JPH0454252Y2

JPH0454252Y2 -

Info

Publication number: JPH0454252Y2
Application number: JP1985143964U
Authority: JP
Priority date: 1985-09-19
Filing date: 1985-09-19
Publication date: 1992-12-21
Also published as: JPS6252628U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は建築、構築物の内、外装の横張り壁体
を形成するのに有用なサイデイングボード（以
下、単にボードという）に関する。〔従来の技術〕従来から使用されているこの種ボードとしては
特公昭51−29339号、実公昭51−11882号、
実公昭54−26649号などがある。しかしながら、
上記ボードにおいては種々の問題があつた。すな
わち、のボード（下見板）では雨水が風で吹き
つけられたりすると単なる平板同士の連結構造の
ため雨水が裏面に漏洩し、胴縁、柱を腐食させた
り、室内や押入れに湿気を与えたりする欠点があ
つた。またのボードでは下縁の傾斜部の立上が
り部までの長さが長いため引張り力に弱く、目地
なしの外装しか形成できない不利があつた。しか
も、本来は目地なしの外装なのに施工者の技術に
よつて目地なし、目地ありのバラバラな幅の目地
からなる外装となると共に、施工の際に立上がり
部で負傷する危険があつた。また、のボードは
側面の形状が複雑で成形が難しく、かつ、高価と
なり、その上、平坦部に補強用のリブもなく、反
り、捩じれなどが大幅に化粧面に現れて美観を損
なう欠点があつた。また、ボードはいずれも裏打
材がなく、かつ、壁下地と表面材が直接接触する
ため、化粧面の裏面に結露が生じ、錆たり、壁下
地の腐食をまねき、壁体自体の断熱性、防火性、
防音性に欠けると共に、化粧面の変形を阻止でき
ず、しかもボード自体が変形しやすく、かつ、連
結力に欠ける欠点があつた。さらにこれらボード
は立体感に欠ける欠点があつた。〔考案の目的〕本考案は上述したような欠点を除去するため、
水平な化粧片の両端縁に側壁、傾斜側壁を形成し
て断面をほぼ樋状に形成した化粧面部の傾斜側壁
の範囲と化粧片の幅の割合を１：５〜0.2位と従
来より大きくとり、ボードを施工すると化粧片が
浮き出て見えるようにして立体感を強化し、か
つ、傾斜側壁の端縁には係合片、釘打設片からな
る係合部を形成し、また側壁の端縁には係止片か
らなる係止部を形成し、ボードの施工を土台から
桁に向かつて行うようにし、また、表面材の裏面
には芯材を一体に充填しその上、芯材の裏面をシ
ート状の裏面材で被覆して、施工性、防水性、耐
食性、断熱性、防火性、クツシヨン性、生産性、
および防振性を具備した壁体を構成することがで
きるボードを提案するものである。〔考案の構成〕以下に図面を用いて本考案に係るボードの代表
的な実施例について詳細に説明する。すなわち、
第１図は上記ボードＡを示す斜視図であり、例え
ば表面処理鋼板、亜鉛・ニツケル合金メツキ鋼
板、アルミ・亜鉛合金メツキ鋼板（商品名ガルフ
アン、ガルバリウム鋼板、スーパージンク）、ア
ルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板、クラ
ツド鋼板、制振鋼板等の１種からなる金属板（平
板、エンボス加工板を含む）、または合成樹脂板
をロール、プレス、あるいは押出成形などの１種
により形成した表面材１と、表面材１の裏面に充
填した芯材１４と、芯材１４の裏面を被覆したシ
ート状の裏面材１５とから形成したものである。
さらに説明すると、表面材１は第２図に示すよう
に化粧面部２、係合部６、係止部１１とから構成
したものである。さらに説明すると、化粧面部２
は水平な化粧板３と、化粧片３の一端にθ₁（θ₁＜
90°）で屈曲した傾斜側壁４と、他端にθ₂で屈曲
した側壁５とから断面をほぼ樋状に形成したもの
である。この傾斜側壁４はθ₁＜90°であるため、
雨水の流れをよくし、目地部に雨水が貯留するの
を防止すると共に、化粧片３の幅と１：５〜0.2
位の範囲に任意に設定できるものであり、その割
合によつて外観、特に化粧面部２自体のフラツト
性、立体感の強化と生産性（化粧板３が大きいほ
どスチールベルト、ローラで製造しやすい）に大
きく影響を与えるものである。また、傾斜側壁４
と化粧片３間における鏡面反射と乱反射によつ
て、化粧片３を浮き出たせ、壁体の立体感、目地
部の立体感を強化するのに役立つものである。さ
らに、傾斜側壁４は化粧片３との境界（屈曲部
分）が化粧面部２の中央よりにしているため、表
面材１の強度を補強し、ボードＡを広幅に形成し
ても反り、ペコツキ、捩じれを防止し、経済性、
施工性の向上にも役立つものである。また、側壁
５は目地部に陰影を落とし、壁体の立体感を助長
するものである。なお、θ₂は鋭角、直角、鈍角の
いずれでもよいが鋭角のほうが目地部に落とす陰
影が明確となり、かつ、化粧片３の表面を流下す
る雨水の水切り効果がよいため好ましい。係合部
６は傾斜側壁４の端縁を上方に鋭角に傾斜して屈
曲したリブ状の係合片７と、係合片７の外側の端
縁を内側下端よりΔhだけ突出した嵩上げ片８と、
嵩上げ片８の先端を外方に屈曲した釘打設片９
と、必要により釘打設片９の端縁をはぜ状に屈曲
した舌片１０とから形成されるものである。さら
に説明すると、係合片７は後述する係止片１２を
ある弾力下で係合すると共に、雨返しを図り、ま
た表面材１の変形防止のための補強となるもので
ある。また、嵩上げ片８は第３図に示すように、
壁下地αと係合部６の接触面積を低減すると共
に、後述する芯材１４を収納する型の一側壁とし
て役立つものである。特に嵩上げ片８は表面材１
を搬送するのにスチールベルトなどの平板材を使
用でき、回転速度をキヤタピラなどの大型より大
幅に高速で回転できるので生産性が大幅に向上
し、かつ、コストダウンにも役立つものである。
なお、係合片７の角度は係合力の強化のために後
述する係止部１１の舌片１３が接触する面だけは
傾斜していることが好ましい。また、釘打設片９
は、主にボードＡを雨水の漏洩しない位置で第３
図に示すように壁下地αに釘βを介して固定する
のに役立つものである。舌片１０は釘打設片９の
端縁の波打ちなどの変形を防止すると共に、作業
の際、釘打設片９の端部による負傷を阻止するも
のである。なお、舌片１０は図示するように下は
ぜ状に形成したり、また図示しないが上はぜ状に
形成して裏面材１５の端縁を挟持し、表面材１、
芯材１４、裏面材１５の一体化を強化すると共
に、芯材１４が係合部６周辺から漏洩するのを防
止したりすることも可能である。係止部１１は側
壁５の下端を内方に屈曲した係止片１２と、係止
片１２の先端に設けたはぜ状の舌片１３とからな
り、舌片１３はボードＡの係合部分に毛細管現象
が生ずるのを防止する空隙の形成と、施工時に係
止片１２の先端が刃物のように鋭利になるのを防
止して作業時の危険性をなくすのにも役立つもの
である。なお、図示しないが、側壁５に水抜き孔
を設け、係止片１２と側壁５からなるＬ字状部分
に浸入した雨水を外部に放出することも可能であ
る。芯材１４は表面材１の裏面の化粧面部２、係
合部６、係止部１１によつて囲まれた樋状の部分
に少なくとも充填し、主にボードＡに断熱性を付
与するものであり、副次的に接着剤、不燃材、ク
ツシヨン材、防音材などの機能を有する素材の１
種以上からなるものである。その形状は係止部１
１近傍にほぼ三角形状、長方形状（図示せず）な
どの切り欠き部１４ａを設けるように形成する。
また、芯材１４の素材は合成樹脂発砲体、ロツク
ウール、グラスウール、シージングボード、石膏
ボード、木毛セメント板等からなり、原料で吐き
出し、成形、硬化、自己接着させるもの、あるい
は成形体からなるものである。なお、芯材１４と
して成形体を用いる場合には芯材１４と表面材
１、裏面材１５間に接着剤（図示せず）が必要で
ある。さらに説明すると、芯材１４としては主に
合成樹脂発砲体を用い、例えばポリウレタンフオ
ーム用樹脂、フエノールフオーム用樹脂、ポリイ
ソシアヌレートフオーム用樹脂、ポリスチレンフ
オーム、パーライトの周囲にフエノールフオーム
樹脂をコーテイングし、これを加温、加圧して発
砲させるフオーム、およびこれらに難燃剤、難燃
助剤（硼砂、メタ硼酸ソーダ、三酸化アンチモ
ン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ベン
トナイト、パーライト粒、シラスバルーン、アス
ベスト、各種繊維等）の１種以上を添加したもの
などからなる。さらに、図示しないが芯材１４は
釘打設片９の裏面より下方に膨出して設け、より
断熱性、防火性を向上することも可能である。な
お、芯材１４にフエノールフオーム系の合成樹脂
を用いる場合には、芯材１４の酸性成分が直接表
面材１に接触しないように防錆塗料を表面材１の
裏面に塗布することも可能である。裏面材１５は
少なくとも芯材１４の裏面を覆つてボードＡをサ
ンドイツチ構造とし、ボードＡ自体の機械強度を
向上すると共に、不燃シート、防水膜、遮熱シー
ト、吸水シート、防音シート、パツキング材など
の機能として役立つものであり、例えばアスベス
ト紙、クラフト紙、アスフアルトフエルト、金属
箔（Ａ、Fe、Pb、Cu）、合成樹脂シート、ゴ
ムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、
ガラス繊維不織布等の１種、または２種以上をラ
ミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理
されたシートなどからなるものである。なお、裏
面材１５の端縁は舌片１０によつて挟持された
り、また表面材１と芯材１４との中間に配設した
り、または係合部６の端縁より外方に突出するこ
とも可能である。ここで上記各部の大きさについて説明する。第
２図に示すように化粧片３の長さをＬ、傾斜側壁
４の化粧片３の端縁から係合片７の先端までの範
囲、すなわち、ボードＡを施工した際に外観に表
れる範囲をＷ、係合片７の上端から傾斜側壁４の
端縁までの範囲を₁、係止片１２の長さを₂、
係合片７の上端から傾斜側壁４の端縁までの高さ
をh₁、側壁５の高さをh₂とすると₁≦₂、h₁≦
h₂であり、またＷ：Ｌ＝１：５〜0.2の関係にあ
る。すなわち、上記関係はボードＡを連結した際
に、壁体において化粧片３が平坦となり、かつ、
傾斜側壁４と化粧片３間における鏡面反射、乱反
射により壁体の立体感が向上するためのものであ
る。〔施工例〕いま、第１図に示すようなボードＡを第３図に
示すように横張りして壁体を形成すると仮定す
る。なお、ボードＡ１，Ａ２は表面材１に0.27mm
厚のカラー鋼板を用い、裏面材１５にはアルミ・
クラフト紙を用い、芯材１４は表面材１と裏面材
１５の間にポリイソシアヌレートフオーム用原料
を吐出し、反応、発砲させ、次にキユアして一体
化したものである。そこで、主柱、間柱、防水シ
ート等からなる壁下地（図では防水シートを使用
しない場合の壁下地を示す）αに第ｎ段目のボー
ドA₁の釘打設片９を釘βを介して固定する。次
に第ｎ＋１段目のボードA₂の係止部１１を第ｎ
段目の係合部６に係合し、その釘打設片９（図示
せず）を上記と同様に壁下地αに固定し、第３図
に示すような、防水性、係合力、パツキング性に
富んだ目地部を形成するものである。また、壁体
全体を形成するには、上記したような工程を土台
から桁に向かつて行なえばよいものである。な
お、図示しないが、土台部分にはスタータ、縦目
地部分にはジヨイナ、コーキング材、出入隅等の
部分にはコーキング材、役物をもちいる必要があ
る。〔その他の実施例〕以上説明したのは本考案に係るボードＡの一実
施例にすぎず、第４図ａ〜ｇ〜第８図ａ〜ｇに示
すように形成することもできる。すなわち、第４
図ａ〜ｇは傾斜側壁４の変形例であり、ａ図は傾
斜側壁４を複数の平面から形成した傾斜側壁４ｂ
図は傾斜側壁４を２段にし、途中にΔW1幅の水
平微片４ａを設けた傾斜側壁４，ｃ，ｄ図は湾曲
面とした傾斜側壁４，ｅ図は傾斜側壁４の化粧片
３端を急に折り曲げた傾斜側壁４，ｆ図は傾斜側
壁４の化粧片３端をＡ状に形成した傾斜側壁４，
ｇ図は階段状に形成した傾斜側壁４であり、ボー
ドＡの化粧片３をより膨出して見えるようにする
のに有効である。第５図ａ〜ｐは係合部６の変形
例であり、各部に突条、凹条を設けたり、また係
合片７の形状を変形したものであり、係合力、パ
ツキング性、防水性の強化を図つたものである。第６図ａ〜ｏは係止部１１の変形例であり、そ
れぞれ、係合力、パツキング性、防水性、目地部
の立体感の強化を図つたものである。なお、第４
図ａ〜ｇ〜第６図ａ〜ｏにおいては表面材１のみ
を示し、板厚を省略している。第７図ａ〜ｊは係
合部６における裏面材１５の装着状態を示すもの
であり、ａ図は芯材１４と表面材１との中間に配
設した状態、ｂ図は舌片１０で挟持した状態、ｃ
図は釘打設片９の端縁より外方に突出した状態、
ｄ〜ｊ図は芯材１４を釘打設片９より下方に膨出
した場合の裏面材１５の装着状態を示し、芯材１
４を原料で吐出した際の液漏れ防止、あるいは離
型材として役立たせたり、ボードＡの変形防止、
機械強度の向上の強化を図つた装着状態である。
特にｄ〜ｉ図は釘打設片９の端縁に補強構造を施
した場合を示すものである。なお、第７図ａ〜ｊ
において表面材１は２点鎖線で、裏面材１５は実
線で示している。さらに第８図ａ〜ｇは化粧面部
２、芯材１４の変形を示す説明図であり、ａ，ｂ
図は芯材１４を釘打設片９より下方に膨出し、断
熱性、防火性の向上を図つたボードＡ，ｃ図は芯
材１４を複数の素材（同質、異質）から形成し、
各素材の機能を複合化したボードＡ，ｄ図は裏面
に流通溝１６を形成し、壁体にエアサイクル効果
を付加したボードＡ，ｅ図はハツチングで示す位
置の少なくとも１ケ所にコーキング材１７を植設
したボードＡであり、コーキング材１７としては
ホツトメルト系接着剤、あるいは成形されたパツ
キング材、ホツトメルト系接着剤で接着力のない
パツキング材を植設したようなものからなるもの
であり、防水性の向上を図つたボードＡ，ｆ図は
化粧面部２の短尺方向の両端縁、あるいは一端縁
に端面壁１８を形成し、ボードＡを長手方向に付
き合わせた場合の縦目地の防水処理を容易にした
ボードＡ，ｇ図は化粧片３に凹状、あるいは図示
しないが凸状の中間化粧リブ３ａを１本、または
複数形成したボードＡである。勿論、第４図ａ〜
ｇ〜第８図ａ〜ｇを各々組み合わせたボードＡと
することも可能である。〔考案の効果〕上述したように本考案に係るボードによれば、
化粧面部を傾斜側壁−化粧片−側壁のように形
成し、かつ、傾斜側壁：化粧片を１：５〜0.2の
ように傾斜側壁の幅を大きくしたため、乱反射と
鏡面反射を有効に活用して化粧片の膨出化を図
り、化粧片を浮き出たせて立体感のある壁体を形
成できる。傾斜側壁も化粧面部となるため、ボ
ードを広幅に形成することができ、施工性、経済
性が向上する。係合部と係止部の連結構造に毛
細管現象が生ずることもなく、かつ、係止部の舌
片、係合部の係合片によつて雨水が壁体の内部に
漏洩することがなく、壁体内部を腐食しない。
ボードの固定は雨水の浸入しない位置としたた
め、固定具に錆が発生することがない。ボード
をサンドイツチ構造としたため、機械強度が大幅
に向上する。ボードを広幅にできるため、施工
性に富み、経済性にすぐれる。等の特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図は表面材を説明する
説明図、第３図は上記ボードを用いて形成した壁
体の目地部の一例を示す説明図、第４図ａ〜ｇ、
第５図ａ〜ｐ、第６図ａ〜ｏ、第７図ａ〜ｊ、お
よび第８図ａ〜ｇはその他の実施例を示す説明図
である。Ａ……サイデイングボード、１……表面材、２
……化粧面部、３……化粧片、４……傾斜側壁、
６……係合部、７……係合片、９……釘打設片、
１１……係止部、１２……係止片、１４……芯
材、１５……裏面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横長の金属板、または合成樹脂板を表面材と
し、該表面材の水平な化粧片の長手方向の一端縁
を下方に鈍角に傾斜させた傾斜側壁と他端縁を下
方に屈曲した側壁とを設けて断面をほぼ樋状に形
成して化粧面部とし、該傾斜側壁の端縁を上方に
鋭角に屈曲して突出させたリブ状の係合片と、該
係合片の外側の下端を外方へ延長した釘打設片と
から係合部を形成し、また、前記側壁の下端を内
方に屈曲して形成した係止片からなる係止部を設
け、かつ、前記傾斜側壁と化粧片との割合を１：
５〜0.2位に形成し、しかも、前記表面材の裏面
には芯材を充填し、該芯材の裏面をシート状の裏
面材で被覆してサンドイツチ状に形成したことを
特徴とするサイデイングボード。