JPH0452734B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0452734B2
JPH0452734B2 JP1043201A JP4320189A JPH0452734B2 JP H0452734 B2 JPH0452734 B2 JP H0452734B2 JP 1043201 A JP1043201 A JP 1043201A JP 4320189 A JP4320189 A JP 4320189A JP H0452734 B2 JPH0452734 B2 JP H0452734B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
banana
shoots
cell tissue
tissue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1043201A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02222627A (ja
Inventor
Kenji Fujimoto
Masato Kashiwabara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
Priority to JP1043201A priority Critical patent/JPH02222627A/ja
Publication of JPH02222627A publication Critical patent/JPH02222627A/ja
Publication of JPH0452734B2 publication Critical patent/JPH0452734B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、液体培地における細胞組織の培養に
よるバナナの苗の生産方法に関する。 本発明により生産されたバナナの苗は、親株に
由来する植物病がない健全なものであつて、バナ
ナの栽培に利用することができる。 〔技術の背景および従来技術の説明〕 バナナは熱帯から亜熱帯にかけて広く分布する
バシヨウ科の多年生草本植物であつて、その実を
そのまま食用に供する生食用バナナ、その実を料
理して食用に供する料理用バナナ、およびその植
物体を鑑賞に供する観葉植物としてのバナナがあ
る。 これまでのバナナの繁殖は、親株の塊茎から発
生する吸芽(sucker)をそのまま生長させて、
親株とするか、または吸芽を摘出してこれを移植
して生長させ、親株とする無性繁殖によつていた
が、親株が病害虫に侵されていると、その病害虫
が無性繁殖による子株にそのまま移行して、子株
も病害虫に侵されたものとなること、および吸芽
の発生が不定期的であり、その数も限られている
ことにより、大量のバナナの苗を生産することが
できないことを避けることができない。 これまでに、バナナの塊茎より発生する吸芽の
茎頂部の植物組織を人工の培地に植え付け、培養
して、バナナの苗を得ることが報告され、〔ベル
グおよびブスタマンテ:フイトパソロジー
(Berg and Bustamante:Phytopathology)第
64巻第320〜322(1974年)〕、また1つの茎頂部の
植物組織から、複数のバナナの苗を生産すること
が報告され〔ジエイ・シー・ベツセイおよびジエ
イ・エー・リベラ:ターリアルバ(J.C.Vessey&
J.A.Rivera:Turrialba)第31巻第162〜163頁
(1981年)〕〔エス・エス・クロナウエルおよびエ
ー・デイー・クリコニアン:ホートサイエンス
(S.S.Cronauer&A.D.Krikonian:Hort.Science)
第19巻第2号第234〜235頁(1984年)〕、さらにバ
ナナの植物細胞組織を固体培地で培養して、シユ
ートを形成し、これを液体培地において振とう培
養をして、マルチプルシユートを形成することが
報告されている〔エフ・ジエイ・ノバーク、アー
ル・アフザ、ブイ・フアドビブリア、テイー・ヘ
ルメリン、エイチ・ブルンナーおよびビー・ドニ
ニ:ヌツク・テツク・ビトロ・カルト・プラン
ト・インプロブ(F.J.Novak、R.Afza、V.
Rhadvibulya、T.Hermelin、H.Brunner&B.
Donini:Nucl.Tech.Vitro.Cult.Plant.Improv.)
第167〜174頁(1986年)〕。 本発明者らは、植物の細胞組織の培養について
永年研究を続けているが、その研究において、バ
ナナの細胞組織を液体培地における通気撹拌によ
り培養すると、そのバナナの細胞組織における芽
の分化およびシユート形成を促進し、これを発根
すると、定植をすることができるバナナの苗を多
数生産しうること、およびバナナの吸芽の細胞組
織をココナツツ・ウオーターを含む培地で培養す
ると、充分に肥大した細胞組織が得られるが、こ
の肥大した細胞組織をココナツツ・ウオーターを
含まない培地で培養すると、多数の芽の分化した
細胞組織が得られることを見出し、これらの知見
に基づいて本発明に到達した。 〔発明の目的および発明の要約〕 本発明の目的は、バナナの健全な苗を多数生産
することができるバナナの苗の生産方法を提供す
ることにあり、詳しくは、多数の健全なバナナの
苗を高い生産性において生産することができるバ
ナナの苗の生産方法を提供することにある。 本発明のバナナの苗の生産方法は、バナナの細
胞組織を培養し、そのシユートを発根して、バナ
ナの苗を生産する方法において、バナナの細胞組
織をココナツツ・ウオーターを含む培地で培養し
て、細胞組織を肥大し、その肥大した細胞組織を
ココナツツ・ウオーターを含まない培地で培養し
て、芽の分化した細胞組織とし、その芽の分化し
た細胞組織を液体培地において通気撹拌により培
養することを特徴とするものである。 本発明のバナナの細胞組織の培養によるバナナ
の苗の生産方法において、細胞組織の分化した芽
から生長したシユートを、栄養源の濃度を半減し
た培地において培養して、シユートを発根し、そ
れによつて定植することができる小植物体(苗)
を生産することができる。 〔発明の具体的な説明〕 バナナの樹の生えぎわに、吸芽(sucker)が
生えてくる。吸芽はバナナの塊茎から生えてくる
植物体である。 本発明では、圃場より吸芽を採取し、これを充
分に水洗した後、外皮の一部を剥ぎ、茎頂部位を
中心に含む植物体片を摘出する。その植物体片
を、殺菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム水溶
液、次亜塩素酸ナトリウム水溶液およびエタノー
ル)により殺菌し、クリーンベンチ内において、
実体顕微鏡を使用し、その植物体片から茎頂部お
よび茎頂周囲の葉原基を含むバナナの細胞組織を
摘出する。この細胞組織は本発明の植物組織の培
養によるバナナの苗の生産方法におけるバナナの
細胞組織である。 バナナの細胞組織は、ココナツツ・ウオーター
を含む初代培地に植え付け、1000〜3000ルツクス
の24時間の照明下に、20〜30℃において2〜3週
間培養する。ココナツツ・ウオーターを含む初代
培地は、ムラシゲ・スクーグ培地の無機塩類に、
ミオイノシトール100〜700ppm(好ましくは300〜
500ppm)、ニコチン酸0.2〜0.7ppm(好ましくは
0.4〜0.6ppm)、塩酸ピリドキシン0.2〜0.7ppm
(好ましくは0.4〜0.6ppm)、塩酸チアミン0.5〜
2.0pm(好ましくは1.0〜1.5ppm)、グリシン1〜
3ppm(好ましくは1.5〜2.5ppm)、ココナツツ・
ウオーター50〜250ml/(好ましくは100〜200
ml/)およびシヨ糖30000〜50000ppm(好まし
くは35000〜45000ppm)を加え、さらにベンジル
アデニン1〜16ppm(好ましくは4.5〜11.3ppm)
またはカイネチン1〜22ppm(好ましくは4.3〜
15.0ppm)、および寒天粉末0.7〜1.0%(重量)を
加えて得た固形培地を使用する。ココナツツ・ウ
オーターは、ヤシの実の空洞に入つている水であ
る。バナナの細胞組織は、培養開始から約1週間
で白色から黄緑色に変り、約3週間で5mm程度に
肥大した細胞組織の集合体になる。 この肥大した細胞組織の集合体は、ココナツ
ツ・ウオーターを含まない増殖培地に植え付け、
24時間の照明下に20〜30℃において2〜3週間培
養する。ココナツツ・ウオーターを含まない増殖
培地は、前記の初代培地からココナツツ・ウオー
ターを除いた培地である。肥大した細胞組織の集
合体は、多数の芽を分化し、多数の芽を付けた細
胞組織の集合体となるが、その芽からシユートを
形成しているものもある。 多数の芽を付けた細胞組織の集合体は、少なく
とも1個(好ましくは2〜3個)の芽を含む細胞
組織に分割し、通気式ジヤーフアーメンター中の
液体培地に入れ、液体培地1当り0.3〜1.0/
分(好ましくは0.4〜0.7/分)の空気を送つて
通気撹拌しながら、24時間の照明下に、20〜30℃
において培養する。この液体培地は、前記の増殖
培地においてベンジルアデニンまたはカイネチン
の濃度を、ベンジルアデニン0.2〜2.2ppm(好ま
しくは0.6〜1.5ppm)またはカイネチン0.1〜
2.1ppm(好ましくは0.4〜1.5ppm)に変更し、寒
天を除いたものであつて、ココナツツ・ウオータ
ーは含まないものである。 芽を付けた細胞組織の集合体は、液面付近で上
下動を繰り返しながら芽を増殖するとともに、芽
からシユートを形成し、そのシユートが伸長す
る。このジヤーフアーメンターにおける通気撹拌
培養は、20〜40日間継続することができ、それに
よつて伸長したシユートを形成した細胞組織の集
合体が得られる。 伸長したシユートを形成した細胞組織の集合体
からシユートをその基部から摘出し、そのシユー
トを発根培地に植え付け、24時間の照明の下に20
〜30℃において3〜4週間培養すると、シユート
の基部に根が出てきて伸長し、小植物体
(plantlet)が得られる。 発根培地は、ココナツツ・ウオーターならびに
植物ホルモンのベンジルアデニンおよびカイネチ
ンを含まず、他の栄養源の濃度を薄くした培地で
あつて、前記の初代培地の組成において、ココナ
ツツ・ウオーター、ベンジルアデニンおよびカイ
ネチンを除くが、寒天の量は初代培地と同じ0.7
〜1.0%であり、その他の無機塩類およびビタミ
ン類は1〜4倍(好ましくは約2倍)に希釈した
ものである。発根培地で得られた小植物は植物体
に根が付いた苗であるが、これを圃場の外界の環
境に耐え得るものとするために、馴化する。 プランターに水はけのよい土壌を入れ、このプ
ランターに小植物体を植え付け、このプランター
を10〜30℃の温度、60〜90%相対湿度および最高
照度を30000ルツクス程度に制御した自然光の条
件下に置いて2〜3週間栽培すると、小植物体か
ら2〜3枚の葉が出てきて、根、茎および葉を具
えた植物体になる。この小植物体の栽培におい
て、少量のチツ素、リン酸、カリおよび微量要素
を含む植物養液を施用する。プランターに入れる
水はけの良い土壌は、バーミキユライト、パーラ
イト、赤玉土、鹿泥土、腐葉土および砂などの単
品または混合土壌を使用する。 この植物体は、同様の水はけのよい土壌を入れ
たポツトに植裁し、そのポツトに同様の植物養液
を施用し、通常のネツトハウスにそのポツトを置
いて2〜3ケ月栽培すると、その地上部が20〜30
cmに伸長してバナナの苗が得られる。このバナナ
の苗は圃場に定植して、バナナを収穫することが
できるものである。 以下において、試験例および実施例により本発
明をさらに詳しく説明する。 試験例 バナナの吸芽の細胞の組織培養によるバナナの
苗の育成において、バナナの培養細胞のマルチプ
ルシユートの形成における培養方法の影響につい
て試験を行なつた。 (1) 試料の調製(芽の分化した細胞組織の集合体
の形成) 沖縄の在来種のシマバナナ(小笠原諸島原
産)の吸芽を圃場で採取し、水洗した後、外皮
を剥ぎ取り、その茎頂部を中心とする茎頂部組
織〔20mm(タテ)×20mm(ヨコ)×40mm(高サ)〕
を切り取つた。この茎頂部組織は、70%エタノ
ール水溶液、0.2%塩化ベンザルコニウム水溶
液および1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、
順次浸漬、撹拌して、殺菌した後、滅菌水によ
り洗浄した。その茎頂部組織は、クリーンベン
チ内で、実体顕微鏡を用いて、茎頂および葉原
基を含む円形組織片〔0.8mm(径)×1mm(長
サ)〕を摘出した。 その円形組織片を初代培地15mlを入れた試験
管(25mm径)に植え付け、2500ルツクスの24時
間照明下に、25±2℃において21日間培養し
て、黄緑化し、5mmφに肥大した細胞組織片を
得た。 (初代培地の組成) MgSO4・7H2O 370ppm CaCl2・2H2O 440ppm KNO3 1900ppm NH4NO3 1650ppm KH2PO4 170ppm FeSO4・7H2O 27.8ppm Na2EDTA 37.3ppm MnSO4・4H2O 22.3ppm ZnSO4・7H2O 8.6ppm CuSO4・5H2O 0.025ppm CoCl2・6H2O 0.025ppm KI 0.83ppm H3BO4 6.2ppm Na2MoO4・2H2O 0.25ppm ミオイノシトール 400ppm ニコチン酸 0.5ppm 塩酸ピリドキシン 0.5ppm 塩酸チアミン 1.3ppm グリシン 2.0ppm シヨ糖 40000ppm ココナツツ・ウオーター 150ml/ ベンジルアデニン 6.7ppm 寒 天 7000ppm その肥大した細胞組織片を、増殖培地10mlを
入れた試験管(25mm径)に植え付け、前記と同
じ照明下に、25±2℃において、18日間培養し
て、多数の芽の分化した細胞組織の集合体を得
た。 (増殖培地の組成) MgSO4・7H2O 370ppm CaCl2・2H2O 440ppm KNO3 1900ppm NH4NO3 1650ppm KH2PO4 170ppm FeSO4・7H2O 27.8ppm Na2EDTA 37.3ppm MnSO4・4H2O 22.3ppm ZnSO4・7H2O 8.6ppm CuSO4・5H2O 0.025ppm CoCl2・6H2O 0.025ppm KI 0.83ppm H3BO4 6.2ppm Na2MoO4・2H2O 0.25ppm ミオイノシトール 400ppm ニコチン酸 0.5ppm 塩酸ピリドキシン 0.5ppm 塩酸チアミン 1.3ppm グリシン 2.0ppm シヨ糖 40000ppm ベンジルアデニン 6.7ppm 寒 天 7000ppm (注) 増殖培地は、初代培地において、
ココナツツ・ウオーターを使用しないも
のである。 (2) 試験方法 (2‐A) 固体培地による試験 (2‐A‐1) マルチプルシユートの形成 前記の(1)で得た芽の分化した細胞組織の
集合体を、芽2個を含む細胞組織に分割
し、その分割細胞組織を、前記の(1)の増殖
培地10mlを入れた試験管(25mm径)50本に
植え付け、前記の(1)と同じ照明下に、25±
2℃において18日間培養して、マルチプル
シユートを形成した芽を有する細胞組織片
を形成し、各試験管における細胞組織の芽
の数および2cm以上に伸長したシユートの
数をカウントした。 (2‐A‐2) シユートの発根 前記の(2−A−1)で形成したシユー
トを、その基部において切断し、その細胞
組織から分離し、そのシユートを発根培地
10mlを入れた試験管(25mm径)に植え付
け、前記の(1)と同じ照明下に、25±2℃に
おいて4週間培養して、根の長さが5cm以
上、また地上部の長さが4cm以上の小植物
体を形成した。 (発根培地の組成) MgSO4・7H2O 185ppm CaCl2・2H2O 220ppm KNO3 950ppm NH4NO3 825ppm KH2PO4 85ppm FeSO4・7H2O 13.9ppm Na2EDTA 13.65ppm MnSO4・4H2O 11.15ppm ZnSO4・7H2O 4.3ppm CuSO4・5H2O 0.0125ppm CoCl2・6H2O 0.0125ppm KI 0.415ppm H3BO4 3.1ppm Na2MoO4・2H2O 0.125ppm ミオイノシトール 200ppm ニコチン酸 0.25ppm 塩酸ピリドキシン 0.25ppm 塩酸チアミン 0.65ppm グリシン 1.0ppm シヨ糖 20000ppm 寒 天 8000ppm 活性炭 1000ppm (注) 発根培地は、初代培地において、
ココナツツ・ウオーターおよびベンジル
アデニンを使用せず、寒天の濃度を高く
し、また活性炭を使用するが、それ以外
の成分は、その濃度を1/2にしたもので
ある。 (2‐A‐3) 小植物体の馴化、鉢上げおよび育成苗 前記の(2−A−2)で形成した小植物
体を試験管から取り出し、水道水により充
分洗浄した。 バーミキユライトよびパーライトの混合
土壌(1:1)をプランター〔18cm(タ
テ)×40cm(ヨコ)×14cm(深サ)〕に入れ、
これに、前記の水洗した小植物体20本を植
え付けた。このプランターをガラス温室に
入れ、18〜25℃の温度、60〜90%の相対湿
度および最高照度を30000ルツクスに制御
した自然光下において、小植物体の馴化を
行なつた。3週間後には、新芽が2〜3枚
に展開し、小植物体は生き生きとしてい
た。 赤玉土および腐葉土の混合土壌(2:
1)の入つた鉢に、この小植物体を植え付
け、通常のネツトハウスにおいて育苗を行
なつた。80日後に、地上部が25cm内外に苗
が得られた。 この苗は、圃場において、充分定植可能
なものであつた。 (2‐B) 液体増殖培地(カイネチン)による試験 (2‐B‐1) マルチプルシユートの形成 前記の(1)で得た芽の分化した細胞組織の
集合体を、芽2個を含む細胞組織に分割
し、その分割細胞組織を、液体増殖培地
(カイネチン)100mlを入れた300ml容エル
レンマイヤーフラスコ5個に、1フラスコ
当り4個づつ植え付け、前記の(1)と同じ照
明下に、100rpmの振とうをしながら、25
±2℃において18日間培養して、マルチプ
ルシユートを形成した芽を有する細胞組織
片を形成し、各フラスコにおける細胞組織
片の芽の数および2cm以上に伸長したシユ
ートの数をカウントした。 〔液体増殖培地(カイネチン)の組成〕 MgSO4・7H2O 370ppm CaCl2・2H2O 440ppm KNO3 1900ppm NH4NO3 1650ppm KH2PO4 170ppm FeSO4・7H2O 27.8ppm Na2EDTA 37.3ppm MnSO4・4H2O 22.3ppm ZnSO4・7H2O 8.6ppm CuSO4・5H2O 0.025ppm CoCl2・6H2O 0.025ppm KI 0.83ppm H3BO4 6.2ppm Na2MoO4・2H2O 0.25ppm ミオイノシトール 400ppm ニコチン酸 0.5ppm 塩酸ピリドキシン 0.5ppm 塩酸チアミン 1.3ppm グリシン 2.0ppm シヨ糖 40000ppm カイネチン 1.1ppm (注) 液体増殖培地(カイネチン)は、
前記の(1)初代培地において、ココナツ
ツ・ウオーターおよび寒天を使用しない
こと、およびベンジルアデニンの代りに
カイネチン1.1ppmを使用したこと以外
は、初代培地と同じ組成の培地である。 (2‐B‐2) シユートの発根 前記の細胞組織片を使用し、前記の(2
−A−2)と同様にして、シユートの発根
を行なつたが、前記の(2−A−2)と同
様の小植物体を得た。 (2‐B‐3) 小植物体の馴化、鉢上げおよび育成苗 前記の小植物体を使用し、前記の(2−
A−3)と同様にして、その小植物体の馴
化、鉢上げおよび育苗を行なつたが、圃場
に移植することができるバナナの苗を得
た。 (2‐C) 液体増殖培地(ベンジルアデニン)による
試験 (2‐C‐1) マルチプルシユートの形成 前記の(1)で得た芽の分化した細胞組織の
集合体を、芽2個を含む細胞組織に分割
し、その分割細胞組織を、液体増殖培地
(ベンジルアデニン)100mlを入れた300ml
容エルレンマイヤーフラスコ5個に、1フ
ラスコ当り3個づつ植え付け、前記の(1)と
同じ照明下に、100rpmの振とうをしなが
ら、25±2℃において18日間培養して、マ
ルチプルシユートを形成した芽を有する細
胞組織片を形成し、各フラスコにおける細
胞組織片の芽の数および2cm以上に伸長し
たシユートの数をカウントした。 〔液体増殖培地(ベンジルアデニン)の組
成〕 MgSO4・7H2O 370ppm CaCl2・2H2O 440ppm KNO3 1900ppm NH4NO3 1650ppm KH2PO4 170ppm FeSO4・7H2O 27.8ppm Na2EDTA 37.3ppm MnSO4・4H2O 22.3ppm ZnSO4・7H2O 8.6ppm CuSO4・5H2O 0.025ppm CoCl2・6H2O 0.025ppm KI 0.83ppm H3BO4 6.2ppm Na2MoO4・2H2O 0.25ppm ミオイノシトール 400ppm ニコチン酸 0.5ppm 塩酸ピリドキシン 0.5ppm 塩酸チアミン 1.3ppm グリシン 2.0ppm シヨ糖 40000ppm ベンジルアデニン 0.9ppm (注) 液体増殖培地(ベンジルアデニ
ン)は、前記(2−B−1)の液体増殖
培地(カイネチン)におけるカイネチン
の代りにベンジルアデニン0.9ppmを使
用したこと以外は、液体増殖培地(カイ
ネチン)と同じ培地である。 (2‐C‐2) シユートの発根 前記の細胞組織片を使用し、前記の(2
−A−2)と同様にして、シユートの発根
を行なつたが、前記の(2−A−2)と同
様の小植物体を得た。 (2‐C‐3) 小植物体の馴化、鉢上げおよび育苗 前記の小植物体を使用し、前記の(2−
A−3)と同様にして、その小植物体の馴
化、鉢上げおよび育苗を行なつたが、圃場
に移植することができるバナナの苗を得
た。 (2‐D)通気攪拌培養による試験 (2‐D‐1) マルチプルシユートの形成 前記の(1)で得た芽の分化した細胞組織の
集合体を、芽3個を含む細胞組織片に分割
し、その分割細胞組織片20個を、液体増殖
培地(ベンジルアデニン)3を入れた4
容ジヤーフアーメンターに植え付け、前
記の(1)と同じ照明下に、培地1当り0.5
/分の通気撹拌をしながら、25±2℃に
おいて40日間培養して、マルチプルシユー
トを形成した芽を有する細胞組織片を形成
し、それぞれの細胞組織片の芽の数および
2cm以上に伸長したシユートの数をカウン
トした。 (2‐D‐2) シユートの発根 前記の細胞組織片を使用し、前記の(2
−A−2)と同様にして、シユートの発根
を行なつたが、前記の(2−A−2)と同
様の小植物体を得た。 (2‐D‐3) 小植物体の馴化、鉢上げおよび育苗 前記の小植物体を使用し、前記の(2−
A−3)と同様にして、その小植物体の馴
化、鉢上げおよび育苗を行なつたが、圃場
に移植することができるバナナの苗を得
た。 (3) 試験の結果 第1表に示すとおりであつた。
【表】
【表】 (4) 考察 第1表によると、バナナの吸芽から摘出した
細胞組織の増殖を液体培地で行なうと、細胞組
織に付いている芽が増殖することがわかる。細
胞組織に付いている芽が伸長してシユートを形
成し、そのシユートを発根すると、バナナの苗
になるから、芽の増殖は、細胞組織から誘導さ
れるバナナの苗の数を増加する。 バナナの吸芽から摘出した細胞組織の増殖を
液体培地における通気撹拌培養で行なうと、増
殖した芽から伸長するシユートの数を増加する
ことがわかる。そのシユートを発根すると、バ
ナナの苗になるから、シユートの比率の増加
は、バナナの苗の誘導を促進することになり、
そのことはバナナの苗の形成に必要な期間を短
縮することになる。したがつて、液体培養にお
ける通気撹拌培養は、バナナの苗の生産を向上
することがわかる。 参考試験例 茎頂培養から第1回継代培養において、ココナ
ツツ・ウオーターの効果を調べるため、以下の実
験を行なつた。 用いた培地は、次の2種類の培地である。 A培地:前記試験例の(1)で用いた初代培地と同様
の培地(ココナツツ・ウオーターを含む培他) B培地:前記試験例の(1)で用いた初代培地と同様
の培地(ココナツツ・ウオーターを含まない培
他) 試験区 茎頂培養時、ココナツツ・ウオーターを含む
培地(A培地)を使用し、第1回継代培養時、
ココナツツ・ウオーターを含まない培地(B培
地)を使用した場合。 茎頂培養時、ココナツツ・ウオーターを含む
培地(A培地)を使用し、第1回継代培養時も
ココナツツ・ウオーターを含む培地(A培地)
を使用した場合。 茎頂培養時、ココナツツ・ウオーターを含ま
ない培地(B培地)を使用し、第1回継代培養
時もココナツツ・ウオーターを含まない培地
(B培地)を使用した場合。 評 価 茎頂培養後、21日経過した時点での組織の生存
率および第1回継代後、18日経過した時点での組
織の生存率さらに茎頂培養から第2回継代前まで
の累積生存率で評価した。 方 法 沖縄の在来種のシマバナナの吸芽を90個圃場で
採取し、水洗した後、外皮を剥ぎ取り、茎頂部を
中心とする茎頂部組織[20mm(タテ)×20mm(ヨ
コ)×40(高さ)]を切り取つた。この茎頂部組織
を常法により殺菌した後、クリーンベンチ内で実
体顕微鏡を用いて茎頂および葉原基を含む円形組
織片[0.6mm(径)×0.8mm(長さ)]を摘出し、試
験区、、にそれぞれ30個ずつ植えつけた
(培地15mlを含む試験管(25mm径)各30本使用)。 各試験区は、2500ルツクスの24時間照明下に、
25±2℃において21日間培養した。この時点で枯
死したものをとり除き、肥大化した組織の数を数
え生存率を求めた。次に、この肥大化した組織を
各試験区所定の培地にそれぞれそのまま継代し、
前記と同じ培養条件下において18日間培養した。
18日後、褐変化枯死したものを取り除き、第1回
継代培養時における生存率を求めた。 さらに、茎頂培養を始めてから、第1回継代培
養終了時(即ち、第2回継代前、延べ日数39日)
での累積生存率を求めた。 結 果 第2表に示すとおりであつた。
【表】 考 察 茎頂培養時、ココナツツ・ウオーターの入つた
培地で培養し、第1回継代時ココナツツ・ウオー
ターを除いた培地で培養することは、組織の生存
率を向上させる。このことは、その後、分割継代
培養を続ける際、生産性の向上につながる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 バナナの細胞組織を培養し、そのシユートを
    発根して、バナナの苗を生産する方法において、
    バナナの細胞組織をココナツツ・ウオーターを含
    む培地で培養して、細胞組織を肥大し、その肥大
    した細胞組織をココナツツ・ウオーターを含まな
    い培地で培養して、芽の分化した細胞組織とし、
    その芽の分化した細胞組織を液体培地において通
    気撹拌により培養することを特徴とする植物組織
    の培養によるバナナの苗の生産方法。
JP1043201A 1989-02-27 1989-02-27 植物組織の培養によるバナナの苗の生産方法 Granted JPH02222627A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1043201A JPH02222627A (ja) 1989-02-27 1989-02-27 植物組織の培養によるバナナの苗の生産方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1043201A JPH02222627A (ja) 1989-02-27 1989-02-27 植物組織の培養によるバナナの苗の生産方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02222627A JPH02222627A (ja) 1990-09-05
JPH0452734B2 true JPH0452734B2 (ja) 1992-08-24

Family

ID=12657317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1043201A Granted JPH02222627A (ja) 1989-02-27 1989-02-27 植物組織の培養によるバナナの苗の生産方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02222627A (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101869076A (zh) * 2010-07-06 2010-10-27 广东省农业科学院作物研究所 一种香蕉吸芽茎尖接种的方法
CN103444535A (zh) * 2013-09-05 2013-12-18 广东省农业科学院果树研究所 一种提高香蕉组培快繁系数的新方法
CN104885935B (zh) * 2015-05-12 2017-03-01 广西壮族自治区农业科学院甘蔗研究所 香蕉试管苗光合自养生根方法
CN104982285B (zh) * 2015-06-17 2017-06-06 广东省农业科学院果树研究所 基于吸芽的香蕉幼苗快速繁殖方法
CN106212281B (zh) * 2016-07-28 2017-10-27 广西陆川县乌坭坡珍珠番石榴专业合作社 一种提高香蕉成活率的组织培养方法
CN106416777A (zh) * 2016-09-29 2017-02-22 河口云山农业科技有限公司 一种香蕉抹花方法
CN111543324B (zh) * 2020-06-04 2021-09-03 云南省农业科学院农业环境资源研究所 一种适用于BioNano技术DNA材料要求的香蕉组织培养方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55118319A (en) * 1979-03-07 1980-09-11 Kyowa Hakko Kogyo Kk Mass breeding of plant seedlings

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55118319A (en) * 1979-03-07 1980-09-11 Kyowa Hakko Kogyo Kk Mass breeding of plant seedlings

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02222627A (ja) 1990-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101587707B1 (ko) 난 유묘의 생산방법
De Winnaar Clonal propagation of papaya in vitro
Start et al. In Vitro Propagation of Saintpaulia ionantha Wendl 1
JP6483163B2 (ja) パフィオペディルム・モーディータイプの種苗の組織培養と迅速増殖の方法
CN101933455B (zh) 一种普陀樟的离体繁殖方法
Shtereva et al. Micropropagation of six Paulownia genotypes through tissue culture
HU183978B (en) Process for preparing the propagative material of plants in tissue culture
CN109122312B (zh) 一种使报春石斛种子快速繁殖成苗的培养基及方法
CN101040601A (zh) 卡瓦胡椒离体组织培养技术与方法
JPH0452734B2 (ja)
Mullins Micropropagation of chestnut (Castanea sativa Mill.)
CN112616675B (zh) 一种舞花姜组织培养快速繁殖方法
KR101887221B1 (ko) 기내배양에 의한 대나무 대량증식 방법
CN101611698B (zh) 三尖杉离体胚培养及植株再生方法
CN109548655B (zh) 苦郎树的组织培养方法
JP3893476B2 (ja) ササの増殖方法
JP6530584B2 (ja) カンゾウ属植物の苗の生産方法
Khan et al. In vitro production of Cordyline terminalis for commercialization
Seelye et al. Micropropagation of Telopea speciosissima
KR102200935B1 (ko) 절간 배양 방법을 이용한 대추나무 '복조' 품종의 기내 식물체 형성 방법
CN112772419B (zh) 一种细穗草的组织培养方法
KR100302206B1 (ko) 민두릅나무의 기내 대량생산방법 및 포지 이식방법
Economou et al. Regeneration in vitro of oleaster (Elaeagnus angustifolia L.) from shoot tips of mature tree
KR102511158B1 (ko) 정금나무 조직배양 묘목의 대량 생산방법
JP3585050B2 (ja) ウイルスフリー化ホップ棒苗の製造方法