JPH0454312A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JPH0454312A
JPH0454312A JP2166355A JP16635590A JPH0454312A JP H0454312 A JPH0454312 A JP H0454312A JP 2166355 A JP2166355 A JP 2166355A JP 16635590 A JP16635590 A JP 16635590A JP H0454312 A JPH0454312 A JP H0454312A
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保夫 村上
Shigeru Okita
滋 沖田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車、農業機械、建設機械及び鉄鋼機械
等に使用される転がり軸受に係り、特にトランスミッシ
ョンやエンジン用として求められる長寿命な転がり軸受
に関する。
〔従来の技術〕
一般にころがり軸受においては、その寿命の低下をもた
らす要因の一つとして、例えば、軸受潤滑油中の異物混
入が挙げられる。周知の如く、例えば、トランスミッシ
ョン用の潤滑油中には、ギヤ摩耗物のような摩耗粉の他
、金属の切粉、削り屑、パリ等の異物が混入しており、
このような軸受使用環境下では、これらの異物による軸
受の転動体及び軌道輪の表面に損傷が生じることになる
この損傷が発生すると、損傷箇所から早期にクランクが
発生し、ひいてはフレーキングに到ることがあり、軸受
寿命が大幅に低下する。異物混入潤滑下の軸受寿命は異
物混入の無いクリーンな潤滑環境の時と比較して、約数
十分の1まで低下する場合がある。
そこで、異物混入潤滑環境における軸受寿命の向上を図
るため各種の従来例が存在する。
このような従来例として、次のようなものが存在する。
■ 軌道輪及び転動体の硬度を増大させる。例えば、軸
受鋼(SUJ2)を用いて、これに塩水焼入を施しロッ
クウェル硬さH,C64以上になるようにして軸受の硬
度を上げ、異物混入潤滑環境下で使用される軸受の寿命
の低下を防止する。
■ 軌道輪及び転動体の浸炭硬化層深さを深くする。例
えば、C; 0.15〜0.4重量%の浸炭鋼に長時間
の浸炭熱処理を施し深い浸炭硬化層を形成する。浸炭硬
化層を深く形成することにより、軌道輪の軌道面及び転
動体の転動体の転動面に圧痕が付き難くして軸受の寿命
を向上しよとするものである(特開昭62−13203
1号)。
■ 材料の亀裂靭性を高める。例えば、軸受鋼(SUJ
3又は5UJ5)を用いてマルテンパー等の恒温熱処理
を施す。これにより亀裂靭性を高め、異物圧痕部に亀裂
が生じた後亀裂の進展を遅らせ、軸受の寿命を向上させ
ようとしている(特公昭62−29487号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら前記従来例には次のような課題が存在して
いた。
先ず■の従来例においては、異物による圧痕の付き方は
少し軽くなるが、軌道輪及び転動体の硬度が高すぎるた
め、軌道面及び転勤面の靭性が乏しくなり、−旦圧痕が
付くとそこからのクラックの進展は却って早くなり、む
しろ軸受の寿命は短くなる傾向となる。
また■の従来例においては、深い浸炭層を形成するため
に熱処理時間が長くなり、そして■の従来例では、特殊
な恒温熱処理を必要とするため、両者とも熱処理生産性
が低下する。さらに、このような熱処理を行っても、未
だ異物混入潤滑環境下での充分な寿命が得られていない
そこで、この出願の発明者は、転がり軸受の耐転がり疲
れ性を向上するために、耐転がり疲れ性に効果のある圧
縮残留応力に着目し、いかなる値の圧縮残留応力を転動
部材に付与することが、異物混入潤滑環境下での耐転が
り疲労特性を向上できるかについて検討したものである
従って、本発明は、異物混入潤滑環境下での耐転がり疲
労特性を向上する上で必要な値の圧縮残留応力を有する
転がり軸受を、提供することを目的とするものである。
[、ti題を解決するための手段〕 そこで、この発明は前記目的を達成するために、軌道輪
及び転動体からなる転がり軸受において、前記軌道輪及
び転動体の少なくとも一つが、最表面部(0〜50μm
)における最大圧縮残留応力が100kgf/mm2以
上であるか、又はこれに加えて、表面下300μmの位
置における圧縮残留応力が40kgf/mmllt以上
である鋼からなることを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明者が、いかなる値の圧縮残留応力を転がり軸受に
付与することが、異物混入潤滑環境下での耐転がり疲労
特性を向上することができるかについて鋭意検討したと
ころ、最表面部(0〜50μm)の最大圧縮残留応力が
100 kgf/wm”以上であり、又は、さらに好ま
しくはこれに加えて、表面下300μmの位置での残留
圧縮応力が40kg f /wl”以上であれば、異物
混入潤滑環境下における充分な転勤寿命を確保すること
ができることを見出したものである。
この範囲の圧縮残留応力を転動部材に付与することによ
り、部材表面の硬さが大きくなり異物による圧痕が付き
難くなると共に、クランクの発生及び進展に抵抗するよ
うになる。この結果、クリーンな潤滑環境下ばかりでな
く異物混入潤滑環境下での寿命が向上する。
圧縮残留応力を前記の値にするためには、例えば、公知
のショットピーニング法を使用することができる。
〔実施例〕
(実施例1) 次の第1表に示すように、試験鋼球A−Cを作成した。
第1表 シゴトビーニングは、第4図記載の直圧式ノズル型シコ
トピーニング装置を使用して行った。先ず、本装置の構
成について説明する。
本装置は、ショト粒1が充填された加圧タンク2と、こ
の加圧タンクに加圧空気を供給する加圧空気供給管3と
、加圧タンク2内に供給された空気を排気する排気管4
と、前記加圧タンクの下部に配設され、前記加圧空気供
給管の分岐管5からの圧縮空気とショト粒とを混合する
ミキサ6と、ショト7を先端のノズル8から被処理物表
面に投射するホース9と、前記加圧タンク内にシャッタ
10を介してショト粒を供給するホッパ11と、前記分
岐管の途中に設けられ、ショト粒の投射速度を調整する
ために空気圧を調整可能なバルブ12と、から構成され
ている。
本実施例では、ショト粒として、平均粒径0.72腫の
平均硬さHIC61の鋼球を使用し、ショト投射速度が
32〜120 m /sec、 (平均投射速度80 
m /sec、 )となるようにショトピーニング処理
を行った。尚、このショットピーニングの際、バルブ1
2の開度を調整して空気圧を変更することより鋼球に形
成される残留応力分布のパターンを変更させた。
そして、このような各試験鋼球を、第5図に示すような
内輪51.外輪52.内輪ロッド53゜保持器54から
なるボール寿命試験機の内外輪間に配置して、内輪回転
数600Orpm、潤滑油;#68モービル油、潤滑油
中混入異物; F e3C系粉、径74〜147μm、
300ppm、最大接触面圧(P、□)  ; 500
kgf/am”の条件で寿命試験を行った。尚、この試
験に際して、異物混入下において、内外輪にクランクが
発生するのを防止するため、鋼球の相手材である内外輪
を、残留オーステナイト量が35vof%である5Cr
420Hで形成した(特開昭64−55423号)。
以上の寿命試験の結果を第1図に示す。そして、各試験
鋼球について、表面下の残留応力の分布パターンを第2
図に示す。
第1図及び第2図から分かるように、通常の焼入鋼であ
る試験鋼球Aでは、表面における圧縮残留応力が小さい
ため、寿命試験の結果が三つの鋼球の中でもっとも小さ
い値となっている。
これに対して、試験鋼球Bでは、最表面部(0〜50μ
m)における圧縮残留応力の値の最大値が、100 k
gf/++w+2以上であるため、試験鋼球Aよりも寿
命試験の結果が良好となる。そして、試験鋼球Cでは、
最表面部における圧縮残留応力の値の最大値が、100
kgf/履2以上であり、且つ表面下300μmの位置
での残留圧縮応力が401Cgf/閣2以上であるため
、もっとも寿命が良好であるとの結果を得た。
(実施例2) 次の第2表に示す円板状試験片1〜11を作成し、それ
ぞれ第2表に記載の熱処理及びショトピーニング加工を
行った。ここで、各熱処理及びショットピーニング加工
の条件は前記第1の実施例の条件と同一である。そして
、前記第1の実施例と同様にショトピーニング処理の際
の圧縮空気圧を変化させることにより試験片の表面に形
成される残留応力の分布が変わるようにした。
これらの各試験片について残留応力の値をX線残留応力
測定により測定し、且つ、各試験片のスラスト寿命を測
定した。この寿命測定は、「特殊鋼便覧(第1版、電気
製鋼研究所編、理工学社1969年5月25日発行)の
第10〜21頁」記載のスラスト形軸受鋼試験機を用い
て、N=100 Or p m、  Pwaax= 5
00 kgf/mm2.潤滑油;#68モービル油、潤
滑油中混入異物;Fe、C系粉、径74〜147μm、
300ppmの条件下で行った。
寿命の判定に際しては、試験片にフレーキング。
割れが発生する時点をもって寿命と判定し、この寿命を
各試験片の全数の10%にフレーキング。
割れが発生するまでの累積回転数で表現した(L+o、
90%残存寿命)。
圧縮残留応力測定結果を第2表に示し、そして、寿命試
験の結果を第3図に示す。尚、第3図において、各数字
は、各試験片の阻を示す。
第2表及び第3図から分かるように、最表面部(0〜5
0tIm)での残留圧縮応力が]00kgf/m”以上
である試験片7,8では比較例に係る試験片l〜6の試
験片と比較して、転勤疲労寿命が長いことが分かる。ま
た、表面下300μmでの圧縮残留応力が、40kgf
/w”以上でもある試験片10.11は、さらに長寿命
であることが分かる。
本実施例では、材料の表面に圧縮残留応力を形成する方
法として、ショットピーニング加工を使用したが、その
他の手段として、公知の肌焼(浸炭、浸炭窒化、高周波
焼入)のみを使用して、必要な残留応力を材料に付与す
ることも可能である。
尚、ショットピーニングによれば、圧縮残留応力を付与
するために、長時間の熱処理等を必要としないため、熱
処理生産性が低下することがない。
また、本発明に使用される材料としては、公知の高炭素
クロム軸受鋼(SUJ2他)、浸炭用軸受鋼(SCr4
20H他)、高温用高速度鋼(M2O)等各種のものを
使用することができる。
そしてまた、本発明においては、不純物、特に酸素含有
量が、0;9PPm重量%以下の高清浄度鋼を使用する
ことが好ましい。Oは、酸化物系非金属介在物であるA
 l z O3等の発生原因である。非金属介在物は転
がり軸受の転勤の際の応力集中源となり、ここを起点と
してクランクが発生して寿命低下の要因となることも考
えられるからである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、軌道輪及び転
動体の少なくとも一つを、最表面部(0〜50μm)に
おける最大圧縮残留応力が100kgf/閣2以上であ
り、又は、さらに好ましくは、これに加えて、表面下3
00μmの位置における圧縮残留応力が40 kgf/
m”以上である鋼から構成しているために、クリーンな
潤滑環境下ばかりでなく、異物混入潤滑環境下での転勤
疲労寿命を大きく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係る鋼球の寿命試験におい
て、内輪累積回転数と累積破損率との関係を示す特性図
、第2図は、この鋼球の残留応力の分布を示す特性図、
第3図は、本発明の実施例に係る円板状試験片のスラス
ト寿命試験において、円板状試験片の表面残留応力と応
力繰り返し数との関係を示す特性図、第4図はショット
ピーニング加工装置の構成図、第5図はボール寿命試験
機の構成図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)軌道輪及び転動体からなる転がり軸受において、
    前記軌道輪及び転動体の少なくとも一つが、最表面部(
    0〜50μm)における最大圧縮残留応力が100kg
    f/mm^2以上であるか、又はこれに加えて、表面下
    300μmの位置における圧縮残留応力が40kgf/
    mm^2以上である鋼からなることを特徴とする転がり
    軸受。
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