JPH0456421B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的） （産業上の利用分野） 本発明はキセノンガスを主成分とするガスを封
入する希ガス放電灯を有する希ガス放電灯装置に
係り、特に希ガス放電灯にアパーチヤと補助電極
とを設けた希ガス放電灯装置に関する。

（従来の技術） 一般に、希ガス放電灯はバルブの外径が細く、
希ガス放電であるので明るさや放電電圧が周囲温
度に殆ど影響されず、寿命が長く、蛍光体膜の蛍
光体の種類に応じて各種光色を選択することがで
きる等の長所を有する。

そこで、この種の希ガス放電灯はPPC複写機
やフアクシミリ等のいわゆるオフイスオートメー
シヨン（OA）機器の原稿読取光源や、除電光源
もしくは液晶表示盤等の背面照明用光源等として
幅広く使用され、これらOA機器等の小型化やメ
ンテナンスフリー化が図られている。

しかし、希ガス放電灯は効率良く発光させるた
めに、バルブ内にはキセノン等のガスを数十torr
〜数百torrの高圧で封入している。

このために、バルブ内の陽光柱が例えば約１mm
程度以下に細くなり、陽光柱のバルブ内の分布状
態に応じて明るさに大きな差を生じ、明るさのム
ラを生ずるという欠点があつた。

すなわち、細径の陽光柱に近接している箇所の
蛍光体膜は非常に強く発光して明るくなるが、陽
光柱から離間している箇所では発光が弱くなり、
暗くなるという欠点があつた。

したがつて、バルブの軸方向に沿つてほぼ均一
な照度分布が要求される原稿読取光源としては、
この希ガス放電灯の明るさのムラは大きな欠点と
なつている。

第６図は従来の希ガス放電灯の縦断面図を示し
ており、直状円筒状のバルブ１の内周面にほぼ全
面に蛍光体よりなる蛍光体膜２を軸方向のほぼ全
長に亘つて被着している。

バルブ１内にはキセノン（Xe）を主成分とす
るガスを例えば約90〜110torrの高圧で封入し、
バルブ１の左右両端部には一対の電極３ａ，３ｂ
をそれぞれ封止している。

また、バルブ１の外面の所要箇所では、細長矩
形板状の補助電極４を、バルブ１のほぼ全長に亘
つて密着して添設しており、補助電極４の一端
を、一対の電極３ａ，３ｂの所要の一方に電気的
に接続している。

そして、一対の電極３ａ，３ｂ間に例えば30K
Hz程度の高周波電流を通電すると、電極３ａ，３
ｂ間で放電が行なわれ、細径の陽光柱５がバルブ
内に形成される。

しかし、この陽光柱５は第６図に示すように分
布し、バルブ１の軸方向中間部では陽光柱５と補
助電極４との間の電位差のために、陽光柱５が補
助電極４に強く引き寄せられて、補助電極４側の
蛍光体膜２に近接するが、電極３ａに電気的に接
続されている補助電極４の一端部では、この部位
における陽光柱５の電位と補助電極４の電位とが
ほぼ同じため陽光柱５が補助電極４に引き寄せら
れずに、バルブ１のほぼ軸心部に分布し、蛍光体
膜２より離間している。

このために、バルブ１の軸方向一端部がその中
間部よりも暗くなり、バルブ１の照射分布が軸方
向で著しく不均等となる欠点があつた。

第７図は他の従来例の縦断面図を示しており、
これは上述従来例において補助電極４を電極３
ａ，３ｂの一方に電気的に接続せずに、バルブ１
の外面に単に密着させて添設している。

この従来例では細径の陽光柱５が第７図に示す
ように、バルブ１の軸方向に沿つて波形に蛇行す
る。

これは、補助電極４が電気的に浮いているため
補助電極４の中央部に電荷が溜つてしまい、この
電荷により陽光柱５との電位差が無くなり、陽光
柱５が蛇行するものと思われる。

すなわち、陽光柱５はバルブ１の軸方向中間部
ではバルブ１のほぼ軸心部に分布して、蛍光体膜
２より離間し、その両側では補助電極４に引き寄
せられて、蛍光体膜２に近接する。

したがつて、この従来例では、バルブ１の軸方
向中間部がその両側部よりも暗くなり、バルブ１
の照度分布が軸方向で著しく不均等となる欠点が
あつた。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したように第６図および第７図で示す従来
の希ガス放電灯では、バルブ１の照度分布が軸方
向で不均等になるという欠点があつた。

そこで、本発明は照度分布が軸方向でほぼ均等
になる希ガス放電灯装置を提供することを目的と
する。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明は、内面に蛍光体よりなる蛍光体膜が被
着され、キセノンガスを主成分とするガスが封入
されたバルブ内部で陽光柱を発生する希ガス放電
灯を有する希ガス放電灯装置であつて、バルブの
軸方向に沿つて蛍光体膜を欠如するアパーチヤを
設け、このアパーチヤと直径方向で対向するバル
ブの外面に陽光柱の電位と異なつた電位の補助電
極がバルブ軸方向に沿つて添設されていることを
特徴とするものである。

（作 用） 本発明においては、バルブの外面に陽光柱の電
位と異なつた電位の補助電極がバルブ軸方向に沿
つて添設されているため、この補助電極に沿つて
陽光柱が蛍光体膜に近接するようになる結果、バ
ルブ軸方向に亙る発光の不均一が改善でき、しか
も、アパーチヤがこの補助電極と対向する位置に
形成されているため、補助電極近傍に発生する陽
光柱とアパーチヤとの立体角が最大となり、よつ
てアパーチヤを透過する光量の低下を防止するこ
とができる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例について第１図〜第５
図を参照して説明する。なお、図中、共通部分に
は同一符号を付して、その重複した説明は省略す
る。

第１図は本発明の一実施例の全体構成を示して
おり、商用電源等の交流電源１０に高周波点灯回
路１１を介して希ガス放電灯１２を電気的に接続
している。

希ガス放電灯１２は第２図および第３図に示す
ように構成され、例えば直状円筒状のガラス製の
バルブ１３の内周面のほぼ全面に、蛍光体よりな
る蛍光体膜１４を軸方向のほぼ全長に亘つて被着
している。

バルブ１内にはキセノン（Xe）を主成分とし
てクリプトン（Kr）、ヘリウム（He）等のガス
を例えば90〜110torrの高圧で封入し、バルブ１
３の左右両端部には一対の電極１５ａ，１５ｂを
それぞれ封止し、これら電極１５ａ，１５ｂには
第１図で示す高周波点灯回路１１が電気的に接続
されている。

また、バルブ１３の外面の所要箇所には細長矩
形板状の補助電極１６を、バルブ１３のほぼ全長
に亘つて密着して添設しており、この補助電極１
６の一端を第１図に示すように高周波点灯回路１
１に電気的に接続して、所要の電位を印加し、陽
光柱５と電位差を生ずるようになつている。

この補助電極１６の反対側、すなわち、第３図
に示すように補助電極１６に対し直径方向で対向
するバルブ１３の内面の蛍光体膜１４をバルブ１
３の軸方向に沿つてほぼ全長に亘つて所要幅で欠
如して、アパーチヤ１７を開口させている。

次に本実施例の作用について述べる。

希ガス放電灯１２を点灯する場合は、高周波点
灯回路１１により交流電源１０の電源周波数を例
えば30KHzの高周波数に変換し、この高周波電流
を希ガス放電灯１２の一対の電極１５ａ，１５ｂ
に通電する。このとき、補助電極１６にも所要の
電位が高周波点灯回路１１により印加される。

これにより、一対の電極１５ａ，１５ｂ間で放
電が行なわれ、第２図で示すようにバルブ１３内
には陽光柱１８が形成されているが、この陽光柱
１８は補助電極１６へほぼ全長に亘つてほぼ均等
に引き寄せられる。

したがつて、陽光柱１８に近接する蛍光体膜１
４が陽光柱１８のほぼ全長に亘つてほぼ均等に励
起されて、強く発光し、明るさを増す。このバル
ブ１３内でほぼ全長に亘つてほぼ均等に発光する
光がアパーチヤ１７から照射されるので、アパー
チヤ１７のほぼ全長に亘つてほぼ均等な照度分布
を得ることができる。

これにより、本実施例によれば、軸方向で均等
な照度分布が要請される読取光源として好適な希
ガス放電灯装置を提供することができる。

なお、上記実施例では補助電極１６の一端に高
周波点灯回路１１を電気的に接続した場合につい
て述べたが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、例えば第４図および第５図に示すように補
助電極２０の一端をアースして、補助電極４と陽
光柱５との間に電位差を生ずるようにしてもよ
く、これによつても上記実施例とほぼ同様の効果
を奏することができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、補助電極
に沿つて陽光柱が蛍光体膜に近接するようになる
ため、バルブ軸方向に亙る発光の不均一が改善で
き、しかも、アパーチヤを透過する光量の低下を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る希ガス放電灯装置の一実
施例の全体構成を示す配線図、第２図は第１図で
示す希ガス放電灯を軸方向に沿つて縦断した場合
の一部切欠縦断面図、第３図は第１図で示す希ガ
ス放電灯を直径方向に沿つて切断した場合の端面
図、第４図は本発明の他の実施例に組み込まれる
希ガス放電灯を軸方向に沿つて縦断した場合の一
部切欠縦断面図、第５図は第４図で示す実施例の
希ガス放電灯を径方向に沿つて切断した場合の端
面図、第６図および第７図は従来の希ガス放電灯
を軸方向に沿つてそれぞれ縦断した場合の一部切
欠縦断面図である。 １２…希ガス放電灯、１３…バルブ、１４…蛍
光体膜、１５ａ，１５ｂ…電極、１６…補助電
極、１７…アパーチヤ、１８…陽光柱。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内面に蛍光体よりなる蛍光体膜が被着され、
   キセノンガスを主成分とするガスが封入されたバ
   ルブ内部で陽光柱を発生する希ガス放電灯を有す
   る希ガス放電灯装置において、上記バルブの軸方
   向に沿つて上記蛍光体膜を欠如するアパーチヤを
   設け、このアパーチヤと直径方向で対向するバル
   ブの外面に前記陽光柱の電位と異なつた電位の補
   助電極が上記バルブ軸方向に沿つて添設されてい
   ることを特徴とする希ガス放電灯装置。