JPH046280A - 高耐食性表面処理鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、亜鉛及び亜鉛系合金めっき鋼板の表面にクロ
メート処理を施し、その上層に有機皮膜を施した主とし
て自動車用防錆処理鋼板として用いられる高耐食性表面
処理鋼板に関するものである。

（従来の技術） 従来、自動車用途に用いられる表面処理鋼板のクロメー
ト処理皮膜に関する技術として以下のものがあった。

Ｃｒ”イオン、Ｃｒ３＋イオン、リン酸及びジルコニウ
ムフッ化物イオンを含むクロメート処理浴（特開昭６２
−５６５８０号公報）を用いるものは、皮膜の耐食性、
塗装密着性及びクロメート塗布液の劣化を改善すること
が目的であるが、その中で塗装密着性についてはリン酸
添加のみでは改善効果が十分でない問題点があった。ま
た、めっき鋼板の表面にＣｒ”イオン、Ｃｒ３″″イオ
ン、シランカップリング剤を含む処理液にてクロメート
処理する方法（特公昭６３−３５７１２号公報）は、処
理液にシランカップリング剤を添加することにより塗装
密着性の改善を図ったものであるが、耐食性については
不十分であった。さらに、Ｚｎ系めっき鋼板の表面に、
Ｃ「６０イオン、Ｃｒ３”イオン、コロイダルシリカ及
びシランカップリング剤またはチタネートカップリング
剤を含む処理浴でクロメート皮膜を形成した鋼板（特開
昭６２−８３４７８号公報）は、処理液にシリカ及びシ
ランカップリング剤を添加することにより塗料密着性の
改善が図られる。しかし、コロイダルシリカを添加する
ことによりクロメート皮膜の親水性が増し、Ｃｒ溶出性
が不良である問題点を有する。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、表面処理鋼板の耐食性、塗料密着性及びＣｒ
溶出性について従来より優れた性能を有する鋼板を提供
する。

（課題を解決するための手段） 本発明は、亜鉛及び亜鉛系合金めっき鋼板の表面に、ク
ロム酸濃度がクロム金属換算で５〜１５０ｇ／Ｉｔ、ク
ロム還元率がＣｒ３”／　（Ｃｒ”　＋Ｃｒ３”）比で
０．３〜０．６、リン酸をＣｒとの重量比で０．１〜１
、Ｏ、シランカップリング剤をＣｒとの重量比で０．０
１以上含むクロメート処理液で、クロム付着量として１
０〜１５０ｍｇ／ｍ２となるようクロメート皮膜を形成
し、さらにその上層に皮膜厚０．１〜３μｍの有機皮膜
を形成したことを特徴とする高耐食性表面処理鋼板であ
る。

（作　用） 本発明で対象とする亜鉛及び亜鉛系合金めっき鋼板とは
、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電
気亜鉛めっき鋼板、電気合金亜鉛めっき鋼板、第１層合
金化溶融亜鉛めっき上層電気亜鉛めっき鋼板など亜鉛を
主体とするめっき鋼板を意味する。

クロメート処理液組成において、クロム酸濃度はクロム
金属換算で５〜１５０　ｇ／ｕとする。この範囲におい
て本発明の目的を達成するための適正な付着量と良好な
りロメート外観を得ることができる。５ｇ／ｆ１未満で
は、被処理鋼板表面に本発明の目的を達成するための十
分な皮膜付着量を確保することができない。　１ｓｏｇ
／ρを超えると適正な付着量制御ができず、かつクロメ
ート外観不良となる。

クロメート処理浴は、処理洛中の６価クロメートの一部
を還元した還元クロメート浴とする。ここで還元浴を用
いるのは、良好な耐食性と良好なＣｒ溶出性の両方を得
るためである。クロム還元率は、Ｃｒ３”／　（Ｃｒ６
″″＋ＣＳ’）比で０．３〜０．６が適正である。０．
３未満ではＣｒ熔出性が低下し、逆に０．６を超えると
耐食性が低下し、処理浴がゲル化しやすい等、安定性が
低下する。

リン酸を添加するのは、主としてクロメート皮膜を８９
性のリン酸クロメート皮膜として形成し、Ｃｒ溶出性の
向上と耐食性の向上を図るためである。添加量としては
Ｃｒとの重量比で０．１〜１．０か適正である。０．１
未満ではこの効果が得られない。逆に、　１．０を超え
ると、溶液中に過剰量添加されたリン酸は鋼板表面にリ
ン酸塩として析出し、クロメート皮膜が厚膜化し、耐水
密着性が低下する。

シランカップリング剤を添加するのは、上層有機皮膜と
の密着性を改善するためである。ここでシランカップリ
ング剤は、一般式ＹＲ５ｉ）ｈで表わされ、Ｘは５１原
子に結合する加水分解性の基を表わし、アルコシ基及び
アセトキシ基などがある。

またＹは有機官能基を示し、ビニル基、メタクリロキシ
基、ウレイド基、エポキシ基、グリシドキシ基、メルカ
プト基、アミノ基、ジアミノ基などが挙げられる。シラ
ンカップリング剤を処理浴に添加する方法は、直接添加
するかまたはメタノール、エチルアルコール等のアルコ
ール類にて希釈してから添加するとよい。添加量はＣｒ
との重量比で０．０１以上必要であり、これ未満では十
分な効果が発揮されない。

クロメート付着量は１０〜１５０　ｍｇ／ｒｒ？の範囲
とする。１０ｍｇ／ｍ’未満では本発明の目的を達成す
ることができない。逆に、　１５０ｍｇ／ｍ’を超える
とＣｒ溶出性が低下する。塗布はロール絞り法、エアー
ナイフ絞り法、ロールコータ−法等により行なえる。

有機皮膜厚は０．１〜３．０μｍの範囲とする。・有機
皮膜を上層に適用することにより耐食性の更なる向上と
Ｃｒ溶出性防止が行なえる。０．１μｍ未満ては有機皮
膜が鋼板表面上で成膜し得ない。逆に、　３．０μｍを
超えると溶接性能が低下する。有種皮膜としては、例え
ばエポキシ系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル
系、フェノール系等の樹脂、及びこれに顔料としてシリ
カ、アルミナ、ジルゴニア、酸化マグネシウム他、無機
酸化物等を加えたものが通用可能である。

（実施例） 表１に示す様に、亜鉛系めっき鋼板の表面を各種組成の
処理液でロールコータ−法にて塗布し、水洗することな
く板温８０℃で乾燥することで種々の組成からなるクロ
メート皮膜を表面に形成させ、その上層に焼付板温１７
０℃、焼付時間６０秒で有機皮膜を形成し、表面処理鋼
板を得た。

得られた表面処理鋼板より試験片を採取して、性能評価
として耐食性試験、塗装密着性試験、Ｃｒ熔出性試験を
実施した。その結果を表２に示す。

耐食性試験としては平板部及びエリクセン加工押し出し
部の塩水噴露試験を実施した。塗装密着性試験としては
鋼板を脱脂・化成処理し、次に電着塗装した後、基盤目
テープ剥離を行なし１１剥離量を評価した。Ｃｒ溶出試
験は、鋼板を脱脂・化成処理し、その前後の鋼板表面の
Ｃｒ付着量差を蛍光Ｘ線〜分析装置により測定した。

各試験方法及び評価方法の詳細は次の通りである。

〔塩水噴露試験］ これはＪＩＳ−２−２３７１に準拠して実施した。

エリクセン押し出し、エリクセン押し出し試験機により
８ｍｍ押し圧ししたものを試験に供し、塩水噴露試験１
０００時間後の白錆発生程度により評価した。

５：白錆発生無し　　　　（０％） ４：僅かに白錆発生有り　（５％以下発生）３：やや白
錆発生有り　　（６〜１０％全１０％；かなり白錆発生
有り　（１１〜２０％有り）１：白錆発生多し　　　　
（２１％以上）〔塗装密着性評価試験〕 これは鋼板を日本パーカライジング製ＰＢ３０２０型脱
脂・化成処理し、その後日本ペイント製Ｕ−６００型電
着塗装を各々メーカーの仕様に従って施した。密着性試
験の評価基準は次の通りである。

５：剥離無し ４：剥離口数 ３：剥離目数 ２：剥離目数 １：剥離目数 （Ｃｒ溶出性） これは鋼板に日本パーカライジング製ＰＢ３０２０型脱
脂・化成処理をメーカーの仕様に従って施し、その前後
の鋼板表面のＣｒ付着量差（ｍｇ／ゴ）を蛍光Ｘ線にて
測定した。

本発明の実施例１〜１１は何れも耐食性、塗装密着性及
びＣｒ溶出性が良好であった。これに対し、Ｃｒ濃度範
囲を外れた比較例１．２は適正なＣｒ付着量制御が不可
能であり、Ｃｒ還元率が低い比較例３はＣｒ溶出性が不
良であり、高い比較例４は耐食性が不良である。リン酸
を添加していない比較例５はＣｒ溶出性及び耐食性が不
良であり、過剰量添加した比較例６は塗装密着性が不良
である。シランカップリング剤を添加していない１〜１
０個 １１〜３０個 ３１〜５０偲 ５０個以上 比較例７は塗装密着性が不良である。Ｃｒ付着量の少な
い比較例８は耐食性が不良であり、多い比較例９はＣｒ
溶出性が不良である。有機及膜厚の薄い比較例１０は耐
食性、Ｃｒ溶出性が不良であり、厚い比較例１１は溶接
性の点で問題を生じる。

表 評価結果 （発明の効果） 本発明の鋼板は、 従来の鋼板と比較して耐食 性、 塗装密着性、 Ｃｒ溶出性がイ量れる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）亜鉛及び亜鉛系合金めっき鋼板の表面に、クロム
   酸濃度がクロム金属換算で５〜１５０ｇ／ｌ、クロム還
   元率がＣｒ＾３＾＋／（Ｃ＾５＾＋Ｃｒ＾３＾＋）比で
   ０．３〜０．６、リン酸をＣｒとの重量比で０．１〜１
   ．０、シランカップリング剤をＣｒとの重量比で０．０
   １以上含むクロメート処理液で、クロム付着量として１
   ０〜１５０ｍｇ／ｍ＾２となるようクロメート皮膜を形
   成し、さらにその上層に皮膜厚０．１〜３μｍの有機皮
   膜を形成したことを特徴とする高耐食性表面処理鋼板。