JPH0452840B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 この発明は、道路トンネル設備の１つである電
気集塵機付縦流換気方式のトンネル集塵室の電気
室の空調装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

近時、高速道路の地域社会への影響、貢献度が
ますます高まり、利用する車輌数も増大の一途を
たどつており、これに伴ない高速道路網の拡張が
着々と進められ、道路トンネルも数多く設置され
つつあります。この道路トンネルにおいて走行す
る自動車の排気ならびに舞いあがる道路粉塵の問
題は、通行の安全性、快適性の面から重要なこと
であつて、種々の換気手段が講ぜられている。

その１つである電気集塵機付縦流換気方式は、
道路トンネルに吸気口と送気口を開口している迂
回トンネルを道路トンネルに並置するとともに、
その内部に電気集塵機室、集塵機補機室、風路、
送風機室及び電気室を配し、吸気口から道路トン
ネル内に充満している汚染空気を迂回トンネル内
に導入して、汚染空気中の浮遊粉塵類を除去清浄
化して送気口から道路トンネル車道上に吹き出し
換気をしトンネル内の見通しの改善を行うように
したものである。

以下図面に基づいてこの方式の問題点について
説明する。第３図は道路トンネルの概要を示す斜
視図で、第３図及び第４図は地下電気室の空調の
ため新鮮空気取入れ方式の説明図、第５図は集塵
工程を示す流れ図である。

図において道路トンネル２０（以下主トンネル
という）には所定の間隔をおいて、迂回トンネル
４が主トンネル２０の長さに応じて複数個設けら
れており、それぞれの吸気口と送気口とは主トン
ネル２０の側壁に開口している。但し、吸気口に
は柵を設け出入りが禁じられており、送気口は開
放されており、捕集された粉塵類の搬出や運転要
員の出入ができるようになつている。

この迂回トンネル４内は、第５図でその概要を
示してあるように、迂回トンネル断面を遮断する
ように配列されている複数台の電気集塵装置が配
設されている集塵機室５と、仕切板１７によつて
迂回トンネルを上下に画成し、その上側空間は風
路１８と、それに続く送風機室（図示せず）と
に、上側空間はバグフイルタ９、フローコンベア
１０、コンテナバグ１１及び吸引フアン１２とか
らなる補機室７とそれに続く電気室２とが除塵作
業の順に配設されている。すなわち吸気口から流
入する主トンネル２０内の汚染空気１３は、電気
集塵機６を通り浮遊粉塵を捕集し粉塵濃度の高い
空気流と、除塵された清浄化空気１４とにわけら
れ、後者は風路１８を通り送風機（図示せず）に
より送気口から主トンネル２０の車道上へ送り出
され、前者の汚染気流は管路８を介してバグフイ
ルタ９へ送られる。ここで汚染空気中の未燃焼微
粒子（主としてスス）や道路粉塵の大部分（粒径
1μm以上の粒子の捕集効率99％）を除去され、除
去した塵埃はコロコンベヤ１０によつてコンテナ
バグ１１に収納され主トンネル２０外へ搬出し処
分される。一方バグフイルタ９で清浄化された空
気は送風管１９ならびに吸引フアン１２を介して
風路１８へ送り出し前記後者の清浄空気に混入し
主トンネル２０へ送り出される。

以上説明した電気集塵機、その補機類ならびに
送風機（図示せず）の運転ならびに制御のための
電気室２が迂回トンネル４の下側空間にある補機
室７に後続して配されており、外部空気を強制通
風によつて取入れ換気され、迂回トンネル４内よ
り若干高めの室圧に保持され、迂回トンネル内と
は隔絶された環境となつている。従来この電気室
２の換気のため主トンネル２０に隣接して掘られ
ている図示してないパイロツトトンネルから専用
配管を介して新鮮空気を取入れる方式や、第３図
及び第４図に示すように、山腹に開口する新鮮空
気取排出口３をもつ立坑（又は斜坑）３ａと地下
換気室３ｄや、排水管３ｂの排出口を利用し専用
配管３ｃを介して新鮮空気をフアンによる強制通
風によつて取入れる方式がとられていた。

しかしこれら従来方式はいずれも立坑（又は斜
坑）の開鑿、地下換気室の設置ならびに専用配管
のための諸工事など大規模な土木工事を伴い多額
の工事費を必要とする上、このようにして取入れ
た新鮮空気は温度が高く、電気室空調にそのまま
使用する上で難点があり、また送風のための電気
代も多額になるといつた諸問題があつた。

〔発明の目的〕

この発明は、上記の地下電気室空調方式の欠点
に鑑みなされたもので、経済性に優れかつ保守性
を向上するとともにランニングコストの安い地下
電気室空調装置を提供することを目的とする。

〔発明の要旨〕

上記目的は本発明によれば、道路トンネルの換
気設備の集塵装置の２次側空気の一部をバグフイ
ルタへ導入するための給気管を設けるとともに、
吸引フアンに後続させて直列に活性炭フイルタ及
び高性能フイルタをそれぞれ管路を介して接続
し、さらに前記高性能フイルタ通過後の空気を管
路を介して前記電気室へ送気して、前記２次側空
気により前記電気室の換気を行なうことによつて
達成される。

〔発明の実施例〕

以下本発明を適用した実施例の図面に基づいて
説明する。第１図は実施例の集塵工程の流れ図で
ある。なお従来技術の説明に使つた第５図と同一
部分については同一の符号を付し、構成ならびに
作用について重複を避けるため説明の一部を省略
することとする。

第１図において、主トンネル２０内の汚染空気
１３は、迂回トンネル４の風路１８の末端に配さ
れている送風装置（図示せず）の駆動によつて、
迂回トンネル４内に生ずる吸気口から排気口へと
流れる空気流に従つて迂回トンネル４内に導入さ
れ、該トンネル４を遮断するように配設されてい
る複数台の電気集塵機６からなる集塵機室５を通
過することで、浮遊している粉塵が除去され清浄
化空気１４となりそれを主トンネル２０内へ帰す
ことによつて主トンネル２０内の換気が行われる
訳であるが、この場合電気室空調用の空気をトン
ネル外から取り入れているため既述したように従
来方法は大規模な土木工事を必要とするため多大
の費用がかかる現状に着目して本発明が考えられ
たものであつて、そのため電気集塵機６の２次側
空間に開口部を有し終端が電気集塵機６とバグフ
イルタ９とを接続している集塵管８のバグフイル
タ側に接続されるように仕切壁１７を貫通して給
気管２２を設け、さらに給気管２２との接続部よ
り上流側で集塵管８にダンパ２４を、給気管２２
の途中にダンパ２３とをそれぞれ設け、電気集塵
機６が稼動中はダンパ２３を開にダンパ２４を閉
に、また捕集粉塵回収中（この時電気集塵機６で
の集塵は休止）はダンパ２３を閉、ダンパ２４を
開とするように制御する。そして吸引フアン１２
の後に直列に活性炭フイルタ１５と高性能フイル
タ１６とをそれぞれ管路を介して接続し、さらに
高性能フイルタ１６に該フイルタ通過後の空気を
電気室２へ送るための送気管２５を接続して補機
室７を構成した。

これは、電気集塵機６の２次側空気（清浄化空
気）１４には1μm以下の粒径の超微粒の粉塵（主
としてカーボン）や電気集塵機の性能的に取り切
れない粉塵及びSOxなどの有害ガスが含まれてい
て、これら導電性微粒子や有害ガスが電気室２に
配設されている受配電設備や制御盤等の電気品に
悪影響を与えるため、そのままでは電気室空調用
空気として使用できないので、２次側空気１４の
一部をまずバグフイルタ９へ導入し、電気集塵機
６での捕集もれ粉塵を捕集させるとともに、配備
されているドライヤ（図示せず）を経由させ相対
湿度40％（at15℃）程度にして活性炭フイルタ１
５へ送り、ここで有害ガス類を吸着除去した後高
性能フイルタ１６で超微粒粉塵を除去することに
よつて、汚染空気１３を乾燥した新鮮空気に近い
状態に再生させることができるのである。従つて
このようにして再生された清浄空気は吸引フアン
１２によつていくらか加圧された状態で電気室２
へ送られ空調に使用した後風路１８へ戻し、そこ
に流れる清浄化空気１４に混入し、主トンネル２
０の換気空気としても利用される。そしてそのた
めの施設として従来方式の補機室に給気管２２、
活性炭フイルタ１５、高性能フイルタ１６及びそ
れぞれを接続する管路と送風管２５を追加設置す
るだけでよく、大規模な土木工事や地下換気室な
ど多額の費用を必要とする諸工事を不要にするこ
とができる。

〔発明の効果〕

以上説明してきたように、本発明は迂回トンネ
ル内に主トンネル内の汚染空気を導入清浄化して
送り出す方式の道路トンネルの換気方式の清浄化
設備の補機室に２次側空気取入れの給気管と活性
炭フイルタと高性能フイルタ及びそれぞれを接続
する管路と電気室への送気管とをつけ加えること
により、汚染空気を新鮮で低湿度の空気に再生さ
せることが可能となりその再生空気を電気室の空
調に利用しさらに主トンネル換気流に混入活用す
ることによつて、電気室空調のために設けねばな
らぬ立坑や専用配管を不要とし、道路トンネルの
附帯工事を大巾に軽減することができるとともに
電気室の保守を容易にし維持費を大巾に軽減する
等の効果を得ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用した実施例の集塵工程の
流れ図、第２図は道路トンネルの概要を示す斜視
図、第３図及び第４図は従来例の地下電気室の空
調のための新鮮空気取入れ方式の説明図、第５図
は従来例の集塵工程の流れ図である。 ２……電気室、４……迂回トンネル、６……電
気集塵機、９……バグフイルタ、１１……コンテ
ナバグ、１２……吸引フアン、１３……汚染空
気、１４……清浄化空気（＝２次側空気）、１５
……活性炭フイルタ、１６……高性能フイルタ、
２０……主トンネル、２２……給気管、２３，２
４……ダンパ、２５……送気管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 道路トンネルの側壁部に吸気口ならびに排気
   口を開口し、前記トンネルにほぼ並行して作られ
   た迂回トンネル内に集塵装置と、パグフイルタ、
   フローコンベア、コンテナパグ及び吸引フアンと
   からなる補機装置と、送風装置及びこれらの諸装
   置を運転制御するための電気室とを配備してなる
   道路トンネルの換気設備において、前記集塵装置
   の２次側空気の一部を前記バグフイルタへ導入す
   るための給気管を設けるとともに、前記吸引フア
   ンに後続させて直列に活性炭フイルタ及び高性能
   フイルタをそれぞれ管路を介して接続し、さらに
   前記高性能フイルタ通過後の空気を管路を介して
   前記電気室へ送気して、前記電気室の換気を行な
   うことを特徴とする道路トンネル地下電気室の空
   調装置。