JPH0457665B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0457665B2
JPH0457665B2 JP57232132A JP23213282A JPH0457665B2 JP H0457665 B2 JPH0457665 B2 JP H0457665B2 JP 57232132 A JP57232132 A JP 57232132A JP 23213282 A JP23213282 A JP 23213282A JP H0457665 B2 JPH0457665 B2 JP H0457665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
diacylaminophenol
silver halide
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57232132A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59139352A (ja
Inventor
Takashi Sasaki
Yutaka Kaneko
Fumio Ishii
Yasuo Tsuda
Kazuhiko Kimura
Katsunori Kato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP23213282A priority Critical patent/JPS59139352A/ja
Publication of JPS59139352A publication Critical patent/JPS59139352A/ja
Publication of JPH0457665B2 publication Critical patent/JPH0457665B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は新規な2,5−ジアシルアミノフエノ
ール化合物に関し、更に詳しくは、写真用、特に
ハロゲン化銀カラー写真感光材料用シアンカプラ
ーとして好適な2,5−ジアシルアミノフエノー
ルに関する。 従来技術とその問題点 通常ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、露光されたハロゲン化銀粒子を芳香族第1級
アミン系発色現像主薬により還元し、この際生成
される前記発色現像主薬の酸化体とイエロー、マ
ゼンタおよびシアンの各色素を形成するカプラー
とのカツプリングにより色素画像を得ることがで
きる。 前記シアン色素を形成するために広く使用され
ているシアンカプラーはフエノール系およびナフ
トール系の化合物である。特に、最終画像として
利用されるフエノール系化合物において改良が望
まれる点としては、第1に形成されるシアン色素
の分光吸収特性が良好であること、すなわち、吸
収スペクトルの緑色領域(特に500nm〜550nm)
の吸収が小さくかつ最大吸収波長が長波(640nm
〜660nm)であること、第2に形成されるシアン
色素が光、熱、湿気に対して充分な堅牢性を有し
ていること、およびこれらの保存条件下において
未発色部に汚染が少ないこと、第3に発色性が良
好なこと、すなわち、充分な発色感度と発色濃度
を有していること、および第4にEDTA第2鉄
塩を主成分とする漂白浴あるいは漂白定着浴が長
期間の使用によつて疲労しても色素損失が少ない
ことなどである。 そこでこれらの点を改良するために従来から数
多くの提案がなされている。特に前記第4の点に
関する特性に優れたものとして注目されている化
合物として、2,5−ジアシルアミノフエノール
系化合物がある。例えば米国特許第2772162号、
同第2895826号各明細書等に記載されているフエ
ノールの2位にフツ素置換脂肪族カルボン酸アミ
ド基を有し、5位にアシルアミノ基を有する2,
5−ジアシルアミノフエノール系化合物である。
これらの具体的化合物として公知の2,5−ジア
シルアミノフエノール系化合物は、確かに形成さ
れるシアン色素の耐熱性が優れ、分光吸収特性も
優れてはいるが、カプラー自体の発色性ならびに
色素の耐光性が著しく劣つているという重大な欠
点がある。そこで、これらの欠点を改良するため
に、発色現像主薬の酸化体とカツプリング反応が
行なわれるフエノール環の4位にフツ素原子を導
入した、所謂2当量カプラーが提案され、例えば
米国特許第3758308号明細書に記載されている。
こられのカプラーは優れた発色性を示すものの、
光によつて黄色汚れが生ずるという好ましくない
性質を有している。 また、フエノール環の2位にペンタフルオロベ
ンズアミド基を有する2,5−ジアシルアミノフ
エノール系化合物が、米国特許第3758308号、同
第3880661号各明細書に記載されており、一方で、
フエノール環の2位に0−スルホンアミドベンズ
アミド基を有する2,5−ジアシルアミノフエノ
ール系化合物が特開昭56−80045号公報に記載さ
れている。これらの2,5−ジアシルアミノフエ
ノール系化合物は、分光吸収特性に関しては満足
し得るが、色素の堅牢性に関しては必ずしも充分
なものではない。 またフエノール環の5位にスルホンアミド基を
有する2,5−ジアシルアミノフエノール系化合
物が開発されており、例えば特開昭53−109630
号、同55−163537号、同56−22235号、同55−
99341号、同56−116030号、同56−55945号および
同56−80054号公報に記載されている。更にフエ
ノール環の2位に、少なくとも1つのフツ素原子
で置換されたベンズアミド基を有する2,5−ジ
アシルアミノフエノール系化合物が、特開昭56−
161542号公報に記載されている。ところがこれら
の化合物から生成する色素は、堅牢性において優
れているが、分光吸収特性の点については不十分
である。 本発明者等は、従来の2,5−ジアシルアミノ
フエノール系化合物が有している上述の欠点を解
消すべく鋭意研究を重ねた結果、2位にアリール
アシルアミノ基を有するある種の2,5−ジアシ
ルアミノフエノール系化合物は、分光吸収特性に
優れ、かつ画像保存性が著しく改良されたもので
あることを見出し、既に特願昭57−142839号、同
57−142840号において記載している。これらの化
合物は、上述の種々の欠点を克服したものである
が、酢酸エチル等の有機溶媒を用いて溶解分散さ
せる際に、有機溶媒に対する溶解性が不充分であ
り、溶剤を大量に用いる必要があり、また、分散
後のゼラチン乳剤を高温に保たなければ化合物が
析出してくるという不都合があることが判つた。
したがつて、この様な不都合のある化合物を用い
て、工業的規模で写真材料を生産することは、著
しく生産性を損ねるものといえる。そこで、溶解
性を改良する方策として、5位のアシルアミノ基
に直鎖で長鎖のアルキル基を導入することが考え
られる。ところが、本発明者等が、5位のアシル
アミノ基に直鎖で長鎖のアルキル基を導入した
2,5−ジアシルアミノフエノール系化合物の溶
解性を調べてみたところ、溶解性は未だ不充分で
あり、且つ該化合物の精製が困難であることが判
つた。また、直鎖のアルキル基の代わりに、長鎖
で分岐のアルキル基を導入することにより、化合
物の溶解性は更に著しく改良されることが見出さ
れたが、この場合、かかる長鎖で分岐のアルキル
基を導入するために通常用いられるカルボン酸エ
ステルが高沸点となるため、このカルボン酸エス
テルの精製が困難となり、このカルボン酸塩化物
を中間体として用いると、最終生成物を高純度で
得ることが困難であるという欠点があつた。 発明の目的 本発明の第1の目的は、新規な2,5−ジアシ
ルアミノフエノール系化合物を提供することにあ
る。 本発明の第2の目的は、有機溶媒等に対する溶
解性に優れ、かつ極めて純度の高い新規な2,5
−ジアシルアミノフエノール系化合物を提供する
ことにある。 本発明の第3の目的は、写真用、特にハロゲン
化銀写真感光材料用シアンカプラーとして好適で
あり、得られるシアン発色色素の分光吸収特性、
感度、色濃度、色汚染、ならびに耐光性、耐熱
性、耐湿性等の画像保存性に関して優れた特性を
発揮する新規な2,5−ジアシルアミノフエノー
ル系化合物を提供することにある。 本発明者等は、下記一般式〔〕で示される新
規な2,5−ジアシルアミノフエノール系化合
物、すなわち、2−ペンタフルオロベンツアミド
−5−(α−アリールオキシ−α−分岐アルキル)
脂肪酸アミドフエノール誘導体(以下、本発明の
2,5−ジアシルアミノフエノール系化合物とい
う)によつて、上記目的が達成されることを見出
し、本発明を完成するに至つた。 一般式〔〕 〔式中、Rは炭素原子数3〜5個の分岐のアル
キル基を表わす。Arはハロゲン原子、アルキル
基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルフ
アモイル基及びスルフアモイルアミノ基からなる
群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有する
フエニル基を表わす。Xは水素原子またはハロゲ
ン原子を表わす。〕 発明の具体的な説明 本発明において、一般式〔〕のRで表わされ
る炭素原子数3〜5個の分岐のアルキル基は、i
−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、i−ペンチル基、neo−ペンチル
基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基等である。 一般式[]のArは置換フエニル基を表わす。
この置換基は、ハロゲン原子(好ましくは塩素ま
たは臭素)、アルキル基、好ましくは直鎖または
分岐の炭素原子数1〜20個のアルキル基(例えば
メチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−
オクチル基、ドデシル基、ペンタデシル基)、ス
ルホンアミド基(好ましくは炭素原子数1〜20個
の直鎖または分岐のアルキルスルホンアミド基ま
たはベンゼンスルホンアミド基)、カルバモイル
基(好ましくは炭素原子数1〜20個のアルキルア
ミノカルボニル基またはフエニルアミノカルボニ
ル基)、スルフアモイル基(好ましくは炭素原子
数1〜20個の直鎖または分岐のアルキルアミノス
ルホニル基またはフエニルアミノスルホニル基)、
スルフアモイルアミノ基(例えばジメチルスルフ
アモイルアミノ基等)から選ばれる。これらの置
換基は1〜5個がフエニル基に導入される。これ
らのうち、好ましい置換基は、アルキル基、スル
ホンアミド基またはスルフアモイル基である。 一般式〔〕のXで表わされるハロゲン原子
は、例えば塩素原子、フツ素原子である。Xの好
ましくは、塩素原子である。 以下に、一般式〔〕で示される本発明の2,
5−ジアシルアミノフエノール系化合物の具体例
を挙げるが、これらに限定されない。 一般式〔)で表わされる化合物は、以下に示
す合成例によつて詳述する如く、例えば下記反応
式によつて容易に合成することができる。 〔式中、X、R、およびArは、前述の意味を
有する。〕 また、前記中間体〔〕は、例えば下記反応式
によつて合成される。 〔式中、R′はアルキル基を表わす。Rおよび
Arは、前述の意味を有する。〕 中間体〔〕の合成 Rとして、i−プロピル基(本発明)、1−メ
チル3,3−ジメチルブチル基(比較)、n−ブ
チル基(比較)、n−ヘキシル基(比較)、または
n−オクチル基(比較)を有し、Ar−O−基と
して2,4−ジ−t−アミルフエノキシ基を有す
る中間体〔〕を合成した。即ち、先づα−ブロ
モカルボン酸エステル〔〕と2,4−ジ−t−
アミルフエノール〔〕を、アルカリとして苛性
ソーダを用い、キシレン中で還流し、中間体α−
2,4−ジ−t−アミルフエノキシカルボン酸エ
ステル〔〕を得た。これらの中間体〔〕を減
圧蒸留精製して得られた精製物の沸点および純度
を第1表に示した。次いで、これら中間体〔〕
の精製物を加水分解し、カルボン酸〔〕を得、
更に〔〕をカルボン酸塩化物として、中間体
〔〕を得た。
【表】 なお、純度の測定はFID−ガスクロマトグラフ
イー(カラムPEG−20M)にて測定した。 表からも明らかな様に、本発明の写真用カプラ
ーの中間体であるカルボン酸エステル〔〕は低
沸点で、高純度で得られる。 実施例 1 2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ)
ベンツアミド−4−クロロ−5−〔α−(2,4
−ジ−t−アミルフエノキシ)−β−メチルブ
タンアミド〕フエノール〔例示化合物(−
2)〕の合成 2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ)
ベンツアミド−4−クロロ−5−アミノフエノー
ル〔〕4.0gおよびα−(2,4−ジ−t−アミ
ルフエノキシ)−β−メチルブタノイルクロリド
〔〕4.9gをアセトニトリル100c.c.中に加え、8
時間加熱還流を行なつた。反応液を熱時過して
不溶物を別した後、室温で放置した。析出した
結晶を取し、乾燥した後、再度アセトニトリル
を用いて再結晶させて、目的化合物(−2)の
白色結晶4.2gを得た。融点192〜193℃、収率90
%(〔〕からの換算による)。構造はNMRおよ
びMASSスペクトルにより決定された。 実施例 2 2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ)
ベンツアミド−4−クロロ−5−〔α−(m−ペ
ンタデシルフエノキシ)−β−メチルブタンア
ミド〕フエノール〔例示化合物(−10)〕の
合成 2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ)
ベンツアミド−4−クロロ−5−アミノフエノー
ル〔〕4.0gおよびα−(m−ペンタデシルフエ
ノキシ)−β−メチルブタノイルクロリド〔〕
5.6gをアセトニトリル100c.c.中に加え、8時間加
熱還流を行なつた。アセトニトリルを減圧濃縮
し、残渣に水を加えた。生成した油状物を酢酸エ
チルを用いて抽出した。油層を分離し、乾燥した
後、酢酸エチルを減圧濃縮し残渣を更にアセトニ
トリルにより再結晶させて目的化合物(−10)
の白色結晶を得た。収率92%(〔〕からの換算
による)。融点190〜193℃。構造はNMRおよび
MASSスペクトルにより決定された。 実施例 3 2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ)
ベンツアミド−4−クロロ−5−〔α−(2,4
−ジ−t−アミルフエノキシ)−β−エチル−
ペンタンアミド〕フエノール〔例示化合物(
−8)〕の合成 前述した中間体〔〕の合成と同じ方法によ
り、高純度のα−(2−4−ジ−t−アミルフエ
ノキシ)−β−エチル−ペンチルクロリド〔〕
を得た後、この中間体〔〕を用いて実施例1と
同じ方法により、目的化合物(−8)の白色結
晶を得た。収率85%(〔〕からの換算による)。
構造はNMRおよびMASSスペクトルにより決定
された。 実施例 4 2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ)
ベンツアミド−4−クロロ−5−〔α−(2,4
−ジ−sec−アミルフエノキシ)−β,β−ジメ
チル−ブタンアミド〕フエノール〔例示化合物
(−9)〕の合成 前述した中間体〔〕の合成と同じ方法によ
り、高純度のα−(2,4−ジ−sec−アミルフエ
ノキシ)−β,β−ジメチルブタノイルクロリド
〔〕を得た後、この中間体〔〕を用いて実施
例1と同じ方法により、目的化合物(−9)の
白色結晶を得た。収率85%(〔〕からの換算に
よる)。構造はNMRおよびMASSスペクトルに
より決定された。 実施例 5 2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロ)
ベンツアミド−4−クロロ−5−〔α−(3−フ
エニルスルホニルアミノフエノキシ)−β−メ
チル−ブタンアミド〕フエノール〔例示化合物
(−13)〕の合成 前述した中間体〔〕の合成と同じ方法によ
り、高純度のα−(3−フエニルスルホニルアミ
ノフエノキシ)−β−メチルブタノイルクロリド
〔〕を得た後、この中間体〔〕を用いて実施
例1と同じ方法により、目的化合物(−13)の
白色結晶を得た。収率88%(〔〕からの換算に
よる)。構造はNMRおよびMASSスペクトルに
より決定された。 本発明化合物の具体的使用 本発明の2,5−ジアシルアミノフエノール系
化合物は、写真用カプラー、とりわけハロゲン化
銀カラー写真感光材料用シアンカプラーとして好
適に使用される。本発明の2,5−ジアシルアミ
ノフエノール系化合物をシアンカプラーとして用
いる場合、通常のシアン色素形成カプラーにおい
て用いられる方法および技術が同様に適用でき
る。典型的には本発明の2,5−ジアシルアミノ
フエノール系化合物から成るシアンカプラーをハ
ロゲン化銀乳剤に配合し、この乳剤を、支持体上
に塗布してハロゲン化銀写真感光材料を形成する
(以下、かくして形成されるハロゲン化銀写真感
光材料を、本発明に係るハロゲン化銀写真感光材
料という)。 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、単
色用ないしは多色用のハロゲン化銀写真感光材料
であることができる。多色用ハロゲン化銀写真感
光材料において、本発明の2,5−ジアシルアミ
ノフエノール系化合物は、通常は赤感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層に含有させるが、非増感乳剤または
赤感光性以外のスペクトルの三原色領域に感光性
を有する乳剤層に含有させてもよい。これらの各
乳剤層は、スペクトルのある一定領域に対して感
光性を有する単層乳剤層または多層乳剤層の何れ
から成るものでもよく、また、これらの乳剤層を
含めて多色用ハロゲン化銀写真感光材料の各構成
層は、当業界で知られている様に、種々の順序で
配列することができる。典型的な多色用ハロゲン
化銀写真感光材料は、少なくとも1つのシアン色
素形成カプラーを含有する少なくとも1つの赤感
光性ハロゲン化銀乳剤層(シアン色素形成カプラ
ーの少なくとも1つは本発明の2,5−ジアシル
アミノフエノール系化合物である。)、少なくとも
1つのマゼンタ色素形成カプラーを含有する少な
くとも1つの緑感光性ハロゲン化銀乳剤層、少な
くとも1つのイエロー色素形成カプラーを含有す
る少なくとも1つの青感光性ハロゲン化銀写真感
光材料を支持体上に担持させたものからなる。ハ
ロゲン化銀写真感光材料は、これらのほかに、フ
イルター層、中間層、保護層、下塗り層等を有す
ることができる。 本発明の2,5−ジアシルアミノフエノール系
化合物を乳剤に含有せしめるには、従来公知の方
法に従えば良い。例えばトリクレジルホスフエー
ト、ジブチルフタレート等の沸点が175℃以上の
高沸点有機溶媒または酢酸ブチル、プロピオン酸
ブチル等の低沸点有機溶媒のそれぞれ単独に、ま
たは必要に応じてそれらの混合液に本発明の2,
5−ジアシルアミノフエノール系化合物を単独で
または併用して溶解した後、界面活性剤を含むゼ
ラチン水溶液と混合し、次に高速回転ミキサーま
たはコロイドミルで乳化した後、ハロゲン化銀乳
剤に添加して塗布液を調製することができる。本
発明の2,5−ジアシルアミノフエノール系化合
物をハロゲン化銀乳剤に添加する場合、通常、ハ
ロゲン化銀1モル当り0.07〜0.7モル、好ましく
は0.1〜0.4モルの量で添加される。 本発明に使用するハロゲン化銀乳剤に用いられ
るハロゲン化銀としては、臭化銀、塩化銀、沃臭
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン
化銀乳剤に使用される任意のものが包含される。 本発明に使用するハロゲン化銀乳剤層を構成す
るハロゲン化銀乳剤は、通常行なわれる製法をは
じめ、種々の製法、例えば特公昭46−7772号公報
に記載されている如き方法、あるいは米国特許第
2592250号に記載されている方法、すなわち溶解
度が臭化銀よりも大きい、少なくとも一部の銀塩
からなる銀塩粒子の乳剤を形成し、次いでこの粒
子の少なくとも一部を臭化銀または沃臭化銀塩に
変換する等の所謂コンバージヨン乳剤の製法、あ
るいは0.1μ以下の平均粒径を有する微粒子状ハロ
ゲン化銀からなるリツプマン乳剤の製法等あらゆ
る製法によつて作成することができる。 さらに本発明に使用するハロゲン化銀乳剤は、
硫黄増感剤、例えばアリルチオカルバミド、チオ
尿素、シスチン等、また活性あるいは不活性のセ
レン増感剤、そして還元増感剤、例えば第1スズ
塩、ポリアミン等、貴金属増感剤、例えば金増感
剤、具体的にはカリウムオーリチオシアネート、
カリウムクロロオーレート、2−オーロスルホベ
ンズチアゾールメチルクロリド等、あるいは例え
ばルテニウム、ロジウム、イリジウム等の水溶性
塩の増感剤、具体的にはアンモニウムクロロパラ
デート、カリウムクロロプラチネートおよびナト
リウムクロロパラダイト等の単独であるいは適宜
併用して化学的に増感されることができる。 また本発明に使用するハロゲン化銀乳剤は種々
の公知の写真用添加剤を含有せしめることができ
る。例えばResearch Disclosure(リサーチ・デ
イスクロージヤー)1978年12月項目17643に記載
されているが如き写真用添加剤である。 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料におい
て、乳剤を調製するために用いられる親水性コロ
イドには、ゼラチン、誘導体ゼラチン、ゼラチン
と他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセル
ロース誘導体、カルボキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体、澱粉誘導体、ポリビニルアル
コール、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル
アミド等の単一あるいは共重合体の合成親水性高
分子等の任意のものが包含される。 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、必
要に応じて前記の如き種々の写真用添加剤を含有
せしめた乳剤層をその他の構成層と共に、コロナ
放電処理、火炎処理または紫外線照射処理を施し
た支持体上に、または下引層、中間層を介して支
持体上に塗設することによつて製造される。有利
に用いられる支持体としては、例えばバライタ
紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプロピレン合成
紙、反射層を併設した、あるいは反射体を併用す
る透明支持体、例えばガラス板、セルロースアセ
テート、セルロースナイトレイトあるいはポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステルフイル
ム、ポリアミドフイルム、ポリカーボネートフイ
ルム、ポリスチレンフイルム等があり、これらの
支持体はそれぞれハロゲン化銀写真感光材料の使
用目的に応じて適宜選択される。 本発明において用いられる乳剤層およびその他
の構成層の塗設には、デイツピング塗布、エアド
クター塗布、カーテン塗布、ホツパー塗布など
種々の塗布方法を用いることができる。また米国
特許第2761791号、同第2941898号に記載の方法に
よる2層以上の同時塗布を用いることもできる。 また本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいては、目的に応じて適宜の厚さの中間層を設
けることは任意であり、更にフイルター層、カー
ル防止層、保護層、アンチハレーシヨン層等の
種々の層を構成層として適宜組合せて用いること
ができる。これらの構成層には結合剤として前述
の乳剤に用いることのできる親水性コロイドを同
様に用いることができ、またこれらの層中には前
述の如き乳剤層中に含有せしめることができる
種々の写真用添加剤を同様に含有せしめることが
できる。 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は種々
の用途に利用され、それぞれの目的に応じて優れ
た特性を示すが、例えば一般用ポジ感光材料、直
接ポジ感光材料、特殊用(例えば印刷用、X線
用、高解像力用)の感光材料に用いることができ
るが、特にカラー印画紙用として好適である。 本発明に使用するハロゲン化銀は赤感性乳剤に
必要な感光波長域に感光性を付与するために、適
当な増感色素の選択により分光増感がなされる。
この分光増感色素としては種々のものが用いら
れ、これらは1種あるいは2種以上併用すること
ができる。本発明において有利に使用される分光
増感色素としては、例えば米国特許第2269234号、
同第2270378号、同第2442710号、同第2454620号、
同第2776280号の各明細書等に記載されている如
きシアニン色素、メロシアニン色素または複合シ
アニン色素を代表的なものとして挙げることがで
きる。 本発明に用いることができる発色現像液は好ま
しくは、芳香族第1級アミン系発色現像主薬を主
成分とするものである。この発色現像主薬の具体
例としてはp−フエニレンジアミン系のものが代
表的であり、例えばジエチル−p−フエニレンジ
アミン塩酸塩、モノメチル−p−フエニレンジア
ミン塩酸塩、ジメチル−p−フエニレンジアミン
塩酸塩、2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエ
ン塩酸塩、2−アミノ−5−(N−エチル−N−
ドデシルアミノ)−トルエン、2−アミノ−5−
(N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエ
チル)アミノトルエン硫酸塩、4−(N−エチル
−N−β−メタンスルホンアミドエチルアミノ)
アニリン、4−(N−エチル−N−β−ヒドロキ
シエチルアミノ)アニリン、2−アミノ−5−
(N−エチル−N−β−メトキシエチル)アミノ
トルエン等が挙げられる。 これらの発色現像主薬は単独で、あるいは2種
以上併用して、また更に必要により白黒現像主
薬、例えばハイドロキノン、フエニドン等と併用
しても良い。 また上記発色現像主薬を含む発色現像液は、一
般にアルカリ剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化アンモニウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム等を含み、その上種々の添
加剤、例えばハロゲン化アルカリ金属(臭化カリ
ウム等)あるいは現像調節剤、例えばシトラジン
酸等を含有させることができる。 本発明化合物の使用による具体的効果 本発明の2,5−ジアシルアミノフエノール系
化合物は、新規な化合物であり、例えば写真用カ
プラー、とりわけハロゲン化銀写真感光材料用の
シアンカプラーとして好適な化合物である。すな
わち、本発明の2,5−ジアシルアミノフエノー
ル系化合物は、カプラー分散用として用いられる
通常の溶媒に対して溶解性に優れ、得られるカプ
ラー分散液は、そのまま保存した状態において
も、あるいは例えばハロゲン化銀乳剤層中に含有
させた場合においても容易に析出しないという優
れた特性を有するのみならず、純度が高いため、
本発明の2,5−ジアシルアミノフエノール系化
合物をシアンカプラーとして用いたハロゲン化銀
写真感光材料は、形成されるシアン色素の分光吸
収特性、感度、色濃度、色汚染、ならびに耐光
性、耐熱性、耐湿性等の画像保存性に関して優れ
た特性を発揮し、発色性の良好なシアン色素画像
が得られる。 この様に、本発明の2,5−ジアシルアミノフ
エノール系化合物は、ハロゲン化銀カラー写真感
光材料をはじめとする写真要素の製造面および利
用面において優れた特性を発揮する化合物といえ
る。 本発明化合物の具体的使用例 以下に本発明の化合物の具体的使用例を示す
が、本発明の化合物の使用の態様はこれにより限
定されることはない。 使用例 1 (本発明の化合物の溶解性) 下記第2表に示した本発明の2,5−ジアシル
アミノフエノール系化合物の例示化合物および比
較カプラーを用い、溶解性の試験を行なつた。即
ち、それぞれの化合物1gを、ジ−n−ブチルフ
タレート1mlと酢酸エチル4mlとの混合液に加
え、70℃に加温して完全に溶解した後、密栓し、
各試料を20℃に静置し、結晶の析出状況を目視に
より評価した。1時間後、6時間後、12時間後の
評価の結果を第2表に示した。(第1表中、〇は
析出なし、△はやや析出、×は大量に析出を表わ
す。)
【表】
〔発色現像液組成〕
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミドエチル)−アニリン
硫酸塩 5.0g ベンジルアルコール 15.0ml ヘキサメタリン酸ナトリウム 2.5g 無水亜硫酸ナトリウム 1.85g 臭化ナトリウム 1.4g 臭化カリウム 0.5g ホウ砂 39.1g 水を加えて1とし、水酸化ナトリウムを用い
てPH10.30に調整する。 〔漂白定着液組成〕 エチレンジアミンテトラ酢酸鉄アンモニウム塩
61.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2アンモニウム塩
5.0g チオ硫酸アンモニウム 124.5g メタ重亜硫酸ナトリウム 13.3g 無水亜硫酸ナトリウム 2.7g 水を加えて1とする 上記処理により得られた試料について、それぞ
れ写真特性を測定した。尚、測定に際しては
PDA−60型感度計(コニカ(株)製)を用いた。得
られた結果を下記第3表に示す。 表中の感度値は、最大感度を有する試料の値を
100として相対感度で表示した。
【表】
【表】 上記表からも明らかなように、比較カプラーを
用いた試料13および14では特に感度、最大濃度お
よび分光吸収特性において問題があるが、本発明
の2,5−ジアシルアミノフエノール系化合物を
用いた試料は何れも感度、最大濃度、分光吸収特
性に対して優れた性能を示しており、本発明の
2,5−ジアシルアミノフエノール系化合物は発
色性の良好なカプラーとして用い得ることがわか
つた。 使用例 3 (ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製) 下記第4表に示すような本発明の2,5−ジア
シルアミノフエノール系化合物ならびに比較カプ
ラーを用い、実施例2と全く同様にしてシアン色
素画像を有する試料を作製した。この試料を用い
て、色素の耐光性、耐熱性、耐湿性およびステイ
ンの発生に対して実験、検討した。得られた結果
を下記第4表に記載した。 尚表中、耐光性は得られた各色素画像をキセノ
ンフエードメーターで200時間曝露後、また耐熱
性は77℃で2週間保存後、さらに耐湿性は60℃、
相対湿度80%で2週間保存後におけるそれぞれの
初期濃度1.0での残存率を百分率で表わしたもの
である。またステインは耐光試験を行なつた試料
の未露光部におけるプルー濃度の増加率を百分率
で表わした。
【表】 上記表の結果からも明らかなように、前記第3
表において発色性の良好であつた比較カプラー(E)
は耐熱性、耐湿性が著しく劣り、また比較カプラ
ー(G)および(H)は耐光性に問題があり、さらに比較
カプラー(I)はステインの発生が大きく、比較カプ
ラーは全て改良の余地を残すものばかりであつ
た。これに対して本発明の2,5−ジアシルアミ
ノフエノール系化合物は第2表に示されたように
感度、画質に優れているばかりでなく物理的な特
性、すなわち画像の保存、安定性にも優れた性能
を有するものであることがわかつた。
【特許請求の範囲】
1 一般式() 〔式中、X及びYはそれぞれ炭素数1〜9のア
ルキル基、
【式】
【式】 又は
【式】(R1は水素原 子、−CnH2n+1、−O−CnH2n+1、又は、ハロゲン
原子を表わし、m=1〜9の整数を表わす。)を
表わす。但し、X、Yの少なくとも一方はメチル
基ではない。〕 で示されるフタロニトリル誘導体を製造するに際
し、一般式() X−CH=CH−CH=CH−Y …() (式中、X及びYは前記一般式()と同意義
を有す。) で示されるブタジエン誘導体とフマロニトリルま

Claims (1)

  1. α−分岐アルキル)脂肪酸アミドフエノール誘導
    体。 一般式[] [式中、Rは炭素原子数3〜5個の分岐のアル
    キル基を表わす。Arはハロゲン原子、アルキル
    基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルフ
    アモイル基及びスルフアモイルアミノ基からなる
    群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有する
    フエニル基を表わす。Xは水素原子またはハロゲ
    ン原子を表わす。]
JP23213282A 1982-12-29 1982-12-29 2−ペンタフルオロベンツアミド−5−(α−アリ−ルオキシ−α−分岐アルキル)脂肪酸アミドフエノ−ル誘導体 Granted JPS59139352A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23213282A JPS59139352A (ja) 1982-12-29 1982-12-29 2−ペンタフルオロベンツアミド−5−(α−アリ−ルオキシ−α−分岐アルキル)脂肪酸アミドフエノ−ル誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23213282A JPS59139352A (ja) 1982-12-29 1982-12-29 2−ペンタフルオロベンツアミド−5−(α−アリ−ルオキシ−α−分岐アルキル)脂肪酸アミドフエノ−ル誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59139352A JPS59139352A (ja) 1984-08-10
JPH0457665B2 true JPH0457665B2 (ja) 1992-09-14

Family

ID=16934495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23213282A Granted JPS59139352A (ja) 1982-12-29 1982-12-29 2−ペンタフルオロベンツアミド−5−(α−アリ−ルオキシ−α−分岐アルキル)脂肪酸アミドフエノ−ル誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS59139352A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0715568B2 (ja) 1986-01-20 1995-02-22 コニカ株式会社 ハロゲン化銀カラ−写真感光材料

Also Published As

Publication number Publication date
JPS59139352A (ja) 1984-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4564590A (en) Silver halide photographic material
US4451559A (en) Silver halide photosensitive materials for color photography
EP0145342B1 (en) Silver halide color photographic material
US4463086A (en) Light-sensitive silver halide color photographic material
JPS6057838A (ja) ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
US4731320A (en) Silver halide photographic material
CA1140135A (en) Process for forming dye images
JPS5831334A (ja) シアン色素形成カプラ−
US4532202A (en) Coupler for photography
JPH0365528B2 (ja)
JPH0457665B2 (ja)
JPS6330618B2 (ja)
JPH01206338A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPS62133458A (ja) カラ−カプラ−を含有するカラ−写真記録材料
JPS62220954A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPS5959656A (ja) フエノ−ル系化合物
JPS5978345A (ja) ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
JPS59177558A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPS59131939A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPS60130737A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPS5833248A (ja) ハロゲン化銀カラ−写真画像の形成方法
JPH0766166B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0552937B2 (ja)
JPS58125039A (ja) 写真用2当量イエロ−カプラ−
JPH0254537B2 (ja)