JPH0461644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車用シートリクライナの微調節
装置に係るものである。

（従来技術） 従来公知の、特開昭50−66366号公報には、車
体側に取付けられる座席側ブラケツトと、該座席
側ブラケツトに軸により前後回動自在に軸着した
背凭側ブラケツトと、前記背凭側ブラケツトと重
合状態で前記軸に軸着されているセクタギアと、
前記座席側ブラケツトに取付けられた前記セクタ
ギアと係合する係合歯を有するロツクプレート
と、前記背凭側ブラケツトに形成した係合孔と前
記セクタギアに形成した偏心孔にカム輪が係合す
る微調節ネジとからなり、前記微調節ネジを回転
させると、背凭シートの角度が微調節されるもの
について記載されている。

（発明が解決しようとする課題） 前記公知のものの微調節ネジには、相当に大き
な歪力が掛かるのに、背凭側ブラケツトに形成し
た係合孔に軸着されているだけだから、剛性が不
足し、歪に伴なう作動不良を起す恐れもある。

この問題は、微調節ネジの軸止構造を両持ち構
成にすると解決できる。

（課題を解決するための手段） よつて本発明は、車体側に取付られる座席側ブ
ラケツト１と、該座席側ブラケツト１に軸３によ
り前後回動自在に軸着した背凭側ブラケツト４
と、前記背凭側ブラケツト４と重合状態で前記軸
３に軸着されているセクタギア５と、前記座席側
ブラケツト１に取付けられた前記セクタギア５と
係合する係合歯２１を有するロツクプレート１９
と、前記セクタギア５を中央にして一方は前記背
凭側ブラケツト４他方は補助ブラケツト６となる
ように重合状態に配設された前記背凭側ブラケツ
ト４とは固定の関係にある前記補助ブラケツト６
と、前記背凭側ブラケツト４に形成した係合孔１
８と前記補助ブラケツト６に形成した係合孔１７
にそれぞれ両端が軸止され前記セクタギア５に形
成した偏心孔１６に中央のカム輪１５が係合する
微調節ネジ１４とからなる自動車用シートリクラ
イナの微調節装置としたものである。なお、座席
側ブラケツト１と背凭側ブラケツト４とは、いず
れか一方いずれか他方の関係にあるから、座席側
ブラケツト１側にセクタギア５を取付けることは
でき、その場合は、要旨の座席側ブラケツト１を
背凭側ブラケツト４と読替えればよい。

（構成） 本発明の実施例を図により説明すると、１はシ
ートの座席側に固定される座席側ブラケツトであ
り、座席側ブラケツト１の基端部には、先端側に
二又部２を形成した軸３を設ける。４は背凭シー
トに固定される背凭側ブラケツトであり、該背凭
側ブラケツト４の基端部を前記軸３に軸止する。
背凭側ブラケツト４は図示はしていないが、バネ
により常時矢印イ方向に付勢されている。

前記軸３には、セクタギア５と補助ブラケツト
６を順次回動自在に装着する。セクタギア５は軸
３を中心とする円弧の無歯部７と、該無歯部７の
外径より僅かに小径で無歯部である段差部９と、
段差部９と略同一直径の円弧の歯部８とを形成
し、段差部９と無歯部７の境の停止部１０を形成
する。

１１は補助ブラケツト６と背凭側ブラケツト４
とをセクタギア５を介して固着するリベツトであ
るが、セクタギア５は微調節のため、長孔１２を
設け、長孔１２内にリベツト１１を挿通させる。

補助ブラケツト６と背凭側ブラケツト４はリベ
ツト１１により固着される。１３は調節ノブであ
つて、該調節ノブ１３を固定した微調節ネジ１４
の中央にカム輪１５を設け、該カム輪１５をセク
タギア５の偏心孔１６に嵌合させ、微調節ネジ１
４の両端を補助ブラケツト６の偏心孔１７と背凭
側ブラケツト４の偏心孔１８にそれぞれ嵌合させ
る。そのため、調節ノブ１３を回動させると、セ
クタギア５と背凭側ブラケツト４の相体的位置を
矢印イ方向または反矢印イ方向に微調整する。

しかして、前記座席側ブラケツト１にはロツク
プレート１９を軸２０により軸着し、ロツクプレ
ート１９の回動端側には前記歯部８と係合する係
合歯２１を形成する。２２はロツクプレート１９
から突出したピン、２３は操作レバーであり、操
作レバー２３は軸２４により座席側ブラケツト１
に軸着され、操作レバー２３のセクタギア５側に
は前記ピン２２が係合する開口２５が形成され
る。該開口２５のセクタギア５側はカム面２６に
形成され、該カム面２６はセクタギア５に対して
上端２７は遠く、下端２８は近くなるように形成
される。

２９は前記操作レバー２３に一体的に設けられ
るロツクプレート１９用のラツチであり、ロツク
プレート１９をセクタギア５の歯部８に押圧す
る。３０は操作レバー２３を常時矢印ロ方向に付
勢するバネである。

しかして、軸３にはカバー３１を回動自在に取
付ける。カバー３１は一端３２側を略直角に屈曲
させて前記セクタギア５の段差部９又は歯部８を
覆うカバー部３３を形成し、他端３４側には係合
片３５を設ける。３６は一端３２側に設けた突片
で、前記補助ブラケツト６の突片３７との間にバ
ネ３８を設け、常時カバー３１を停止部１０に当
接させる。

しかして、カバー３１を装着した軸３には扇状
の調節板３９を回動自在に取付ける。調節板３９
の外周部には歯部４０を形成し、該歯部４０には
レバー４１の歯部４２を係合させる。調節板３９
には前記カバー３１の係合片３５が矢印イ方向に
回動すると当接する当接片４３を設ける。調節板
３９には突起４４を設け、該突起４４には、軸３
に巻回したスプリング４５の一端４６、他端４７
をそれぞれ係止するが、一端４６、他端４７が突
起４４を挾持するようにクロス部４８を設ける。

４９は軸３に装着されるリングであり、該リン
グ４９の基端部には前記軸３の二又部２に嵌合す
る嵌合孔５０が形成され、リング４９は軸３（座
席側ブラケツト１）に対して固定される。リング
４９には前記突起４４方向に伸びた突出部５１を
設け、該突出部５１の先端側には調節板３９側に
伸びた突起５２が設けられ、該突起５２は前記ス
プリング４５のクロス部４８と一端４６，４７と
の間に臨ませる。即ち、スプリング４５は突起４
４を突起５２に常時相対峙させるように付勢す
る。

前記レバー４１は軸５３によりセクタギア５の
一端に軸着され、バネ５４により常時反矢印イ方
向に付勢させる。５５はレバー４１の一端、５６
の他端である。

（作用） 次に作用を述る。

（乗客の着座） 通常の使用状態において座席側ブラケツト１と
背凭側ブラケツト４とは、セクタギア５の歯部８
の適当位置とロツクプレート１９の係合歯２１と
の係合により固定される。この状態で、背凭シー
トの角度を変更するときは、操作レバー２３を反
矢印ロ方向に引き上げると、ロツクプレート１９
とラツチ２９の係合は外れ、同時にピン２２はカ
ム面２６に当接して、ロツクプレート１９の係合
歯２１を、矢印ハ方向に移動させ、係合歯２１と
歯部８との係合を解除して、背凭側ブラケツト４
と座席側ブラケツト１とを回動自在とし、所望の
角度に調節される。したがつて操作レバー２３よ
り手を離すと、ロツクプレート１９の係合歯２１
と歯部８とが係合してロツクされる。

（メモリセツト） 第３図に示した状態は、背凭れを適当に後傾斜
させたものである。カバー３１はカバー部３２と
係合歯２１の当接が解除されるとバネ３８の弾力
により引上げられて停止部１０に当接して停止し
ており、背凭れと共に回動するスプリング４５の
一端４６が停止位置にあるリング４９の突起５２
により開かれ、前記一端４６は突起４４より離れ
る。

この状態でレバー４１の歯部４２調節板３９は
スプリング４５の他端４７の作用で、突起４４が
突起５２と一致するまで自動的に回動して、第４
図の状態になり、メモリは完了する。

（後席乗客の降車） 後席の乗客が降車するときは、操作レバー２３
を第１図で引上げると、セクタギア５の歯部８と
ロツクプレート１９の係合歯２１の係合が外れる
ため、背凭側ブラケツト４は軸３を中心に前側に
倒れ、背凭側ブラケツト４側の停止部が座席側ブ
ラケツト１に衝突して停止する。

この状態ではロツクプレート１９の係合歯２１
の一部はセクタギア５の無歯部７の上面に当接し
ている。

後席の乗客が降車終了後、背凭シートを元の位
置に戻すと、背凭シートは前記メモリ位置に戻
る。

すなわち、係合歯２１はカバー３１のカバー部
３３外面に当接しているため、カバー３１を、そ
の係合片３５が調節板３９の当接片４３に当接す
るまで（第６図）回動させる。

係合片３５が調節板３９の当接片４３に当接す
ると、カバー３１の回動は停止するから、その後
は係合歯２１とカバー部３３は摺動し、係合歯２
１がカバー部３３外になると、係合歯２１と歯部
８は係合して背凭シートの回動は停止する。

この位置は前記メモリ位置と一致しており、し
たがつて、背凭シートはメモリ位置に自動的にセ
ツトされる。

その後は係合歯２１はカバー部３３上を滑つて
第７図の状態になるから、メモリ位置に自動的に
ロツクされる。

（別の乗客の着座） しかして、乗客のメモリセツトがしてあるシー
トに別の乗客が着座して、シートの傾斜角度を変
更するときは、操作レバー２３を反矢印ロ方向に
押上げて、係合歯２１と歯部８との係合を解除さ
せると、係合歯２１はカバー３１のカバー部３３
とは無関係に調節されるので、背凭側ブラケツト
４を所望の角度に調節した後、操作レバー２３を
離すと、再度係合歯２１と歯部８とが係合して座
席側ブラケツト１と背凭側ブラケツト４とがロツ
クされ、乗客用の傾斜角度に調整できる。

（微調節） 調節ノブ１３を持つて回転させると調節ノブ１
３に固定されている微調節ネジ１４は回転し微調
節ネジ１４の一部に形成されているカム輪１５は
セクタギア５の偏心孔１６内で回転するからセク
タギア５と背凭側ブラケツト４の相対的関係位置
は変更される。なお、セクタギア５の回動はリベ
ツト１１と長孔１２の係合の範囲内で行なわれ
る。また、微調節ネジ１４には相当に大きい歪力
が掛かるが、前記セクタギア５は一方は前記背凭
側ブラケツト４に他方は補助ブラケツト６となる
ようにその間に重合状態に配設され、微調節ネジ
１４は、前記背凭側ブラケツト４に形成した係合
孔１８と前記補助ブラケツト６に形成した係合孔
１７にそれぞれ両端が軸止されているから、剛性
は大きく強度面の不安はない。

（効果） 従来公知の、特開昭50−66366号公報に記載さ
れたものは、微調節ネジを回転させると、背凭シ
ートの角度を微調節され得るものについて記載さ
れているが、前記公知のものの微調節ネジは、背
凭側ブラケツトに形成した係合孔に軸着されてい
るだけだから、剛性が不足し、歪に伴なう作動不
良を起す恐れがあつた。

しかるに、本発明は、車体側に取付られる座席
側ブラケツト１と、該座席側ブラケツト１に軸３
により前後回動自在に軸着した背凭側ブラケツト
４と、前記背凭側ブラケツト４と重合状態で前記
軸３に軸着されているセクタギア５と、前記座席
側ブラケツト１に取付けられた前記セクタギア５
と係合する係合歯２１を有するロツクプレート１
９と、前記セクタギア５を中央にして一方は前記
背凭側ブラケツト４他方は補助ブラケツト６とな
るように重合状態に配設され前記背凭側ブラケツ
ト４とは固定の関係にある前記補助ブラケツト６
と、前記背凭側ブラケツト４に形成した係合孔１
８と前記補助ブラケツト６に形成した係合孔１７
にそれぞれ両端が軸止され前記セクタギア５に形
成した偏心孔１６に中央のカム輪１５が係合する
微調節ネジ１４とからなる自動車用シートリクラ
イナの微調節装置としたものであるから、微調節
ネジ１４を回転させてカム輪１５をセクタギア５
の偏心孔１６内で回転させると、セクタギア５と
背凭側ブラケツト４の相対的関係位置は変更して
背凭角度を微調節でき、前記セクタギア５は一方
は前記背凭側ブラケツト４、他方は補助ブラケツ
ト６となるようにその間に重合状態に配設され、
微調節ネジ１４は前記背凭側ブラケツト４に形成
した係合孔１８と前記補助ブラケツト６に形成し
た係合孔１７とにそれぞれ両端が軸止され、その
中間のカム輪１５をセクタギア５の偏心孔１６内
で回転させるから、剛性は大き強度面は不安はな
いという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の全体の側面図、第２図は本発
明の要部の分解図、第３図は乗客用に背凭角度を
調節した状態図、第４図は乗客用に背凭角度をメ
モリした状態図、第５図は背凭を前倒させたとき
の状態図、第６図は第５図の状態から背凭を後方
に回動させた状態図、第７図は乗客のメモリ位置
へ復帰を示す状態図である。 符号の説明、１……ブラケツト、２……二又
部、３……軸、４……ブラケツト、５……セクタ
ギア、６……補助ブラケツト、７……無歯部、８
……歯部、９……段差部、１０……停止部、１１
……リベツト、１２……長孔、１３……調節ノ
ブ、１４……軸、１５……カム輪、１６……偏心
孔、１７，１８……係合孔、１９……ロツクプレ
ート、２０……軸、２１……係合歯、２２……ピ
ン、２３……操作レバー、２４……軸、２５……
開口、２６……カム面、２７……上端、２８……
下端、２９……ラツチ、３０……バネ、３１……
カバー、３２……一端、３３……カバー部、３４
……他端、３５……係合片、３６……突片、３７
……突片、３８……バネ、３９……調節板、４０
……歯部、４１……レバー、４２……歯部、４３
……当接片、４４……突起、４５……スプリン
グ、４６……一端、４７……他端、４８……クロ
ス部、４９……リング、５０……嵌合孔、５１…
…突出部、５２……突起、５３……軸、５４……
バネ、５５……一端、５６……他端。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体側に取付られる座席側ブラケツト１と、
   該座席側ブラケツト１に軸３により前後回動自在
   に軸着した背凭側ブラケツト４と、前記背凭側ブ
   ラケツト４と重合状態で前記軸３に軸着されてい
   るセクタギア５と、前記座席側ブラケツト１に取
   付けられた前記セクタギア５と係合する係合歯２
   １を有するロツクプレート１９と、前記セクタギ
   ア５を中央にして一方は前記背凭側ブラケツト４
   他方は補助ブラケツト６となるように重合状態に
   配設され前記背凭側ブラケツト４とは固定の関係
   にある前記補助ブラケツト６と、前記背凭側ブラ
   ケツト４に形成した係合孔１８と前記補助ブラケ
   ツト６に形成した係合孔１７にそれぞれ両端が軸
   止され前記セクタギア５に形成した偏心孔１６の
   中央のカム輪１５が係合する微調節ネジ１４とか
   らなる自動車用シートリクライナの微調節装置。