JPH0457923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （利用分野） 本発明はガス器具のガス供給装置、特に、電磁
弁とガバナとの組み合せを採用する形式のガス供
給装置に関し、ガスバーナに致るまでのガス導入
回路に利用される。

（従来技術及びその問題点） 通常、ガス器具では、ガス器具へのガス導入部
に設けられる器具栓と、この下流側に設けられ且
主バーナの点火や燃焼を制御するための制御弁ユ
ニツトとの組み合せからなるガス導入回路が採用
される。

前記制御弁ユニツトには、その最上流側に主弁
が設けられ、器具栓を介して導入されたガスは、
さらにこの主弁から制御弁ユニツト内に導入され
る。

また、燃焼の安定性を確保するため、あるいは
燃焼能力の安定性を確保するため、上記したガス
導入回路には、ガス圧調整弁が組み込まれる。さ
らに、最近のガス器具では、電気的諸装置を用い
てバーナの燃焼を制御することが多く、上記制御
弁ユニツトを構成する弁には主弁をはじめとして
他の弁にも電磁弁を採用する。

このようなガス器具では、従来、第７図に示す
ようなガス供給回路が採用され、コツク式の器具
栓１０→ガス圧調整弁２→電磁弁からなる主弁３
０を最上流側に設けた制御弁ユニツト３→バーナ
４となつた回路構成となる。器具の使用にあたつ
ては、器具栓１０を手動操作によつて開弁させた
あと、器具を始動操作すると、主弁３０が開弁し
て制御弁ユニツト３を介してバーナ４にガス供給
され、同時に点火装置等が動作してバーナ４が燃
焼する。器具の運転を停止するときには、停止操
作によつて、制御弁ユニツト３の各部が初期状態
に復帰してバーナ４（種火バーナがある場合には
この種火バーナを含めたすべてのバーナ）が消火
する。主弁３０によつて制御弁ユニツト３の最上
流側が遮断されるからである。

電磁弁を用いた制御弁ユニツト３を採用する器
具ではその操作は簡単なものとなつており、簡単
な操作で前記停止状態が得られるが、器具栓１０
は手動によつて開閉されるものであるから、器具
栓１０を閉め忘れることが多い。

ところが、上記ガス回路に挿入されたガス圧調
整弁２は、同図の如く、ダイヤフラム２１と弁体
２２とを連結し、このダイヤフラムを弁体２２の
一次側に臨ませ、大気圧側に二次圧設定用のバネ
２３を設けた構成であり、これによつて二次側の
ガス圧を安定化させるようにしている。従つて、
前記のように、器具栓１０を開けたままに放置す
ると、ダイヤフラム２１には一次側のガス圧力が
作用したままの状態におかれ、弁体２２が全閉又
は最小絞り状態となつて、ダイヤフラム２１の変
形も最も著しい状態に放置される。この状態が長
期間放置されると、ダイヤフラムに永久変形が生
じたりしてガス圧調整機能が損なわれる。

そこで、この問題を解消するためには、第８図
の如く、器具栓１０を主弁３０と同様の電磁弁
（以下元弁１１という）に置きかえて主弁３０と
同期的に動作させることが考えられる。

この場合、器具停止時には、ガス圧調整弁２の
上流側及び下流側が共に遮断されるから、このま
ま放置されても、ダイヤフラム２１に高い圧力が
加わらず、上記した不都合が解消できる。

ところが、この後者のものでは、器具始動時に
おける点火動作のとき、爆発的点火をひき起すこ
とがある。

器具始動時に、元弁１１と主弁３０とが同期的
に開弁すると、ガス供給開始時期において、初期
状態にあるダイヤフラム２１に一次圧が作用して
おらず、弁体２２が全開状態にあることから、ダ
イヤフラム２１に一次圧が作用して二次圧が設定
圧に達するまでのあいだ、弁体開度が過大となる
からである。すなわち、ガス圧調整弁が安定状態
になるまでに過大なガスが下流側に流れて、二次
側が第９図に示すようなガス圧変化を示すからで
ある。

（技術的課題） 本発明は、このような、器具へのガス導入部に
設けた元弁と制御ユニツトの最上流側に設けた主
弁との間に、一次側の圧力変化に対応して開度変
化し二次側の圧力を設定圧力に保つようにしたガ
ス圧調整弁２を挿入したガス供給回路において、
元弁の閉め忘れによるダイヤフラムの劣化等の不
都合を防止し、且、器具始動点火時における爆発
点火等の不都合を防止することを目的とするもの
であり、この目的達成のため、器具の始動操作の
みによつて元弁開弁後に主弁が開弁されるととも
に運転停止時には元弁及び主弁が共に自動的に閉
弁されるようにすることをその技術的課題とす
る。

（技術的手段） 上記技術的課題を解決するための本発明の技術
的手段は、元弁１１及び主弁３０を共に電磁弁と
し、元弁１１の励磁コイル１１ａ及び主弁３０の
励磁コイル３０ａを並列接続して共に始動スイツ
チ７に接続し、前記主弁の励磁コイル３０ａの回
路には、始動スイツチ７の閉成によつて動作状態
となる遅延手段の出力接点を挿入し、この遅延手
段による遅延時間をガス圧調整弁２の弁体２２が
初期状態から最少絞り状態に移行するまでに要す
る時間以上に設定したことである。

（作 用） 本発明の上記技術的手段は次のように作用す
る。

始動スイツチ７をONにすると、まず、元弁１
１の励磁コイル１１ａが導通状態となり、元弁１
１が開弁し、ガス圧調整弁２の一次側が加圧さ
れ、それまで全開状態にあつた弁体２２が最少絞
り状態又は全閉状態となる。この時、同時に遅延
手段が動作し、遅延時間が経過すると主弁３０の
励磁コイル３０ａ側回路に挿入した出力スイツチ
が閉成し、この励磁コイル３０ａがONとなつて
主弁３０が開弁し、制御弁ユニツト３からバーナ
４にガス供給される。このガス供給開始時におけ
るガス圧調整弁２の二次側のガス圧変化は第２図
の如くとなり、ガス供給開始時から設定圧力状態
が一定時間持続するまでの点火時間のあいだに点
火され、その後バーナの燃焼が持続する。

前記点火時間中は最少絞り状態から設定圧力状
態になることから、この間に過大なガスが流れる
ような事態が生じない。

始動スイツチ７を開成すると、元弁１１及び主
弁３０の励磁コイルへの回路が断れてこれらの弁
は共に自動的に閉弁する。従つて、ガス圧調整弁
２の一次側（ダイヤフラム）に過大な圧力が加わ
らない状態で器具が停止することとなる。

（効 果） 本発明は上記構成であるから、次の特有の効果
を有する。

器具停止時には確実にガス圧調整弁の上流側の
元弁が閉じられるから、元弁の閉め忘れによつて
ダイヤフラムが劣化しガス圧調整弁の性能が低下
するような不都合が防止されるとともに、ガス供
給開始時に過大なガスが流れることがないから点
火時に爆発点火をひき起こす不都合も生じない。

また、過流出防止弁を器具の上流側に組み込ん
だ場合においても、ガス供給開始時に過大流量状
態すなわち過流出状態が生じないから、ガス回路
が定常時にあるにもかかわらず、器具へのガス供
給開始時に前記過流出防止弁が作動してしまう不
都合も生じない。

（実施例） 第１図に示す第１実施例は、元弁１１の励磁コ
イル１１ａと並列に設けた遅延手段としてのタイ
マー５の常閉出力接点６を主弁３０の励磁コイル
３０ａの回路に挿入したものであり、ガス回路は
元弁１１→ガス圧調整弁２→主弁３０→バーナ４
の回路構成となる。

このものによれば、始動スイツチ７を閉成する
と元弁１１が開弁して同時にタイマー５が動作状
態となり、このタイマーの常閉出力接点６が開成
し、タイマー５の設定時間経過時にこの常閉出力
接点６が閉成される。従つて、主弁３０は元弁１
１の開弁からタイマー５の設定時間経過時に開弁
する。また、始動スイツチ７を開成させると各励
磁コイル及び他の制御回路への回路が断たれ、元
弁１１及び主弁３０が閉弁して器具停止状態とな
る。

次に、第３図に示す第２実施例のものは、ガス
圧調整弁として、信号入力に応じて二次圧を自動
的に変化させ得るようにした、いわゆる比例制御
弁機能を具備する形式の弁を採用するものであ
り、例えば、湯沸器の設定湯温維持装置等に利用
されるものである。

このガス圧調整比例弁としては、例えば、実公
昭59−18216号公報に開示のものがあり、湯温等
の出力を検知するセンサーＳからの信号入力に応
じて、印加電圧設定手段２５から電磁コイル２４
への印加電圧が変化し、弁体２２と一体のプラン
ジヤー２６に加わる付勢磁力が変化して二次圧が
湯温等の出力変動に応じて変化せしめられ、バー
ナの燃焼火力が制御される。

この場合においても、ダイヤフラム２１と弁体
２２とが一体に連結されているから、ガス圧調整
機能を発揮し、一次圧が変動しても二次圧は各時
点における設定圧力に保持される。

この実施例のものでは、始動スイツチ７の閉成
によつて、このガス圧調整比例弁２０の電磁コイ
ル２４にはその時点で設定された印加電圧が加わ
つた状態にあり、弁体２２には開弁付勢力が作用
している。ところが、この時、すでに元弁１１が
開弁状態にあることから、弁体２２の一次側には
最大ガス圧が加わり、この弁体２２は最少絞り状
態に移行せしめられる。次いで、第１実施例と同
様にタイマー５の設定時間経過時に主弁３０が開
弁することとなり、二次側のガス圧力が第１実施
例と同様に経時的に変化する。

次に、第４図に示す実施例のものは、上記第
１、第２実施例を組み合せたもので、通常のガス
圧調整弁２と、比例制御弁機能を具備するガス圧
調整比例弁２０とを直列にして元弁１１と主弁３
０との間に挿入したものである。この場合には、
元弁１１が開弁すると、まず、ガス圧調整弁２及
びガス圧調整比例弁２０が共に最小絞り状態に移
行して、主弁３０が開弁したあとは、共に各設定
圧状態に変化することとなる。

尚、比例制御弁として、ガス圧調整機能を具備
しない形式の弁を採用する場合には、通常は、こ
の比例制御弁３２は第５図の如く、既述の制御弁
ユニツト３内に収容される。しかし、この形式の
比例制御弁をガス圧調整弁２と主弁３０との間に
挿入しても、ガス圧調整弁のガス圧調整性能に悪
影響を与える心配はない。

以上、いずれの実施例も、遅延手段としてタイ
マー５を採用したが、送風フアンを具備する器具
では、遅延手段として、送風フアン８と送風回路
８１に挿入される風圧スイツチ９の組み合せが採
用可能であり、このスイツチの受圧部９１をこの
送風回路に挿入するとともに風圧スイツチの常開
出力接点９２を主弁３０の励磁コイル３０ａ側の
回路に挿入する構成としてもよい。

この場合には、始動スイツチ７をONにする
と、元弁１１が開弁して同時に送風フアン８が駆
動し、送風回路８１に空気流が生じるが、送風フ
アン８の駆動開始から風圧スイツチ９が動作して
接点が閉成するまでに一定の時間差が生じること
となり、タイマー５を設けたと同様に作用する。

このように、遅延手段としては、元弁１１の開
弁から主弁３０の開弁に致るまでに、ガス圧調整
弁２の弁体が初期状態から最小絞り状態になるま
でに要する時間に相当する時間差（約３秒程度）
が確保されるかぎり、公知の種々の遅延手段が利
用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の要部説明図、第
２図は本発明の場合のガス圧調整弁の二次圧変化
図、第３図は第２実施例の要部説明図、第４図は
第３実施例の説明図、第５図は比例制御弁を組み
込む場合の説明図、第６図は遅延手段の他の例を
示す説明図、第７〜第８図は従来例の説明図、第
９図は第８図の場合のガス圧調整弁の二次側のガ
ス圧変化図であり、図中 ２…ガス圧調整弁、４…バーナ、５…タイマ
ー、６…常閉出力接点、１１…元弁、１１ａ…励
磁コイル、２０…ガス圧調整比例弁、３０…主
弁、３０ａ…励磁コイル、。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 器具へのガス導入部に設けた元弁とその下流
   側に設けた主弁との間に、一次側の圧力変化に対
   応して開度変化し二次側の圧力を設定圧力に保つ
   ようにしたガス圧調整弁２を挿入したガス供給回
   路において、元弁１１及び主弁３０をともに電磁
   弁とし、元弁１１の励磁コイル１１ａ及び主弁３
   ０の励磁コイル３０ａを並列接続して共に始動ス
   イツチ７に接続し、前記主弁３０の励磁コイル３
   ０ａの回路には、始動スイツチ７の閉成によつて
   動作状態となる遅延手段の出力接点を挿入し、こ
   の遅延手段による遅延時間をガス圧調整弁２の弁
   体２２が初期状態から最小絞り状態に移行するま
   でに要する時間以上に設定したガス供給装置。