JPH0455461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、田植機、播種機、施肥機等の歩行型
水田作業機におけるサイドフロートの支持構造に
関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］ 一般に、この種水田作業機のなかには、機体の
左右外側方にサイドフロートを配して機体のロー
リング防止しようとするものがある。しかるに従
来では、サイドフロートの前端部を、チエンケー
スの揺動支軸部から突設した支持部材によつて支
持していたが、チエンケースの揺動支軸部には、
スプロケツト、軸受を組付けたり、またこれらの
点検整備をするための開口が開設されている。そ
してこの開口を塞ぐため蓋体が設けられている
が、この場合には蓋体と一緒にサイドフロートの
支持部材も取外さなければならず、このため整備
作業が面倒になる許りか、サイドフロートと支持
部材の間に介装される吊り金具を変形させる不都
合が生じる惧れもあり問題となつていた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点
を一掃することができる歩行型水田作業機におけ
るサイドフロートの支持構造を提供することを目
的として創案されたものであつて、機体の外側方
に配設されるサイドフロートの前端部を、走行車
輪に動力伝達をするチエンケースから左右外側方
に向けて突設される支持部材によつて支持する歩
行型水田作業機において、前記支持部材は、チエ
ンケースの揺動支軸部から外れた周辺位置に突設
されていることを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、支持部材
をいちいち取外すことなく簡単にチエンケース内
の点検整備を行うことができるようにしたもので
ある。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１は歩行型の田植機であつ
て、該田植機１は、前方にエンジン２を搭載し、
後方には前低後高状の苗載台３が設けられ、機体
走行にタイミングを合せた植付爪４の植付作動に
よつて苗載台３から単位植付苗を掻取つて田面に
植付けるようになつていること等は何れも従来通
りである。

５は走行車輪であつて、該走行車輪５は屈曲型
のチエンケースを構成する第二チエンケース６の
後端部に車輪５ａによつて軸承されるものである
が、該第二チエンケース６の前端部は第一チエン
ケース７の先端部に枢軸８を介して揺動自在（屈
曲自在）に枢支されている。この第一チエンケー
ス７は、トランスミツシヨンケース９の上部から
突出する出力軸９ａを支点として揺動自在に枢支
されている。そして走行車輪５は、エンジンから
の駆動力が、出力軸９ａに固設のスプロケツト９
ｂと前記枢軸８の第一チエンケース７側端部に固
設のスプロケツト８ａに懸回される第一チエン１
０、枢軸８の第二チエンケース６側端部に固設の
スプロケツト８ｂと前記車軸５ａに固設のスプロ
ケツト５ｂに懸回される第二チエン１１を経て動
力伝達されることによつて走行回転するようにな
つている。

１２は田植機１の左右両外側方に配設されるサ
イドフロートであつて、該サイドフロート１２の
後部にはブラケツト１２ａが一体的に取付けられ
ているが、該ブラケツト１２ａは前記苗載台３下
部の苗受け体３ａに対して上下方向揺動自在に枢
支されている。一方、サイドフロート１２の前端
部には中間部で折曲自在な吊りリンク１２ｂの下
端部が枢結されているが、該吊りリンク１２ｂの
上端部は第一チエンケース７から突設の後述する
支持部材１３の先端部に揺動自在に支持されてお
り、これによつてサイドフロート１２の前端部は
上下変位自在に自重垂下するようになつている。

一方、前記第一チエンケース７は、内外それぞ
れ半分の殻を形成するケース７ａ，７ｂを一体的
に接合して形成されており、さらに外側ケース７
ａにはの前記出力軸９ａの先端部に回動自在に装
着される軸受１４を固着するための開口が形成さ
れるが、この開口は蓋体１５によつて覆蓋される
ようになつている。つまり、蓋体１５を外せば前
記軸受１４の点検を行うことができるようになつ
ている。また、第一チエンケース７の周縁にはケ
ース７ａ，７ｂを接合させるフランジ７ｃが形成
されているが、第一チエンケース７の上端部には
フランジ７ｃからさらに突出する突片７ｄが形成
されている。そしてこの突片７ｄに前記支持部材
１３の基端部が一体的に固着されるようになつて
いる。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、機体走行時にサイドフロート１２は、田面に
倣う姿勢を保つべく機体に対して上下方向に揺動
するが、このときサイドフロート１２の前端部
は、第一チエンケース７の蓋体１５でなく上端部
に形成された突片７ｄから外側方に突設される支
持部材１３によつて上下方向変位自在に支持され
ることになる。従つて、第一チエンケース７内の
軸受１４を点検する際、支持部材１３の基端を蓋
体１５に固着した従来のものの様に蓋体１５と一
緒に支持部材１３を取外す必要がなく、蓋体１５
を取外すだけで容易に点検を行うことができる。
この結果、点検整備作業の作業性が著しく向上さ
れる許りか、点検整備時に吊りリンク１２ｂを変
形させる等の不具合も確実に防止できることにな
る。

しかもこのものは、支持部材１３を、トランス
ミツシヨンケース９の出力軸９ａ軸芯から上方に
ずれた位置に固設したものであるから、機体回行
時において機体を上昇させると、第４図に示す如
く、第一チエンケース７が揺動することで支持部
材１３が前方に変位し、これによつてサイドフロ
ート１２の前端部が吊りリンク１２ｂに引張られ
て上昇することになる。従つて、機体回行時等に
は、サイドフロート１２の前端部を田面から充分
に浮かせながら回行できることになり、この結
果、機体回行時にサイドフロート１２の前端部が
土中に突込む不具合いも確実に防止できて、回行
時の操作性が著しく向上されることになる。

尚、本考案は前記実施例に限定されるものでな
いのであつて、前記実施例では、屈曲型チエンケ
ースの第一チエンケースに支持部材を取付けてい
るが、屈曲しない単一型のチエンケースで構成さ
れる歩行型水田作業機においても実施できること
は勿論である。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成された
ものであるから、サイドフロートの前端部は、チ
エンケースの揺動支軸部を外れた周辺位置から突
設される支持部材によつて支持されることにな
る。従つて、チエンケース揺動支軸部のスプロケ
ツトや軸受等の部材を組付けし、あるいは点検す
る際に、従来のものの如く支持部材までをも同時
に取外す様な面倒がない。この結果点検整備作業
等の作業性が著しく向上される許りか、点検整備
時にサイドフロート用吊りリンク等の他部材を破
損させる等の不具合も確実に防止できることにな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る歩行型水田作業機におけ
るサイドフロートの支持構造の一実施例を示した
ものであつて、第１図は歩行型田植機の全体側面
図、第２図は要部側面図、第３図は同上平面断面
図、第４図は作用を説明する要部側面図である。 図中、１は走行機体、５は走行車輪、６は第二
チエンケース、７は第一チエンケース、１２はサ
イドフロート、１３は支持部材、１５は蓋体であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の外側方に配設されるサイドフロートの前
   端部を、走行車輪に動力伝達をするチエンケース
   から左右外側方に向けて突設される支持部材によ
   つて支持する歩行型水田作業機において、前記支
   持部材は、チエンケースの揺動支軸部から外れた
   周辺位置に突設されていることを特徴とする歩行
   型水田作業機におけるサイドフロートの支持構
   造。