JPH045625B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は複数のキヤリジを備え、各キヤリジ
は、巻取管装着部材を備えた揺れうでを担持し、
またこれらのキヤリジは、裁断方向に対して横方
向の案内路に沿つて移動自在であり、この場合
に、前記案内部材の下方に駆動軸が配置され、こ
の駆動軸は各キヤリジの駆動ホイールとその都
度、応力伝達的に連結可能であり、また各駆動ホ
イールは対応の揺れうでの巻取管装着部材を駆動
するようにした裁断ウエブの巻取装置に関するも
のである。

（従来の技術） 前記技術の公知巻取装置は、駆動軸から巻取管
の装着部材までの駆動力伝達のために、歯車を備
えている。この構造は特にキヤリジを案内路に沿
つて移動させ、裁断幅の無段調整を行なう場合、
不便である。

（発明が解決しようとする課題） 上述のように、公知の巻取装置は駆動力伝達の
ために歯車を有するので、キヤリジを移動させる
場合不便である。この理由は、そのたびにキヤリ
ジのみならず歯車も新たに調整し直さなければな
らないからである。更に、キヤリジの移動、特に
作動区域から休止区域へのキヤリジの移動が困難
である。何故ならば、歯車がこのような移動を妨
げるからである。更にまた、歯車が相当の騒音を
発生する。最後に、この公知構造においては、巻
取張力の調整が種々の困難を伴う。

本発明の課題は、案内路に沿つてキヤリジを移
動させる作業を容易かつ迅速に成し、また巻取張
力を適正化することである。

〔発明の構成〕 （課題を解決するための手段） この課題を本発明によれば下記によつて解決さ
れる。

(a) 駆動軸は連続的な外周面を有し、 (b) それぞれの駆動ホイールは摩擦ホイールとし
て構成され、この摩擦ホイールが駆動軸と摩擦
接合し、 (c) それぞれの駆動ホイールは、連結部材、特に
うず電流連結部材を介して、カルダン軸に対し
て調整可能の連結デイスクに連結されている。

本発明は、キヤリジの駆動ホイールが駆動軸の
連続外周面と歯車係合ではなく、直接的に係合す
るが故に任意の場所において駆動軸と連結可能で
ある点において、先行技術から類推され得ない相
違点を有する。

この故に、巻取幅の調整に関しては完全に自由
である。特に、駆動軸から駆動ホイールへ応力の
伝達を可能にするための調整作業が必要とされな
い。各キヤリジを所望の場所に移動することがで
きる。キヤリジを案内部材に沿つてロツクすれば
よい。この故に、巻取装置の再調整時間が大幅に
低減される。キヤリジを作動区域から休止区域ま
で出すことにも全く問題はない。摩擦ホイールと
して構成された駆動ホイールはその外周にポリマ
ー被覆体（例えばポリウレタン）を備え、これに
よつて滑りのない応力伝達を確実にする。

永久磁石を有するうず電流連結装置が巻取張力
の調整を可能とし、また摩擦ホイールの偏心に際
してこれを補償する。この故に摩擦ホイールは容
易に微調整することができる。

その他、連結ギヤツプの調整によつて、伝達さ
れるべき回転モーメントと、従つて巻取張力とを
調整することができる。

摩擦ホイールの圧着力の調整のため、また／あ
るいは摩擦ホイールの摩損の補償のため、各キヤ
リジは内側偏心リングとその上で回転する外側偏
心リングとを備えた中空ジヤーナルを具備し、前
記の外側偏心リングの上に各駆動ホイールが支持
されるように成される。

更に、本発明によれば調整ロツドに作用する調
整シリンダを介して、外側偏心リングを調整する
ことができる。この故に常に巻取操作中、摩擦ホ
イールの自動的圧着と、圧着力の制御とが可能で
ある。そのほか、摩擦ホイールを駆動軸から持上
げることができる。

更に本発明によれば、キヤリジ案内装置は玉軸
案内装置として構成される。これにより、キヤリ
ジの移動が容易に成され、特に案内レール中の焼
付きが防止される。うず電流連結部材の連結ギヤ
ツプの調整のため、またこれにより、伝達される
回転モーメントを調整するため、連結デイスクは
カルダン軸の上を軸方向に移動自在に成され、ま
たデイスクの軸方向調整のために、調整部材がデ
イスクに連結されている。これによつて、それぞ
れの巻取部の巻取モーメントは、他の裁断幅を有
する隣接の巻取部に関連して調整される。全体巻
取張力は、巻取直径の増大に対応した駆動軸回転
数によつて調整される。

最後に本発明によれば、前記調整部材は中空ス
ピンドルを包囲し、この中空スピンドルは回転自
在に、しかし軸方向移動自在に前記連結デイスク
と連結されている。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。

全体として図示されていない裁断装置は、裁断
方向に対して横方向に配置された複数の巻取部を
有し、これらの巻取部は案内レール１上に配置さ
れ、このレールは裁断装置の幅全体に亘つて横方
向に延在する。

このレール１は案内部材２とクランプバー３と
を具備する。レール１に対して平行に、連続的外
周面を持つ駆動軸４が配置まれ、この駆動軸４も
巻取装置の幅全体に亘つて延在し、図示されない
駆動装置から駆動される。

第１図および第２図は、１個のキヤリジ５を示
し、このキヤリジ５はレール１を跨ぎまた玉軸受
６をもつて案内部材２の上を走行する。キヤリジ
５のクランプ組立体７は任意の位置にレール１の
クランプバー３によつてクランプされるので、キ
ヤリジ５を固定することができる。キヤリジ５の
中に、あるいはその支持板の中に、中空ジヤーナ
ル８が保持され、このジヤーナル上に揺れうで９
の一端部が揺動自在に軸支されている。揺れうで
９は調整シリンダ１１のピストンロツド１０に連
結され、このシリンダ１１はキヤリジ５の脚１２
に固定されている。調整シリンダ１１は、巻取ロ
ール径の増大に対応して揺れうでの揺動を生じ
る。

またキヤリジ５は、揺れうで９の他端部に巻取
管４２の装着部材４１の駆動装置を有する。キヤ
リジ５に対して第２キヤリジ５′が対置されてい
る。この第２キヤリジ５′は同様に揺れうで９′を
担持しているが、駆動装置を有しない。それぞれ
の巻取管の一端の装着部材のみが駆動されるから
である。この第２キヤリジ５′は駆動装置以外は
キヤリジ５と同様に構成されている。素材幅と巻
取張力が大きい場合、この揺れうで９′も被駆動
揺れうでとして構成することができる。

中空ジヤーナル８の上に内側偏心リング１３が
取付けられ、その上に外側偏心リング１４が回転
自在に係合している。外側偏心リング１４は調整
シリンダ１６の調整ピストンロツド１５に連結さ
れているので、この外側偏心リング１４は第１図
から明らかな様に両方向（時計方向および反時計
方向）に揺動自在である。外側偏心リング１４上
に、摩擦被覆１８を備えた摩擦ホイール１７が回
転自在に支持されている。

第１図に示す中空位置において、摩擦ホイール
１７は駆動軸４に当接している。外側偏心リング
１４の時計方向揺動は摩擦ホイールの圧力の上昇
を生じるので、接触圧と伝達されるべき回転モー
メントを調整することができる。そのほか、この
様にして摩耗と摩損を補償することができる。外
側偏心リングの反時計方向の揺動は、駆動軸４か
ら摩擦ホイール１７を持上げるので、これにより
駆動軸４の軸線方向へのキヤリジ５の移動が容易
になる。

うず電流連結装置２０のハウジング１９が、例
えば締付けボルト２１をもつて摩擦ホイール１７
に固着されている。うず電流連結装置２０は通常
のものと同様に永久磁石２２を有する。ハウジン
グ１９に対して、ギヤツプ２４を介して連結デイ
スク２３が対置される。このギヤツプの幅が、伝
達されるべき回転モーメントを決定する。

ブツシユ２５が前記の連結デイスク２３に固着
され、このブツシユはクサビ連結２７をもつてカ
ルダン軸２６に係合しているので、ブツシユ２５
はカルダン軸２６上を軸方向に移動自在となつて
いる。カルダン軸２６は中空ジヤーナル８の内部
を貫通し、反対側末端にベルトプーリ２８を担持
し、このプーリ２８がベルト２９を駆動する。ベ
ルト２９は駆動機構４０を介して巻取管４２の装
着部材４１を駆動する。

すなわち、駆動軸４からの駆動力は、摩擦ホイ
ール１７に直接的に伝達され、さらに摩擦ホイー
ル１７から締付ボルト２１、ハウジング１９、ギ
ヤツプ２４、連結デイスク２３、ブツシユ２５、
クサビ連結２７、カルダン軸２６、、ベルトプー
リ２８、ベルト２９、および駆動機構４０を介し
て装着部材４１に伝達される。

キヤリジ５のハウジングにプレート３０が固着
され、このプレートは、カルダン軸２６を包囲し
たその中心孔の内側に内側ネジ山を備える。この
ネジ山の中に、中空スピンドル３２の外側ネジ山
が係合し、このスピンドル３２は調整レバー３１
を備え、この調整レバー３１はプレート３０の外
周面の上に突出している。中空スピンドル３２は
軸端スラスト軸受３３または類似の連結部材を介
して、ブツシユ２５と連結されているので、ブツ
シユ２５は中空スピンドル３２の内部において回
転自在であるが、中空スピンドル３２の軸方向移
動に際してこのスラスト軸受３３によつて同伴し
て移動する。

調整レバー３１を用いて、中空スピンドル３２
の軸方向調整が可能であり、従つてブツシユ２５
を介して連結デイスク２３の軸方向調整が可能で
ある。このようにして、ギヤツプ２４と、うず電
流連結装置の伝達すべき回転モーメントとが調整
される。またこの調整は巻取工程中においても可
能である。

第１図および第２図においては、１つの巻取部
のみが図示されているが、巻取装置の全作動幅に
渡つて複数の巻取部が配置されることは自明であ
る。これらの巻取部はすべて共通のレール１の上
を移動自在であり、調整可能であり、また共通の
駆動軸４によつて駆動される。駆動軸４の回転数
は、所望の張力に応じて、すべての巻取部につい
て共通に調整される。

個々の巻取りの回転モーメント乃至巻取り張力
は調整レバー３１をもつて微調整される。

玉軸受６は、焼付きまたは類似の現象による停
止を生じることなくキヤリジを軽く移動させるこ
とができる。

摩擦ホイール１７は調整シリンダ１６によつて
駆動軸４に対して圧着させられる。これにより、
伝達される回転モーメントの変更が可能である。
摩耗による摩擦被覆１８の摩損に際して、摩擦ホ
イールの微調整を直ちに実施することができる。
これによつて生じる偏心度は直ちにうず電流連結
装置２０によつて補償される。また他方、摩擦ホ
イール１７は駆動軸４から持上げられるので、こ
の巻取装置の調整乃至は切替えに際して損傷を免
れることができる。

それぞれのキヤリジは巻取装置の全作動幅に渡
つて移動させることができ、またこの故にあるキ
ヤリジが使用されない場合には、この作動幅から
休止位置に移動させることができる。キヤリジは
任意の場所において案内部材上にロツクされう
る。この故に、裁断幅の無段調整が可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、駆動軸
からの駆動力を摩擦ホイールに直接的に伝達し、
さらに摩擦ホイールからうず電流連結部材を介し
てカルダン軸から巻取管の装着部材に駆動力を伝
達することができる。このように歯車伝達によら
ないで駆動力を伝達することができるので、キヤ
リジの移動を容易に行なうことができる。また、
うず電流連結部材と連結デイスクとの軸方向の間
隔を調整することができるので、回転モーメント
の調整を容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の巻取装置の一実施例を示し、第
１図は揺れうで（一部破断）を備えた巻取部の側
面図、第２図は第１図の巻取部の断面図である。 １……レール、４……駆動軸、５……キヤリ
ジ、６……玉軸受、７……クランプ組立体、８…
…中空ジヤーナル、９……揺れうで、１３……内
側偏心リング、１４……外側偏心リング、１５…
…ピストンロツド、１６……調整シリンダ、１７
……摩擦ホイール、１８……摩擦被覆、２０……
うず電流連結部材、２３……連結デイスク、２４
……ギヤツプ、２５……ブツシユ、２６……カル
ダン軸、２７……クサビ連結、３１……調整レバ
ー、３２……中空スピンドル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数のキヤリジを具備し、各キヤリジは一端
   部に巻取管装着部材を備えた揺れうでの他端部を
   担持し、また各キヤリジは、裁断方向に対して直
   角の案内路に沿つて移動自在であり、この際に前
   記キヤリジの下方に駆動軸が配置され、この駆動
   軸は各キヤリジの駆動ホイールとその都度、直接
   的に当接して応力伝達的に連結可能であり、また
   それぞれの駆動ホイールが対応の揺れうでの巻取
   管装着部材を駆動する様にした裁断ウエブの巻取
   装置において、 ａ） 駆動軸４は連続的外周面を有し、 ｂ） それぞれの駆動ホイールは摩擦ホイール１
   ７として構成され、この摩擦ホイールが駆動軸
   ４と摩擦接合し、 ｃ） それぞれの駆動ホイール１７はキヤリツジ
   ５のカルダン軸２６の外周に配設されるととも
   に、永久磁石２２を有するうず電流連結部材２
   ０を備え、カルダン軸２６に対して軸方向に調
   整可能に取付けられた連結デイスク２３がうず
   電流連結部材２０に向合せた状態で配設され、
   カルダン軸２６はプーリ２８およびベルト２９
   を介して、巻取管の装着部材を駆動することを
   特徴とする巻取装置。 ２ 各キヤリジ５は、内側偏心リング１３とその
   上で回転自在の外側偏心リング１４とを備えた中
   空ジヤーナル８を具備し、前記の外側偏心リング
   １４上に、それぞれの駆動ホイール１７が回転自
   在に支持されることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の巻取装置。 ３ 外側偏心リング１４は、外側偏心リングの外
   側に固着された調整ロツド１５を、キヤリツジ５
   外側に固着された調整シリンダ１６で作動させる
   ことにより調整可能であることを特徴とする特許
   請求の範囲第２項記載の巻取装置。 ４ キヤリジ案内手段は玉軸受案内手段６として
   構成されることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項乃至第３項のいずれか１項に記載の巻取装置。 ５ 連結デイスク２３は前記カルダン軸２６上を
   軸方向に移動自在であり、この軸方向調整のため
   に調整部材が連結デイスク２３に連結され、前記
   調整部材は連結デイスク２３にブツシユ２５を介
   して連結されキヤリツジ５内面とねじ係合してカ
   ルダン軸２６上を軸方向に移動可能な中空スピン
   ドル３２と、この中空スピンドル３２の外方に固
   着された調整レバー３１とを有することを特徴と
   する特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれか
   １項に記載の巻取装置。