JPH0452463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、気化器におけるチヨーク弁を、内燃
機関における温度に応じて開閉制御するための装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、気化器のおけるチヨーク弁開閉装置の一
つに、例えば実開昭60−43157号公報等に記載さ
れているように、手動によつて開閉操作され、且
つ、常時開方向に付勢する開弁用ばねを備えたチ
ヨーク弁における弁軸にカム板を固着し、該カム
板に、前記弁軸を中心とする円弧状の長溝孔を、
前記チヨーク弁における開閉角度と同じ角度に対
応する円周長さ区間に設ける一方、圧力作動式ア
クチエータにおけるダイヤフラムに連結したロツ
ドを前記円弧状長溝孔に摺動自在に係合し、前記
アクチエータにおける圧力室を、スロツトル弁よ
り下流側に、当該圧力室に負圧が作用するとロツ
ドがチヨーク弁を開く方向に後退動するように負
圧伝達通路を介して接続し、該負圧伝達通路に、
内燃機関の温度が低いとき前記圧力室を大気に連
通し、内燃機関の温度が高くなると前記圧力室に
負圧を作用するように切換わる温度切換弁を設け
て成るものがある。

しかして、このチヨーク弁開閉装置は、内燃機
関の低温始動に際してはチヨーク弁を手動によつ
てその開弁用ばねに抗して閉じることによつて内
燃機関の低温始動を行い、内燃機関が暖まると、
温度切換弁がアクチエータにおける圧力室にスロ
ツトル弁より下流側における負圧が作用するよう
に切換わり、この負圧によつてアクチエータにお
けるロツドが後退動し、これに追従してチヨーク
弁がその開弁用ばねにて自動的に開くように作動
するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そして、前記した形式のチヨーク弁開閉装置
は、チヨーク弁の開閉を内燃機関の温度に関連し
て自動的に行うようにしたいわゆるオートチヨー
ク開閉装置に比べて、構造が簡単で安価である利
点を有する反面、チヨーク弁の閉は、常に手動操
作によつて行うもので、換言するとチヨーク弁
は、手動操作によつて閉じない限り常に開いた
まゝの状態にあるから、内燃機関の温度が低い状
態での始動に際してチヨーク弁を閉め忘れた場合
に、始動ができなかつたり、低温始動の直後にお
いてエンジンストールが発生することになり、特
に、低温始動の直後におけるエンジンストールの
発生は、自動変速機を備えた車両において頻繁に
発生するのであつた。

本考案は、前記した形式のチヨーク弁開閉装置
において、チヨーク弁の閉め忘れによる始動の不
能、エンジンストールの発生を防止することを目
的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、手動によ
つて開閉操作され、且つ、常時開方向に付勢する
閉弁用ばねを備えたチヨーク弁における弁軸にカ
ム板を固着し、該カム板に、前記弁軸を中心とす
る円弧状の長溝孔を設ける一方、圧力作動式アク
チエータにおけるダイヤフラムに連結したロツド
を前記円弧状長溝孔に摺動自在に係合し、前記ア
クチエータにおける圧力室を、スロツトル弁より
下流側に、当該圧力室に負圧が作用するとロツド
がチヨーク弁を開く方向に後退動するように負圧
伝達通路を介して接続し、該負圧伝達通路に、内
燃機関の温度が低いとき前記圧力室を大気に連通
し、内燃機関の温度が高くなると前記圧力室に負
圧を作用するように切換わる温度切換弁を設けて
成るチヨーク弁の開閉装置において、前記カム板
における円弧状長溝孔の円周方向の長さを、チヨ
ーク弁の開閉角度に対応する円周長さよりも短い
値に設定する一方、前記アクチエータにそのロツ
ドを突出する方向に付勢するように設けた閉弁用
ばねのばね力を、前記チヨーク弁に対する開弁用
ばねのばね力よりも大きい値に設定した構成にし
たものである。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、内燃機関の低温始動に
際しては、アクチエータにおける圧力室が温度切
換弁により大気に連通し、該アクチエータにおけ
るロツドが、当該アクチエータに設けた閉弁用ば
ねにて突出動することになる。

この場合、閉弁用ばねにおけるばね力を、チヨ
ーク弁に対する開弁用ばねにおけるばね力よりも
大きい値に設定する一方、チヨーク弁の弁軸に固
着したカム板における円弧状長溝孔の円周方向の
長さを、チヨーク弁の開閉角度に対応する円周長
さより短い値に設定したことにより、チヨーク弁
は、前記アクチエータにおける開弁用ばねによる
ロツドの突出動にて、当該チヨーク弁における開
閉角度に対応する円周長さと、円弧状長溝孔の円
周長さとの差の分だけ閉じる方向に回動されて、
部分閉の状態に維持されることになり、そして、
内燃機関の温度が上昇して暖機運転が終わると、
温度切換弁の切換え作動によつてアクチエータに
おける圧力室に負圧が作用し、この負圧によつて
ロツドが前記閉弁用ばねに抗して後退動すること
により、チヨーク弁は、その開弁用ばねにて自動
的に開くのであり、また、内燃機関の低温始動に
際しては、前記アクチエータにおけるロツドは突
出した状態にあるから、チヨーク弁を手動操作に
よつて閉じることもできるのである。

従つて本考案によると、チヨーク弁を、低温始
動に際して手動操作によつて閉じ、暖機運転が終
わると自動的に開くことができるものでありなが
ら、内燃機関の低温始動に際してチヨーク弁を、
常に部分閉の状態に維持することができるから、
チヨーク弁の手動操作による閉め忘れによつて、
低温始動が不能になつたり、或いは、低温始動の
直後においてエンジンストールが発生することを
確実に防止できる効果を有する。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面について説明する
に、図において符号１は、上流側にチヨーク弁２
を、下流側にスロツトル弁３を各々備えた気化器
を示し、前記チヨーク弁２における弁軸４には、
従来から良く知られているように、チヨーク弁２
を手動操作にて開閉するためのチヨークノブ（図
示せず）が連結されていると共に、チヨーク弁２
を開方向に付勢するための開弁用ばね（図示せ
ず）が設けられている。

また、前記チヨーク弁２における弁軸４に固着
したカム板５には、弁軸４を中心とする円弧状の
長溝孔６が、前記チヨーク弁２における開閉角度
θ１より小さい角度θ２の範囲、つまり、チヨー
ク弁２における開閉角度θ１に対応する円周長さ
よりも短い円周長さの範囲に設けられている。

一方、図中符号７は、前記気化器１等に取付く
圧力作動式のアクチエータを示し、該アクチエー
タ７において圧力室８を区成するダイヤフラム９
に連結したロツド１０の先端を、前記カム板５に
おける円弧状長溝孔６に摺動自在に結合する一
方、圧力室８内には、ロツド１０を突出する方向
に付勢する閉弁用ばね１１を設けて、この閉弁用
ばね１１におけるばね力を、前記チヨーク弁２に
対する開弁用ばねにおけるばね力よりも大きい値
に設定する。

また、符号１２は、内燃機関１３における冷却
水ジヤケツト１４、潤滑油通路、シリンダブロツ
ク又はシリンダヘツド等に取付いて内燃機関１３
の温度に関連するワツクス型の温度切換弁を示
し、該温度切換弁１２は、三つのポート１５，１
６，１７を備え、内燃機関１３の温度が所定の温
度に暖まるまでは、ポート１５とポート１６とを
互いに連通しているが、内燃機関１３が所定の温
度に暖まるとポート１５とポート１６との連通が
遮断して、ポート１６とポート１７とが互いに連
通するように切換わるもので、その各ポート１
５，１６，１７のうちポート１５を大気に連通す
る大気ポートにする一方、ポート１６を負圧伝達
通路１８を介して前記アクチエータ７における圧
力室８に、ポート１７を負圧伝達通路１９を介し
て前記スロツトル弁３より下流における負圧ポー
ト２０に各々接続する。

なお、前記負圧伝達通路１９中には、負圧ポー
ト２０への方向にのみ開くようにした逆止弁２１
が設けられている。また、図中符号２２は、前記
スロツトル弁３に対する圧力作動式のダツシユポ
ツトを示し、該ダツシユポツト２２においてダイ
ヤフラム２３にて区成された圧力室２４には、前
記負圧伝達通路１８が接続されており、このダツ
シユポツト２２は、その圧力室２４に負圧が作用
しな状態ではばね２５により、スロツトル弁３を
少し開いた状態に保持して所謂アイドルアツプを
行うが、圧力室２４に負圧が作用すると前記のア
イドルアツプを解除するものである。

この構成において、内燃機関の低温始動に際し
て温度切換弁１２は、大気ポート１５とポート１
６とを連通する状態にあつて、アクチエータ７に
おける圧力室８が大気に連通しているから、該ア
クチエータ７におけるロツド８が、当該アクチエ
ータ７に設けた閉弁用ばね１１にて突出動するこ
とになる。

この場合、閉弁用ばね１１におけるばね力を、
チヨーク弁２に対する開弁用ばねにおけるばね力
よりも大きい値に設定する一方、チヨーク弁２の
弁軸４に固着したカム板５における円弧状長溝孔
６の円周方向の長さを、チヨーク弁２の開閉角度
θ１に対応する円周長さより短い値に設定したこ
とにより、チヨーク弁２は、第２図に示すように
前記アクチエータ７における開弁用ばね１１によ
るロツド１０の突出動にて、当該チヨーク弁２に
おける開閉角度θ１に対応する円周長さと、円弧
状長溝孔６の円周長さとの差の分だけ、つまりθ
１−θ２の角度だけ閉じる方向に回動されて、部
分閉の状態に維持されることになる。

そして、内燃機関１３の温度が上昇して暖機運
転が終わると、温度切換弁１２がポート１６とポ
ート１７とを連通するように切換わり、アクチエ
ータ７における圧力室１１には、スロツトル弁３
より下流側の負圧が作用し、この負圧によつてロ
ツド１０が前記閉弁用ばね１１に抗して後退動す
ることにより、チヨーク弁２は、第３図に示すよ
うにその開弁用ばねにて自動的に開くのである。

また、内燃機関の低温始動に際しては、前記ア
クチエータ７におけるロツド１０は突出した状態
にあるから、チヨーク弁２を手動操作によつて閉
じることもできるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は一部切
欠正面図、第２図及び第３図は作用状態を示す図
である。 １……気化器、２……チヨーク弁、３…スロツ
トル弁、４……チヨーク弁の弁軸、５……カム
板、６……円弧状長溝孔、７……アクチエータ、
８……圧力室、９……ダイヤフラム、１０……ロ
ツド、１１……閉弁用ばね、１２……温度切換
弁、１８，１９……負圧伝達通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手動によつて開閉操作され、且つ、常時開方向
   に付勢する閉弁用ばねを備えたチヨーク弁におけ
   る弁軸にカム板を固着し、該カム板に、前記弁軸
   を中心とする円弧状の長溝孔を設ける一方、圧力
   作動式アクチエータにおけるダイヤフラムに連結
   したロツドを前記円弧状長溝孔に摺動自在に係合
   し、前記アクチエータにおける圧力室を、スロツ
   トル弁より下流側に、当該圧力室に負圧が作用す
   るとロツドがチヨーク弁を開く方向に後退動する
   ように負圧伝達通路を介して接続し、該負圧伝達
   通路に、内燃機関の温度が低いとき前記圧力室を
   大気に連通し、内燃機関の温度が高くなると前記
   圧力室に負圧を作用するように切換わる温度切換
   弁を設けて成るチヨーク弁の開閉装置において、
   前記カム板における円弧状長溝孔の円周方向の長
   さを、チヨーク弁の開閉角度に対応する円周長さ
   よりも短い値に設定する一方、前記アクチエータ
   にそのロツドを突出する方向に付勢するように設
   けた閉弁用ばねのばね力を、前記チヨーク弁に対
   する開弁用ばねのばね力よりも大きい値に設定し
   たことを特徴とするチヨーク弁の開閉装置。