JPH0452602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は室内の空気が室外に流出するのを、あ
るいは室外の空気が室内に流入するのを防止する
目的で気流を形成するための送風装置（以下エア
ー・カーテンという）を天井に固定するため、あ
るいは天井より吊り下げるための係止装置に関す
るものである。

従来の技術 一般にエアー・カーテンは店舗の出入口に設置
することが多く、店舗では店内を明るく、かつ開
放的に保つため、また、店の外から店内の商品が
よく見えるよう入口および入口の上、右、左の壁
をガラス張りとするケースが多い。この場合、エ
アー・カーテンを壁面に固定することができない
ので天井に固定したり、天井より吊り下げて固定
し、設置する。しかし、従来この種の送風装置の
係止装置は第５図〜第７図に示すようにＬ形金具
５１に２本の溶接ボルト５２ａ，５２ｂが溶接さ
れており、その間隔ａはエアー・カーテン５３の
取付板５４に設けた取付穴５５ａ，５５ｂの間隔
a′と同寸法になつていた。そして、設置する際に
はＬ形金具５１の水平辺に設けた長穴５６ａ，５
６ｂによりアンカー・ボルト５７ａ，５７ｂでＬ
形金具５１を天井に固定または天井より吊り下げ
固定し、そして次に、Ｌ形金具５１の溶接ボルト
５２ａ，５２ｂに取付板５４の取付穴５５ａ，５
５ｂをはめナツト５８ａ，５８ｂで締め付けたの
ち、エアー・カーテン５３を取付板５４にひつか
け固定していた。

考案が解決しようとする課題 このような従来の構成では、エアー・カーテン
５３には取り付け高さや使用目的に応じて吹き出
し風速の違う何種類かの機種があり、それぞれ大
きさが違うので取付板５４に設けた取付穴の間隔
a′も違う。そのため、それぞれの機種ごとに応じ
たＬ形金具５１を使用しなければならなかつた。
そのため、現場で用意したＬ形金具５１の寸法が
違い、現場で加工をして取り付けたり、また改め
てその機種に合つたＬ形金具５１を取り寄せ工期
の遅れを生じたりすることも多かつた。また、工
事業者は何種類かのＬ形金具５１を在庫せねばな
らないし、製造業者でも機種数に応じた何種類か
のＬ形金具を製造せねばならないなどの課題を有
していた。

本考案は上記従来の課題を解決するもので、現
地で手を加えることなく、容易に施工でき、１種
類のＬ形金具で２種類以上のエアー・カーテンを
取り付けることができ、現地での寸法違いによる
トラブルを未然に防止するとともに、工事業者の
在庫機種数、製造業者の製造機種数の減少を図る
ことを目的とするものである。

課題を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するために、水平辺と
垂直辺とからなるＬ形金具の垂直辺に、その下端
部にあらかじめ固着した、送風装置を下方向にほ
ぼ一定の位置に固定する基準ボルトを備えるとと
もに、この基準ボルトに対し調節自在に他のボル
トを上方に位置させる長穴を設けた構成としたも
のである。

作 用 本考案は上記した構成により、エアー・カーテ
ンの背面の上部と下部に設けた取付穴のうち、ま
ず下部の取付穴に、係止装置の基準ボルトが挿入
するように、エアー・カーテンを係止して固定
し、つぎに上部の取付穴に他のボルトを、係止装
置の長穴を貫通して挿入し締め付けて、エアー・
カーテンを設置するので、１種類の係止装置で２
種類以上のエアー・カーテンを、その下部位置を
ほぼ一定として設置できるものである。

実施例 以下、本考案の一実施例について第１〜第４図
を参照しながら説明する。

図に示すように、水平辺１ａと、この水平辺１
ａの一端部から下方へ延設した垂直辺１ｂとから
Ｌ形金具１を形成している。Ｌ形金具１の水平辺
１ａには、天井に固定したアンカーボルト８ａ，
８ｂにより、Ｌ形金具１を天井に固定または天井
から吊り下げ固定する長穴９ａ，９ｂが設けてあ
る。一方垂直辺には、その下端部にあらかじめ１
本の溶接ボルトを溶接して基準ボルト２を設ける
とともに、この基準ボルト２の上方に長穴３を形
成している。この長穴３は、基準ボルト２ではな
い他のボルト４を上下任意に移動できるように設
けてある。したがつて下端部の基準ボルト２と長
穴３に通したボルト４の間隔Ａは、設置するエア
ー・カーテン５の背面の取付板６に設けた取付穴
７ａ，７ｂの間隔A′と、基準ボルト２の位置を
基準として、同寸法になるように調節できる。

上記構成の係止装置によるエアー・カーテンの
設置について、以下に説明する。

まず、天井に固定あるいは天井より吊り下げ固
定したＬ形金具１の基準ボルト２がエアー・カー
テン５の取付板６の下部の取付穴７ｂに挿入する
ように、エアー・カーテン５をＬ形金具１に係止
する。つぎに、下端部の基準ボルト２と長穴３に
通したボルト４との間隔Ａを、取付板６の取付穴
７ａ，７ｂの間隔A′と同寸法になるようにボル
トの位置を調節し、ボルト４を長穴３を貫通して
取付穴７ａに挿入する。そして、基準ボルト２お
よびボルト４に、ナツト１０ａ，１０ｂをはめて
締め付けることにより設置作業は完了する。

このように本考案の実施例のエアー・カーテン
５の係止装置によれば、基準ボルト２はあらかじ
めＬ形金具１の下端部に溶接して固着されている
ので、エアー・カーテン５を基準ボルト２に係止
して仮止めする作業が、安定した状態でできてそ
の作業性が向上し、しかもエアー・カーテン５の
下方向の位置は一定となる。

そして、基準ボルト２に対し調節自在に他のボ
ルト４を上方に位置させる長穴３を設けているの
で、現地で手を加えることなく、１種類の係止装
置で２種類以上のエアー・カーテン５を、それら
の取付板６のそれぞれの取付穴の間隔だけに段階
的に調節できるだけでなく、微調節も併せて係止
固定でき、しかもエアー・カーテン５の下部位
置、すなわち空気の吹出口がいずれも、ほぼ同じ
高さに設置されることとなり、吹出口が高過ぎた
り、あるいは低過ぎることなく、エアー・カーテ
ン５としての機能が確保される。

なお、第４図は小形のエアー・カーテン５′を
上記係止装置に取り付けた場合の図を示し、同図
において、第１図〜第３図と同一符号を付したも
のは同一部品を表わし、それ以外の部品６′は、
小形のエアー・カーテン５′の取付板を示す。

考案の効果 以上の実施例から明らかなように本考案によれ
ば、現地で余分な加工を行うことなく、１種類の
係止装置で２種類以上のエアー・カーテンを容易
に取り付け施工することができ、現地での寸法違
いによるトラブルを未然に防止できるとともに、
工事業者の在庫機種類の減少を図り、そのうえ、
製造業者においても製造機種数の減少を図ること
ができ、さらに施工が安定した状態でできるの
で、その作業性が向上し、また２種類以上のエア
ー・カーテンはいずれも、その吹出口がほぼ同じ
高さとなつて機能が確保されるという種々の効果
を有するエアー・カーテンの係止装置を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の送風装置の係止装
置を示す斜視図、第２図は同送風装置の取付板の
斜視図、第３図は同大形の送風装置の設置状態
図、第４図は同小形の送風装置の設置状態図、第
５図は従来の送風装置の係止装置の斜視図、第６
図は同送風装置の取付板の斜視図、第７図は同送
風装置の取付状態図である。 １……Ｌ形金具、１ａ……水平辺、１ｂ……垂
直辺、２……基準ボルト、３……長穴、４……ボ
ルト、５，５′……エアー・カーテン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 設置場所に固定する水平辺と、この水平辺の一
   端部から下方へ延設した垂直辺とからなるＬ形金
   具の前記垂直辺に、その下端部にあらかじめ固着
   した、送風装置を下方向にほぼ一定の位置に固定
   する基準ボルトを備えるとともに、この基準ボル
   トに対し調節自在に他のボルトを上方に位置させ
   る長穴を設けた送風装置の係止装置。