JPH0454928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、瓶蓋、特に流通過程に於いて、不正
に開栓されることを防止できるプラスチツク製瓶
蓋に関する。

(ロ) 従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点 流通過程に於いて、瓶の蓋を不正に開栓し、毒
物を混入したり、瓶内容物を取替えたりされるこ
とを防止するために、各種の瓶が開発されてい
る。

こうした不正開栓防止蓋の従来例として、側壁
の内壁に螺子を有する蓋本体の側壁下端にスコア
又は橋絡部を介してリングを一体的に連結し、蓋
の着装時、アルミ製蓋の場合、リングを瓶口部の
ビードにかしめながら係止し、プラスチツク製蓋
の場合、リングをヒートシユリンクして瓶口部の
ビードに係止したり、リングに係止舌片を設け瓶
口部のビードに係止するものがある。

こうした従来蓋では、蓋を回して開栓すると、
リングがビードにその上昇を阻害されて、スコア
又は橋絡部が切れ、蓋本体とリングが分離し、開
栓の有無を知ることができる。しかしながら、こ
の場合、蓋本体とリングが分離するだけであるの
で、再度蓋本体を被せると、分離の有無を視認し
にくい、或は分離箇所の復元隠蔽等の不正が可能
になるという欠点があつた。

(ハ) 問題点を解決するための手段 本考案は、従来の不正開栓防止蓋の欠点を改良
するためになされたもので、蓋の開栓の有無をは
つきりと視認でき、開栓後の復元隠蔽が不可能に
なる瓶蓋を提供することを目的とし、瓶口のアン
ダーカツトに係止する突部が側壁裾部の内壁に設
けられ、瓶口の内壁に接するシール用筒状中足が
天板下面より垂下し、引裂き可能な一対のスコア
が側壁下端より筒状中足の近傍まで形成され、ス
コア間の側壁よりつまみ部が連設するプラスチツ
ク製瓶蓋であることを特徴とする。

(ニ) 実施例 第１図乃至第３図は本考案の実施例１の瓶蓋１
を示し、プラスチツクで一体成形され、瓶口２の
アンダーカツト３に係止する突部４ａ，４ｂが側
壁５の裾部内壁に設けられ、瓶口２の内壁６に接
するシール用筒状中足７が天板８の下面９より垂
下し、引裂き可能な一対のスコア１０，１０が前
記突部４ａ，４ｂ位置に設けられ、スコア１０，
１０間の側壁よりつまみ部１１が下方に連設して
いる。

スコア１０，１０は、図の例では、切込溝状で
あり、その中心線１２，１２位置が最も薄く形成
されているが、引裂き可能な他の形状、例えば、
底部が薄厚の凹部を連続的に設けたものや、ミシ
ン穴のように細孔を連続的に設けたものであつて
もよい。

この実施例１では、スコア１０，１０は側壁５
の内壁下端から天板８の内壁の筒状中足位置の近
傍まで連続しているが、これらスコアはその中心
線が直接或は天板又は側壁の内壁を介してつなが
つていれば、側壁及び天板の内壁又は外壁のどち
らに設けてもよいことはいうまでもない。

側壁５の裾部の内壁に設けられ瓶口のアンダー
カツトに係止する突条４ａ，４ｂは、一対のスコ
ア１０，１０により分断され４ａと４ｂの２個の
突条に分れ、分断部４ｂの幅とほぼ同幅でつまみ
部１１が下方に垂下している。つまみ部１１の先
端には滑り止め用のローレツト１４が施されてい
る。

上記構成よりなる本考案の瓶蓋１を、打込みに
より突条４ａ，４ｂを瓶口２のアンダーカツト３
に係止して瓶口に着装すると、螺子で巻締する蓋
ではないので、蓋を回しても外れることがない。

蓋を開ける時は、つまみ部１１を強く持ち引き
上げると、突条４ａ，４ｂ位置のスコア１０，１
０が引裂かれ、スコア位置以外の瓶口の全周で係
止されていた突条が分断部となる突条４ｂ位置で
開放されるため、突条４ａは接線方向に拡開し、
瓶との係止関係がはずれる。

次に、そのままつまみ部１１を引き上げていく
と、スコア１０，１０が次第に引裂かれ、筒状中
足７を抜くと開栓される。

このように本考案の瓶蓋は、栓抜きなしで開栓
可能で、開栓すると少なくとも側壁の一部が引裂
かれるので、開栓後に瓶蓋を再使用することは不
可能で、不正工作を完全に防止できる。

このとき、瓶内容物が炭酸ガス含有飲料の場
合、急激なガス解放が起こり、シヤンペンのよう
に大きな音がする。又、この音をより大きくする
には、図面に示されるように、筒状中足７に環状
突条１３を設けるとよい。

更に、つまみ部を強く持ちながら引き上げ、
又、スコアが図面のように筒状中足の外周位置で
終わつていると、瓶内容物が炭酸ガス含有飲料で
あつても、蓋が跳ね飛ぶこともない。

次に、第４図乃至第６図は、本考案の瓶蓋の実
施例２を示す。

この実施例２の瓶蓋２１は、一対のスコア２
２，２２が、側壁２３と天板２４の外壁に、側壁
下端から筒状中足２５の形成位置近傍まで設けら
れており、又、スコア２２，２２に沿つた引裂き
が容易なように、瓶口に係止する突条は、スコア
２２，２２位置には形成されず、突条２６ａと突
条２６ｂに分離されている。

つまみ部２７は、その先端につまみ用のリング
が形成されている。

(ホ) 効果 本考案の瓶蓋は、蓋の瓶口部への着装を、螺子
方式ではなく、側壁裾部の内壁の突部を瓶口のア
ンダーカツトに係止する方式を採用しているの
で、蓋を回しても外れることがなく、スコアに沿
つて引裂く以外に開栓方法はなく、開栓の有無を
はつきりと視認することが可能となり、開栓後の
再使用、開栓箇所の復元隠蔽が不可能になる。

従つて、本考案の瓶蓋によれば、不正工作を完
全に防止できる。

又、開栓時に栓抜きが不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例１の瓶蓋を瓶口に着装
した第２図の−線で切断した断面図、第２図
は第１図の−に線で切断した実施例１の瓶蓋
の断面図、第３図は実施例１の瓶蓋の側面図、第
４図は本考案の実施例２の瓶蓋を瓶口に着装した
第５図の−線で切断した断面図、第５図は第
４図の−線で切断した実施例２の瓶蓋の断面
図、第６図は実施例２の瓶蓋の側面図である。 １，２１……瓶蓋、２……瓶口、３……アンダ
ーカツト、４ａ，４ｂ，２６ａ，２６ｂ……突
条、５，２３……側壁、６……内壁、７，２５…
…筒状中足、８，２４……天板、９……下面、１
０，２２……スコア、１１，２７……つまみ部、
１３……リング状突条。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 瓶口のアンダーカツトに係止する突部が側壁
   裾部の内壁に設けられ、瓶口の内壁に接するシ
   ール用筒状中足が天板下面より垂下し、引裂き
   可能な一対のスコアが側壁下端より筒状中足の
   近傍まで形成され、スコア間の側壁よりつまみ
   部が連設するプラスチツク製瓶蓋。 (2) 筒状中足の外壁にリング状突条が形成された
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載の瓶蓋。