JPH0452398B2

JPH0452398B2 -

Info

Publication number: JPH0452398B2
Application number: JP59023202A
Authority: JP
Inventors: Takao Yoshimura
Original assignee: Matsushita Refrigeration Co
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1984-02-09
Filing date: 1984-02-09
Publication date: 1992-08-21
Also published as: JPS60166779A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、冷凍サイクル等に使用するスクロー
ル型圧縮機に関し、特に旋回運動を行なうスクロ
ールのスラスト支持装置及び傾き防止に係わる。

従来例の構成とその問題点従来の構成を第１図，第２図にて説明する。１
は密閉ケーシング、２は電動機部であり、その上
部にはブロツク３、固定スクロール４、旋回スク
ロール５、自転防止機構６にて構成される機械部
本体７が固定されている。固定スクロール４は、
鏡板４ａ及び鏡板４ａに直立するインボリユート
又はインボリユートに類似した曲線にて形成さ
れ、一様な厚さと高さを有するラツプ４ｂより構
成され、鏡板４ａにてブロツク３に固定されてい
る。又、旋回スクロール５は鏡板５ａ及び鏡板５
ａに直立し、固定スクロール４のラツプ４ｂと同
じ曲線を有するラツプ５ｂより構成され、鏡板５
ａは、固定スクロール４の鏡板４ａとブロツク３
に僅かなクリアランスを設けてはさみ込み支持さ
れ、かつ自転防止機構６により拘束されている。
そして、固定スクロール４と旋回スクロール５
は、各ラツプ４ｂ，５ｂの巻き終り端４b′，５
b′をある角度ずらした状態で合わされている。

８は吐出孔、９は吸入孔であり、吐出孔８は固
定スクロール４のインボリユートの中心部に、又
吸入孔９は固定スクロール４のインボリユートの
鏡板４ａの外縁部に設けられている。１０は、旋
回スクロール５に、そのラツプ５ｂと反対側の面
に設けられた突起部であり、ラツプ５ｂのインボ
リユートの中心と同心である。１１はブロツク３
に支承されたシヤフトであり、機械部本体７個の
端部に設けられシヤフト中心より偏心したボス部
１１ａに旋回スクロール５の突起１０を収納する
ことにより電動機部２と旋回スクロール５を連結
している。１２は旋回スクロール５の背面に形成
された背圧室であり、旋回スクロール５のラツプ
５ｂ側とは鏡板５ａ，４ａによりシールされ、固
定スクロール５と旋回スクロール４により形成さ
れる圧縮空間１３と旋回スクロール４に設けた連
絡孔４ａ，１４ｂを介して連通している。１５は
吸入孔９と連通する吸入管、１６は吐出管であ
る。

次にスクロール圧縮機の圧縮機構について説明
する。電動機部２の回転に伴うシヤフト１１の回
転運動は、ボス部１１ａ、突起部１０介して旋回
スクロール５に伝達されるが、自転防止機構６の
作用により旋回スクロール５は自転することなく
固定スクロール４のインボリユートの中心を旋回
中心として旋回運動する。このとき、旋回スクロ
ール５のラツプ５ｂの巻き終り端５b′が固定スク
ロール４のラツプ４ｂに、固定スクロール４のラ
ツプ４ｂの巻き終り端４b′が旋回スクロール５の
ラツプ５ｂに各々接触している状態が吸入完了で
あり、旋回スクロール５の公転運動に伴いラツプ
４ｂとラツプ５ｂ同士の２つの接触点がインボリ
ユートの中心に近づくに従い圧縮空間１３の圧力
が上昇する。

このスクロール圧縮機の圧縮機構により、吸入
管１５より吸入孔９を介して吸入された冷媒は圧
縮され吐出孔８を介して一旦密閉ケーシング１内
に吐出された後、吐出管１６を介して冷却システ
ム（図示せず）に吐出される。このとき、圧縮空
間１３の圧力の上昇に伴い、固定スクロール４と
旋回スクロール５間には軸方向に引き離そうとす
るスラスト力が生じる。固定及び旋回スクロール
４，５がこのスラス力により引き離された場合に
は、ラツプ４ｂと５ｂの各鏡板４ａ，５ｂと接す
る軸方向端面のシールが不完全になり漏れが増大
し効率の低下をきたす為、従来旋回スクロール５
の背面の背圧室１２に、圧縮行程中で吐出圧力に
達していない中間圧を連絡孔１４ａ，１４ｂを介
して導入し、旋回スクロール５に対して圧縮ガス
によるスラスト力以上の押付け力を与えていた。
しかし、この方式では中間圧力が吸入圧力により
決定され、従て圧縮比の高い条件、即ち吸入圧力
に対して吐出圧力の高い条件では中間圧による押
付け力がスラスト力以下となり、旋回スクロール
５のラツプ５ｂの軸方向端面が固定スクロール４
の鏡板４ａより離れ圧縮ガスが漏れ、効率が低下
する問題があつた。

上記従来例以外にも、旋回スクロール５の背面
の全面に高圧圧力を導入し圧縮によるスラスト力
を保持する方法も考えられるが高圧圧力ではシー
ルの点では問題はないが、逆に押付力が大き過ぎ
機械損失が増加し効率が低下する等の問題があ
る。又、旋回スクロール５の中央部のボス部１１
ａにだけ高圧圧力を導入しスラスト力を保持する
方法も考えられるが、スラスト力が点対称でない
為に生じる鏡板を傾かせる方向に作用する力に対
しては、鏡板の外周を低圧圧力で保持する方式で
は効果が薄く、圧縮ガスが漏れ効率が低下する問
題があつた。

発明の目的本発明は上記従来例の欠点も解消するもので、
どのような運転条件でも低圧圧力に応動する適切
な背圧でもつて旋回スクロールに作用するスラス
ト力の支持に旋回スクロールの傾きを防止するも
のである。

発明の構成本発明は、旋回スクロール、あるいはブロツク
に突出部を配置して、旋回スクロールの外周部を
ブロツク上に支持した上に、突出部に一端を開口
し他端を高圧部に開口する連通路を設けると共
に、旋回スクロールの背面に低圧圧力を導入する
ことにより、旋回スクロールに対するスラスト力
を保持し、さらにその傾きをなくすものである。

実施例の説明以下本発明の一実施例を第３図，第４図を用い
て説明する。

尚、従来例と同一部分は同一符号を付し詳細な
説明を省略する。

１７，１８はそれぞれ固定スクロール、旋回ス
クロールであり、鏡板１７ａ，１８ａに直立した
従来と同形状のラツプ１７ｂ，１８ｂを有する。
また、旋回スクロール１８の鏡板１８ａは、固定
スクロール１７の鏡板１７ａとは接触しない大き
さに設定している。１９はボス部１１ａを中心に
ブロツク３の外周部に設けられた複数の円形状の
突出部であり、旋回スクロール１８の鏡板１８ａ
を支持する。そして、この突出部１９の旋回スク
ロール１８との接触面の総面積Ａは、旋回スクロ
ール１８の背面１８ｃの全面積Ｂ、冷媒の吸入圧
力Ps、吐出圧力Pd、固定スクロール１７に対す
対する旋回スクロール１８の適正押付力Ｆとした
場合、Ｆ＝Pd×Ａ＋Ps×（Ｂ−Ａ）となる様に設定されている。また２０ａ，２０ｂ
はそれぞれ固定スクロール１７及びブロツク３に
設けられた上連通路及び下連通路であり、それぞ
れ連通すると共に、下連通路２０ｂは他端を各突
出部１９と旋回スクロール１８の接触面に常に開
口し、上連通路２０ａは他端を密閉ケーシング１
内の固定スクロール１７の上面側の室１ａに開口
する。２１は旋回スクロール１８の背圧室であり
吸入孔９と連通することにより低圧圧力に保持さ
れる。

上記構成において、電動機部２の回転により機
械部本体７が動作し、従来と同様に吸入孔９を介
して吸入された冷媒ガスは、圧縮空間１３にて圧
縮され、密閉ケーシング１内の室１ａに吐出され
た後、吐出管１６より冷却システム（図示せず）
に吐出される。そして、このとき吐出ガスに含ま
れる潤滑油は分離され固定スクロール１７の上面
に溜る。この潤滑油は、上連通路２０ａ、下連通
路２０ｂを介して突出部１９と旋回スクロール１
８の接触面背面１８ｃに供給された後旋回スクロ
ール１８の背面１８ｃと突出部１９の僅かな隙間
を介して背圧室２１に流入する。従つて、旋回ス
クロール１８のラツプ１８ｂと反対側の鏡板１８
ａの背面１８ｃには、突出部１９の鏡板１８ａの
背面１８ｃを支持する端面にかかる潤滑油を介し
ての高圧圧力と突出部１９以外の背圧室２１の低
圧圧力が作用し、圧縮によるスラスト力を支持
し、鏡板１８ａの傾きを防止できる。また、運転
条件が変動した場合、突出部１９の支持端面にか
かる高圧圧力及び突出部１９以外の旋回スクロー
ル１８の背面１８ｃにかかる低圧圧力が運転条件
の変化に応動し、適正な押付力を得ることができ
る。

従つて、従来の如く中間圧力だけでスラスト力
を保持する場合に比べて、運転条件の変動に対す
る追従性が向上し、旋回スクロール１８のラツプ
１８ｂの軸方向端面のシールは常に完全なものと
なり、圧縮ガスが漏れることにより効率の低下が
防止できる。

また、ボス部１１ａにのみ高圧圧力を導入する
方式に比べ、高圧圧力にてスラスト力を保持する
突出部１９が、鏡板１８ａの外周部側を支持する
為、鏡板１８ａの傾きを防止する効果が大きい。

尚、本実施例においては、突出部１９と旋回ス
クロール１８は平面で接触しているが、第５図に
示す如く旋回スクロール１８に、ブロツク３の下
連通路２０ｂの開口に相対向して空間２２（凹部
ともいう）を設けてもよく、この空間２２により
高圧圧力による支持力が確実なものとなる。

また、突出部１９を旋回スクロール１８の背面
１８ｃに設けても同じ効果が得られると共に、下
連通路２０ｂは高圧部であればどこに一端を開口
しても同じ効果が得られることはいうまでもな
い。

発明の効果以上の説明から明らかな様に本発明は２つの互
いにかみ合うラツプを鏡板より直立させた固定及
び旋回スクロールと、この２つのスクロールのう
ち一方を固定するブロツクと、他方の旋回スクロ
ールの自転を防止し旋回運動を行なわせる自転防
止機構と、ブロツクあるいはブロツクに相対向す
る旋回スクロールのラツプ側と反対側の背面に形
成され、旋回スクロールの外周部をブロツク上に
支持する突出部と、この突出部に一端を開口し、
他端を高圧部に連通する連通路と、スクロールの
ラツプ側と反対の背面に形成され、吸入ガスを導
入する背圧室とを備えたものであるから、圧縮に
より旋回運動を行うスクロールに作用するスラス
ト力が突出部に作用する高圧圧力とスクロールの
ラツプと反対側の背面に作用する低圧圧力により
支持され、従つてどの様な運転条件においても低
圧圧力と高圧圧力に応動する適正な背圧によりス
ラスト力を保持できると共に鏡板の傾きを防止で
きることとなり、漏れが無く効率の低下を防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスクロール型圧縮機を示す縦断
面図、第２図は第１図−′線における断面図、
第３図は本発明の一実施例を示すスクロール型圧
縮機の縦断面図、第４図は第３図の−′線に
おける断面図、第５図は本発明の他の実施例を示
す突出部の拡大断面図である。３…ブロツク、６…自転防止機構、１７…固定
スクロール、１７ａ…固定スクロールの鏡板、１
７ｂ…固定スクロールのラツプ、１８…旋回スク
ロール、１８ａ…旋回スクロールの鏡板、１８ｂ
…旋回スクロールのラツプ、１９…突出部、２０
ａ，２０ｂ…連通路（下および上連通路）。

Claims

【特許請求の範囲】

１互いにかみ合うラツプをそれぞれ鏡板より直
立させた固定及び旋回スクロールと、この両スク
ロールのうち一方を固定するブロツクと、他方の
旋回スクロールの自転を防止し旋回運動を行なわ
せる自転防止機構と、前記ブロツクあるいはこの
ブロツクに相対向する旋回スクロールのラツプ側
と反対の背面に形成され、旋回スクロールの外周
部を前記ブロツク上に支持する突出部と、この突
出部に一端を開口し、他端を高圧部に開口する連
通路を、前記旋回スクロールのラツプ側と反対の
背面側に形成し、吸入ガスを導入する背圧室とを
備えたスクロール型圧縮機。