JPH04641B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、細長い実質上囲われた移動路、そ
の移動路に沿つてつり込んだ製甲を運ぶための運
搬手段、及びつり込んだ製甲をヒートセツテイン
グさせるため移動路に熱を供給し移動路に沿つて
運ばれるつり込んだ製甲を加熱するための加熱手
段を備えていて、つり込んだ製甲をヒートセツテ
イングさせるために使用される装置に関するもの
である。

ヒートセツテイングは、製甲を靴型に合わせて
おかなければならない時間を短縮することができ
るように、つり込んだ製甲の形状保持を促進する
ため靴の製造の際に行なわれる操作の１つであ
る。多くのヒートセツタの場合、つり込んだ製甲
を高温の湿つた空気が入つている室内を通過させ
てヒートセツテイングさせる。このような装置で
は、長脚ブーツをヒートセツテイングする場合に
問題があつて、ブーツの脚部を平らに横たえて室
を通過させれば、室を不適切に広くしなければな
らず、装置の動作はエネルギ消費の面で効率が悪
い。又、脚部を垂直にして室を通過させるよう室
の高さを十分高くしても同様に効率が悪い。この
効率の悪さは、大きな室に高温の湿つた空気を供
給するために余分なエネルギが必要なためであ
る。これに対し、室に入る前に脚部を折り曲げれ
ば、そこにしわが寄り、又製甲の残りの部分のヒ
ートセツテイングにも悪い影響を与える。

長脚ブーツの製甲をヒートセツタの室を通過さ
せて問題に対する１つの提案は、縦方向に延びる
みぞができるように移動路の横方向に相互に動く
ことができる２個の縦方向に延びる部分から成る
ふた付きの移動路の形に室を作ることである。み
ぞの縁は、脚部の大部分が移動路の外に出ている
姿勢で製甲が移動路に沿つて通過する脚部を支え
る役目をする。この提案は従来の装置を改良する
ものはあるが、各種のブーツに適合させるため操
作者はひんぱんにみぞの幅を調整しなければなら
ず、又みぞはかなりの量の高温の湿つた空気が装
置から逃げるのを許すので、装置の効率を低下さ
せると共に操作者に不快感を与えるという欠点が
ある。

この発明の目的は、上記の欠点が解消されてい
るつり込んだ製甲をヒートセツテイングする装置
を提供することである。

この目的は、移動路をまたいで一の側から広が
つている弾性変形の可能な部材が移動路をまたい
で他の側から広がつている協同作用をする部材に
接触することによつて移動路の上部が閉じられて
おり、長脚ブーツのつり込んだ製甲が移動路に沿
つて運ばれるとき製甲の脚部が弾性変形の可能な
部材と協同作用をする部材との間に挿置され、そ
れによつて支持されるように、前記弾性変形の可
能な部材が十分に変形できることを特徴とする発
明によつて達成されている。

分離性を良くし、かつ弾性変形の可能な部材の
疲労に対する感受性を減らすため、協同作用をす
る部材も弾性変形の可能な部材であつて、前記又
は各々の弾性変形可能な部材は膨張させた袋であ
ることが好ましい。

袋を膨張させるために、装置は連続的に空気を
前記又は各々の膨張させた袋に吹き込む送風手段
を備えている。この方法は、織布の袋の使用を可
能にし、袋の効果を失わせる小さな洩れを防止す
ると共に袋を冷却する。

移動路を離れた後、つり込んだ製甲の冷却を促
進するため前記又は各々の膨張させた袋には出口
ポートが配置されていて、関連移動路から出たつ
り込んだ製甲に出口ポートから空気が吹き付けら
れるようになつている。

装置の効率を一層向上させるためには、前記又
は各々の弾性変形の可能な部材は、その関連移動
路の両端に下垂部分を有しており、下垂部分は移
動路の両端を閉じる働きをしているが、つり込ん
だ製甲が移動路に出入りできるように変形するこ
とができる。

この発明に係る装置を添付図面に示す、以下そ
れらについて詳細に説明する。

図示装置は、つり込んだ製甲をヒートセツテイ
ングさせるために使用されるもので、４本の脚６
で支えられ、金属板壁８で囲まれた支持フレーム
を有している。装置の前部には、４分のコンベ
ヤ・ベルト１４が掛け渡されているローラ（図示
せず）を支持する前方延長部１０がフレームに取
り付けられている。コンベヤ・ベルト１４は空気
が通過できるように網状の材料で作られ、フレー
ムの後方延長部１８によつて支持された第２のロ
ーラ（図示せず）まで装置を縦方向に延びてい
る。延長部１０の上方のコンベヤ・ベルト１４の
１つに置かれたつり込んだ製甲を延長部１８まで
運ぶため、延長部１８にコンベヤ・ベルト１４を
駆動するモータ（図示せず）が支持されている。

各々のベルト１４はフレームに支持されたプレ
ート２０（第２図）の上面に沿つて延びており、
各ベルト１４に対し１枚のプレート２０が配置さ
れている。各プレート２０はその中央に向つて下
に曲げられており（第２図参照）、したがつて、
ベルト１４も下向きにたわんでいる。このたわみ
がベルト１４上のつり込んだ製甲を直立姿勢に維
持するのを助けている。空気が通過できるよう
に、プレート２０にはたくさんの孔があけられて
いる。

延長部１０と１８の間で、各々のベルト１４は
フレームを通過し、細長い実質上囲われた移動路
２４を形成し、各ベルト１４はその移動路２４に
沿つてつり込んだ製甲を運ぶ運搬手段の役目をす
る。装置は複数すなわち４本の移動路２４を備え
ている。移動路２４は、フレームの８本の縦方向
に延びているプレート２６（第２図参照）の間に
形成されており、各プレート２６はその関連移動
の中央に向つて傾斜しており、プレート２６には
移動路２４に高温の湿つた空気を吹き込むための
孔すなわちノズル２６ａ（第４図）が移動路２４
に沿つて一定間隔をおいて配置されている。６枚
のプレート２６（移動路の間に置かれているも
の）は１対になつて３本の空気通路３０を移動路
２４の間に形成しており、残りのプレート２６
は、フレームによつて装置の縁に支持された垂直
プレート（図示せず）と共に２本の別の空気通路
３０を形成している。５本の空気通路３０の各々
にはふたの役目をするプレート３２が付いてい
る。

空気通路３０の底部は、フアン（図示せず）、
それに関連するヒータ（図示せず）、及び湿気供
給源（図示せず）が配置されている室（図示せ
ず）に通じている。高温の空気は通路３０を通つ
て、プレート２６のノズル２６ａから移動路２４
内に入る。フアンとその関連ヒータは、つまり加
熱手段であつて、つり込んだ製甲をヒートセツテ
イングさせるため移動路２４に沿つて運ばれるつ
り込んだ製甲を加熱するよう移動路２４に熱を供
給する働きをする。高温空気には移動路２４から
ベルト１４とプレート２０を通過してフアンへ戻
される。

各々の移動路２４には、膨張させた袋５０の形
式の２本の弾性変形の可能な部材が配置されてい
る。袋５０はナイロン織布で作られており、袋５
０の内部を形成する側は、袋をより気密にするた
めポリウレタンで被覆されている。各袋５０は移
動路２４に沿つて延び、移動路２４の一の側でフ
レームに固定されている。各袋５０は、その継ぎ
目部分すなわち袋５０を作つている材料の一部
で、袋そのものから袋を閉じている継ぎ目の反対
側の部分に差し通されたねじ５２でプレート３２
に固定されている。袋５０は、移動路２４を横に
広がつて、移動路２４の他の側に固定された同じ
く弾性変形の可能な部材である協同作用をする部
材すなわち別の袋５０に接触し、移動路２４の上
部から高温の空気が逃げないように移動路２４の
上部を閉じている。

この袋の配置は、個々の移動路の片方又は両方
の袋が変形するので、長脚ブーツのつり込んだ製
甲がベルト１４により移動路に沿つて運ばれると
き、製甲の脚部は袋５０の間に挿置されて、２つ
の袋によつて支持される形になる。

袋５０を膨張した状態に保つため、装置はその
使用中各移動路２４の袋５０に、連続して空気を
送り込むためのフアン５４の形式の送風手段を備
えている。フアン５４は周囲温度の空気を室５６
に送り込み、そこから管５８が空気を各袋５０へ
導く。

各袋５０には、関連する移動路２４の両端のと
ころに下垂部分６０が形作られている。各下垂部
分６０は移動路２４の端を部分的に閉じる役目を
しているが、移動路２４に出入りができるように
ベルト１４によつて運ばれるつり込んだ製甲によ
つて変形することができる。

各袋５０の延長部１８側の端には、下垂部分６
０を越えて突き出ている部分６０があり、そこに
は出口ポート６４（第３図参照）が設けられてい
て、ポート６４を通つて袋５０から出てくる空気
が移動路２４から出てくる製甲に当つてこれを冷
却するようになつている。

第４図は、長脚ブーツのつり込んだ製甲をセツ
トした状態を示す装置の部分拡大断面図である。
長脚ブーツが袋５０の間に挿入され、その上端部
は袋５０の間から突き出ている。このため、移動
路２４内に形成された室と長脚ブーツの上端部と
の間がシールされている。このようにして長脚ブ
ーツが支持されているので、長脚ブーツ自体がじ
やまにならず、プレート２６に形成されたノズル
２６ａから噴出する空気のジエツトが、ブーツの
側部に突き当たる。

この装置の異なるブーツに合わせるための調整
は必要なく、移動路２４を通して失われる高温の
空気も非常にわずかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置の斜視図、第２図は第１図の線
−に沿つた、第１図より拡大した断面図、第３
図は装置の膨張させた袋の一端部の、第１図及び
第２図より拡大した側面図、第４図は、長脚ブー
ツのつり込んだ製甲をセツトした状態を示す装置
の部分拡大断面図である。 図中、主要部分の参照符号は下記の通りであ
る。６……脚、８……金属板壁、１０……前方延
長部、１４……コンベヤ・ベルト、１８……後方
延長部、２０……プレート、２４……移動路、２
６……プレート、３０……空気通路、３２……プ
レート、５０……袋、５２……ねじ、５４……フ
アン、５６……室、５８……管、６０……下垂部
分、６２……突出し部分、６４……出口ポート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 細長い実質上囲まれた移動路、前記移動路に
   沿つてつり込んだ製甲を運ぶ運搬手段、及びつり
   込んだ製甲をヒートセツテイングさせるため前記
   移動路に熱を供給して前記移動路に沿つて運ばれ
   るつり込んだ製甲を加熱する加熱手段を備えてい
   るつり込んだ製甲のヒートセツテイング装置であ
   つて、前記移動路をまたいで一方の側から広がつ
   ている弾性変形の可能な部材が前記移動路をまた
   いで他方の側から広がつている協同作用をする部
   材に接触することによつて、前記移動路の上部が
   閉じられており、長脚ブーツのつり込んだ製甲が
   移動路に沿つて運ばれるとき製甲の脚部が弾性変
   形の可能な部材と協同作用をする部材との間に挿
   置され、それによつて支持されるように、前記弾
   性変形の可能な部材が十分に変形できることを特
   徴とする前記の装置。 ２ 前記協同作用をする部材も同様に弾性変形の
   可能な部材であることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の装置。 ３ 前記各弾性変形の可能な部材が膨張させた袋
   であることを特徴とする特許請求の範囲第１項又
   は第２項記載の装置。 ４ 更に、前記各膨張させた袋に連続的に空気を
   吹き込む送風手段を備えていることを特徴とする
   特許請求の範囲第３項記載の装置。 ５ 各々に２個の膨張させた袋が付置されている
   複数の移動路を備えていて、前記送風手段が各移
   動路の袋に空気を吹き込むこと特徴とする特許請
   求の範囲第４項記載の装置。 ６ 前記各膨張させた袋がポリウレタンで被覆さ
   れたナイロン織布で作られていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第３項、第４項又は第５項記載
   の装置。 ７ 前記各膨張させた袋に出口ポートが設けられ
   ていて、前記ポートから出た空気が関連移動路か
   ら出たつり込んだ製甲に当たるようになつている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第３項、第４
   項、第５項又は第６項記載の装置。 ８ 前記各弾性変形の可能な部材がその関連移動
   路の両端のところに下垂部分を有し、前記移動路
   の端を閉じる役目をしているが、前記移動路に出
   入りができるようにつり込んだ製甲によつて変形
   することできることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項、第２項、第３項、第４項、第５項、第６
   項又は第７項記載の装置。