JPH0464652B2

JPH0464652B2 -

Info

Publication number: JPH0464652B2
Application number: JP62218545A
Authority: JP
Inventors: Kunio Uehara
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1987-09-01
Filing date: 1987-09-01
Publication date: 1992-10-15
Also published as: JPS6463324A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は植物栽培において、とくに苗を植え付
けて成長させる栽培に使用する苗支持材に関する
ものである。

（従来の技術）水耕栽培あるいは土耕栽培おいては従来から多
種の植物が裁培されているが、これら栽培植物の
うちには、種をじかに培地上に蒔いて成育させる
ものの他に、カーネーシヨン等のようにあらかじ
め別に苗をつくつておき、苗を植え付けて成育さ
せるものがある。

カーネーシヨンの水耕栽培の例では、あらかじ
めさし芽によつて苗を育てておき、この苗をロツ
クウール等の培地に活着させて成育させる。カー
ネーシヨンの苗の根はたくさんの根毛がからみあ
つた塊状となつており、この苗をロツクウール上
に植え付けるには、従来は第５図に示すように、
粒状綿２を用いてカーネーシヨンの苗３の根をま
わりからおさえて倒れないようにして植え付けて
いる。苗の根が大きい場合は、図のように苗３を
植え付けるロツクウール１の上面部分にへこみを
設けるようにすることもある。

そして、粒状綿２で根を培地に押さえつけてお
くことにより、根は徐々にロツクウール１内に伸
長して成育する。

（発明が解決しようとする問題点）上記粒状綿は、ロツクウールを細い糸状にした
ものから成り、カーネーシヨンが倒れないように
するためには、根部のまわりにかなりの量の粒状
綿を置く必要がある。ところが、粒状綿が根と茎
のつけね部分（地際）の周囲にあると、粒状綿に
よつて地際の空気の流通が妨げられてしまい、常
時高湿度の状態、すなわち水分過多の状態とな
る。また、ロツクウール等の素材は熱伝導が悪い
ため、粒状綿で覆うことによつて地際が常時高温
になる。

そして、粒状綿によつて覆われた地際部分が水
分過多となるために、カーネーシヨンでは地際部
分の茎が褐色に変色してしまつたり、雑菌等に侵
されやすい弱体になるという問題点がある。こと
に、水耕栽培では、ハウス内で人工的に温度、湿
度、養分等を管理して裁培されているが、夏季等
のように外気温が高くなつて、ハウス内が高温か
つ多湿になると、一層根腐れ等の生理障害をひき
おこしやすくなる。

従来、水耕栽培において裁培されている植物は
どちらかといえば、水分を好む植物が多く、カー
ネーシヨン等のように高温・多湿の環境を好まな
い植物にあつては、根腐れ等についてとくに注意
が必要とされる。通常、きわめて大量の植物が裁
培されているので、病気等の発生や茎の褐変は裁
培上の大きな問題点であり、これらを解消するこ
とが強く望まれる。

そこで、本発明は上記問題点を解消すべくなさ
れたものであり、その目的とするところは、カー
ネーシヨン等のように苗を植え付けて水耕栽培す
る際に容易に苗を保水材に植え付けることがで
き、かつ、根腐れ等の生理障害をひきおこすこと
のない苗支持材を提供するにある。

（問題点を解決するための手段）本発明は上記目的を達成するため次の構成をそ
なえる。

すなわち、苗の茎をとおすための孔部１８が設
けられると共に、苗の茎と根とのつけね部分を上
方からおさえる押え板１２と、該押え板１２を培
地１に固定するための爪１６等の固定手段と、を
具備することを特徴とし、また、苗の茎をとおすための孔部１８が設けられると
共に、苗の茎とのつけね部分を上方からおさえる
押え板１２と、該押え板１２から上方に筒状に延
設されて苗の地際部分の茎の周囲を覆う筒部１０
と、該筒部１０および前記押え板１２を培地１に
固定するための爪１６等の固定手段と、を具備す
ること特徴とする。

（作用）次に作用について述べる。

苗の茎を孔部１８にとおし、押え板１２によつ
て根を上方から押さえるとともに、爪１６をロツ
クウール等の裁培床に突き刺すようにして押え板
１２を固定し、苗を裁培床上に直立させて植え付
ける。筒部１０は苗の地際部分に側方からあたる
日光を遮る。

（実施例）以下本発明の好適な実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。

第１図ａ，ｂは、本発明に係る苗支持材の一実
施例を示す斜視図であり、第２図は苗支持材の使
用例を示す説明図である。

第１図で１０ａおよび１０ｂは筒部であり、そ
れぞれ同形の半円筒状に形成され、端縁が折曲自
在に接続されている。

１２は前記筒部１０ａ，１０ｂのそれぞれ底部
に固定される半円形状の押え板であり、押え板１
２の内側の縁部には円形の孔部となる凹部１４が
形成される。

１６は前記筒部１０ａ，１０ｂの下端に設けら
れる爪であり、それぞれ筒部１０ａ，１０ｂの下
端から下方に突出される。

第１図ｂは前記筒部１０ａ，１０ｂを向き合わ
せた状態であり、側面は完全な筒部１０として構
成され、押え板１２も中央部に孔部１８が設けら
れた円板となる。

第２図は上述した支持材を用いてカーネーシヨ
ンの苗３をロツクウール１上に植え付けた状態を
示す。カーネーシヨンの苗３は根４を押え板１２
の下面で押さえるようにして植え付けられる。こ
のとき、苗３の茎は孔部１８を通過するようにし
て筒部１０ａ，１０ｂを閉じ、ロツクウール１に
爪１６を突き刺すようにして筒部１０を固定する
と共に苗３を固定する。

カーネーシヨンの苗３は根４が塊状になつてい
るので、押え板１２によつて押されることによ
り、苗３を直立させて植え付けることができる。
また、植え付けた当初は、ロツクウール１に接し
ていない根もあるが、押え板１２によつて根４を
ロツクウール４に向けて押えつけておくことによ
り、１日位で徐々に根４がロツクウール１内に伸
長して成育するようになる。

第２図に示すように、この実施例では根４は押
え板１２によつて押さえられているだけであるの
で、地際部分が外部に露出されている状態になつ
ているので、空気の流通がきわめて良好であり、
これによつて地際の茎部が水分過多になることが
なく、また、空気の流通が良いので、過度に高温
になることがないから、根腐れ等をおこさない健
全な植物体を成育させることができる。

また、前記押え板１２は根４の上部を覆うこと
によりじかに日光が根４に照射されないので、根
が乾くことを防止でき、また、筒部１０は横方向
からあたる直射日光を遮り、じかに日光があたる
ことを防止する効果がある。

なお、上述した実施例では、筒部１０が半割状
に形成され開閉できるように構成されているが、
もちろん全体を一体的に構成してもよい。

第３図ａ，ｂは他の実施例を示す説明図であ
り、この実施例においては、筒部１０と押え板２
０とが別体に形成されている点に特徴がある。

第３図ｂは押え板２０を示し、この押え板２０
の中央部には苗３をとおす孔部１８が設けられ、
この孔部１８から押え板２０の周縁部まで通じる
切込が設けられる。第３図ａで筒部１０の下部内
周壁には段差２４が設けられ、前記押え板２０が
嵌入して係止される。

この実施例の支持材では、茎を切込２２から孔
部１８内に案内して入れるようにし、押え板２０
で根４を覆い、押え板２０を筒部１０の段差２４
で係止するとともに爪１６をロツクウール１に突
きとおすようにして苗３を固定する。

なお、前記押え板２０に切込２２を設けず、単
に孔部１８を設けるようにしてもよい。

また、第４図は上記実施例の支持材での筒部を
省略した例で、押え板２０に爪１６をじかに設け
ている。この実施例の支持材であつても苗を確実
に支持することができる。この実施例の支持材は
構成がきわめて簡素であり、取り扱いが容易であ
るという利点がある。

なお、上述した各実施例においては、いずれ
も、押え板によつて苗の根部を覆つて日差しを遮
るように形成されているが、成育方法によつて日
差しを遮る等の必要がない場合は、押え板部分を
網状に形成してもよい。

また、各実施例では支持材を水耕栽培に利用し
た例について述べたが、これら支持材はとくに水
耕栽培に限定して使用されるものではなく、従来
の土耕用としても好適に使用できるものであり、
浅植えによつて裁培する際にも有効使用すること
ができるものである。

以上、本発明について好適な実施例を挙げて
種々説明したが、本発明はこの実施例に限定され
るものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内
で多くの改変を施し得るのはもちろんのことであ
る。

（発明の効果）本発明の苗支持材によれば、上述したように、
苗の根部の上部を覆う押え部によつて苗の根をお
さえるようにして、ロツクウール等の裁培床に植
え付けることができるので、きわめて簡単にかつ
確実に苗を植え付けることができる。また、苗の
地際部分は常に開放されているから、水分が過多
となることがなく茎の褐変や根腐れ等の生理障害
を生ずることを抑えることができ、とくに、高
温・多湿に弱い植物に好適に使用することができ
る。

また、支持材に茎の地際部分を覆う筒部を設け
た際は、側方からあたる直射日光を遮ることがで
き、一層、苗成育に好適であるという著効を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本発明に係る支持材の一実施例
を示す斜視図、第２図は使用状態を示す説明図、
第３図ａ，ｂは他の実施例を示す説明図、第４図
はさらに他の実施例を示す斜視図、第５図は従来
例を示す説明図。１……ロツクウール、２……粒状面、３……
苗、１０……筒部、１２，２０……押え板、１４
……凹部、１６……爪、１８……孔部、２４……
段差。

Claims

【特許請求の範囲】１苗の茎をとおすための孔部が設けられると共
に、苗の茎と根とのつけね部分を上方からおさえ
る押え板と、該押え板を培地に固定するための爪等の固定手
段と、を具備することを特徴とする苗支持材。２苗の茎をとおすための孔部が設けられると共
に、苗の差と根とのつけね部分を上方からおさえ
る押え板と、該押え板から上方に筒状に延設されて苗の地際
部分の茎の周囲を覆う筒部と、該筒部および前記押え板を培地に固定するため
の爪等の固定手段と、を具備することを特徴とする苗支持材。