまでは前記循環管路内へ液を導き、所
    定の温度になつたのちは人工臓器へ液を導くよう
    構成されてなる ことを特徴とする人工臓器の液循環滅菌装置。 7 滅菌液貯槽が加熱装置を装着されてなる特許
    請求の範囲第6項記載の人工臓器の液循環滅菌装
    置。 5 滅菌液貯槽へ液を戻す管路中に加熱装置が装
    着されてなる特許請求の範囲第6項記載の人工臓
    器の液循環滅菌装置。
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