JPH0462985B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は表面材を粘着剤を介して剥離紙に貼り
合わせた粘着紙において、剥離紙または表面材の
いずれか一方が長さ方向にスリツトされている製
品を得るための装置に関するものである。

従来の技術 表面材を粘着剤を介して剥離紙に貼り合わせた
粘着紙において、その貼合せ層の一方、例えば剥
離紙において、その貼合せ層の一方、例えば剥離
紙のみを長さ方向にスリツトしてある製品を得る
ための従来方式の一つは、粘着紙を貼り合わせた
ままで連続的に送り、固定刃または回転刃を剥離
紙側から押しつけて剥離紙のみをスリツトする方
式があるが、この方式では正確に剥離紙のみを切
断することが困難であるとともに、多数の並列刃
で多条に切断する場合に各刃物において均一な深
さを切断することが困難であつた。別の方式とし
ては、粘着紙を一旦表面に粘着剤層を有する表面
材と剥離紙とに分離し、次いで剥離紙のみを長さ
方向にスリツトした後、再び表面材と貼り合わせ
る方式も提案されている。しかしながら、この剥
離分離方式においては、一対の接触ロールを通過
させる際に表面材と剥離紙とを互いに分離させる
ものであるが、分離位置を出た後も、表面に粘着
剤層を有する表面材の方に剥離紙が粘りつく傾向
があり剥離位置が一定せず、また断続的に引き離
し衝撃が働くため、表面材または剥離紙に皺が寄
り、ある場合にはその皺が永久的に続く不都合が
あり、後においてスリツトされた剥離紙を表面材
に再び貼り合わせた場合に、所望通りの美しく仕
上がつた製品が得られない欠点があつた。

発明が解決しようとする問題点 本発明は粘着紙の貼り合わせ層の一方を長さ方
向にスリツトした製品を得る目的において、前述
の剥離分離方式を採用する際、表面材と剥離紙の
分離を円滑にしかも確実に行わせ、分離した二層
のいずれにも皺が寄るなどの不都合を生ずること
がなく、爾後の一方の貼り合わせ層の長さ方向の
スリツト並びに再貼り合わせ作業をスムーズに行
うことができる装置を提供することを目的とする
ものである。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するための本発明の粘着紙の
貼合せ層の一方を長さ方向に切断する装置は、表
面材を粘着剤を介して剥離紙に貼り合わせた粘着
紙を供給する機構と、前記粘着紙から剥離紙を剥
離し、粘着剤の表層を有する表面材と剥離紙とに
分離する機構と、前記その分離された表面材また
は剥離紙のいずれか一方を長さ方向に連続的にス
リツトする機構と、スリツトされた表面材または
剥離紙を再び剥離紙または表面材に貼り合わせる
機構とからなり、前記粘着紙から剥離紙を剥離す
る機構は互いに接触しそれぞれ表面に吸気圧が内
部から作用する一対のサクシヨンローラーからな
り、前記粘着紙は前記一対のサクシヨンローラー
を通過する際粘着剤の表層を有する表面材と剥離
紙の二層に分離され、粘着剤の表層を有する表面
材は一方のサクシヨンローラーに沿接して送り出
されるのに対し、剥離紙は他方のサクシヨンロー
ラーの表面に沿接して送り出されるようになつて
いることを特徴とする。

作 用 本発明においては、粘着紙の貼合せ層の一方を
長さ方向にスリツトするに際し、粘着紙は一旦粘
着剤の表層を有する表面材と剥離紙との二層に分
離されるものであるが、その際、その分離作業は
一対のサクシヨンローラーを通過する際に行わ
れ、そして分離された表面材および剥離紙はそれ
ぞれ各別のサクシヨンローラーの表面に吸着し沿
接しながら送り出されるので、両層の分離が定位
置で確実に行われ、しかもそれぞれ確実に定速度
で定常的に送り出されるので、爾後の分離層の一
方のスリツト作業および両層の再貼り合わせ作業
がきわめて円滑に行うことができるものである。

実施例 以下本発明の実施例を粘着紙の貼合せ層のうち
剥離紙のみを長さ方向にスリツトした製品を得る
装置について説明する。

図において、１は粘着紙の巻出ロールで、粘着
紙は周知のように表面材を粘着剤を介して剥離紙
に貼り合わせたものである。この粘着紙の巻出ロ
ールは比較的長寸で大径のものが用意される。巻
出ロール１から引き出される粘着紙２は巻出ロー
ル１に関して表面側が表面材側であり、反対側が
剥離紙側である。巻出ロール１から引き出された
粘着紙は案内ロール３，４，５を経て本発明の粘
着紙分離−スリツト−再貼り合わせ機構に導入さ
れる。

分離−スリツト−再貼り合わせ機構の内の分離
機構６は互いに接触して定速度で回転する一対の
サクシヨンローラー７，８によつて構成される。
サクシヨンローラー７，８はそれ自体公知のよう
に、それぞれ一定の角度範囲において表面に吸気
圧が内部から供給されるものである。サクシヨン
ローラー７に作用する吸気圧の適用角度範囲を
α、サクシヨンローラー８に作用する吸気圧の適
用角度範囲をβで示す。

粘着紙２はまずサクシヨンローラー７の表面に
接触し、サクシヨンローラー７の時計方向の回転
に従つてサクシヨンローラー７の表面に沿接して
送られるが、サクシヨンローラー７とサクシヨン
ローラー８の接触位置で粘着剤の表層を有する表
面材９を剥離紙１０とに分離される。剥離紙１０
の方はそのままサクシヨンローラー７に沿接しな
がら送り出されるのに対し、粘着剤の表層を有す
る表面材９を他方のサクシヨンローラー８の表面
を沿接しながら送り出される。そしていずれのサ
クシヨンローラー７にも表面に内部から吸気圧が
作用しているので、それらの表面に沿接する表面
材９および離型紙１０はそれぞれサクシヨンロー
ラー８，７に吸着されるため、粘着紙２が二層に
分離した後は両分離層とも空間を走る遊びがない
ので、それぞれ確実に定常的に送り出されるもの
である。この目的において、サクシヨンローラー
７の吸気圧適用回転角度範囲αは粘着紙の導入位
置から離型紙１０がサクシヨンローラー７から離
れる位置までの間の角度範囲（図では約180°の角
度範囲）となつており、一方サクシヨンローラー
８の吸気圧適用回転角度範囲βは粘着紙を二層に
分離する位置からサクシヨンローラー７，８の接
触位置またはその近傍から、後述する再貼り合わ
せ位置となるニツプローラー１１との圧接点を越
えた位置までの角度範囲となつている。

剥離紙１０は送りロール１２、ダンサーロール
１３、送りロール１４、スリツター１５を経てニ
ツプローラー１１の表面に沿接するよう送り出さ
れる。この間剥離紙は送り方向にテンシヨンが与
えられ、その間に何か生ずることあるべき弛緩は
ダンサーロール１３によつて吸収され、一方スリ
ツター１５において剥離紙は適当幅に２以上のス
トリツプにスリツトされる。スリツター１５は従
来周知の構成のものが使用できる。図において１
５ａはスリツターの上刃、１５ｂはスリツターの
下刃である。スリツター１５により適当幅にスリ
ツトされた剥離紙のストリツプは表面材に対する
再貼り合わせ機構１６に送り込まれる。

再貼り合わせ機構１６はサクシヨンローラー８
とこれに圧接するニツプローラー１１とで構成さ
れる。剥離紙１０はスリツター１５でスリツトさ
れた後、ニツプローラー１１の表面に沿接し、ニ
ツプローラー１１とサクシヨンローラー８の圧接
点に送り込まれる。一方サクシヨンローラー７か
ら離れてサクシヨンローラー８の表面に沿接する
ように移し変えられた粘着剤の表層を有する表面
材９はサクシヨンローラー８の表面を沿接しなが
らニツプローラー１１との圧接点に導入される。
サクシヨンローラー８とニツプローラー１１との
圧接点において、接着剤の表層を有する表面材９
とスリツトされて複数のスリツプ状になつた剥離
紙１０が再び貼り合わされ、僅かの回転角度範囲
サクシヨンローラー８に沿接した後、次に作業工
程に送り出される。

サクシヨンローラー８を出た再貼り合わされた
粘着紙２０は一連の送りロールを経て巻取ロール
２１に巻き取られる。その間に必要があれば別の
スリツター機構２２により全体が定幅に切断され
て、それらの単位スリツプが格別の巻取ロールに
巻き取られることになる。勿論、スリツター２２
における切断はスリツター１５により切断位置と
は異なつた位置で行われるものである。

発明の効果 以上の実施例の説明から明らかな如く、本発明
によれば、表面材を粘着剤を介して剥離紙に貼り
合わせた粘着紙が一対のサクシヨンローラー７，
８を通過する際に、粘着剤の表層を有する表面材
９と剥離紙１０の二層に分離され、剥離紙１０の
みがスリツター１５によりスリツトされて、その
後において再びスリツトされた剥離紙１０が表面
材９と再貼り合わせされるものであるが、一対の
サクシヨンローラー７，８からなる分離機構にお
いては、分離された粘着剤の表層を有する表面材
９と剥離紙１０とが、それぞれ各別のサクシヨン
ローラー８，７によつてそれぞれの表面に確実に
吸着されて保持され、その状態で送り出されるの
で、定位置での両層の分離とそれぞれ他の影響を
及ぼさないで円滑で確実な送り出しができるた
め、事後のスリツト作業および再貼り合わせ作業
を何ら支障なく行うことができ、結果として、美
しく仕上がつた剥離紙スリツト粘着紙が得られる
ものである。

なお、上記の実施例においては、剥離紙の方を
スリツトするものとして説明したが、逆に表面材
の方をスリツトすることも可能であることは言う
までもない。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例装置を大略的に図解したも
のである。 ２……粘着紙、６……分離機構、７，８……サ
クシヨンローラー、９……表面材、１０……剥離
紙、１１……ニツプローラー、１５……スリツタ
ー、１６……再貼り合わせ機構、２０……再貼り
合わせ後の粘着紙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表面材を粘着剤を介して剥離紙に貼り合わせ
   た粘着紙を供給する機構と、前記粘着紙から剥離
   紙を剥離し、粘着剤の表層を有する表面材と剥離
   紙とに分離する機構と、前記その分離された表面
   材または剥離紙のいずれか一方を長さ方向に連続
   的にスリツトする機構と、スリツトされた表面材
   または剥離紙を再び剥離紙または表面材に貼り合
   わせる機構とからなり、前記粘着紙から剥離紙を
   剥離する機構は互いに接触しそれぞれ表面に吸気
   圧が内部から作用する一対のサクシヨンローラー
   からなり、前記粘着紙は前記一対のサクシヨンロ
   ーラー間を通過する際粘着剤の表層を有する表面
   材と剥離紙の二層に分離され、粘着剤の表層を有
   する表面材は一方のサクシヨンローラーに沿接し
   て送り出されるのに対し、剥離紙は他方のサクシ
   ヨンローラーの表面に沿接して送り出されるよう
   になつていることを特徴とする粘着紙の貼合せ層
   の一方を長さ方向に切断する装置。