JPH0546005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は光フアイバケーブルをレセプタクル
に接続する際に使用するケーブルホルダに関す
る。

「従来の技術」 従来光フアイバケーブルを機器に接続するのに
第６図に示すバヨネツトロツク型コネクタが用い
られる。同コネクタは機器に実装されるレセプタ
クル１と光フアイバケーブルの端末に取付けられ
るプラグ２とで構成される。

レセプタクル１は金属材料より成り概ね円筒状
でその外周面にフランジ１ａが一体に形成され、
このフランジ１ａは機器の筺体にねじ等により取
付けられる。フランジ１ａを境にして上記機器よ
り離れる側の円筒体１ｂの内部にはフエルール３
を収容するためのフエルール収容穴１ｃが形成さ
れる。フランジ１ａを境にして円柱体１ｂと反対
側の円筒体１ｄは円柱体１ｂと同軸心で、この例
では円筒体１ｂより内径及び外径が大きくされ、
その内部に光素子（発光素子又は受光素子）４を
収容するための光素子収容穴１ｅが形成される。
フエルール収容穴１ｃと光素子収容穴１ｅとのつ
なぎの部分にはリング状の段部１ｆが形成されて
いる。光素子４はその端面の周縁が段部１ｆに当
接するように挿入保持され、フエルール３はその
前面が光素子４の端面と当接するようにフエルー
ル収容穴１ｃに挿入される。円筒体１ｂの外周面
にはプラグ２をロツクさせるために一対のロツク
用突起１ｇが一体に形成されている。

光フアイバケーブル５（第６図では２芯ケーブ
ルが示されている。）の端末にプラグ２を装着さ
せる為に、先ず外被５ａが除去されて光フアイバ
コード５ｂがむき出され、そのコード先端におい
て、上記フエルール収容穴１ｃの深さの1/2程度
以下の寸法だけコード外被５ｃがはぎ取られ、光
フアイバ５ｄがむき出される。

一方、プラグ２はブーツ２ａ、カツプリングナ
ツト２ｂ、コイルばね２ｃ及びフエルール３とで
構成される。このプラグ２は次のようにして光フ
アイバコード５ｂに装着される。先ず、ブーツ２
ａに光フアイバコード５ｂが通され、ブーツ２ａ
は一時的に外被５ａ側に寄せられる。コイルばね
２ｃ及びカツプリングナツト２ｂ内にフエルール
３が挿通され、この状態でフエルール３のコード
収容孔内に光フアイバコード５ｂが挿入される。
光フアイバ５ｄの前面がフエルール３の前面の位
置に合された状態で、フエルール３は例えば後端
面に近い周壁がかしめられて光フアイバコード５
ｂに固定される。（しかしそのかしめの状態は図
示していない。） フエルール３はレセプタクルのフエルール収容
穴１ｃ内に挿入される小径部３ａとその小径部３
ａより径の大きい大径部３ｂとで構成され、その
大径部３ｂの小径部３ａにつながる外周縁にコイ
ルばね２ｃのストツパーとなるリング状の鍔３ｃ
が一体に形成され、また大径部３ｂの外周面にブ
ーツ２ａと係合するための係合凹部３ｅが形成さ
れる。

ブーツ２ａはゴムより成り、その内孔の半部に
はフエルール３を収容するためのフエルール収容
穴２ａ１が、他の半部にはそれより小径のコード
収容孔２ａ２がそれぞれ形成され、フエルール収
容穴２ａ１の周りのブーツ２ａの内周面にはフエ
ルール３と係合するための係合凸部２ａ３が形成
されている。

一時的に外被５ａ側に寄せられていたブーツ２
ａはフエルール３側に移動され、フエルール収容
穴２ａ１内にフエルール３が収容され、ブーツの
係合凸部２ａ３はフエルールの係合凹部３ｅに係
合される。

プラグ２をレセプタクル１に結合させるため
に、フエルールの小径部３ａはレセプタクルのフ
エルール収容穴１ｃに挿入され、カツプリングナ
ツト２ｂはコイルばね２ｃを圧縮しつつ、レセプ
タクル１側にシフトされ、カツプリングナツト２
ｂの前縁より切り込まれたロツク用溝２ｂ１がレ
セプタクルのロツク用突起１ｇに係合される。こ
の状態ではフエルール３はその前面がコイルばね
２ｃにより光素子４の端面に弾性的に押圧されて
保持される。

なお、光フアイバケーブル５及びプラグの自重
や曲げて配線されたケーブルの弾力により、フエ
ルールに応力が加わり光結合に影響を与えること
のないように、ケーブル固定金具により光ケーブ
ルは適当な場所に固定される。

「考案が解決しようとする課題」 従来のバヨネツトロツク型光コネクタはレセプ
タクル１とプラグ２との着脱が容易である反面、
プラグ２の長手方向の寸法が大きく、またプラグ
２を光フアイバコード５ｂに装着する際にそのブ
ーツ２ａを一時的にケーブルの外被側に寄せて置
くための余長が必要であり、ケーブルの接続及び
配線に大きなスペースを用意しなければならない
難点があつた。

またプラグにはカツプリングナツト、スプリン
グ等が設けられ、着脱を容易にする構成をとる為
に可成り高価であつた。

レセプタクルに結合した光ケーブルを取り外す
ことがほとんどないような場合で、着脱性よりも
経済性が望まれる場合でも、他に適当なコネクタ
が無いために高価な上記のコネクタを用いねばな
らなかつた。

この考案の目的は、このような場合に好適で、
従来のプラグに代つて使用でき、安価で、かつケ
ーブルの接続及び配線のためのスペースが小さく
て済むケーブルホルダを提供することにある。

「課題を解決するための手段」 この考案の光ケーブルホルダは、 光フアイバケーブルの端末の外被が除去されて
光フアイバコード或いは光フアイバ心線（以下光
フアイバコード等と称す）がむき出され、その光
フアイバコードの端部にフエルールが取付けら
れ、そのフエルールが光コネクタ用のレセプタク
ルに結合された状態で上記光フアイバケーブルを
クランプすると共に上記レセプタクルに固定する
一対の部材であつて、 その各部材には、上記レセプタクルを収容しク
ランプするレセプタクル用溝と、上記レセプタク
ルのロツク用突起を収容する突起用穴と、上記光
フアイバコード等を収容するコード用溝と、上記
光フアイバコード等につづく上記光フアイバケー
ブルの端部を収容しクランプするケーブル用溝と
が形成される。

「実施例」 この考案の光ケーブルホルダの実施例を第１図
に第６図と対応する部分には同じ符号を付して示
し、重複説明は省略する。

この考案においても、レセプタクル１には従来
と同じものが用いられる。このレセプタクル１に
接続すべき光フアイバケーブル５に対し、従来例
で述べたのと同様な端末処理が行われる。光フア
イバ５ｄ及び光フアイバコード５ｂはフエルール
３内に挿入され、光フアイバ５ａの前面はフエル
ール３の前面に合され、その位置でフエルール３
はかしめ又は接着により光フアイバコード５ｂに
固定される。そのフエルール３がレセプタクルの
フエルール収容穴１ｃ内に挿入され、光フアイバ
５ｄの前面が光素子４の端面に対接される。

この状態で、光フアイバケーブル５の端部は光
ケーブルホルダ９によりクランプされると共にレ
セプタクルの円筒体１ｂの外周面に強固に固定さ
れる。

即ち、光ケーブルホルダ９には、レセプタクル
の円筒体１ｂを収容しクランプするためのレセプ
タクル用溝９ａと、ロツク用突起１ｇを収容する
ための突起用穴１ｂと、光フアイバコード５ｂを
収容するためのコード用溝９ｃ及び光フアイバケ
ーブル５の端部を収容しクランプするためのケー
ブル用溝９ｄとが形成される。ケーブルホルダ９
の四隅には組立用孔９ｅが設けられ、それを介し
てネジ１０及びナツト１１により一体に結合され
る。

コード用溝９ｃに収容される光フアイバコード
５ｂは第１図Ｂに示すように若干たわませて収容
するのが望ましい。その場合は、光フアイバコー
ドの復元力により、フエルール３の前面は光素子
４の端面に弾性的に押圧され、安定した光結合が
得られる。

また光フアイバケーブル５が抜けることのない
ように、第２図に示すように、光フアイバコード
５ｂのフエルール３と接する側の周縁にフツク１
０を取付け、一方そのフツク１０を挿入保持する
ためのフツク用溝９ｆを光ケーブルホルダ９に設
け、フエルール３の端面がフツク１０に当接し、
ケーブルの抜け止めを図るようにしてもよい。

第１図、第２図の実施例は単芯の光フアイバケ
ーブルをクランプするものであつた。多芯用ケー
ブルをクランプする場合を第３図に示す。同図Ｂ
では判り易いように、一方のホルダを外した状態
で示している。ホルダ９には複数のレセプタクル
用溝９ａと各光フアイバコードに共通のコード用
溝９ｃと１個のケーブル用溝９ｄとが設けられ
る。また各レセプタクル用溝９ａには突起用穴９
ｂが設けられる。この例では一対のホルダ９は３
カ所でねじ止めされる。各レセプタクル用溝９ａ
にはレセプタクル１が収容され、各レセプタクル
用溝９ａの間の方形部９ｇはホルダ９の板面その
ものであり、その中央に組立用孔９ｅがあけられ
ている。方形部９ｇとコード用溝９ｃとの境には
段部９ｈが形成される。

レセプタクル１が取付けられている筺体２０に
沿つてケーブル５を曲げて配線する場合に、筺体
２０からの配線スペースをより小さくするため
に、第４図に示すように、光ケーブルホルダ９を
コード用溝９ｃのところで板面を折り曲げて形成
することもできる。

また、これまでの例ではホルダ９は概ね肉厚の
板体で形成され、その各種溝の形成されている内
面と反対側の外面はほぼ平面状であり、各ホルダ
の厚味はレセプタクルのフランジ１ａの一辺の長
さのほぼ1/2程度になつている。しかしこの考案
のホルダはこのように肉厚の板体で構成する場合
に限らず、第５図に示すように、より薄く形成す
ることもできる。

これまでの実施例では一対のホルダ９をネジに
より結合するものとしたが、その場合に限らず、
例えばホルダの一方に係合用凸部を、他方に係合
用凹部を必要数設けて互いに係合させるようにし
てもよく、その結合方法は適宜に変更してもよ
い。

また、以上の実施例では、光フアイバ（５ｄ）
がプラスチツク製の、プラスチツク光フアイバケ
ーブルの例を基に説明したが、石英、多成分ガラ
ス等の素材を用いた光フアイバの場合は、一般に
極めて細いのでコード外被（５ｃ）の内部に、光
フアイバを予めプラスチツクで被ふく保護した
「光フアイバ心線」を補強繊維と共に配置してお
り、この様な構造の光フアイバケーブルについて
は、本文および図中の説明において、 光フアイバコード →光フアバ心線 コード外被 →心線外被 と読みかえて適用することが出来る。

「考案の効果」 この考案の光ケーブルホルダによれば、従来の
ように寸法が長く、高価なバヨネツトロツク型の
プラグを使用せずに、光フアイバケーブルをレセ
プタクルに固定することができる。この考案のホ
ルダは部品点数が少く、構造が簡単であり、極め
て安価に得られる。

また光ケーブルはホルダでクランプされると共
に、レセプタクルの円筒体に強固に固定されるの
で、従来のようにプラグ及びケーブルの自重によ
り或いは曲げて配線されたケーブルの弾力によ
り、フエルールに応力が加わり光結合に影響を与
えるような恐れはなく、従来のケーブル固定金具
を省略できる。

従来の寸法の長いバヨネツトロツク型プラグを
使用する必要がないので、接続、配線のためのス
ペースを従来より著しく減少できる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ及びＢはこの考案の光ケーブルホルダ
の第１の実施例を示すためのそれぞれ分解斜視
図、及び側面図、第２図はこの考案の第２の実施
例を示す側面図、第３図Ａ，Ｂ及びＣはそれぞれ
この考案の第３の実施例を示す平面図、一方のホ
ルダを外した状態での平面図及び側断面図、第４
図はこの考案の第４の実施例を示す側断面図、第
５図はこの考案の第５の実施例を示す斜視図、第
６図は従来のバヨネツトロツク型光コネクタの一
部切欠き断面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 光フアイバケーブルの端末の外被が除去されて
   光フアイバコードあるいは光フアイバ心線（以下
   光フアイバコード等と称す）がむき出され、その
   光フアイバコードの端部にフエルールが取付けら
   れ、そのフエルールが光コネクタ用のレセプタク
   ルに結合された状態で上記光フアイバケーブルを
   クランプすると共に上記レセプタクルに固定する
   一対の部材であつて、 それらの各部材には、上記レセプタクルを収容
   しクランプするレセプタクル用溝と、上記レセプ
   タクルのロツク用突起を収容する突起用穴と、上
   記光フアイバコード等を収容するコード用溝と、
   上記光フアイバコード等につづく上記光フアイバ
   ケーブルの端部を収容しクランプするケーブル用
   溝とが形成されている光ケーブルホルダ。