JPH0463370B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 フエルールを収容しているハウジングを弾性力
によりアダプタに固定した際に、ハウジングに加
わる引つ張り力に対して、弾性力を付与している
弾性部材が変形しない構造とするために、弾性部
材の変形方向に対し、直角に締結用突起を設けた
ものである。

〔産業上の利用分野〕

本発明は光コネクタの締結構造に係り、特にア
ダプタにフエルールを収容したハウジングが安定
に固定可能な構造に関するものである。

光コネクタは、軸心に設けた細孔に光フアイバ
を挿入固着した円柱形のフエルールを、アダプタ
等のハウジングの軸心孔に対向して挿入し、対向
する光フアイバ端面を当接、整列せしめて、光結
合させる光デバイスである。

この光コネクタには、光結合度が高いことは勿
論のこと、フエルールを収容すハウジング（プラ
グ）とアダプタとの着脱が容易であることが要求
されている。

〔従来の技術〕

上記の如き要望に対し、ハウジングをプラスチ
ツク等の合成樹脂で構成し、弾性力によりアダプ
タに着脱する方法が提案されている。

第７図ａは一般の光コネクタの締結構造を説明
するための図である。ハウジング１にはアダプタ
２との締結用弾性部材３が設けられている。また
アダプタ２側はフエルール５が挿入される軸心孔
９を形成する円筒部８とハウジング１を収容する
収容孔７を形成する殻部６とを有する。殻部６に
は締結用弾性部材３に設けられた突起４と係合す
る凹部４′が設けられており、ハウジング１をア
ダプタの所定位置に挿入完了した状態で、締結用
弾性部材３が元の状態に復帰して、アダプタ２に
固定する。

この構造によれば、確かに簡単、確実にハウジ
ング１をアダプタ２に着脱することが可能であ
る。

〔発明が解決すべき問題点〕

しかしながら、上記第７図ａに示した構造は外
部から付加された引つ張り力に対して次のような
問題を生じる。

第７図ｂはこの問題点を説明するための図であ
つて、締結用弾性部材３とアダプタ２の殻部１０
との締結部分の拡大図である。

図に示すように、外部からの引つ張り力Ｆ（こ
れは光フアイバコードを誤つて引つ張たりした場
合に付加させる力である。）により、締結用弾性
部材３には、F′の力が加わり、図中一点鎖線のご
とく変形する。そのため、軸心がずれたり、最悪
の場合はハウジング１がアダプタ２から抜けてし
まう恐れがある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点は第１図に示す構成により解決され
る。第１図は本発明の基本構成を示す図である。

光フアイバを保持するフエルール１０３が挿入
される軸孔１０６′及び軸孔の周囲に該フエルー
ル１０３を固定したハウジング１００が収容され
る収容孔１０６が形成されたアダプタ１０１によ
り対向する２つのフエルール端面を突き合わせる
構造となつている。

前記ハウジング１００は合成樹脂よりなり、外
部には内側に弾性変形する前記アダプタとの締結
用の腕部１０２を少なくとも１つ設けるととも
に、 該腕部１０２には、弾性変形方向に対して垂直
方向に突出し、該ハウジングに引張力が生じた場
合に変形しないＴ字型の締結用突起１０４を設
け、 前記アダプタの収容孔内部１０６には該締結用
突起に係合するＴ字型の凹部１０５を設け、 該腕部１０２の弾性変形により前記ハウジング
を前記アダプタに着脱するものである。

〔作用〕

締結用弾性部材１０２の弾性変形の方向と直角
に締結用突起１０４を設けることにより、第２図
に示すように、外部からの引つ張り力は一点鎖線
の矢印で示すように、締結用突起１０４を圧縮す
る方向に働く。従つて、外部からの引つ張り力に
より締結用弾性部材１０２は弾性変形しない。

〔実施例〕

以下、本発明の１実施例を図面を参照しつつ詳
細に説明する。

第３図は、光コネクタのプラグ部を構成するハ
ウジングの外観図であり、第３図ａは側面図、第
３図ｂは上面図である。ハウジング１０の上下部
にはそれぞれ腕部１１が設けられ、その先端には
弾性変形方向に対して垂直方向に突出し、ハウジ
ング１０に引張力が生じた場合に変形しないＴ字
型の締結用突起１１′が設けられ、そして光フア
イバ外被の保持部１２には、後述する金属リング
でかしめ固定するのを容易にするためスリツト１
８が設けられている。そして、フエルールをハウ
ジング内部に固定するための押え部材（後述）を
保持、固定するための係合孔１４が所定位置に設
けられている。腕部１１を含めたハウジング１０
はプラスチツク等の合成樹脂で構成し、モールド
により一体形成すればよい。

次にハウジングに対するフエルールの固定構造
について、第４図、第５図により説明する。

第４図ａ，ｂはそれぞれフエルールをハウジン
グに固定するための構成を説明するための左右両
側からの斜視図である。

フエルール１８の中央部には鍔１９が固着され
ており、圧縮コイルバネ２０をパイプ状部材２２
と挾むようにして組み立てられる。この圧縮コイ
ルバネ２０により、対向するフエルール端面とア
ダプタ内で弾接させる。鍔１９は押え部材１５中
央部の壁１７に当接する。なお、フエルール１８
は壁１７の中央部に設けられた孔１７ａ内を貫通
する。パイプ状部材２２は押さえ板２３と押さえ
板２４とにより溝部２５を形成する。押さえ板２
３は四角形の４角を面取りしたものであり、この
面取り部が押え部材１５の４角の係止棒２７の内
面と密着する。そして、押え部材１５の係合突起
２６は溝部２５と係合して、フエルール１８と押
え部材１５とを一体化する。なお、係合突起２６
の内面は円弧状であり、円柱状の溝部２５の外周
と密着する。さらに、押さえ板２４は係止棒２７
の一端に当接する。光フアイバのケブラ２１はパ
イプ状部材２２の円筒部２８上に載り上げられ、
その上から挿入されるパイプ材２８ａにより、か
しめ固定される。

第４図ｃ，ｄはそれぞれ押え部材１５の正面図
であり、ｃは後述するアダプタ側から見た正面図
ｄはフエルール挿入側から見た正面図である。

突起１６はハウジング１０の係合孔１４と嵌合
して、押え部材１５をハウジング１０に固定す
る。押え部材１５に設けた孔１７ａにフエルール
１８を空間１７ｂ側より挿入する。フエルール１
８と押え部材１５の突起１６側の係止棒１７の間
の空間は、後述するアダプタの軸心孔が嵌まる箇
所である。この軸心孔の外周と密着する如く係止
棒２７の内面は円形になつている。

フエルール挿入側も同様に、係止棒２７の内面
（第４図ｄ点線部）は円形になつており、押さえ
板２３の円形部分と密着する。点線部の内側の実
線部は係合突起２６の内面を示す。

第５図はハウジング内部を示す図である。この
図では１０ａで示す斜線部はハウジングの断面、
２８ａは光フアイバのケブラ２１をかしめるパイ
プ材の断面、２９は光フアイバ被膜を光フアイバ
保持部１２にかしめる金属リングの断面である。
なお、同図において第２図、第３図と同一部分は
同一番号で示している。

ハウジング内部においてＸの部分は断面四辺形
の筒状であり、押え部材１５、及び押さえ板２４
と嵌合する。そして、Ｙの部分は円筒径をなし、
パイプ材２６と嵌合する。このように、ハウジン
グ内部にフエルールを固定して、プラグを構成す
る。

次に、第５図の如く構成されたプラグをアダプ
タに挿入して、フエルール端面同士を突き合わせ
た状態を第６図ａ、アダプタの断面図を第６図
ｂ、アダプタのプラグ挿入側の正面図を第６図ｃ
に示す。

アダプタはフエルールが挿入される軸心孔３０
を形成する円筒部３１と、円筒部３１の外側でハ
ウジングを収容する収容孔３２を形成する殻部３
３とで構成される。殻部３３は弾性力を有する腕
部３４が設けられており、この腕部３４により、
例えば、アダプタを２パネル等に簡単に固定でき
るように構成されている。

アダプタの軸心孔３０にフエルールを挿入する
ため、ハウジングの腕部１１を内側に変形させ、
フエルールを軸心孔３０に挿入するとともに、ハ
ウジングを収容孔３２に挿入する。収容孔３２の
４角には係止部材３８が設けられている。ハウジ
ングの端部３６及び押え部材１５の端部がアダプ
タの円筒部３１の段付部に突き当たつた状態で、
腕部１１を元の状態に復帰させると、締結用突起
１１′が係止部材３８の端部と当接して係合して、
プラグがアダプタに固定される。

プラグをアダプタからとりはずすときは逆の動
作を行えば良い。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように、本発明によれば、
プラグ側のハウジングに設けた締結用弾性部材の
弾性方向と垂直方向に締結用突起を設け、これと
係合する凹部をアダプタの収納孔内部に設けたた
め、外部たらの引つ張り力が締結用突起を圧縮す
る方向に働くため、軸心がずれたり、ハウジング
がアダプタから抜けることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本発明の基本構成図、第３図
は締結用突起の効果を説明するための図、第４図
はフエルール固定構造を説明するための斜視図、
第５図はハウジング内部の構成を示す図、第６図
はハウジングとアダプタとの係合状態を示す図、
第７図は一般の光コネクタの締結構造を説明する
ための図である。 図において、１００はハウジング、１０１はア
ダプタ、１０２は締結用弾性部材、１０３はフエ
ルール、１０４は締結用突起、１０５は凹部、１
０６は収納孔である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 光フアイバを保持するフエルールが挿入され
   る軸孔及び軸孔の周囲に該フエルールを固定した
   ハウジングが収容される収容孔が形成されたアダ
   プタにより対向する２つのフエルール端面を突き
   合わせる光コネクタであつて、 前記ハウジングは合成樹脂よりなり、外部には
   内側に弾性変形する前記アダプタとの締結用の腕
   部を少なくとも１つ設けるとともに、 該腕部には、弾性変形方向に対して垂直方向に
   突出し、該ハウジングに引張力が生じた場合に変
   形しないＴ字型の締結用突起を設け、 前記アダプタの収容孔内部には該締結用突起に
   係合するＴ字型の凹部を設け、 該腕部の弾性変形により前記ハウジングを前記
   アダプタに着脱することを特徴とする光コネクタ
   の締結構造。