JPH0459942A - 高速度鋼工具用シャンク材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は高速度鋼を刃材とし、シャンクを各種溶接法に
より溶接するエンドミルおよびドリル等のシャンク材に
関するものである。

〔従来技術〕

高速度鋼を用いて製造するエンドミルなどの切削工具に
おいては、従来より高価な高速度鋼を節約するために炭
素鋼などの低級鋼を用いてシャンクを作り、これを摩擦
溶接あるいはフラッシュバット溶接などにより接合させ
た、いわゆる複合体の工具を製造することによりコスト
ダウンが図られている。

しかしながらこれらの素材はいずれも高速度鋼との接合
状態において同時熱処理を施すと結晶粒が粗大化し、靭
性が低下するため一般には高速度鋼のみをまず塩浴に入
れ、所定時間経過後シャンク部を浸漬する２段熱処理が
必要である。

また近年、難切削材切削用の高速度鋼の開発が著しく、
エンドミルなどの切削工具にも多数用いられるようにな
ってきたが、従来のシャンク材では溶接部強度が低く、
また熱処理作業性向上のため高速度鋼と同時熱処理を施
した場合、十分な硬さが得られず強度不足となり座屈な
どの事故を起して使用に耐えないと同時に、高速度鋼と
シャンク材の色合いが異なり商品価値も劣るものもある
。

（発明が解決しようとする課題〕 本発明は、安価で溶接性に優れ、かつ溶接部強度が高く
、高速度鋼と同時熱処理を施してもＨＲＣ５０以上の高
硬度が得られるとともに高速度鋼とシャンク材の色合い
が同じで商品価値の高い高速度鋼工具用シャンク材を得
ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究した結果、
以下に示す成分組成の鋼が好適であることを見出して本
発明を完成させたものである。

即ち、本発明は重量比にしてＣ；０．４０〜０゜８０％
、Ｓｉ　；０．４０〜１．５０％、Ｍｎ：０゜２０〜２
．００％、Ｎｉ；０．１０〜１．５０％、Ｃｒ　；０．
５０〜３．００％、Ｍａｉｌ、０〜３゜００％、Ｖ；０
．３０％以下、Ａｌ；０．０４０〜０．１００％を含有
し、さらに必要に応してＮｂ；０．０２〜０．３０％を
含有することを特徴とする高速皮調工具用シャンク材で
ある。

本発明はＳｉとＭｏの複合効果およびＣｒを含有させて
耐軟化抵抗性を高めることにより、高速度鋼と同時熱処
理を行ってもＨＲＣ５０以上の硬さが得られるところに
特徴がある。

またＣｒ含有量を３．００％以下に抑制することにより
、高速度鋼とシャンク材の溶接割れを防止するとともに
、同時熱処理を施しても高速度鋼とシャンク材の色合い
の差を無くしたものであり、さらにＡＩを積極的に添加
することにより溶接部の気泡などの欠陥を減少して溶接
部抗折力を３２０ｋｇｆ／ｍｍ２以上としたものである
。

従って従来から用いられているシャンク材に較べて硬さ
および溶接部強度が高いうえに、熱処理作業性が良好で
あって、難切削材切削用高速度鋼工具の高性能化に大き
く貢献できるものである。

以下に本発明の成分限定理由について述べる。

Ｃ；０．４０〜０．８０％ Ｃは基地に固溶し材料を強化するのに必須の元素であり
、Ｃｒ、Ｍｏなどと炭化物を形成して耐摩耗性を向上し
、さらに高速度鋼と同時熱処理を施してもＨＲＣ５０以
上とするために０．４０％以上の含有が必要であるが、
０．８０％を越えて含有させると靭性が著しく低下する
のでその成分範囲を０．４０〜０．８０％とした。

Ｓｉ；０．４０〜１．５０％ Ｓｉは脱酸に必要な元素であるとともに、基地の強化に
有効であり、そのためには０．４０％以上含有させる必
要があるが、１．５０％を越えて含有させると靭性が著
しく低下し、脱炭が促進されるのでその成分範囲を０．
４０〜１．５０％とした。

Ｍｎ；０．２０〜２．００％ ＭｎはＳｉと同様に脱酸に必要な元素であるとともに、
焼入性向上に有効であり、そのためには０．２０％以上
の含有が必要であるが、２．００％を越えて含有させる
と焼鈍硬さが高くなり、加工性が低下するためその成分
範囲を０．２０〜２゜００％とした。

Ｎｉ；０．１０〜１．５０％ Ｎｉは基地の強度を高め、結晶粒の粗大化を防止して靭
性を向上するのに有効であり、そのためには０．１０％
以上の含有が必要であるが、１゜５０％を越えて含有さ
せると硬さおよび強度が低下するためその成分範囲を０
．１０〜１．５０％とした。

Ｃｒ　：０．５０〜３．００％ Ｃｒは焼戻軟化抵抗性と、炭化物を形成して耐摩耗性を
向上する。また焼入性向上にも有効な元素であり、その
ためには０．５０％以上の含有が必要であるが、３，０
０％を越えて含有させると溶接性が低下するためその成
分範囲を０．５０〜３．００％とした。

Ｍｏ；１．００〜３．００％ Ｍｏは焼戻軟化抵抗性を高める元素であり、そのために
は１．００％以上の含有が必要であるが、３．００％を
越えて含有させると靭性が低下するためその成分範囲を
１．００〜３．００％とした。

Ｖ；０．３０％以下 ■は強度、焼戻軟化抵抗性向上に寄与する元素であるが
、高価であるため０．３０％以下とした。

Ａｌ；０．０４０〜０．１００％ ＡＩは高速度鋼とシャンク材の溶接部に発生する気泡の
低減に有効な元素であり、そのためには０．０４０％以
上の含有が必要であるが、０．１００％を超えて含有さ
せると非金属介在物が増加するのでその成分範囲を０．
０４０〜０．１００％とした。

Ｎｂ；０．０２〜０．３０％ Ｎｂは結晶粒の粗大化を防止して靭性を高める効果があ
り、そのためには０．０２％以上の含有が必要であるが
、０，３０％を超えて含有させても効果が飽和するため
その成分範囲を０，０２〜０６３０％とした。

〔実施例〕

次に本発明の特徴を実施例により説明する。

本発明の実施例の化学成分を第１表に示す。

第１表 （以下余白） 第１表中、Ａ−Ｅ鋼は本発明網であり、Ａ−Ｃ綱は第１
発明鋼、Ｄ、Ｅ鋼は第２発明網である。

Ｆ−Ｊｌは比較鋼、Ｋｍは従来鋼であるＪＩＳ。

５５５Ｃである。

これらの鋼の熱処理後の硬さ、溶接性、溶接部シャンク
材の色合いおよび溶接部抗折力を調査した。

硬さは高速度鋼の熱処理と同じように真空中で１１９０
’Ｃに１５分間保持後、ガス冷却して焼入し、真空中５
６０°Ｃに２時間保持後空冷の焼戻を３回繰り返した後
、ロックウェル硬度計により測定した。

溶接性は直径１６ｍｍの材料を同じ直径の高速度鋼と摩
擦溶接し、エンドミルに加工後、溶接部の割れなど欠陥
の有無を観察した。

次に溶接性を調査したエンドミルに硬さ測定と同一条件
で熱処理を施し、高速度鋼とシャンク材の色合いを目視
で観察後、４点曲げ抗折試験に供して溶接部抗折力を測
定した。

これらの結果を第２表に示す。

第２表 第２表中色合いについては、高速度鋼とシャンク材の色
合いの差の全く無いものは○印、色合いの差が少し認め
られるものはΔ印、色合いの差がはっきり認められるも
のは×印で表した。

比較＃ＦはＣ含有量が低いため硬さおよび抗折力が低く
、比較鋼ＧはＣｒ含有量が高いため溶接部に欠陥が有り
、色合い、抗折力も劣る。比較鋼ＨはＮｉ含有量が高く
、ＡＩ含有量が低いため硬さが低く、溶接部に欠陥が有
り、抗折力も低い。

比較鋼ＪはＭＯ含有量が高いため色合い、抗折力が劣り
、従来鋼には硬さ、抗折力が低い。それに刻して本発明
鋼は比較鋼、従来鋼に較べて　硬さ、溶接性、色合いお
よび溶接部抗折力の点で優れていることが明らかである
。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明は高速度鋼工具用シャンク
材として好適な素材を見出したものであり、その特徴と
するところは、高速度鋼との溶接性に優れ、溶接部強度
も高く、かつ高速度鋼と同時熱処理を行っても十分な硬
さが得られるとともに色合いが良く、商品価値も優れて
おりながら比較的安価である等多くの利点を有する素材
であり、難切削材切削用高速度鋼工具の高性能化に大き
く貢献するものである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量比にして、Ｃ；０．４０〜０．８０％、Ｓｉ
   ；０．４０〜１．５０％、Ｍｎ；０．２０〜２．００％
   、Ｎｉ；０．１０〜１．５０％、Ｃｒ；０．５０〜３．
   ００％、Ｍｏ；１．００〜３．００％、Ｖ；０．３０％
   以下、Ａｌ；０．０４０〜０．１００％を含有し、残部
   Ｆｅおよび不可避的不純物からなることを特徴とする高
   速度鋼工具用シャンク材。
2. （２）重量比にして、Ｃ；０．４０〜０．８０％、Ｓｉ
   ；０．４０〜１．５０％、Ｍｎ；０．２０〜２．００％
   、Ｎｉ；０．１０〜１．５０％、Ｃｒ；０．５０〜３．
   ００％、Ｍｏ；１．００〜３．００％、Ｖ；０．３０％
   以下、Ａｌ；０．０４０〜０．１００％、Ｎｂ；０．０
   ２〜０．３０％を含有し、残部Ｆｅおよび不可避的不純
   物からなることを特徴とする高速度鋼工具用シャンク材
   。