JPS5833400Y2 - 燃焼安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバーナへのガス通路を開閉する閉子を熱電対の
熱起電力によって吸着させ、異常事態発生時に前記吸着
を解除してガス通路を閉鎖する燃焼安全装置に関する。

前記燃焼安全装置では、万一種火が消える事態が発生し
ても熱電対の熱起電力は瞬時に低下しないため、生ガス
が流出する事態が発生する。

従来ではこの事態を回避するために熱起電力によって閉
子を吸着する電磁部と熱電対との直列回路に開閉器を介
装し、異常事態発生時にはこの開閉器をオフし、吸着し
ていた前記閉子を離脱させ、種火バーナおよびメインバ
ーナへのガス通路を閉鎖している。

しかしながら熱起電力は約３０ｍＶ程度であるため、そ
の回路抵抗には制限があり、前記開閉器の接点部の抵抗
を小さくすることが要求される。

よって開閉器の接点に金メッキまたは金クラッド等の処
理を施すことが必要で、装置の価格が高くなるという欠
点を有していた。

そこで本考案は上記欠点を解消するために威されたもの
であって、閉子を瞬時に離脱させて生ガスの流出を防止
できると共に安価にして実施できる燃焼安全装置を提供
するものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はガス燃焼器具の構成を示し、１は種火バーナ２
の着火を検出するための熱電対、３はガス人口部４から
メインバーナ５へ連通するガス通路６と、ガス入口部４
から種火バーナ２へ連通するガス通路７へのガスの供給
を調節するコックで、ガス通路の断面積を調節するため
のツマミ８と、ばね９によって上方〔ガス通路閉鎖方向
〕に付勢された閉子１０と前記ばね９の付勢力に抗して
押圧された閉子１０を吸着保持する電磁部１１とから成
るガス通路弁１２と、種火バーナ２への着火装置（図示
せず）とから構成され、ツマミ８をばね９の付勢力に抗
して押圧しながら所定角度以上回動させると着火装置が
動作し、種火バーナ２への着火が完了すると、前記熱電
対１の熱起電力によって電磁部１１が閉子１０を吸着し
、ツマミ８の前記押圧を解除しても閉子１０ならびにツ
マミ８がガス通路閉鎖状態に自動復帰しないように保持
される。

なおガス通路６に介装された１３と１４は、それぞれガ
ス圧調整器と電磁弁で、電磁弁１４は停電などの異常事
態発生時にメインバーナ５へのガス供給を停止するよう
に作用し、ここで電磁弁１４はメインバーナ５へのガス
通路６を開放している。

第２図は燃焼安全装置の回路図を示し、１５は直流電源
としてのバッテリ、１６はメインスイッチ１７、逆流防
止用ダイオード１８、抵抗１９を介してバッテリ１５に
よって正常燃焼時に充電されるコンデンサ、２０は異常
事態発生時にオン状態となる開閉器で、メインスイッチ
１７と、抵抗２１と２２との直列回路と、開閉器２０と
、バッテリ１５とで閉回路を構成する。

２３はＮＰＮ型トランジスタで、ベースとコレクタとは
それぞれ抵抗２１と２２との接続点イと、抵抗２４を介
してダイオード１８とコンテ゛ンサ１６との接続点口と
に接続され、エミッタは該トランジスタ２３を介して流
れるコンテ゛ンサ１６の放電電流■１が、ガス通路弁１
２の電磁部１１と熱電対１との直列回路に、熱起電力に
よって流れる電流■２とは逆方向の電流として作用する
よう、電磁部１１を介して抵抗１９のコンテ゛ンサ１６
との接続点でない一端へに接続されている。

次に燃焼安全装置の動作を第３図、第４図に基づいて説
明する。

先ずツマミ８を押圧しながら所定角度以上回動し、種火
バーナ２への着火が行われると、熱電対１の熱起電力が
次第に上昇し、電磁部１１両端電圧は第３図の如く上昇
し、熱起電力が閉子１０の吸着に必要な電圧■１以上の
所定値に達すると、前記押圧を解除してもメイ〉・バー
ナ５および種火バーナ２の燃焼を持続させることができ
る。

この正常燃焼時にコンテ゛ンサ１６は、バッテリ１５、
メインスイッチ１７、ダイオード１８、コンデンサ１６
、抵抗１９で構成される閉回路の電流Ｉ３によって充電
されている。

ここで燃焼を瞬時に停止し、かつ生ガスの放出を防ぐ必
要のある異常事態が時刻ｔ１に発生した場合には、時刻
ｔ１に開閉器２０をオン状態としてトランジスタ２３に
ベースバイアスを加えると、Ｉ・ランジスタ２３はオン
状態となり、コンテ゛ンサ１６の放電電流■１が電磁部
１１を介して流れ、コンテ゛ンサ１６の両端電圧Ｖ１６
は瞬時に零電位近くまで低下する。

コンデンサ１６の放電電流■１によって電流■２は打消
され、電磁部１１の両端電圧Ｖｌｌは瞬時に離脱電圧Ｖ
２以下に低下し、閉子１０はばね９の付勢力によってガ
ス通路閉鎖方向に移動し、メインバーナ５ならびに種火
バーナ２へのガスの供給が瞬時に停止され、生ガスが放
出されるという事態は発生しない。

ここで開閉器２０は電磁リレー及びマイクロスイッチな
どであり、その接点は金メッキまたは金クラッド等の処
理を施す必要のない安価なものを使用することができる
。

また開閉器２０は圧力、熱、水圧などによって応動する
ものであってもよい。

また上記実施例においては正常燃焼時において充電した
コンテ゛ンサ１６の放電電流■１が、電磁部１１と熱電
対１との直列回路に熱起電力によって生じる電流■２と
は逆方向に作用するよう電磁部１１に流したため、バッ
テリ１５の容量が小さくとも確実に電磁部１１から閉子
１０を離脱状態にすることができる。

以上説明のように本考案によると、バーナへのガス通路
を開閉する閉子と、着火によって動作する熱電対の熱起
電力によって励磁され、前記閉子り吸着保持してバーナ
へのガス通路を開放する電磁部とを有するガス通路弁、
異常事態発生時に動作するスイッチングトランジスタを
有するスイッチ部と、正常燃焼時に充電されるコンテ゛
ンサとを備え、前記スイッチ部の動作により、熱起電力
とは逆方向の前記コンデンサの放電電圧を前記スイッチ
ングトランジスタを介して前記電磁部に印加するよう構
成したため、異常事態発生時には瞬時にしてバーナへの
ガス通路を閉鎖することができ、生ガスの放出を防止で
きると共に、従来のように高価な開閉器を使用する必要
がないため、低価格で上記の優れた効果を奏する。

また正常時にはコンデ゛ンサへの充電を完了すると電力
損失がなくなると共に、異常時の電力損失もスイッチン
グトランジスタの動作であるため電力損失が極めて従な
くてすむ。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はガス燃焼器具
のガス通路系統図、第２図は燃焼安全装置の回路図、第
３図は電磁部１１の両端電圧波形図、第４図はコンテ゛
ンサ１６の両端電圧波形図である。 １・・・・・・熱電対、２・・・・・・種火バーナ、５
・・・・・・メインバーナ、９・・・・・・ばね、１０
・・・・・・閉子、１１・・・・・・電磁部、１２・・
・・・・ガス通路弁、１５・・・・・・バッテリ、１６
・・・・・・コンテ゛ンサ、２３・・・・・・スイッチ
ングトランジスタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナへのガス通路を開閉する閉子と、着火に動作する
   熱電対の熱起電力によって励磁され前記閉子を吸着保持
   してバーナへのガス通路を開放する電磁部とを有するガ
   ス通路弁と、異常事態発生時に動作するスイッチングト
   ランジスタを有するスイッチ部と、正常燃焼時に充電さ
   れるコンデンサとを備え、前記スイッチ部の動作により
   、熱起電力とは逆方向の前記コンデンサの放電電圧を前
   記スイッチングトランジスタを介して前記電磁部に印加
   するように構成したことを特徴とする燃焼安全装置。