JPH0512945B2 - - Google Patents

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JPH0512945B2
JPH0512945B2 JP62228123A JP22812387A JPH0512945B2 JP H0512945 B2 JPH0512945 B2 JP H0512945B2 JP 62228123 A JP62228123 A JP 62228123A JP 22812387 A JP22812387 A JP 22812387A JP H0512945 B2 JPH0512945 B2 JP H0512945B2
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liquid
pressure
temperature
artificial
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Kazuo Kuki
Noboru Nakamichi
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は人工臓器の差圧調節滅菌装置に関す
る。
[従来の技術] 人工腎臓に代表される人工臓器は、近年急激な
発展を遂げ、人工肺、活性炭吸着剤を用いる人工
肝臓、腹水処理装置、血漿分離装置などが実用化
されている。さらに、吸着体(吸着材や吸着剤を
含む、以下同様)を用いる各種治療装置が開発さ
れている。
通常、それらの人工臓器および治療装置は製造
段階での汚染に備え、製造の最終工程で滅菌され
たのち無菌状態で封印され、使用者に提供される
ものである。
近年、用いられる滅菌方法としては、オートク
レーブによる高圧蒸気滅菌方法が一般的である。
しかし前記オートクレーブによる高圧蒸気滅菌
方法を採用するにあたり、人工臓器の内部に熱容
量の大きい水、生理食塩水または若干の安定剤な
どを含有する水溶液や熱伝導性の小さい固形充填
物が内部充填物(充填材や充填剤を含む、以下同
様)として保有されているばあいには、人工臓器
の外部から高圧蒸気や高温水を加えて加熱滅菌す
るという従来の方法のみを採用すると、人工臓器
内の中心に近い部分の内部充填物の温度を滅菌に
必要な所定温度まで上昇せしめる際、また滅菌し
たのち、外部から冷却して内容物が長時間保持さ
れても変質しにくい温度以下、より好ましくは内
容物をオートクレーブより取り出すとき作業者が
熱いと思うことなく、確実に素手で取り扱うこと
のできる温度にまで下降せしめるのに長時間を要
する。すなわち人工臓器内の外壁に近い部分では
人工臓器内の中心にある充填物の温度を滅菌に必
要な温度にまで上昇せしめるため、滅菌温度以上
の高い温度にまで加熱されたり、滅菌に必要な高
い温度に長時間さらされるため、人工臓器に使用
されている容器や内部充填物の品質の劣化、たと
えば吸着体に付加されている有効成分が除去され
るなど致命的欠陥が生ずる。
そこで、オートクレーブ中で高圧蒸気を用いて
人工臓器を滅菌するにあたり、人工臓器を滅菌す
るのに充分な高い温度にまであらかじめ滅菌され
たのち高温に保持された液(通常、水、生理食塩
水または若干の安定剤などを含む水溶液)を人工
臓器内に通液し、その内部温度をほぼ滅菌温度に
到達せしめたのち、高圧蒸気による外部加熱によ
り、滅菌に必要な温度で所定時間、すなわち必要
なグレードの滅菌が可能な時間維持して該人工臓
器を滅菌し、ついで該人工臓器に未だ通液してい
ない滅菌された高温の液を冷却装置によつて冷却
した後を該人工臓器内に通液し、その内部を冷却
せしめることにより、一連の滅菌操作を終了する
ことを特徴とする急速昇温急速冷却による人工臓
器の滅菌方法が報告されている(特願昭58−
245761号および同59−12462号各明細書参照)。す
なわちこの方法における装置は、急速昇温急速冷
却することによつて、有効成分の不必要に多量な
脱離や製品の薬効の低下を防止することができる
装置である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、この装置においては、昇温およ
び降温時に人工臓器内の圧力とオートクレーブ内
の圧力との差が大きくなり、この圧力差が人工臓
器の耐圧力値をこえると人工臓器が破損したり変
形するといつた問題がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、かかる問題点に鑑み、人工臓器内の
圧力およびオートクレーブ内の圧力との差を測定
し、入口配管の冷却装置と人工臓器入口とのあい
だ、または、入口配管の冷却装置と人工臓器入口
とのあいだおよび出口配管に配管の内径を変化さ
せる絞り機構を設け、該絞り機構を調節すること
により、人工臓器内の圧力を変化させてオートク
レーブ内の圧力との差を人工臓器の耐圧力値より
小さく調節できるようにした人工臓器の差圧調節
滅菌装置を提供するものである。
[作用] 本発明は、入口配管の冷却装置と人工臓器入口
とのあいだ、または、入口配管の冷却装置と人工
臓器入口とのあいだおよび出口配管に絞り機構を
設けているため、人工臓器内の圧力を調節するこ
とにより人工臓器内の圧力とオートクレーブ内の
圧力との差を小さくすることができ、人工臓器が
破損や変形することなく安定に滅菌することがで
きる。
[実施例] 本発明は人工臓器の蒸気滅菌温度に近い滅菌済
所定温度液を人工臓器に通液してその内部温度を
ほぼ蒸気滅菌温度に到達せしめ、ついで所定温度
の該液の充填下、高圧蒸気による外部加熱により
所定時間蒸気滅菌温度に維持して滅菌し、滅菌済
高温液を人工臓器に通液する途中で、冷却装置に
より冷却した滅菌済低温液を人工臓器内に通液装
置を用いて通液してその内部を冷却する際に、人
工臓器内の圧力およびオートクレーブの圧力を測
定し、人工臓器内の圧力が人工臓器の耐圧力値以
上オートクレーブ内の圧力より大きいばあい人工
臓器の入口の管路に設けられた絞り機構を閉じ、
および/または人工臓器の出口の管路に設けられ
た絞り機構を開き、また人工臓器内の圧力が人工
臓器の耐圧力値以上オートクレーブ内の圧力より
小さいばあい人工臓器の入口の管路に設けられた
絞り機構を開き、および/または人工臓器の出口
の管路に設けられた絞り機構を閉じるという操作
を行なえることを特徴とする。なお、該操作はオ
ートクレーブ内や人工臓器内が過渡状態にある昇
温時および降温時のあらゆる時期に行なわれる。
本発明に用いる人工臓器およびその充填物の種
類は、いずれもとくに限定されるものではない。
本発明において、人工臓器の蒸気滅菌温度に近
い滅菌済所定温度液とは、あらかじめ蒸気滅菌な
どの方法で滅菌されたのち冷却装置としての機能
を発揮しえない状態、たとえば冷媒を通液してい
ない状態の冷却装置を通じて人工臓器に通液され
る通常、水、生理食塩水または若干の安定剤など
を含有するそれらの水溶液である。
該所定温度は、人工臓器の外部からの蒸気滅菌
の際の滅菌条件として採用される温度よりも0〜
3℃高い温度である。たとえば多くのばあい、蒸
気滅菌温度は115〜134℃の範囲であるので、該所
定温度は115〜137℃となる。
本発明において人工臓器の滅菌に用いる液を人
工臓器に通液する装置は、前記滅菌済所定温度液
用高温液を加熱し貯えておく滅菌液貯槽および該
貯槽と人工臓器とを連結する配管からなり、さら
に該配管は該貯槽の出口側ないしは直後に設けら
れたバルブ、および冷却器を有するものである。
また、人工臓器の入口、または、入口および出口
に絞り機構を有し、本発明の装置を構成するもの
である。
人工臓器内の圧力とオートクレーブ内の圧力と
の差(以下、圧力差という)が前記人工臓器の耐
圧力値未満となるように絞り機構を用いて調節さ
れる。前記圧力差は、好ましくは0〜3Kg/cm2
あるのがよい。圧力差が3Kg/cm2をこえて人工臓
器内の圧力がオートクレーブ内の圧力よりも大き
いばあいも、圧力差が3Kg/cm2をこえて人工臓器
内の圧力がオートクレーブ内の圧力よりも小さい
ばいも人工臓器を構成する容器が破損する可能性
が大きくなる。
前記人工臓器内の圧力および前記オートクレー
ブ内の圧力が1〜4atmであるのが好ましい。こ
の範囲を外れるばあいも人工臓器を構成する容器
が破損する可能性が大きくなる。
本発明においては、人工臓器内の圧力およびオ
ートクレーブ内の圧力を調整できるので、コンプ
レツサーなどの加圧装置を用いて短時間で滅菌液
を人工臓器に通液することが可能である。
人工臓器内の圧力とは人工臓器内に存在する充
填液の圧力のことであり、人工臓器入口または出
口に耐圧ステンレス配管を分岐させるように取り
付け、オートクレーブの外に出た該耐圧ステンレ
ス配管に圧力計を取り付け、人工臓器内の圧力を
測定しうる。また、人工臓器は滅菌液貯槽と通液
装置を介して連結されているので、人工臓器内の
圧力を滅菌液貯槽で測定した結果をもつて代用ま
たは推定(絞り機構では減圧させたばあい)させ
ることができる。滅菌液貯槽内の圧力は、とくに
限定されないが好ましくは滅菌貯槽の気相部に耐
圧ステンレス配管を介して圧力計を取り付けて測
定されるのがよい。
オートクレーブ内の圧力とは、オートクレーブ
内に存在する水蒸気を含めた気体の圧力のことで
あり、とくに限定されないが、好ましくはオート
クレーブ内に耐圧ステンレス配管を介して圧力計
を取り付けて測定されるのがよい。
人工臓器の耐圧力値とは、人工臓器の内外の圧
力差が生じても人工臓器を破損しない程度の最も
大きな圧力差をいい、温度が高いほど耐圧力値は
小さくなるため該圧力差が小さいほど人工臓器を
構成する材料が本来有する限界の温度まで滅菌温
度を高くすることができ、短時間で人工臓器を滅
菌することができる。
本発明に用いられる絞り機構とは管路中に装着
され、管路の内面積を部分的に小さくすることに
より管路を流れる流体のその部分での圧力降下を
大きくし、その部分から下流の圧力を小さくする
機構をいう通常径よりも小さい開口径または小さ
い面積をもつオリフイスプレートや管路径よりも
小さい口径の各種弁(ニードル弁、グローブ弁な
ど)をいい、その具体例としてはリニアー、イコ
ールパーセントなどの特性をもつニードル弁、グ
ローブ弁などの弁座を有する手動操作弁やこれら
の弁座部を駆動するための空気圧、油圧、電流な
どによる駆動機構を有する自動調節弁などがあげ
られる。
絞り機構は、人工臓器の入口および/または出
口の管路に設けられ、人工臓器内の圧力およびオ
ートクレーブ内の圧力ならびにその圧力差が前記
範囲となるように手動で調節されるものでもよ
く、また人工臓器内の圧力が人工臓器の入口また
は出口もしくは滅菌液貯槽内で測定され、さらに
オートクレーブ内の圧力が測定されて、えられた
圧力差を自動制御装置が読み取り、人工臓器の入
口および/または出口に設けられた自動調節弁で
もよい。好ましくは人工臓器内の圧力、すなわち
耐圧ステンレス配管中の滅菌液の圧力から管路中
の流体圧力減少の定理から導かれる一定の関係か
らえられる人工臓器内の圧力、およびオートクレ
ーブ内の圧力を検知して該圧力差が小さくなるよ
うに開閉する絞りを有する自動調節弁を用いるの
がよい。前記自動調節弁の取り付け位置は、人工
臓器内の圧力およびオートクレーブ内の圧力を検
知しうる状態であれば、オートクレーブの中であ
つてもよく、外であつてもよい。
人工臓器が長時間高温にさらされるばあい、内
部充填物などの品質劣化や性能劣化が生ずるの
で、本発明の装置では滅菌液貯槽内の圧力を加圧
装置を用いて大気圧よりも大きくしておき、人工
臓器の蒸気滅菌温度に近い、滅菌済所定温度液を
人工臓器内にすみやかに通液し、該人工臓器内に
存在する内部充填液を置換することによつて短時
間で人工臓器の内部温度をほぼ蒸気滅菌温度に到
達させてもよい。内部充填液の置換回数は1回以
上、好ましくは2〜5回である。
人工臓器の蒸気滅菌温度は、人工臓器に用いら
れている容器や内部充填物の品質を劣化させずに
滅菌することができればとくに限定されないが、
通常は日本薬局方に記載された条件、たとえば
105℃以上、多くのばあい115〜130℃を用いる。
その所定時間は、通常115℃のばあい30分、121℃
のばあい20分、126℃のばあい15分、134℃のばあ
い3分などの条件が採用される。
高圧蒸気による外部加熱により所定時間蒸気滅
菌温度に維持して滅菌する方法はオートクレーブ
を用いて通常の高圧蒸気滅菌方法と同様に実施さ
れる。
ついで、本発明においては滅菌済高温液を人工
臓器に通液する途中で冷却装置により冷却した滅
菌済低温液を人工臓器内に通液し、内部充填液を
置換することによつてその内部を冷却せしめても
よい。内部充填液の置換回数は1回以上、好まし
くは2〜5回である。
ここで、滅菌済高温液とは、一旦高温状態で滅
菌されたのち冷却されて滅菌済低温液に転換され
る目的で使われる液のことで、人工臓器の内部温
度昇温用の滅菌済所定温度液用高温液であつても
よいが、必ずしもこれと同じ高温液である必要は
なく、滅菌済所定温度液の槽、すなわち滅菌液貯
槽の温度を下げることなどによつてつくられた70
〜95℃の常圧高温水、生理食塩水または若干の安
定剤を含有するそれらの水溶液であつてもよい。
滅菌済低温液とは、前記滅菌済高温液を冷却装
置としての機能を発揮しうる状態、たとえば冷媒
を通液している状態に返換された前記冷却装置を
通して60℃未満、好ましくは20〜40℃に冷却され
ているものをいう。
冷却装置としては、舵管式、2重管式、プレー
ト式などの公知の液−液または気−液熱交換器な
どがあげられる。
また、冷却装置に用いられる冷媒としては、低
温の水道水、工業用水またはその他の冷却水など
の液体の冷媒、または低温の空気またはその他の
気体を用いてもよい。
人工臓器の蒸気滅菌温度に近い、滅菌済所定温
度液用高温液および滅菌済低温液調整用の滅菌済
高温液は、滅菌された直後のものでもよいし、ま
た一旦滅菌されたのち、菌の繁殖を許さない適正
な温度(たとえば70℃以上、好ましくは80℃以
上)で比較的短時間(たとえば24時間以内)、適
正な容器に保持されたものでもよい。またそれら
は、同一の貯槽から供給されるものでもよいし、
前記滅菌条件を満たす範囲内で別途異なる条件ま
たは装置内で供給されるものでもよい。
なお前記滅菌済所定温度液用高温液および滅菌
済低温液調整用の滅菌済高温液は、第1図に示す
実施例のばあいには冷却装置を通じて人工臓器内
に通液される。したがつて、滅菌済所定温度液用
高温液を通過させると、それによつて冷却装置を
も滅菌しうる。一方、冷却装置内を滅菌済所定温
度液用高温液、ついで冷却されるべき滅菌済高温
液が通過して人工臓器内に至るのみでなく、たと
えば冷媒管路が滅菌済所定温度液用高温液の槽、
すなわち滅菌液貯槽の中を通過するなど、冷却装
置が高温液槽中に存在するようにし、冷却装置が
滅菌済所定温度液用高温液や滅菌済低温液調整用
の滅菌済高温液中に存在するものであつてもよ
い。
また、滅菌済所定温度液用高温液を冷却装置を
通過させずに直接人工臓器内に至らしめ、人工臓
器を滅菌したのち、今度は滅菌済高温液が、たと
えば冷却装置を経由して人工臓器に至るように別
途設けられた管路を通過して冷却されたのち、人
工臓器内に流入するようにしてもよい。
以下に、本発明の121℃、20分間の高圧蒸気滅
菌を行なつたばあいの実施例を第1図に基づいて
説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。すなわち本明細書中でいう高
圧蒸気滅菌の滅菌条件は121℃で20分間に限定さ
れるものではなく、人工臓器の容器や吸着剤の特
性に合わせて選定することができる。すなわち、
その条件を日本薬局方に準じて115℃で30分間、
126℃で15分間などに選ぶことができるが、これ
らのばあいは以下の説明に準じて適宜温度設定値
や時間を平行移動的に変更することが望ましい。
また本実施例では生理食塩水を滅菌済所定温度
液用高温液、滅菌済高温液および滅菌済低温液と
して用いているが、水または他の安定剤の水溶液
を用いることも可能であることは勿論である。
第1図に示す本発明の装置の一実施例の概略系
統図に基づいて、本発明の装置を用いた差圧調節
滅菌方法を、121℃、20分間の高い蒸気滅菌の実
施について説明する。
オートクレーブ1の中に人工臓器2を設置す
る。前記オートクレーブ1には、加熱器3、高温
溜液4、排出バルブ5が設けられている。前記オ
ートクレーブ1の外部には滅菌液貯槽6および冷
却装置7が設置されている。滅菌液貯槽6にはジ
ヤケツト8が設置され該槽6を加熱しうるように
なつており、該槽6の上部にはバルブ19を介し
て呼吸用フイルター9が設けられている。滅菌液
貯槽6と冷却装置7とはバルブ10を介して耐圧
ステンレス配管で連結されている。冷却装置7と
人工臓器入口11とは自動調節弁13を介して耐
圧ステンレス配管で連結されている。また、人工
臓器出口14の下流側でオートクレーブ1外には
自動調節弁12が耐圧ステンレス配管で連結さ
れ、該配管は大気中に開放されている。前記滅菌
液貯槽6には加圧装置としてコンプレツサー15
がバルブ17を介して耐圧ステンレス配管で連結
されている。また、滅菌液貯槽6の上部にはバル
ブ18を介して圧力計16が連結されている。ま
た、オートクレーブ1内の圧力を測定する圧力計
21がバルブ22を介してオートクレーブ1に連
結されており、さらに人工臓器2内の圧力を管路
中の流体圧力減少の定理から導かれる一定の関係
から求めるために、人工臓器出口14と自動調節
弁12とを連結する耐圧ステンレス配管中分岐し
て、オートクレーブ1外にバルブ24を介して圧
力計23が設けられており、また自動調節弁13
と人工臓器入口11とを連結する耐圧ステンレス
配管中分岐して、オートクレーブ1外にバルブ2
6を介して圧力計25が設けられている。自動調
節弁12および13ならびに圧力計21、23お
よび25はそれぞれ自動制御装置20と接続され
ている。人工臓器2の下流側に設けられた圧力計
23によつて、その管路中の圧力と管路中の流体
圧力減少の定理から導かれる一定の関係を有する
人工臓器2内の圧力が検知され、また人工臓器2
の上流側に設けられた圧力計25によつて前記同
様その圧力と一定の関係を有する人工臓器2内の
圧力が検知される。さらに圧力計21によつてオ
ートクレーブ1内の圧力が検知される。このと
き、人工臓器2内とオートクレーブ1内との圧力
差が小さくなるように、圧力計23と21との測
定値から自動制御装置20によつて自動調節弁1
2が制御され、また圧力計25と21との測定値
から自動制御装置20によつて自動調節弁13が
制御される。
まず、滅菌液貯槽6に人工臓器2の充填液と同
じ水、生理食塩水または若干の安定剤を含有する
それらの水溶液を入れ、バルブ19を開けた状態
でジヤケツト8を用いて127℃の高温に加熱し、
30分間以上保持することにより液を滅菌し、滅菌
済所定温度液用高温液および滅菌済高温液となる
滅菌された高温の液とした。
えられた滅菌された127℃の高温の液を人工臓
器2の蒸気滅菌温度に近い123〜127℃で滅菌液貯
槽6内に保持した。このとき滅菌液貯槽6内の気
相部は加圧ぎみになり、その圧力は約2.3atmと
なつた。
つぎに、バルブ19を閉じ、バルブ10,17
および18を開き、滅菌液貯槽6内に加圧気体を
送るようにコンプレツサー15を作動させて、滅
菌液貯槽6内を3.5atmとし、所定温度の該液を
人工臓器2の内部に入口11を通して自動調節弁
12および13を作動させながら供給した。この
とき、冷却装置7には冷媒を流さなかつた。すな
わち熱交換することなく、滅菌液貯槽6内の前記
滅菌された所定温度である121℃以上(121〜123
℃)の液を人工臓器2に供給し、該人工臓器2内
部を通過させ、内部充填液を置換することによつ
て人工臓器2の内部温度をほぼ熱滅菌温度まで上
昇せしめた。なお、このとき滅菌液貯槽6内の圧
力を圧力計16で3.5atmであることを確認し、
さらに圧力計25は2.4atm、圧力計23は
2.2atmを示し、オートクレーブ1内の圧力は圧
力計21によつて2atmであることを確認した。
前記のように滅菌液貯槽6から滅菌済所定温度
液を人工臓器2内に通液したとき、以下に記すよ
うに圧力差を検知し、該圧力差が0.4Kg/cm2未満
になるように自動制御装置24によつて、開度が
調整される自動調節弁12および13が作動し
た。すなわち自動調節弁12および13の開度が
それぞれ自動的に適当な開度に保たれることによ
り自動調節弁13での圧力はほぼ3.5atmから
2.5atmに低下した。また人工臓器2内でもほぼ
0.2atmの圧力低下が生じ自動調節弁12の手前
でほぼ2.2atmに保たれるよう自動調節弁12の
開度が保持され、この安定した状態が維持されて
いた。
なお、オートクレーブ1の昇温に要する時間を
あらかじめ測定しておき、人工臓器2内部の温度
が121℃に達するとき前記オートクレーブ1の昇
温が終了し、121℃に達するときとを一致させる
のが好ましい。
前記のように121℃以上の温度の滅菌済所定温
度液での置換を繰り返しているうちに前記オート
クレーブ1の昇温された温度が121℃以上に達し
たら強制的に自動調節弁12を閉じ、自動調節弁
13を開けて121℃の高圧蒸気滅菌の条件として
設定した所定時間である20分間人工臓器2の滅菌
を行なつた。
滅菌が終了するまでに冷却装置7に冷媒を流
し、冷却装置として機能しうる状態にしておき、
所定時間である20分間の滅菌が終了したとき冷却
装置7を働かせたまま滅菌液貯槽6内の安定剤液
としての生理食塩水を滅菌済低温液として人工臓
器2内に通液し、前記方法と同様に置換すること
により、人工臓器2の内部を急速に80℃以下に下
げ、約2分後には40℃に下げた。また冷却の際に
も前記人工臓器2の昇温時と同様に圧力差が0.4
Kg/cm2未満となるように自動調節弁12および1
3をそれぞれ作動させた。これらの操作を行なう
ことにより、人工臓器2を冷却する際に人工臓器
2内で突沸現象を発生させることなく、かつ人工
臓器2を昇温する際に過大な圧力差と高温により
人工臓器の容器が破壊されることなく、所望の滅
菌を行なうことができた。
[発明の効果] 従来の方法では人工臓器の昇温時に人工臓器内
の圧力とオートクレーブ内の圧力との差が大きく
なつたとき、該圧力差が人工臓器を構成する材料
が高温時に有する耐圧強度をこえて、その結果人
工臓器が破壊されるといつた問題があるが、本発
明の装置によれば人工臓器内の圧力を検知し、該
圧力とオートクレーブ内の圧力との差が大きくな
らないように、絞り機構によつて人工臓器内の圧
力が調整されるので、前記耐熱温度まで滅菌温度
を上げても人工臓器が破壊されることはなく、か
かる問題は解消する。また、従来の方法では人工
臓器の降温時、オートクレーブ内がまだ冷えきら
ず、滅菌温度に近い高温にあるとき人工臓器の内
部に滅菌済低温液を通すことにより内部温度が急
激に下がつたばあいに突沸現象が生じるといつた
問題があるが、本発明の装置によれば人工臓器内
の圧力を検知し、該圧力とオートクレーブ内の圧
力との差が大きくならないように、絞り機構によ
つて人工臓器内の圧力が調整されるので、人工臓
器を冷却しても人工臓器内部に突沸現象が生じる
ことはなく、かかる問題は解消する。
さらに、内部に充填液が充填された人工臓器を
熱滅菌するばあい、充填液の熱膨張による人工臓
器の損傷が問題になるが、本発明による装置では
熱膨張による内部圧力の上昇分は絞り機構によつ
て人工臓器内の圧力とオートクレーブ内の圧力と
の差が小さくなるように調節されるので問題にな
らない。
本発明の装置は人工臓器全般に応用することが
でき、しかも製造工程の最終段階における滅菌の
みならず、使用中の人工臓器の滅菌にも適用しう
ることはいうまでもなく、また人工臓器内および
オートクレーブ内の圧力制御を自動化することも
できるので滅菌操作を簡略化することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の差圧調節滅菌装置の一実施例
を示す概略系統図である。 図面の主要符号、1:オートクレーブ、2:人
工臓器、12,13:自動調節弁、21,23,
25:圧力計。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) あらかじめ滅菌された液を加熱し貯えて
    おく滅菌液貯槽、および該滅菌液貯槽の出口側
    に設けられたバルブと滅菌液を冷却するための
    冷却装置とを有し前記滅菌液貯槽と人工臓器入
    口とを連結する入口配管からなる、人工臓器に
    滅菌液を通液する通液装置と、 (b) 人工臓器を高圧蒸気滅菌するオートクレーブ
    と、 (c) 人工臓器出口と連結され前記滅菌液を排出す
    る出口配管と、 (d) 人工臓器内の圧力とオートクレーブ内の圧力
    との差を測定する手段 とからなり、前記オートクレーブ中で高圧蒸気を
    用いて人工臓器を滅菌するにあたり、人工臓器の
    蒸気滅菌温度に近いあらかじめ滅菌されたのち高
    温に保持された液を、人工臓器内に前記通液装置
    を用いて通液し、ついで所定温度の該液の充填
    下、高圧蒸気による外部加熱により所定時間滅菌
    温度に維持して滅菌し、あらかじめ滅菌されたの
    ち高温に保持された液を人工臓器に通液する途中
    で、冷却装置により冷却した滅菌された低温の液
    を人工臓器内に通液装置を用いて通液してその内
    部を冷却する人工臓器の滅菌装置であつて、前記
    入口配管の冷却装置と人工臓器入口とのあいだに
    前記配管の内径を変化させることにより人工臓器
    内の圧力を調節する絞り機構が設けられてなるこ
    とを特徴とする人工臓器の差圧調節滅菌装置。 2 人工臓器内の圧力が1〜4atmである特許請
    求の範囲第1項記載の人工臓器の差圧調節滅菌装
    置。 3 オートクレーブ内の圧力が1〜4atmである
    特許請求の範囲第1項記載の人工臓器の差圧調節
    滅菌装置。 4 人工臓器内の圧力とオートクレーブ内の圧力
    との差が0〜3Kg/cm2である特許請求の範囲第1
    項記載の人工臓器の差圧調節滅菌装置。 5 (a) あらかじめ滅菌された液を加熱し貯えて
    おく滅菌液貯槽、および該滅菌液貯槽の出口側
    に設けられたバルブと滅菌液を冷却するための
    冷却装置とを有し前記滅菌液貯槽と人工臓器入
    口とを連結する入口配管からなる、人工臓器に
    滅菌液を通液する通液装置と、 (b) 人工臓器を高圧蒸気滅菌するオートクレーブ
    と、 (c) 人工臓器出口と連結され前記滅菌液を排出す
    る出口配管と、 (d) 人工臓器内の圧力とオートクレーブ内の圧力
    との差を測定する手段 とからなり、前記オートクレーブ中で高圧蒸気を
    用いて人工臓器を滅菌するにあたり、人工臓器の
    蒸気滅菌温度に近いあらかじめ滅菌されたのち高
    温に保持された液を、人工臓器内に前記通液装置
    を用いて通液し、ついで所定温度の該液の充填
    下、高圧蒸気による外部加熱により所定時間滅菌
    温度に維持して滅菌し、あらかじめ滅菌されたの
    ち高温に保持された液を人工臓器に通液する途中
    で、冷却装置により冷却した滅菌された低温の液
    を人工臓器内に通液装置を用いて通液してその内
    部を冷却する人工臓器の滅菌装置であつて、前記
    入口配管の冷却装置と人工臓器入口とのあいだお
    よび前記出口配管に前記配管の内径を変化させる
    ことにより人工臓器内の圧力を調節する絞り機構
    が設けられてなることを特徴とする人工臓器の差
    圧調節滅菌装置。 6 人工臓器内の圧力が1〜4atmである特許請
    求の範囲第5項記載の人工臓器の差圧調節滅菌装
    置。 7 オートクレーブ内の圧力が1〜4atmである
    特許請求の範囲第5項記載の人工臓器の差圧調節
    滅菌装置。 8 人工臓器内の圧力とオートクレーブ内の圧力
    との差が0〜3Kg/cm2である特許請求の範囲第5
    項記載の人工臓器の差圧調節滅菌装置。
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