JPH0458307B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は冷凍食品の解凍装置に関し、特に、数
多くの小塊冷凍食品を同時に、且つ比較的短時間
にムラなく解凍させるための新規な改良に関する
ものである。

【従来の技術】

従来、種々の解凍装置が知られており、第４図
及び第５図は、その中の代表的な構成を示してい
る。 即ち、第４図及び第５図において、符号１で示
されるものは全体が断熱構造よりなると共にほぼ
箱形をなすケースであり、このケース１の外部上
面にはコンデンシングユニツト２を構成する圧縮
機３、凝縮器４及びフアンモータ５が載置して設
けられている。 ケース１内の上部位置には、このコンデンシン
グユニツト２に接続された蒸発器６が設けられ、
蒸発器６の底部には電気ヒータ等からなる加熱部
７が配設されていると共に、この蒸発器６の一側
部位置（実施例では左側）にはフアンからなる送
風部８が設けられている。 加熱部７の下方位置には、遮蔽板９及び一対の
棚受部材１０が設けられ、これ等の棚受部１０の
上端と遮蔽板９の各端との間には、空気の吸込開
口１１と吐出開口１２が形成されていると共に、
各棚受部材１０にも、前述の吸込開口１１及び吐
出開口１２とほぼ同様の開口が、第５図の断面図
に示されるように、横長状に所要の間隔で形成さ
れている。 解凍室を画成する棚受部材１０には、Ｌ形の受
金具１３を介して複数枚の棚１４が支持されてお
り、これ等の棚１４上に、多数の冷凍食品１５が
載置されている。 更に、ケース１の前部側には扉１６が開閉自在
に設けられており、各棚１４上の冷凍食品１５の
出し入れを可能にしている。 従来の解凍装置は前述のように構成されてお
り、以下にその動作について説明する。 加熱部７を作動させると共に送風部８を作動さ
せると、加熱部７により加熱された空気即ち温風
が、送風部８によつて送り出されて、矢印Ａ，
Ｃ，Ｅ及びＧで示されるように各吸込開口１１か
ら解凍室内に入り、各棚１４上の冷凍食品１５と
熱交換して冷却された後、矢印Ｂ，Ｄ，Ｆ及びＨ
で示されるように吐出開口１２から送風部８に戻
り、再び循環される。

【発明が解決しようとする問題点】

温度の高い空気は上昇しようとする性質がある
ため、送風部８により送られる温風は、十分下方
に到達せず、矢印Ａで示される近傍位置の温風温
度と矢印Ｇで示される近傍位置の温風温度とを比
較すると、矢印Ａで示される位置の温度は矢印Ｇ
で示される位置の温度よりもはるかに低く、各棚
上における温風温度も上段から下段に行くに従つ
て低下している。従つて、上段の棚における解凍
時間よりも下段の解凍時間が相対的にかなり長く
なるため、全体の解凍時間の長くならざるを得な
い。また、上述した従来の解凍装置は、冷凍食品
を解凍した後、冷却保存状態に切り換える構成で
あるが、上段の棚の冷凍食品の方が早く解凍され
るため、下段の棚の冷凍食品が解凍される頃に
は、上段の棚の冷凍食品の水分が奪われて商品と
しての価値を著しく損なうことがあつた。 従つて、本発明は、全ての棚上の冷凍食品に対
しほぼ同じ温度の温風が供給され、全ての冷凍食
品の解凍時間がほぼ一定化できる解凍装置を提供
することを目的とする。

【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成するため、本発明による冷凍
食品の解凍装置は、開閉自在な扉を有するケース
と、該ケース内の上部位置に設けられ空気を加熱
する加熱部と、該加熱部により加熱された空気を
前記ケース内に供給するための送風部と、該送風
部からの前記加熱空気を前記ケース内の下方に案
内すべく、同ケースと協働して、前記ケース内の
下部位置にのみ加熱空気の吹出口を有する空気下
降ダクトを画定する第１ダクト板と、前記吹出口
に底部で連通する空気上昇ダクトを前記第１ダク
ト板と協働して画成する第２ダクト板と、該第２
ダクト板と協働して冷凍食品の解凍室を画成する
と共に、前記ケースと協働して空気返却ダクトを
画成する第３ダクト板とを備え、前記第１、第２
ダクト板の上端は、前記空気上昇ダクトの頂部を
閉状態に保持するよう接続部によつて接続され、
前記第２ダクト板には、前記空気上昇ダクト及び
前記解凍室に連通する複数の吸込開口が上下に離
間して形成され、前記第３ダクト板には、前記解
凍室及び前記空気返却ダクトに連通する複数の吐
出開口が上下に離間して形成されている。

【作用】

本発明による冷凍食品の解凍装置において、送
風部から送られた加熱空気は、最初、空気下降ダ
クトを下方に流れ、ケース、即ち解凍室の下部位
置にあるその吹出口から空気上昇ダクトに流入す
る。 この空気上昇ダクトを画成する第２ダクト板に
は、上下に離間した複数の吸込開口が形成されて
いるため、また、空気上昇ダクトの頂部は閉じら
れているため、加熱空気は、空気上昇ダクトを上
昇しながら、温度の高い空気から順に下側から上
側へと各吸込開口を介して解凍室に吸い込まれ
る。 従つて、解凍室内に供給された加熱空気は、そ
の下方から上方までほぼ均一な温度分布となつ
て、全冷凍食品とほぼ均一な熱交換を行う。 解凍に使用され温度が低下した加熱空気は、第
３ダクト板に形成された吐出開口から空気返却ダ
クトに吐き出され、この空気返却ダクトを上昇し
て、送風部、加熱部に戻り循環する。

【実施例】

以下、図面と共に本発明による冷凍食品の解凍
装置の好適な実施例について詳細に説明する。
尚、従来の構成と同一又は同等部分については同
一符号を付して説明する。 第１図から第３図において符号１で示されるも
のは、全体が断熱構造よりなると共にほぼ箱形を
なすケースであり、このケース１の外部上面に
は、コンデンシングユニツト２を構成する圧縮機
３、凝縮機４及びフアンモータ５が載置して設け
られている。 ケース１内の上方位置には、このコンデンシン
グユニツト２に接続された蒸発器６が設けられ、
この蒸発器６の底部には電気ヒータ等からなる加
熱部７が配置されていると共に、蒸発器６の一側
部位置（実施例では左側）にはフアンからなる送
風部８が配置されている。 加熱部７の下方には、ほぼ水平な遮蔽板９をそ
の上部に一体状に有すると共に棚受の作用をする
一対のダクト板（第２、第３ダクト板）１０ａ及
び１０ｂがほぼ垂直に設けらえ、これ等のダクト
板１０ａ及び１０ｂのうち、一方のダクト板１０
ａには第２図で示すように横長の複数の吸込開口
１１が上下に所定の間隔で形成され、他方のダク
ト板１０ｂには、同様に横長の複数の吐出開口１
２が上下に所定の間隔で形成されている。 ダクト板１０ａ及び１０ｂ間にはＬ形の受金具
１３を介して複数枚の棚１４が設けられており、
各棚１４上には多数の冷凍食品１５が載置され
る。前述の棚１４と各ダクト板１０ａ及び１０ｂ
との間に設けられた受金具１３は、第１図では簡
略化して示しているが、実際には、第３図で示す
ように、各ダクト板１０ａ及び１０ｂの開口１１
及び１２が形成されていない側端部にこの受金具
１３が固定して取り付けられ、該受金具１３上に
棚１４が載置して設けられている。各ダクト板１
０ａ及び１０ｂは、協働してそれ等の間に解凍室
を形成している。 更に、ダクト板１０ａとケース１の側壁との間
には、このダクト板１０ａとほぼ平行な状態で第
１ダクト板１７がほぼ垂直に設けられている。ダ
クト板１７の下端はケース１の内面底部から離間
した位置で終端していた、そこに、加熱空気の吹
出口２０が形成されている。また、ダクト板１７
及び１０ａの上端は、加熱部７を通つた送風部８
からの加熱空気が流入しないように、板状の接続
部１７ａによつて閉止状態に接続されている。従
つて、ダクト板１７とケース側壁の一方との間に
は空気下降ダクト１９が形成され、ダクト板１７
及び１０ａの間には空気上昇ダクトが形成され
る。また、ダクト板１０ｂとケース側壁の他方と
の間には空気返却ダクトが形成される。 更に、ケース１の前部側には扉１６が開閉自在
に設けられており、各棚１４に対する冷凍食品１
５の出し入れを可能にしている。 本発明による解凍装置は前述のように構成され
ており、以下にその動作について説明する。 加熱部７を作動させると共に送風部８を作動さ
せると、加熱部７によつて得られた加熱空気は送
風部８により矢印Ａ及びＢで示されるように送り
出されて空気下降ダクト１９に入り、同ダクトを
矢印Ｃで示すように流下して、吹出口２０を矢印
Ｄで示すように通つて、空気上昇ダクトに入る。
そして、加熱空気は、この空気上昇ダクト内を上
方に流れながら、矢印Ｅ，Ｆ，Ｇで示すように、
ダクト板１０ａに形成された吸込開口１１の下の
ものから順に上述した解凍室に吸い込まれ、各棚
１４上の前冷凍食品１５に供給されてほぼ均等な
熱交換が行なわれる。 冷凍食品１５との熱交換を終えた温風は、矢印
Ｊ，Ｋ，Ｌ及びＭで示されるように、ダクト板１
０ｂの各吐出開口１２から空気返却ダクトに吐き
出され、この空気返却ダクトを上方に流れて、送
風部８によつて繰り返し循環される。 前述の温風の循環動作が所定時間継続される
と、各棚１４上の冷凍食品１５に対して解凍がム
ラなく行われ、全冷凍食品１５の解凍がほぼ同一
の時間で完了する。 前述の解凍完了状態を検出する場合、本発明に
おいては全冷凍食品に対してほぼ同等の解凍時間
となるため、タイマによる時間設定、もしくは送
風部８の吸込空気温度によつて検出を行うことが
できる。本実施例においては、解凍終了後はコン
デンシングユニツト２の作動開始により、チルド
食品として冷却保存することができる。

【発明の効果】

本発明による冷凍食品の解凍装置では、空気上
昇ダクトを画成する第２ダクト板には、上下に離
間した複数の吸込開口が形成されているため、ま
た、空気上昇ダクトの頂部は閉じられているた
め、加熱空気は、空気上昇ダクトを上昇しなが
ら、温度の高い空気から順に下側から上側へと各
吸込開口を介して解凍室に吸い込まれるので、解
凍室内に供給された加熱空気は、その下方から上
方までほぼ均一な温度分布となつて、全冷凍食品
とほぼ均一な熱交換を行い、ほぼ同一時間で解凍
することができる。従つて、冷凍食品の解凍ム
ラ、余分な乾燥等を避けることができる。 また、ほぼ同一時間で全冷凍食品を解凍できる
ため、解凍終了検出をタイマによる時間設定域は
送風部への吸込空気温度を行つても、常に所定状
態の解凍冷蔵食品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による冷凍食品の解凍装置
を、その扉を除去し庫内を開示した状態で示す略
正面図、第２図は、第１図の解凍装置に扉を付け
側壁を開いた状態で示す右側立面図、第３図は、
第１図の解凍装置における棚受け部材の要部拡大
断面図、第４図は、従来の解凍装置の扉を除去し
庫内を開示して示す正面図、第５図は、第４図の
解凍装置に扉を付け側壁を開いた状態で示す右側
立面図である。 １……ケース、７……加熱部、８……送風部、
１０ａ……第２ダクト板、１０ｂ……第３ダクト
板、１１……加熱空気の吸込開口、１２……加熱
空気の吐出開口、１５……冷凍食品、１６……
扉、１７……第１ダクト板、１７ａ……接続部、
１９……空気下降ダクト、２０……加熱空気の吹
出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 開閉自在な扉１６を有するケース１と、該ケ
   ース１内の上部位置に設けられ空気を加熱する加
   熱部７と、該加熱部７により加熱された空気を前
   記ケース１内の下方に供給するための送風部８
   と、該送風部８からの前記加熱空気を前記ケース
   １内に案内すべく、同ケース１と協働して、前記
   ケース１内の下部位置にのみ加熱空気の吹出口２
   ０を有する空気下降ダクトを画定する第１ダクト
   板１７と、前記吹出口２０に底部で連通する空気
   上昇ダクトを前記第１ダクト板１７と協働して画
   成する第２ダクト板１０ａと、該第２ダクト板１
   ０ａと協働して冷凍食品の解凍室を画成すると共
   に、前記ケース１と協働して空気返却ダクトを画
   成する第３ダクト板１０ｂとを備え、前記第１、
   第２ダクト板１７，１０ａの上端は、前記空気上
   昇ダクトの頂部を閉状態に保持するよう接続部１
   ７ａによつて接続され、前記第２ダクト板１０ａ
   には、前記空気上昇ダクト及び前記解凍室に連通
   する複数の吸込開口１１が上下に離間して形成さ
   れ、前記第３ダクト板１０ｂには、前記解凍室及
   び前記空気返却ダクトに連通する複数の吐出開口
   １２が上下に離間して形成されている冷凍食品の
   解凍装置。