JPH0457354B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、電動パチンコの打球装置の改良に関
するもので、その目的は、パチンコ球の打球装置
を動作させるロータリーソレノイドを小形化する
とともに、打球装置における打球杆の発射力の調
整機構を可変抵抗器等電気的な調整部品を用いる
ことなく、簡単な機械的構造の打球装置の採用に
よつて故障発生率の少ない打球装置を提供するこ
とにある。

〔従来技術〕

一般にロータリーソレノイドは、プリンター・
ミニポンプ・パチンコ遊技装置など、今日多くの
製品に使用されており、通常は第７図に示す構造
のものが多く用いられている。即ち、第７図にお
いて、１はリング状に形成された固定子ヨークで
その内周面の中央には一対の磁極２ａ，２ｂが互
いに相対向して一体に形成され、これら磁極２
ａ，２ｂにはそれぞれコイル３ａ，３ｂを一定回
数直列に巻回し、前記磁極２ａ，２ｂの空間部に
磁極２ａ，２ｂと相対応して２個の突極を備えた
ロータ４を挿入し、このロータ４はその軸心に止
着した回転軸５を回動自在に支持するブラケツト
を前記固定子ヨーク１に接着することにより構成
されている。そして、前記ロータ４の動作は、コ
イル３ａ，３ｂに制御パルスを流すと、固定子ヨ
ーク１にはロータ４を経て磁束が流れ、ロータ４
に付設したアーム６を、固定子ヨーク１とロータ
４とに流れる磁束の反発と吸引作用によつてスト
ツパー７とストツパー８側との間で回動可能とな
し、コイル３ａ，３ｂに通電が行われている間
は、アーム６をストツパー７側に拘束保持し、前
記通電を断つと、磁束が消滅するため、アーム６
はその自重、あるいは、ばね部材等による軽い復
元力を付与することによつて、ストツパー８側に
復帰するように構成される。

しかし、前記円形型のロータリーソレノイドＡ
は、その製作上次のような問題があつた。

(1) ロータリーソレノイドの発生トルクを大きく
する場合、ロータの径寸法及びコイルのアンペ
アターンを大きくする必要があるが、固定子ヨ
ークが円形構造の場合は、コイルを磁極に巻回
するための大きな空間を必要とする結果、固定
子ヨークの径寸法を必然的に大きくしなければ
ならないので、ロータリーソレノイドは必然的
に大形化する。このため、前記ロータリーソレ
ノイドを電動パチンコの打球装置に取付けるに
は、打球装置自体を大形化する必要があつた。

(2) 又、固定子ヨークは円形状に形成されている
ので、コイルの巻回は、単に、コイルボビンを
回転させて巻回するということができないた
め、複雑な構造の巻線機を用いてコイルを巻回
しなければならず、しかも、コイルは２つの磁
極に分割して巻回し、かつ、２つのコイルをそ
れぞれ手作業によつて直列に接続しなければな
らないことと相まつて、コイルの巻回作業には
多くの手間と時間を要していた。その上、高価
な巻線機を使用していたので、ロータリーソレ
ノイドの製作は相当の設備投資を必要とするた
め、製作コストが上昇するという問題もあつ
た。

(3) 更に、前記円形のロータリーソレノイドを電
動パチンコの駆動源として使用する場合、第７
図に示すロータリーソレノイドＡに供給される
制御パルス（以下電流という）の強・弱は、電
動パチンコの操作ハンドルと連動して操作され
る、例えば、可変抵抗器のような電気部品を用
いて制御していたが、前記電気部品は接触不良
や焼損事故などの故障が生じやすく、これによ
り、パチンコ球の打球力が突然変化して遊技者
に迷惑をかけるおそれがあつた。

〔発明の目的〕

本発明は、前記の欠点を除去して、ロータリー
ソレノイドの小形化をはるかることにより、電動
パチンコの打球装置への取付けを容易となし、し
かも、前記打球装置におけるパチンコ球の発射力
を電気的な制御を行うことなく、簡単な機械的構
造の採用によつて任意に調整可能とした電動パチ
ンコの打球装置を提供するとにある。

〔発明の概要〕

本発明は、コ字状に形成した固定子ヨーク上部
の橋絡部にコイルを取付け、前記固定子ヨークの
橋絡部両側から下方に平行に垂下する磁路片下部
の端部内側に位置する磁極間には、ロータを回動
自在に軸支させ、このロータの回動軸には、パチ
ンコ球の打球杆を直結し、この打球杆の回動範囲
を、歯車装置とストツパーとからなる打球装置に
よつて、パチンコ球の打球力を任意に調整できる
ようにしたことを特徴とする。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図ないし第６図に
より説明する。

第１図において、１１は固定子ヨークでは、珪
素鋼板などの電磁鋼板をほぼコ字状に打抜き、こ
れを必要枚数積層し、カシメピン１２により固定
して形成する。そして、前記固定子ヨーク１１両
側の平行な磁路片１１ｃ，１１c′は上方には、コ
イル取付要の橋絡部１１ａが、下方の端部内側に
は、ロータの形状と合致するよう弧状の磁極１１
ｂ，１１b′が互いに相対抗してそれぞれ設けられ
ている。１３は固定子ヨーク１１の橋絡部１１ａ
に取付けたコイルで、このコイル１３は第３図に
示すように、コイルボビン１４を２分割し、その
分割部分を固定子ヨーク１１の積層端面の両側か
ら前記橋絡部１１ａに嵌め合せ接合などにより挟
持させ、コイルボビン１４の接合部１４ａを接着
テープ、あるいは、接着剤などにより接合して固
定子ヨーク１１に取付ける。前記コイルボビン１
４に図示しないコイル導線を巻回する場合は、例
えば、固定子ヨーク１１を図示しない巻線機の回
転軸にセツトして、コイルボビン１４と固定子ヨ
ーク１１とを一体的に回転させてコイル導線をコ
イルボビン１４に巻回することによりコイル１３
を形成する。この際は、固定子ヨーク１１の下部
は開放されているので、コイル導線の巻回作業は
容易に行える。１５は固定子ヨーク１１下部の磁
極１１ｂ，１１b′間に開口するロータ挿入孔１６
に挿入される磁性材料からるロータで、固定子ヨ
ーク１１の磁極１１ｂ，１１b′と対応して偏平部
の上下を弧状とした２つの突極１５ａ，１５a′が
設けられている。１７は中央部にロータ１５の軸
心に止着した回動軸１５ｃを回動自在に支承する
軸受１８な収納する軸受嵌合部１７ａを備え、か
つ、その両側に取付腕部１７ｂを水平方向に一体
的に延設したブラケツトで、ロータ１５を固定子
ヨーク１１に組立る場合は、ロータ１５の回転軸
１５ｃに軸受１８を挿着し、このロータ１５を固
定子ヨーク１１のロータ挿入孔１６に挿入し、つ
づいて、ロータ１５の両側からブラケツト１７を
嵌め込み、その軸受嵌合部１７ａに軸受１８を収
納させてブラケツト１７を固定子ヨーク１１の端
面に当接する。このあと、一方のブラケツトから
締付ねじ１９を固定子ヨーク１１を貫通させて他
方のブラケツトに螺着して、ブラケツト１７をそ
れぞれ固定子ヨーク１１に固定すると、ロータ１
５は固定子ヨーク１１のロータ挿入孔１６の電気
的中心位置に取付けることができる。

次に、前記のように構成したロータリーソレノ
イドＢを電動パチンコの打球装置に取付ける場合
を第５図、第６図により説明する。

ロータリーソレノイドＢの回動軸１５ｃが突出
するバラケツト１７の中心に、第３図に示すよう
に嵌合突起１７ｃを形成し、この嵌合突起１７ｃ
を第６図のように、電動パチンコの打球装置Ｃの
取付基板２０に穿孔した挿入孔２０ａに嵌合突出
させ、頭部を第６図のように取付基板２０に係合
させたねじ２１を、固定子ヨーク１１に締着した
支持ナツト２２に螺着して前記ロータリーソレノ
イドＢを取付基板２０に止着する。そして、取付
基板２０から突出する嵌合突起１７ｃには、歯部
３０を長辺部に設けたほぼ扇形の歯車板３１の短
辺部側を回動自在に嵌め込んで抜止板３２にて抜
脱しないように支持する。又、前記取付基板２０
を貫通するロータ１５の回動軸１５ｃには、打球
杆２３の基端を取付け、この打球杆２３の回動軌
跡の途中、即ち、打球杆２３の回動範囲内におい
て、打球杆２３の回動範囲を規制するためのスト
ツパー２４，２４を第５図に示すように、歯車板
３１と取付基板２０にそれぞれ取付ける。なお、
３３は図示しない操作つまみの操作軸３４に取付
けられて歯車板３１の歯部と噛合する駆動歯車
で、３５は歯車板３１を取付基板２０に突設した
係止ピン３６と接衝するように付勢させて前記歯
車板３１を常時スタート位置に保持させるばねで
ある。

次に、本発明装置の動作について説明する。

初めに、図示しない操作つまみによりスイツチ
を投入して、ロータリーソレノイドＢを通電する
と、コイル１３が励磁されれロータ１５を回動
し、このロータ１５に直結した打球杆２３を第５
図に示す２点鎖線の位置、即ち、ストツパー２５
に衝突する位置まで回動させて、図示しないパチ
ンコ球を打撃発射する。打球杆２３はストツパー
２５に衝突した時点でコイル１３への通電を断つ
と、ロータリーソレノイドＢは拘束力を失うた
め、自重により歯車板３１に突設したストツパー
２４と衝突する位置まで戻る。前記打空杆２３の
発射回数は、コイル１３に供給される電流の断続
時間を制御することにより、任意に調整できる。
又、打球杆２３の打球力を変化させるときは、操
作軸３４により駆動歯車３３を回動し、歯車板３
１をばね３５の力に抗して第５図の矢印方向（時
計方向に適宜移動させると、第５図に１点鎖線で
示すようにストツパー２４，２５の間隔が自由に
調整でき、即ち、打球杆２３の回動角を任意に調
整することが可能となるため、電動パチンコの利
用者は操作軸３４を回動させるだけで、容易に打
球杆２３の打球力は変化させることができる。

なお、第４図はロータリーソレノイドＢに、こ
れを動作させる電流の断続時間を制御するための
制御装置を取付けた実施例を示すもので、その構
造は、制御装置２６を収納した函体２７の底部に
取付脚筒２８を一体に形成し、この取付脚筒２８
を、ブラケツト１７及び支持ナツト２２を固定子
ヨーク１１に締着する詰付ねじ１９，２９によ
り、ロータリーソレノイドＢの背面に取付けるこ
とにより、制御装置２６の取付スペースを容易に
節約することが可能となる。

〔発明の効果〕

本発明は以上のように構成されているので、次
に示すような効果を有する。

(1) 本発明の打球装置に使用するロータリーソレ
ノイドは、ほぼコ字状に形成した固定子ヨーク
の橋絡部にコイルを取付け、前記固定子ヨーク
から垂下する平行な磁路片の下部内側には、弧
状の磁極を互いに相対抗させて設け、これら磁
極間にロータを回動自在に挿入することにより
構成したので、従来の円形型のロータリーソレ
ノイドのように、発生トルクを大きくする場
合、ロータの径寸法を大きくし、かつ、コイル
の巻回数を多くするために、円形の固定子ヨー
クを、その内部に必要以上の空間を設けて形成
するようにしたものとは全く異なるため、本発
明装置に用いるロータリーソレノイドは小形化
が可能となり、電動パチンコの打球装置のよう
な狭隘な場所にでも容易に組付けることができ
る。しかも、コイルの巻回に際しては、従来の
円形な固定子ヨークのように、コイルを巻回す
る磁極の上下部が閉鎖されているものとは全く
異なり、磁路片下部の開放端の空間を有効利用
して固定子ヨークの橋絡部に取付けたコイルボ
ビンにコイル導線を円滑に、かつ、迅速・容易
に巻回することができるので、ロータリーソレ
ノイドは高価な巻線機等の設備投資を行うこと
なく量産化が可能となり、低コストで製作する
ことができるため、このロータリーソレノイド
を使用した電動パチンコの打球装置を経済的に
製作することができる。

(2) 又、前記ロータリーソレノイドを用いて電動
パチンコの打球装置を組立る場合、ロータの回
転軸を支承するブラケツトには嵌合突起が突設
され、この嵌合突起を打球装置の取付基板に穿
孔した嵌合孔に貫通させることにより、ロータ
リーソレノイドは、容易に取付基板に止着する
ことができるとともに、取付基板から突出する
ロータの回動軸に打球杆を取付ける方向におい
て、前記打球杆の回動範囲を規制する歯車板を
取付基板から突出する嵌合突起に嵌合させて取
付けることができるので、打球装置の組立体作
業はすべて同一方向において円滑・良好に行う
ことができ、打球装置を簡易な製造で構成する
ことと相まつてその生産性の向上をはかること
ができる。

(3) 更に、打球装置の発射力調整機構は、打球杆
をスタート位置に支持するストツパーを設けた
歯車板を、操作軸と連動する駆動歯車と噛合さ
せ、この駆動歯車の回動によつて歯車板を移動
して打球杆の回動範囲を設定するとう簡単な機
械的構造の採用により、従来のように、可変抵
抗器のような電気部品を用いることによつて接
触不良や焼損事故が生じるものと全く異なり、
歯車板と駆動歯車を用いるだけであるため、故
障等を生じさせることなく簡単な構造で、か
つ、経済的に製作できる。その上、歯車板は前
記のように、取付基板にロータリーソレノイド
の嵌合突起を利用して駆動歯車と噛合するよう
に取付けるだけでよいので、電動パチンコの打
球装置におけるパチンコ打球発射力の調整機構
を、取付基板に特別なスペースを必要とするこ
となく、しかも、微調整を可能とした簡単な構
造で設置することができ、これにより、電動パ
チンコの打球装置を故障を生じさせることな
く、簡素な構造で小形に製作することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置に使用するロータリーソレ
ノイドの正面図、第２図は第１図の側面図、第３
図は縦断面図、第４図は本発明装置に使用するロ
ータリーソレノイドの他の実施例を示す一部縦断
面図、第５図は本発明装置の概略説明図、第６図
は本発明装置の要部の一部切欠断面図、第７図は
従来のロータリーソレノイドを説明するための説
明図である。 １１……固定子ヨーク、１１ａ……橋絡部、１
１ｂ，１１b′……磁極、１５……ロータ、１５ｃ
……回動軸、１７……ブラケツト、１７ｃ……嵌
合突起、２０……取付基板、２３……打球杆、２
４，２５……ストツパー、３１……歯車板、３３
……駆動歯車、Ｂ……ロータリーソレノイド、Ｃ
……打球装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ほぼコ字状に形成した固定子ヨークの上部橋
   絡部にコイルを取付け、前記固定子ヨークの両側
   の磁路片下部の内側には、弧状の磁極を互いに相
   対向させて形成し、前記磁極間にはこれら磁極と
   対応する突極を弧状に形成して他の部分を偏平と
   なしたロータを回動自在に挿入してロータリーソ
   レノイドを構成し、このロータリーソレノイドの
   ロータの回動軸を回動自在に支承するブラケツト
   には、回動軸の突出方向に嵌合突起を突接し、こ
   の嵌合突起を取付基板に突孔した嵌合孔に貫通さ
   せて前記ロータリーソレノイドを取付基板に止着
   し、前記取付基板から突出するロータの回動軸に
   は打球杆を取付け、前記嵌合突起には周縁に歯部
   を形成した歯車板を回動自在に枢支し、この歯車
   板と取付基板とに打球杆の回動範囲を規制する一
   対のストツパーを所定の間隔を空けて取付け、更
   に、前記歯車板には、操作軸に取付けられて該歯
   車板の回動範囲を可変する駆動歯車を噛合させて
   配置するようにしたことを特徴とする電動パチン
   コの打球装置。