JPH0455226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、トルクコンバータまたは油圧モータ
を備えた車両に搭載されてこれらの中で流動する
オイルを冷却するためのオイルクーラを内蔵した
ラジエータに関するものである。

従来技術 出口タンク内にオイルクーラを配置したラジエ
ータにおいては、チユーブを通過して出口タンク
内に流入した冷却水の一部は、オイルクーラと接
触してオイルクーラ内のオイルと冷却水との間で
熱交換されるものの、冷却水の大部分は、オイル
クーラを迂回して冷却水出口より排出されてしま
うため、オイルクーラの冷却能力は低かつた。

これを改善するために、第１図ないし第３図に
図示されるようなラジエータが従来からあつた。

第１図ないし第３図に図示のラジエータにおい
ては、出口タンクに相当する金属製ロアタンク０
１内にオイルクーラ０２が配置され、ロアタンク
０１の出口パイプ０３の上方空間を密閉し、出口
パイプ０３の存在しない側の上方空間を開放する
ように、ロアタンク０１の上方段部０４に金属製
バツフルプレート０５が張設され、バツフルプレ
ート０５の外側縁０６とロアタンク０１の上方段
部０４との接合部はロー付けされており、チユー
ブ０９を通過してロアタンク０１内に流入した冷
却水は、バツフルプレート０５の上面を出口パイ
プ０３の存在しない方へ流れ、バツフルプレート
０５が欠除した開口部０７から、ロアタンク０１
の下部およびバツフルプレート０５で囲まれた空
間０８内を流れて出口パイプ０３より排出され、
このオイルクーラ０２の外周面に沿つて流れる冷
却水でもつてオイルクーラ０２内を流れるオイル
が冷却されるようになつていた。

考案が解決しようとする問題点 第１図ないし第３図に図示された従来のオイル
クーラ内蔵型ラジエータでは、バツフルプレート
０５の外側縁０６がロアタンク０１の上方段部０
４にロー付けされているため、バツフルプレート
０５の位置決めと、ロー付けのための工数が余分
に必要となり、量産性が良くなく、しかも振動等
によりバツフルプレート０５が外れる惧れがあつ
た。

問題点を解決するための手段および作用 本考案は、このような難点を克服したオイルク
ーラ内蔵型ラジエータの改良に係り、平行に多数
配列された冷却水流通用チユーブの両端に入口タ
ンクと出口タンクを連通し、該出口タンク内にオ
イルクーラを配置したオイルクーラ内蔵型ラジエ
ータにおいて、該オイルクーラよりチユーブ寄り
でかつ冷却水出口側に位置して出口タンク本体の
チユーブ寄り空間を覆うバツフルプレートの両側
縁部が、出口タンク本体より離れる方向へ屈曲さ
れて該出口タンク本体の開口両側縁部内面に添設
され、前記冷却水流通用チユーブを水密に嵌着し
て前記出口タンク本体の開口部を密封する蓋部材
の外周縁部は、該出口タンク本体より離れる方向
へ屈曲されてから逆方向へ断面Ｕ字状に折返さ
れ、該蓋部材の外周縁部の断面Ｕ字状折返部でも
つて前記出口タンク本体の開口両側縁部にバツフ
ルプレートの両側縁部が挟着されたことを特徴と
するものである。

本考案においては、前記したようにオイルクー
ラよりチユーブ寄りでかつ冷却水出口側に位置し
て出口タンク本体のチユーブ寄り空間を覆うバツ
フルプレートの両側縁部を、前記出口タンク本体
より離れる方向へ屈曲させて該出口タンク本体の
開口両側縁部内面に添設し、前記冷却水流通用チ
ユーブを水密に嵌着して前記出口タンク本体の開
口部を密閉する蓋部材の外周縁部を、該出口タン
ク本体より離れる方向へ屈曲させてから逆方向へ
断面Ｕ字状に折返し、該蓋部材外周縁部の断面Ｕ
字状折返部でもつて前記出口タンク本体の開口両
側縁部にバツフルプレートの両側縁部を挟着させ
たため、バツフルプレートの位置決め作業やロー
付け作業を全く必要とせず、前記蓋部材を出口タ
ンク本体の開口部に固着する作業でもつて、バツ
フルプレートをも同時に簡単に装着することがで
きる。

実施例 以下第４図ないし第６図に図示された本考案の
一実施例について説明する。

トルクコンバータを備えた自動車に搭載される
ダウンフロー型ラジエータ１は、金属性アツパー
タンク本体２と、金属性ロアータンク本体４と、
アツパータンク本体２の底板３およびロアータン
ク本体４の蓋板６を貫通してアツパータンク本体
２およびロアータンク本体４を相互に連通する鉛
直方向に指向して左右に所定間隔毎に多数配列さ
れたチユーブ８と、隣接するチユーブ８に一体に
接合された波形のフイン９とよりなり、図示され
ないエンジンにて加熱された冷却水は、図示され
ないポンプにより冷却水入口１０を介してアツパ
ータンク本体２に送込まれ、チユーブ８内を流下
する間に、ラジエータ１の正面から流入してフイ
ン９に触れて流れる空気流により熱交換されて、
チユーブ８内の冷却水は冷却されてから、ロアー
タンク本体４に流入し、冷却水出口１１より再び
エンジンに還流しうるようになつている。

またロアータンク本体４内には、その左右略中
央部にオイルクーラ１２が配置され、そのオイル
流入口１３、オイル流出口１４はロアータンク本
体４の後壁４ａを貫通してロアータンク本体４外
に露出して図示されないトルクコンバータに接続
されており、このトルクコンバータで高温に加熱
されたオイルは、ロアータンク本体４内の冷却水
と熱交換されて冷却された後、オイル流出口１４
よりトルクコンバータに還流されるようになつて
いる。

しかして前記ロアータンク本体４の上部には、
第５図に図示されるように上方段部５が形成さ
れ、また前記蓋板６の外周縁部は、上方へ屈曲さ
れてから外側下方へ断面逆Ｕ字状に折返されて、
断面逆Ｕ字状折返部７が形成されている。

また前記ロアータンク本体４の上方段部５の内
面に密接しうるように、バツフルプレート１５の
外周縁部１６は上方へ屈曲され、バツフルプレー
ト１５の平面部１７における冷却水出口１１と反
対側の部分には開口１８が形成されている。

第４図ないし第６図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、ロアータンク本体４
の上方段部５にバツフルプレート１５の外周縁部
１６を嵌合し、さらにロアータンク本体４の上方
段部５の立上がり部５ａとバツフルプレート１５
の外周縁部１６の立上がり部１６ａとに蓋板６の
断面逆Ｕ字状折返部７を上方から下方に向けて嵌
合し、この断面逆Ｕ字状折返部７をかしめ付けた
後、断面逆Ｕ字状折返部７の垂下部７ａと上方段
部５の立上がり部５ａとにハンダ付けを施せば、
ロアータンクを構成することができる。

またバツフルプレート１５を付設しないアツパ
ータンク本体２にもロアータンク本体４と同様な
作業を施すことにより、アツパータンクを構成す
ることができる。

さらにロー付けでもってフイン９を一体に接合
したチユーブ８の上下両端部を、アツパータンク
の底板３の開口３ａとロアータンクの蓋板６の開
口６ａとに嵌着して、この開口３ａ，６ａとチユ
ーブ８の上下両端部との接合部にロー付けを施せ
ば、ラジエータ１を組立てることができる。

このようにロアータンク本体４に対するバツフ
ルプレート１５の位置合せを全く行わずにバツフ
ルプレート１５の外周縁部１６をロアータンク本
体４の上方段部５に嵌合した後、通常のロアータ
ンクの組立て作業を行なうだけで、ロアータンク
を組立てることができるので、ロー付けでバツフ
ルプレートを装着するラジエータに比べて極めて
生産性が高く、コストダウンを図ることができ
る。

またバツフルプレート１５の外周縁部１６は全
周に亘つてロアータンク本体４の上方段部５に嵌
合されるため、蓋板６の断面逆Ｕ字状折返部７の
かしめ付けの際に、断面逆Ｕ字状折返部７に段部
が形成されず、水密性が高い。

前記した実施例では、ラジエータ１はダウンフ
ロー型であつたがクロスフロー方ラジエータに本
考案は適用可能である。

考案の効果 このように本考案においては、バツフルプレー
トの位置決め作業やロー付け作業を全く必要とせ
ず、前記蓋部材を出口タンク本体の開口部に固着
する作業でもつて、バツフルプレートをも同時に
簡単に装着することができるため、生産性を大巾
に向上させてコストダウンを図ることができる。

また本考案では、バツフルプレートをロー付け
によらず、蓋部材外周縁部の断面Ｕ字状折返部で
もつて、バツフルプレートを出口タンク本体の開
口両側縁部に挟着させたため、振動や衝撃を受け
ても、バツフルプレートは確目を出口タンクに固
着された状態を保持しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオイルクーラ内蔵型ラジエータ
の縦断背面図、第２図はその要部拡大斜視図、第
３図は第１図の−線に沿つて截断した横断側
面図、第４図は本考案に係るオイルクーラ内蔵型
ラジエータの縦断背面図、第５図はその要部分解
斜視図、第６図は第４図の−線に沿つて截断
した横断側面図である。 １……ラジエータ、２……アツパータンク本
体、３……底板、４……ロアータンク本体、５…
…上方段部、６……蓋板、７……断面逆Ｕ字状折
返部、８……チユーブ、９……フイン、１０……
冷却水入口、１１……冷却水出口、１２……オイ
ルクーラ、１３……オイル流入口、１４……オイ
ル流出口、１５……バツフルプレート、１６……
外周縁部、１７……平面部、１８……開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行に多数配列された冷却水流通用チユーブの
   両端に入口タンクと出口タンクを連通し、該出口
   タンク内にオイルクーラを配置したオイルクーラ
   内蔵型ラジエータにおいて、該オイルクーラより
   チユーブ寄りでかつ冷却水出口側に位置して出口
   タンク本体のチユーブ寄り空間を覆うバツフルプ
   レートの両側縁部が、出口タンク本体より離れる
   方向へ屈曲されて該出口タンク本体の開口両側縁
   部内面に添設され、前記冷却水流通用チユーブを
   水密に嵌着して前記出口タンク本体の開口部を密
   封する蓋部材の外周縁部は、該出口タンク本体よ
   り離れる方向へ屈曲されてから逆方向へ断面Ｕ字
   状に折返され、該蓋部材の外周縁部の断面Ｕ字状
   折返部でもつて前記出口タンク本体の開口両側縁
   部にバツフルプレートの両側縁部が挟着されたこ
   とを特徴とするオイルクーラ内蔵型ラジエータ。