JPH0462271A

JPH0462271A - 免振用ダンパ

Info

Publication number: JPH0462271A
Application number: JP17262790A
Authority: JP
Inventors: Juichi Takeda; 武田　寿一; Hiroshi Okada; 宏岡田; Yasuhiko Takahashi; 泰彦高橋; Matsutaro Seki; 関　松太郎
Original assignee: Obayashi Corp
Current assignee: Obayashi Corp
Priority date: 1990-07-02
Filing date: 1990-07-02
Publication date: 1992-02-27
Anticipated expiration: 2012-10-27
Also published as: JP2669112B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は免振用ダンパに係り、特に大型建築構造物用と
して採用される免振装置に用いて好適な免振用ダンパに
関する。

（従来の技術）近年、建築構造物を地震その他の振動から保護するため
、建築構造物と基礎との間に免振装置を介装することが
行われている。このような免振装置として、建築構造物
の重量を支持しつつ、水平荷重に対して弾性変形をする
弾性体を適用したものが広く知られている。この弾性体
は、例えばゴム板と鋼板とを交互に積層した構成とされ
て、水平振動を吸収するものである。但し、弾性体を主
体とした免振装置は、入力地震加速度が大きい場合に水
平方向に大きな変形が発生し易く、また地震エネルギの
吸収能を示す履歴曲線によって囲まれる面積も小さい等
の問題がある。

そこで、この問題を解消するための対策として、水平荷
重に対して所定の弾性変形を経て塑性変形をするダンパ
を付設し、水平方向の大きな振動工ネルギの吸収を行う
技術が開発されている。本出願人においては、このよう
なダンパとして、基礎に一端を固定し建築構造物に他端
を遊嵌した複数本の鋼棒を用いたダンパ構造を既に提案
している（特開昭６１−１５１３７７号等）。

（発明が解決しようとする課題）ところで、原子力発電所の建屋や大型の建築構造物に前
記の鋼棒ダンパを適用する場合には、鋼棒ダンパの設置
数が非常に多くなると共に、施工手間も多大となり、コ
ストアップを招くという問題がある。

また、最大級の地震を想定した場合、免振装置に要求さ
れる十分な力学的特性（変形、強度、減衰）を得るため
には、鋼棒ダンパに厳しい条件が課せられ、設計が難し
くなるという問題があった。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、塑性
変形用のダンパとして十分な減衰能力の向上を図ること
ができると共に、これにより設置数の低減、施工手間の
軽減を達成できてコストダウンを図ることができる免振
用ダンパを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本発明に係る免振用ダンパは、基礎と基礎上に弾性支持
された建築構造物との間に介装される免振用ダンパにお
いて、基礎または建築構造物のいずれか一方に一端が固
定され他端が他方に固定または遊嵌されて、水平荷重に
対して弾性変形を経て塑性変形をする中空円筒体で形成
されたことを特徴とする。

また、中空円筒体の両端側に、補強リブが形成される。

さらに、中空円筒体の内部に、振動吸収材が充填される
。

また、振動吸収材を複数種類備え、これら複数種類の振
動吸収材が、中空円筒体の内部にその軸方向に区分して
充填される。

（作　用）本発明の作用について述べると、免振用ダンパを中空円
筒体としたので、断面係数を大きくとることができ、ダ
ンパ単位での水平振動に対する大変形が可能となって過
大な地震に対しても安定した挙動が得られるようになる
。したがって、ダンパ単位で大きな減衰が得られるので
、ダンパ設置数の低減が可能となり、施工手間の軽減ひ
いては低コスト化が図れるようになる。また断面が中空
で且つ直径を大きくすることができるので、ダンパの曲
げ変形が起こり難くなっており、大きな靭性を期待でき
る。

また、断面が円形であるから、地震入力の方向性に依存
することなく均一な特性が得られる。また中空断面であ
るので、変形が小さい箇所でも大きい減衰が得られ、し
たがって風、中小地震等に対しても十分な制振効果が得
られる。

さらに、中空円筒体の両端側に補強リブを形成した場合
には、より座屈強度を高めることができる。

また、中空円筒体の内部に塑性材または粘弾性体等の振
動吸収材を充填した場合には、単独ではダンパとしては
成立し得ない材料（例えばコンクリート、鉛、粘弾性体
等）を利用できるようになり、両者の力学的特性により
相乗的効果が得られるようになる。特に振動吸収材とし
て複数種類のものを中空円筒体の内部にその軸方向に区
分して充填した場合には、必要な免振性能等に応じた最
適の力学的特性を得られるようになる。

（実　施　例）以下、本発明に係る免振用ダンパの好適な実施例を、図
面を参照して説明する。

本実施例の免振用ダンパは基本的に、基礎２と基１１２
上に弾性体３で弾性支持された建築構造物１との間に介
装される免振用ダンパにおいて、基礎２または建築構造
物１のいずれか一方に一端が固定され他端が他方に固定
または遊嵌されて、水平荷重に対して弾性変形を経て塑
性変形をする中空円筒体４で形成されて構成される。

第１図および第２図は本発明の第１実施例を示している
。

本実施例では、免振用ダンパを構成する中空円筒体４が
鋼製とされて、基礎２上に垂直に固定されている。この
中空円筒体４の上下端部には補強リブ、本実施例ではリ
ブとしてリング状の鋼製補強部材５が被嵌され、溶接等
によって固着されている。なお、このリブは、中空円筒
体４自体に肉厚部または曲成部を形成することにより、
一体的に形成することも可能である。

本実施例によれば、免振用ダンパを中空円筒体４とした
ので、断面係数を大きくとることができ、ダンパ単位で
の水平振動に対する大変形が可能となって過大な地震に
対しても安定した挙動が得られるようになる。したがっ
て、ダンパ単位で大きな減衰が得られるので、ダンパ設
置数の低減が可能となり、施工手間の軽減ひいては低コ
スト化が図れるようになる。また断面が中空で且つ直径
を大きくすることができるので、ダンノくの曲げ変形が
起こり難くなっており、大きな靭性を期待できる。

さらに、中空円筒体４の両端側に補強リブとして補強部
材５を設けた場合には、より座屈強度を高めることがで
きる。

第３図および第４図は本発明の第２実施例を示している
。

本実施例では、第１実施例の構成に加え、中空円筒体４
の内部に振動吸収材として塑性材６、具体的にはコンク
リートまたは鉛が充填されている。

なお、充填材料としては他の塑性材を適用してもよく、
また粉粒体その他の粘弾性体を充填してもよい。

本実施例によれば、第１実施例の効果に加え、中空円筒
体の内部に塑性材または粘弾性体等の振動吸収材を充填
したので、単独ではダンノスとしては成立し得ない材料
（例えばコンクリート、鉛、粘弾性体等）を利用できる
ようになり、両者の力学的特性により相乗的効果が得ら
れるようになる。

第５図および第６図は本発明の第３実施例を示している
。

本実施例では、第２実施例を変更して、中空円筒体４へ
の振動吸収材としての充填材が複数種類のものとされ、
これらが中空円筒体４の内部に軸方向に区分して充填さ
れている。例えば中空円筒体４の上下端部（領域Ａ）に
第１充填材７として鉛または粘弾性体が充填され、その
中間部（領域Ｂ）に第２充填材８としてコンクリートが
充填されている。なお、充填材の種類および充填区分に
ついては種々変更可能である。

本実施例によれば、振動吸収材として機能する塑性材ま
たは粘弾性体を複数種類中空円筒体４の内部に区分して
充填したので、第２実施例に加え、必要な免振性能等に
応じた最適の力学的特性を得られるようになる。

第７図〜第９図は中空円筒体４で構成した免振用ダンパ
の作用を示している。

第７図に示すように、中空円筒体４の上端を建築構造物
１に遊嵌させた場合には、水平荷重Ｐにより中空円筒体
４の上端が片持梁状の挙動を示して変位δを生じる。

また、第８図に示すように、中空円筒体４の上端を建築
構造物１に固着した場合には、水平荷重Ｐにより中空円
筒体４の上端が両持梁状の挙動を示して変位δを生じる
。

したがって、建築構造物１の種類または大きさ等を考慮
して、第７図または第８図に示す挙動のいずれに適合す
るかを検討し、力学的特性上最適となる接合構造を選定
すればよい。

第９図は、本発明の実施例による地震エネルギの吸収を
示す履歴曲線を鋼棒ダンパ使用の従来例との比較で示し
たものである。同図に示すように、本発明の履歴曲線（
実線ａ）によって囲まれる面積は、従来例による履歴曲
線（破線ｂ）に比して拡大されることがわかる。

（発明の効果）以上のように、本発明に係る免振用ダンパによれば、中
空円筒体を採用したことにより、十分な減衰能力の向上
を図ることができると共に、これによりダンパの設置数
の低減、施工手間の軽減を達成できてコストダウンを図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る免振用ダンパの第１実施例を示す
側面図、第２図は第１図の平面図、第３図は本発明に係
る免振用ダンパの第２実施例を示す縦断面図、第４図は
第３図の平面図、第５図は本発明に係る免振用ダンパの
第３実施例を示す縦断面図、第６図は第５図の平面図、
第７図〜第９図は作用説明図である。１・・・建築構造物　　　　２・・・基礎４・・・中空
円筒体５・・・補強リブ（補強部材）６．７．８・・・振動吸収材（塑性材、粘弾性体）

Claims

【特許請求の範囲】

（１）基礎と該基礎上に弾性支持された建築構造物との
間に介装される免振用ダンパにおいて、上記基礎または
上記建築構造物のいずれか一方に一端が固定され他端が
他方に固定または遊嵌されて、水平荷重に対して弾性変
形を経て塑性変形をする中空円筒体で形成されたことを
特徴とする免振用ダンパ。
（２）前記中空円筒体の両端側に、補強リブを形成した
請求項１記載の免振用ダンパ。
（３）前記中空円筒体の内部に、振動吸収材を充填した
請求項１記載の免振用ダンパ。
（４）前記振動吸収材を複数種類備え、これら複数種類
の振動吸収材を、前記中空円筒体の内部にその軸方向に
区分して充填した請求項３記載の免振用ダンパ。