JPH0453563B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はろ過処理方法およびその装置に係り、
特にろ過材の再生をエヤリフトのエネルギやろ過
液を利用して行うろ過処理方法およびその装置に
関する。

〔従来の技術〕

懸濁液またはエマルジヨンのろ過方法として
は、タンクに入つている粒子状のろ過材からなる
ろ床へ懸濁液等を供給し、ろ床を通して上方へ流
し、ろ過液を得る。しかしろ過材は徐々に懸濁液
等により汚れていくので、これを連続的に洗浄し
て再使用する必要がある。この洗浄する方法とし
て、汚れたろ過材をろ過槽から取出し別の洗浄槽
で洗浄して再びろ過槽に送り返すものと、ろ過槽
内に設けられた洗浄槽で、ろ過液の一部を使用し
て洗浄するものとがある。後者の方法として例え
ば特公昭56−51808号公報に開示された技術があ
る。これは、ろ過槽の上部に洗浄槽を設け、洗浄
槽から汚れたろ過材を下に落下させるとともにろ
過液の一部を上方に導き、汚れたろ過材とろ過液
とを対向して流すことにより、汚れたろ過材は
徐々に洗浄されて落下してろ床に戻り、ろ過液は
徐々に汚れて上昇してゆき、汚染洗浄液として排
出されるものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、洗浄槽をろ過槽内に設け、ろ
過槽下部の汚れたろ過材を気体を利用して移送す
るとともに、この気体のエネルギやろ過液を用い
て行うろ過処理方法およびその装置を提供するこ
とにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題は、ろ過槽内でろ過処理対象液をろ過
材によりろ過してろ過液を取出すと共に、ろ過に
より汚染した汚染ろ過材を洗浄槽で洗浄して再使
用し、その洗浄による汚染洗浄液を排出するろ過
処理方法において、前記ろ過槽内の汚染ろ過材を
ろ過槽内の液と共に注入気体によつて前記洗浄槽
内へ移送手段で移送し、該移送手段の出口で衝突
手段に衝突させて汚れとろ過材を分離し、降下す
るろ過材にろ過液を交叉するように流してさらに
ろ過材の洗浄を行い、前記汚染洗浄液の排出をエ
ヤリフトにより行うろ過処理方法により達成され
る。

また、ろ過処理対象液をろ過材によりろ過する
ろ過槽と、該ろ過槽の下部に蓄積する汚染ろ過材
を該ろ過槽内の液と共に気体を注入して混合体と
して上方へ移送する移送手段と、該移送手段の上
部を包含し、該混合体の汚染ろ過材を洗浄する洗
浄槽とからなり、 前記ろ過槽が、下部にろ過処理対象液供給手段
とろ過液液位近傍にろ過液取出手段を備え、所定
レベルまでろ過材を充填し、 前記移送手段が、下端に気体放出口を内蔵した
吸入口と頂部に吐出口を備え、頂部より所定長さ
の二重壁を有し、この二重壁の頂部に前記頂部の
吐出口周囲から下方に広がるかさを設けるととも
に、この二重壁に開口をこのかさの付け根近傍と
下端に設け、 前記洗浄槽が、下部に洗浄したろ過材排出口を
前記移送手段の二重壁下端より高い位置に有し、
前記移送手段の頂部吐出口上部に衝突手段を備
え、頂部に溢液管とこの溢液管より溢れた汚染洗
浄液を排出する排出口を設けたろ過処理装置によ
つても達成され、 また、前記洗浄槽の溢液管の上端をろ過液液位
より高くしてもよい。

〔作用〕

ろ過槽に入つているろ過材からなるろ床へろ過
処理対象液を供給し、ろ床を通して上方へ流しろ
過液を得る。ろ過槽の汚れたろ過材は洗浄槽内へ
送られ、洗浄槽で衝突手段に衝突することにより
ろ過材についた汚れはろ過材から分離して浮上
し、ろ過材は沈降するので、汚れた洗浄液を排出
し、洗浄されたろ過材をろ過槽に戻す。

洗浄槽に汚れたろ過材をろ過槽内の液と共に気
体を注入してその浮力を利用して上方へ移送する
が、この気体として空気を用いるエヤリフトを用
いてもよい。

また、洗浄槽内液の注入気体の浮力による上方
への移動作用により、移送手段の頂部より下方へ
取付けられた二重壁の下端開口よりろ過液が流入
して上昇し、かさ付け根近傍の開口よりかさの下
面に添つて降下しかさの端部を通過した後上昇す
る。一方衝突手段に衝突して汚れと分離したろ過
材の一部は二重壁に取付けられたかさの上面に添
つて降下し、他はこのかさに当らず降下してく
る。そこでこのかさの端部を通過したろ過液とこ
れら降下中のろ過材は交叉してろ過材はさらに洗
浄され、一方ろ過液は汚れてゆき汚染洗浄液とし
て排出される。

そして、洗浄槽の溢液管の上端をろ過液液位よ
り高くしておくと洗浄槽内の汚染洗浄液は気体を
注入している間のみ放出し、注入していないとき
ろ過槽内のろ過液が放出口より流出しない。

また、衝突手段の上部へエヤリフトを設けるこ
とにより移送手段の二重壁下端開口よりのろ過液
の流入を強化し、汚染ろ過液の排出を確実にす
る。

また、衝突手段をかさ状とするとろ過材が降下
するのに好ましい。

また、衝突手段を迷走路壁とし汚れたろ過材を
多くの壁に衝突させて汚れの分離を確実なものと
することもできる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図〜第３図により
説明する。

第１図は第１実施例のろ過処理装置縦断面図で
ある。

ろ過処理装置は、上部は大気に開放されており
下部はすり鉢状で胴部は円筒状のろ過槽１、この
ろ過槽１のすり鉢部を貫通して設けられ、頭部に
かさ状衝突板を付けた原水供給管２、ろ過槽１の
ろ過水水位近傍に設けられたろ過水取出口３、ろ
過水取出口３の入口近傍に設けられ、その高さを
加減できるせき板４、ろ過槽１の中心軸上の上部
に配設し円筒状で下部がすり鉢状に減径しており
洗浄したろ過材を放出する開口を有する洗浄槽
５、洗浄槽５の中心軸上でほぼ中央に設けられた
かさ状の衝突板６、洗浄槽５の上部でほぼろ過水
水位に設けられ開口を有する頂板７、頂板７の開
口部上方に設けられその頂端がろ過水水位よりｈ
高い円筒状放出口８、頂板７より上方に洗浄槽５
と同一径の延長壁を有し頂板７のレベルに排出口
を有する汚染洗浄液排出口９、ろ過槽１の下部に
汚れたろ過材の吸入口を有し洗浄槽下部開口を貫
通して衝突板６より所定長さ低い位置に吐出口を
有しろ過槽１の中心軸上に配設されたエヤリフト
１０、エヤリフト１０の汚れたろ過材吸入口内に
吐出口を有する空気供給管１１、エヤリフト１０
の下方に設けられた下部かさ１２、エヤリフト１
０の吐出口に設けられた上部かさ１３、上部かさ
１３の直下に設けられその下端が洗浄槽５の下部
開口より下方に延びた二重管１４、この二重管に
取付けられた二重管付かさ１５（なお二重管１４
の頂部およびかさ１５の付け根にはろ過水流出用
開口が設けられている）、ろ過槽１に充填され、
その頂部が二重管１４の下端開口より低い位置に
あるろ過材１６、により構成される。

次に動作を説明する。

原水供給管２より流入した原水は上部のかさ状
衝突板６で下方円状に広く分散し、次いでろ過材
１６よりなるろ床を上昇しながら汚れをろ過材１
６に付着し、ろ過されてろ液相区域１７に到る。
ろ過材１６としては普通砂などが使われる。ろ過
材１６は原水供給管２頭部近傍より下のものが最
も汚れており、上に行くにつれて汚れは少くなつ
ていく。しかし、汚れたろ過材１６はエヤリフト
１０の吸入口より上方へ連続的に移送されるの
で、ろ過材１６は下方へ降下してゆく。エヤリフ
ト１０の下部かさ１２はろ過材１６が下方へ流れ
る案内となつている。ろ液相区域１７のろ過水の
水位はせき４のレベルによつて決る。このせきの
レベルを調整すると洗浄槽５内の静的液位を調整
することができる。せき４を越えたろ過水はろ過
水取出口３より取出される。空気供給管１１に空
気を供給するとエヤリフト１０の吸入口近傍の汚
れたろ過材１６はその周囲の原水と共に吸入され
洗浄槽５内で吐出される。この吐出口から吐出さ
れた汚れたろ過材１６、原水、空気の気泡は直上
のかさ形の衝突板６と衝突し円状に広がるととも
に下方へ方向転換する。この方向転換によつて汚
れたろ過材１６から汚れが分離し、ろ過材１６は
下方へ降下する。このとき上部かさ１３はこの案
内として働く。分離した汚れは上昇する。また、
エヤリフト１０の空気の不規則な気泡の連続上昇
により脈動的エネルギが生じ、洗浄槽５の頂板７
に取付けられた放出口８の上端がろ過水水位より
ｈ高いにもかかわらずこれを間欠的に乗越えて汚
染洗浄液が放出される。この放出作用により洗浄
槽５下部の開口および二重管１４下端よりろ過水
が流入する。洗浄槽５下部の開口を上昇するろ過
水は下降中のろ過材１６と対向してろ過材１６を
さらに浄化し、二重管１４内を上昇したろ過水は
上部かさ１３、二重管付かさ１５の付け根の開口
よりかさ下面に添つて一旦降下し、かさの端部よ
り徐々に水平となり次に再び上昇するがこの過程
でかさの上面に添つて降下してくるろ過材１６を
さらに浄化する。

上昇しながらろ過材１６の汚れを浄化して自身
は汚れて汚染洗浄液となり上述の放出作用により
汚染洗浄液排出口９より排出される。

次に第２図、第３図により第２実施例を説明す
る。第２図は第１図に示す洗浄槽５より上部を示
す断面図であり第１図と同一符号は同一内容を示
す。洗浄槽５内には汚染洗浄液受槽１９を設け、
洗浄槽５内の汚染洗浄液を一旦蓄え、これを第２
エヤリフト２０で外部へ排出するよう構成する。
汚染洗浄液受槽１９は円筒状側壁と平らな底板を
有し、側壁の上端はろ過槽１のろ過水水位より低
くしエヤリフト１０を作動させない状態、つまり
静的水位をろ過槽１のろ過水水位と同じになるよ
うにする。

汚染洗浄液受槽１９の底板に衝突手段１８を設
け、エヤリフト１０よりの汚染ろ過材１６、ろ過
槽液、空気の気泡が直接衝突するようにする。

第３図に衝突手段１８を第２図の−断面と
して示す。衝突手段１８は汚染洗浄液受槽１９の
底板に円弧片を迷走路状に取付けこの円弧片に突
衝して汚れがろ過材１６から分離されるようにす
る。本実施例では、この衝突手段１８は汚染洗浄
液受槽１９の底板に固着したものであるが、この
円弧片を円板に取付け回転させてもよい。汚染洗
浄液受槽１９内に第２空気供給管２１を有する第
２エヤリフト２０を設ける。

次に動作について説明する。

エヤリフト１０の上端吐出口より吐出された汚
れたろ過材１６、ろ過槽液、気泡は衝突手段１８
の頂部に衝突し、さらに円弧片に衝突を繰返して
汚れが分離され、ろ過材１６は降下して洗浄槽５
下部開口よりろ過槽１のろ床へ落下してゆく。こ
のとき第２エヤリフト２０による吸上作用により
ろ過槽１内のろ過水が洗浄槽５下部開口を通つて
上昇するので、このろ過水によりろ過材１６はさ
らに汚れを洗浄されながら降下する。一方衝突手
段１８により分離した汚れ、ろ過槽液、気泡は、
第２エヤリフト２０の吸引作用により、前述のろ
過水と一緒になつて上昇し、汚染洗浄液受槽１９
に入り、ここから第２エヤリフト２０により外部
へ排出される。

〔発明の効果〕

本発明によれば、移送手段より吐出した汚れた
ろ過材を衝突手段に衝突させて汚れをろ過材から
分離し、さらにこの分離したろ過材をろ過液で洗
浄するので処理液のろ過とろ過材の再生処理を連
続して効率よく実施できる。そして、汚染したろ
過材および汚染洗浄液の排出を空気を用いて行う
ので経済的である。また、洗浄槽の溢液管の上端
をろ過液液位より高くしているので、移送手段を
稼動していないとき、ろ過槽のろ過液が洗浄槽か
ら外部へ流出することがない。また、衝突手段の
上部に第２移送手段を設けることにより汚染洗浄
液の排出調整を行い排出を確実にする。また、衝
突手段をかさ状にした場合、ろ過材の舞上りを押
え降下を確実にする。さらに、衝突手段に迷走路
壁を設けた場合、乱流作用によりろ過材から汚れ
を確実に分離する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す縦断面図、
第２図は本発明の第２実施例の縦断面図、第３図
は第２図に示す転流手段の−断面図である。 １……ろ過槽、２……処理水供給管、３……ろ
過水取出口、４……せき、５……洗浄槽、６……
衝突板、７……頂板、８……放出口、９……汚染
洗浄液排出口、１０……エヤリフト、１１……空
気供給管、１２……下部かさ、１３……上部か
さ、１４……二重管、１５……二重管付かさ、１
６……ろ過材、１８……衝突手段、１９……汚染
洗浄液受槽、２０……第２エヤリフト、２１……
第２空気供給管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ろ過槽内でろ過処理対象液をろ過材によりろ
   過してろ過液を取出すと共に、ろ過により汚染し
   た汚染ろ過材を洗浄槽で洗浄して再使用し、その
   洗浄による汚染洗浄液を排出するろ過処理方法に
   おいて、前記ろ過槽内の汚染ろ過材をろ過槽内の
   液と共に注入気体によつて前記洗浄槽内へ移送手
   段で移送し、該移送手段の出口で衝突手段に衝突
   させて汚れとろ過材を分離し、降下するろ過材に
   ろ過液を交叉するように流してさらにろ過材の洗
   浄を行い、前記汚染洗浄液の排出をエヤリフトに
   より行うことを特徴とするろ過処理方法。 ２ ろ過処理対象液をろ過材によりろ過するろ過
   槽と、該ろ過槽の下部に蓄積する汚染ろ過材を該
   ろ過槽内の液と共に気体を注入して混合体として
   上方へ移送する移送手段と、該移送手段の上部を
   包含し、該混合体の汚染ろ過材を洗浄する洗浄槽
   とからなり、 前記ろ過槽が、下部にろ過処理対象液供給手段
   とろ過液液位近傍にろ過液取出手段を備え、所定
   レベルまでろ過材を充填し、 前記移送手段が、下端に気体放出口を内蔵した
   吸入口と頂部に吐出口を備え、頂部より所定長さ
   の二重壁を有し、この二重壁の頂部に前記頂部の
   吐出口周囲から下方に広がるかさを設けるととも
   に、この二重壁に開口をこのかさの付け根近傍と
   下端に設け、 前記洗浄槽が、下部に洗浄したろ過材排出口を
   前記移送手段の二重壁下端より高い位置に有し、
   前記移送手段の頂部吐出口上部に衝突手段を備
   え、頂部に溢液管とこの溢液管より溢れた汚染洗
   浄液を排出する排出口を設けたことを特徴とする
   ろ過処理装置。 ３ 前記洗浄槽の溢液管の上端がろ過液液位より
   高いことを特徴とする請求項２記載のろ過処理装
   置。