JPH0455777B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冶金用容器の湯口のためのスライド
式ノズルのスライドユニツトであつて、互いに並
んで当接し合つて一緒にスライド運動し定置の錠
プレートに対してガイドされる２つの耐火性のス
ライドプレート部分を有しており、これら２つの
スライドプレート部分が、前記定置の錠プレート
に向けられたそれぞれ１つのシール面を有してい
て、これら２つのスライドプレート部分の外周部
にそれぞれ金属薄板リムがかぶせはめられている
形式のものに関する。

別個に交換可能であるスライドプレート部分
は、例えば１つの貫流口を有する鋳込みプレート
と閉鎖プレートとから成つているが、交互に使用
される２つの鋳込みプレートを並べて配置するこ
とも考えられる。耐火性材料にひび割れが形成さ
れた時にプレートを結合しておくために、緊締バ
ンドとして構成されているか又は底面を有する金
属薄板材料の構成部分である金属薄板リムによつ
て各スライドプレート部分を縁どりする必要があ
る。

従来の技術 前記形式の公知のスライドユニツト（ドイツ連
邦共和国特許出願公開第2146677号明細書参照）
においては、２つのスライドプレート部分に設け
られた金属薄板リムが互いにぶつかり合つてい
て、これら２つの金属薄板リムの縁が上方に向か
つて自由になつている。このために運転中、耐火
性材料と金属薄板リムの熱膨張率が異なつている
のでシール面が定置の錠プレートに密接しなくな
る。プレートをスライドさせる時に、前記金属薄
板縁が定置の錠プレートの貫流口の下側を通つて
スライドすると、貫流口内にある鋼湯が金属薄板
に接触する。このためにさらにプレートがスライ
ドするとシール面は、凝固した付着する鋼部分に
よつて傷むか又は、金属薄板縁が「溶接」されて
いるためにスライドプレート部分の交換は困難で
ある。

発明の課題 そこで本発明の課題は、スライドプレート部分
間に存在する接触箇所が溶湯の下側をスライドす
ることによつて故障を惹き起こすことなしに、金
属薄板によつて取り囲まれたプレートを有するス
ライドユニツトが両方向で何度もスライドできる
ようにすることである。

課題を解決するための手段 前記課題を解決した本発明によれば、スライド
プレート部分が互いに当接し合う外周部範囲に沿
つて、前記金属薄板リムを越えて突き出て接触箇
所にまでシール面を拡張する少なくとも１つの耐
火性の付加部を有している。

作 用 本発明によれば、２つのスライドプレート部分
にわたつて延びるシール面が得られ、このシール
面は、金属薄板リムと溶湯とが不都合に接触する
のを妨げ、ひいては故障のない運転が保証され
る。

実施態様 ２つのスライドプレート部分が同様に形成され
ていて、金属薄板リムの厚さよりも厚いそれぞれ
１つの耐火性の付加部を有している。

また本発明の別の実施態様によれば、スライド
プレート部分のシール面が、このスライドプレー
ト部分の直線状に延びる外周部区分に沿つて金属
薄板リムを越えて突き出る耐火性の付加部によつ
て拡張されている。この付加部は、スライドプレ
ート部分がほぼ方形の形状を有している限り、有
利には方形の狭幅側に沿つて延びている。金属薄
板リムの幅は付加部に沿つて減少することができ
るが、付加部の厚さがスライドプレート厚のせい
ぜい半分であれば、付加部の十分な載設面（突き
当り面）と存在するリム厚との間の好都合な関係
が得られる。また、金属薄板リムがスライドプレ
ート部分の外周部区分に沿つて、それぞれ１つの
付加部によつて両側の制限された溝内に延びるよ
うに構成してもよい。このようにすれば金属薄板
リムをすべてにわたつて一様な幅に構成すること
ができる。

実施例 次に図面に示した実施例について本発明の構成
を具体的に説明する。

第１図及び第２図に示されたスライドユニツト
は、スライド式ノズル、この実施例では、鋼連続
鋳装置の中間容器に設けられたいわゆる３枚プレ
ート・スライド式ノズルの構成部分である。ノズ
ルの全体構造は本発明の関連性において重要では
ないので、第１図では貫流口５を備えた定置の上
部プレート（錠プレート２）並びに貫流口６を備
えた定置の下部プレート（錠プレート３）だけが
示されている。これら２つの定置の錠プレート
２，３は、一般的なノズルと同様に耐火性の材料
より成つており、貫流口５，６によつて形成され
た湯口は後述するスライダによつて制御される。

スライドユニツトは方形のフレーム２０と２つ
の耐火性のスライドプレート部分、つまり鋳込み
プレート１０ａと閉鎖プレート１０ｂとを有して
いる。スライドユニツトは、フレーム２０にヒン
ジ結合された動力を伝達する連接棒２２を介して
公知形式で矢印方向で往復運動可能であつて、フ
レーム開口２１内に並んで配置された鋳込みプレ
ート１０ａと閉鎖プレート１０ｂとは定置の錠プ
レート２，３に対して一緒にスライドガイドされ
る。鋳込みプレート１０ａ及び閉鎖プレート１０
ｂは、上部の定置の錠プレート２側に向けられた
扁平なシール面１４として構成されている。同様
のことは、前記３枚プレート・スライド式ノズル
において、下側の定置の錠プレート３に関連して
２つのスライドプレート部分の下側においてもあ
てはまる。鋳込みプレート１０ａは貫流口１１を
有しており、この貫流口１１は、図示のスライダ
の一方の終端位置（開放位置）で定置の貫流口
５，６と合致している。これに対して閉鎖プレー
ト１０ｂは、定置の貫流口５と６との間でスライ
ダの他方の終端位置に来る位置で、有利には多孔
性の挿入部材１２を備えている。この多孔性の挿
入部材１２が設けられていることによつて、閉鎖
時に鋳込み通路にガスを吹き込むことができる。
スライダの位置に応じて公知形式で閉鎖装置は完
全に開放されるか、部分的に開放（絞られる）さ
れるかあるいは完全に閉鎖される。

鋳込みプレート１０ａ及び閉鎖プレート１０ｂ
の外周部にはそれぞれ金属薄板リム１５が枠状に
かぶせはめられている。この金属薄板リム１５
は、運転中に変化する非常に大きな加熱作用によ
つて耐火性材料にひび割れが形成された時にプレ
ートを保持するために用いられる。スライドプレ
ート部分（鋳込みプレート１０ａと閉鎖プレート
１０ｂ）は分割されているのでそれぞれ別個に交
換することができる。特に、絞り時に強い摩耗に
さらされる鋳込みプレート１０ａは、閉鎖プレー
ト１０ｂが定置の錠プレート２と３との間の閉鎖
位置に存在する時に交換される。

スライド式ノズルを運転する場合、一般に開放
若しくは絞り位置と閉鎖位置とを両方向で何回も
繰り返えす必要がある。この時にそれぞれスライ
ドプレート部分間にある接触箇所１３を、上部の
定置の錠プレートの貫流口５内に存在する溶湯の
下側でスライドさせなければならない。これを困
難なく繰り返えし可能にするためには、前記接合
部材若しくは、各スライドプレート部分の、接触
箇所に隣接する端部を特別に構成しなければなら
ない。

スライドプレート部分が互いにぶつかり合う外
周部範囲、この実施例ではほぼ方形のスライドプ
レート部分の狭幅側に沿つて耐火性の付加部１６
が一体成形されている。この付加部１６は金属薄
板リム１５を越えて突き出ていて、シール面１４
を接触箇所１３にまで拡張している。２つのスラ
イドプレート部分１０ａ，１０ｂは有利には同一
形状に形成されている。つまり、リム厚を越える
同様の付加部１６をそれぞれ有している。前記目
的のために、金属薄板リム１５の幅は直線状に延
びる付加部１６に応じてそれぞれ減少されてい
る。一方では幅の減少された金属薄板リムの十分
な剛性を維持するために、また他方では接触筒所
１３における付加部１６の十分な接触面を得るた
めに、付加部１６の厚さはプレート厚さのほぼ半
分よりも小さくなければならない。

図示の実施例によつて、湯口内に存在する溶湯
がスライド式ノズルの金属部分、特に金属薄板リ
ム１５と接触することは避けられる。フレーム２
０内でスライドプレート部分を所定に配置したこ
とによつて及び互いに押しつけられる定置の錠プ
レート２，３間でスライドプレート部分がこすら
れるために接触箇所１３は持続して２つの運動方
向で気密に閉鎖される。

第４図の変化実施例においては、接触箇所１３
を形成する、金属薄板リム１５′のための外周部
区分に沿つてスライドプレート部分１０′に溝１
８が設けられている。この金属薄板リム１５′は
この実施例では有利には全周にわたつて一様な幅
で構成されている。溝１８の両側は、金属薄板リ
ム１５′を越えるそれぞれ１つの付加部１６′によ
つて制限されており、これらの付加部１６′のう
ちの一方は上側のシール面１４を、また他方は下
側のシール面１４′をそれぞれ接合部材１３にま
で拡張している。この変化実施例は、必要であれ
ば当該のスライドプレート部分を逆にする可能性
を提供するので、シール面１４又は１４′のどち
らが上側に来てもよい。

効 果 以上のように本発明によれば、スライドプレー
ト部分の外周部にはめ込まれた金属薄板リムと溶
湯とが不都合に接触するのは妨げられ、ひいては
故障のない運転が保証される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例によるスライドユニ
ツトの縦断面図、第２図は第１図のスライドユニ
ツトの平面図、第３図は各部分スライドプレート
の端部の斜視図、第４図は第３図とは別の実施例
による部分スライドプレートの端部の部分断面図
である。 ２，３……錠プレート、５，６……貫流口、１
０ａ……鋳込みプレート、１０ｂ……閉鎖プレー
ト、１０′……スライドプレート部分、１１……
貫流口、１２……多孔性の挿入部材、１３……接
触箇所、１４，１４′……シール面、１５，１
５′……金属薄板リム、１６，１６′……付加部、
１７……金属薄板リム、１８……溝、２０……フ
レーム、２１……フレーム開口、２２……連接
棒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冶金用容器の湯口のためのスライド式ノズル
   のスライドユニツトであつて、互いに並んで当接
   し合つて一緒にスライド運動し定置の錠プレート
   ２，３に対してガイドされる２つの耐火性のスラ
   イドプレート部分１０ａ，１０ｂを有しており、
   これら２つのスライドプレート部分１０ａ，１０
   ｂが、前記定置の錠プレート２，３側に向けられ
   たそれぞれ１つのシール面１４を有していて、こ
   れら２つのスライドプレート部分の外周部にそれ
   ぞれ金属薄板リム１５がかぶせはめられている形
   式のものにおいて、前記スライドプレート部分１
   ０ａ，１０ｂが、互いに当接し合う外周部範囲に
   沿つて、前記金属薄板リム１５を越えて突き出て
   接触箇所１３にまでシール面１４を拡張する少な
   くとも１つの耐火性の付加部１６を有しているこ
   とを特徴とする、スライド式ノズルのスライドユ
   ニツト。 ２ ２つのスライドプレート部分１０ａ，１０ｂ
   が同一に成形されていて、金属薄板リム１５の厚
   さよりも厚いそれぞれ１つの耐火性の付加部１６
   を有している、特許請求の範囲第１項記載のスラ
   イドユニツト。 ３ スライドプレート部分１０ａ，１０ｂのシー
   ル面１４が、このスライドプレート部分の直線状
   に延びる外周部区分に沿つて、前記金属薄板リム
   １５を越えて突き出る耐火性の付加部１６によつ
   て拡張されている、特許請求の範囲第１項記載の
   スライドユニツト。 ４ 付加部１６が方形の狭幅側に沿つて延びてい
   る、特許請求の範囲第３項記載のスライドユニツ
   ト。 ５ 金属薄板リム１５の幅が、付加部１６に沿つ
   て減少されていて、該付加部１６の高さが最大で
   もスライドプレート厚の半分である、特許請求の
   範囲第３項又は第４項記載のスライドユニツト。 ６ 金属薄板リム１５′がスライドプレート部分
   の外周部区分に沿つて、それぞれ１つの付加部１
   ６′によつて両側の制限された溝１８内に延びて
   いる、特許請求の範囲第３項又は第４項記載のス
   ライドユニツト。