JPH046478Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は金融機関等の横引式金庫扉や横引式書
庫扉において、扉の開閉駆動及びロツクのための
操作装置に関するものである。

〔従来の技術〕

横引式金庫扉や横引式書庫扉において、扉の開
閉駆動及びロツクのための従来の操作機構は、扉
の開閉駆動を伝達するパイロツトハンドルを枠側
に取付け、扉開閉のロツク装置用のレバーハンド
ルを扉側に取付ける方式Ａと、前記パイロツトハ
ンドルとレーバーハンドルを枠側に取付ける所謂
２軸方式Ｂとがあつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

而して、上記従来の操作機構は、Ａの場合は、
パイロツトハンドルとレバーハンドルの取付け部
が枠側と扉側に分れているため、製作上におい
て、部品件数が多いばかりでなく、組立、調整等
に時間がかかり過ぎるとい問題点があり、一方、
Ｂの場合は、同一枠にパイロツトハンドルとレバ
ーハンドルとが個別に取付けられるため、操作性
が良好とはいえず、また、外観上も改善の余地が
あるなどの問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記のような従来技術の問題点を解決
することを目的としてなされたもので、その構成
は、横引式金庫扉、書庫扉等の枠本体１の裏面
に、クラツチピン受入孔１１を適宜数設けた鎖車
４を定位値回転自在に装着すると共に該鎖車４に
扉作動用チエンを掛回す一方、一端にパイロツト
ハンドル３を設けた軸２を前記枠本体１及び鎖車
４を貫通させて装着すると共に、該軸２に、発条
１０により前記鎖車４に向け付勢されて常態にお
いては該鎖車４のクラツチピン受入孔１１に契合
するクラツチ板８を取付け、当該軸２を前後動可
能に前記枠本体１に遊装し且つ該軸２の先端に扉
のロツク操作軸１４に関連させる部材１３を取付
けて成り、常態においては、前記ハンドル３を回
転させれば鎖車４が回転して扉の開閉駆動が行な
われ、前記ハンドル３を枠本体側に押圧しクラツ
チ板８の鎖車４との契合状態を解いて該ハンドル
３を回転させれば軸先端の部材１３が前記扉のロ
ツク操作軸１４を作動させてロツクの開閉が行な
われるようにしたことを特徴とするものである。

〔作用〕

即ち、本考案は、一つのハンドルにより扉の開
閉駆動とロツクの開閉を行なわせるようにしたも
ので、パイロツトハンドルを設けた軸を発条によ
り適宜距離前後動可能にすると共に常態にあつて
はクラツチ板が鎖車に契合しており、この状態で
前記ハンドルを回転させれば鎖車が回転し、扉作
動用のチエンを作動させて扉の開閉駆動を行な
い、また、ハンドルを押圧すれば、前記クラツチ
板が鎖車との契合状態を脱すると共に軸の先端に
取付けた扉のロツク操作軸に関連させる部材例え
ば、傘歯車が前記ロツク操作軸に定着した傘歯車
に噛合して、ハンドルの回転によりその軸先端の
傘歯車を回転させれば、前記ロツク操作軸が作動
されてロツクの開閉を行なうようにすることによ
り、全体の機構を簡単にすると共に操作性を良好
にし、且つ、外観上の体裁を良好にしようとする
ものである。

〔実施例〕

次に本考案の実施の一例を図に拠り説明する。

図において、１は金庫扉、書庫扉等の枠本体、
２は一端にパイロツトハンドル３を設けた軸、４
は枠本体１の裏面に固定金具５により定位置回転
自在に装着した鎖車、Ｃは該鎖車４に掛着した扉
作動用のチエンで、軸２はこれを前記枠本体１及
び鎖車４を貫通させてある。６は枠本体１内に配
設した軸受板、７は該板６に取付けたベアリン
グ、８は軸２に前後動可能に遊装したクラツチ
板、９は該クラツチ板８に設けたクラツチピン、
１０は前記軸受板６とクラツチ板８との間に配し
た発条で、常態にあつては、点線図示のように、
クラツチ板８を鎖車４に向けて押圧しクラツチピ
ン９を鎖車４に設けたクラツチピン受入孔１１に
契合させて、この状態においてハンドル２を回転
させれば、鎖車４が回転してチエンＣを作動さ
せ、扉（図示せず）の開閉駆動が行なわれるよう
になつている。尚、軸２は枠本体１の裏面に設け
たピロー１２と軸受板６により支持され、また、
鎖車４に設けるクラツチピン受入孔１１の数はク
ラツチピン９の数の３倍程度にして、両者の契合
が円滑に行なわれるようにするものとする。

１３は軸２の先端に定着した傘歯車、１４は扉
のロツク操作軸、１５は該軸１４に定着し前記傘
歯車１３に噛合する傘歯車、１６は軸１４の軸
受、１７は軸１４のその一端を定着したカンヌキ
作動板、１８は前記カンヌキ作動板１７の他端を
枢着したカンヌキ取付座、１９はカンヌキ、２０
は軸１４にその一端を定着したダイヤル錠作動
板、２１は該ダイヤル錠作動板２０の他端にその
下端を枢着した連結杆、２２はその取付ピン２３
により金庫側に枢着された方向変換板で、一端を
前記連結杆２１の上端に枢着し他端をダイヤル錠
２４のロツク板２５に枢着してあり、傘歯車１
３，１５は常態においては離れており、ハンドル
３を発条１０の撥力に抗して押圧すれば、実線図
示のように、傘歯車１３，１５が噛合し、この状
態でハンドル３を回転すれば、傘歯車１３が回転
して傘歯車１５を回転させる結果、カンヌキ作動
板作動用の軸１４が作動されて、カンヌキ作動板
１７が回動し、カンヌキ作動板１７の他端を枢着
したカンヌキ取付座１８が作動されて、カンヌキ
１９によるロツクの開閉が行なわれる一方、ダイ
ヤル錠作動板２０が回転して連結杆２１が上
（下）に動き、この動きによつて方向変換板２２
が作動され、ダイヤル錠ロツク板２５が左右に動
いてダイヤル錠２４のロツクが開閉されるのであ
る。

尚、上記実施例においては、軸２の先端部に傘
歯車１３を定着したが、本考案においては傘歯車
に限定されることなく、他の適宜の部材を用いる
ようにしてもよい。その場合、前記ロツク操作軸
１３に取付ける部材は当然前記部材に対応するも
のとする。

〔考案の効果〕

本考案は上述の通りであつて、従来は、ロツク
装置の操作はレバーハンドルにより行ない、パイ
ロツトハンドルにより扉の開閉駆動を行なうよう
にしていたが、本考案においては、パイロツトハ
ンドルのみを用いて上記の操作を行なうよにした
から、機構的に内部の部品件数を少なくすること
が出来て、組立、調整等にかける時間を短縮出来
ると共に操作性も良好であり、また、デザイン的
にも、極めて体裁のよいものとすることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施の一例を示すもので、第１図
は要部の平断面図、第２図は機構説明図である。 １……金庫扉、書庫扉等の枠本体、２……軸、
３……パイロツトハンドル、４……鎖車、５……
固定金具、８……クラツチ板、９……クラツチピ
ン、１０……発条、１１……クラツチピン受入
孔、１３……傘歯車、１４……扉のロツク操作
軸、１５……傘歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横引式金庫扉、書庫扉等の枠本体１の裏面に、
   クラツチピン受入孔１１を適宜数設けた鎖車４を
   定位値回転自在に装着すると共に該鎖車４に扉作
   動用チエンを掛回す一方、一端にパイロツトハン
   ドル３を設けた軸２を前記枠本体１及び鎖車４を
   貫通させて装着すると共に、該軸２に、発条１０
   により前記鎖車４に向け付勢されて常態において
   は該鎖車４のクラツチピン受入孔１１に契合する
   クラツチ板８を取付け、当該軸２を前後動可能に
   前記枠本体１に遊装し且つ該軸２の先端に扉のロ
   ツク操作軸１４に関連させる部材１３を取付けて
   成り、常態においては、前記ハンドル３を回転さ
   せれば鎖車４が回転して扉の開閉駆動が行なわ
   れ、前記ハンドル３を枠本体側に押圧しクラツチ
   板８の鎖車４との契合状態を解いて該ハンドル３
   を回転させれば軸先端の部材１３が前記扉のロツ
   ク操作軸１４を作動させてロツクの開閉が行なわ
   れるようにしたことを特徴とする金庫扉等の操作
   装置。