JPH0452266A - 高強度歯車の製造方法 - Google Patents
高強度歯車の製造方法Info
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- JPH0452266A JPH0452266A JP16374390A JP16374390A JPH0452266A JP H0452266 A JPH0452266 A JP H0452266A JP 16374390 A JP16374390 A JP 16374390A JP 16374390 A JP16374390 A JP 16374390A JP H0452266 A JPH0452266 A JP H0452266A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
この発明は、機械加工による歯形成形時の被削性に優れ
た高強度歯車を製造するのに利用される高強度歯車の製
造方法に関するものである。 (従来の技術) 従来の歯車の製造方法としては、例えば、JIS 5
Cr420Hなどの低合金肌焼鋼を用い、鍛造により歯
車粗材としたのち、機械加工により所定の歯車形状とし
、次いで浸炭焼入れ焼もどしを行って、歯車完成品とし
ていた。 また、高い疲労強度が必要なものについては、浸炭焼入
れ焼もどし後にショットピーニングを施していた。 低合金肌焼鋼に鉛(Pb)、いおう(S)等の快削元素
を適量添加した快削鋼が用いられることもあった。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの快削元素は、強度の低下を伴う
ため、比較的強度の低下が少ない鉛を0.05〜0.1
0重量%添加した鉛快削鋼が主流となっているが、この
鉛快削鋼は、浸炭焼入れ焼もどしの状態では、鉛非添加
鋼(以下、「ベース鋼」と略す、)と同等の疲労強度を
有するものの、シ、ットピーニングによる疲労強度向上
の効果が少ないという欠点があり、良好な被削性と高強
度とを両立させる有効な手段がないという課題があった
。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、機械加工による歯形成形時の被削性に優れて
いると共に、浸炭焼入れ焼もどし後のショットピーニン
グによる疲労強度向上の効果が大きく、被削性と高疲労
強度とを両立させた歯車を製造することが可能である高
強度歯車の製造方法を提供することを目的としている。
た高強度歯車を製造するのに利用される高強度歯車の製
造方法に関するものである。 (従来の技術) 従来の歯車の製造方法としては、例えば、JIS 5
Cr420Hなどの低合金肌焼鋼を用い、鍛造により歯
車粗材としたのち、機械加工により所定の歯車形状とし
、次いで浸炭焼入れ焼もどしを行って、歯車完成品とし
ていた。 また、高い疲労強度が必要なものについては、浸炭焼入
れ焼もどし後にショットピーニングを施していた。 低合金肌焼鋼に鉛(Pb)、いおう(S)等の快削元素
を適量添加した快削鋼が用いられることもあった。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの快削元素は、強度の低下を伴う
ため、比較的強度の低下が少ない鉛を0.05〜0.1
0重量%添加した鉛快削鋼が主流となっているが、この
鉛快削鋼は、浸炭焼入れ焼もどしの状態では、鉛非添加
鋼(以下、「ベース鋼」と略す、)と同等の疲労強度を
有するものの、シ、ットピーニングによる疲労強度向上
の効果が少ないという欠点があり、良好な被削性と高強
度とを両立させる有効な手段がないという課題があった
。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、機械加工による歯形成形時の被削性に優れて
いると共に、浸炭焼入れ焼もどし後のショットピーニン
グによる疲労強度向上の効果が大きく、被削性と高疲労
強度とを両立させた歯車を製造することが可能である高
強度歯車の製造方法を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段)
この発明に係わる高強度歯車の製造方法は、重量%で、
C:O,lO〜0.30%、Si:1.00%以下、M
n : 2 、50%以下、Cr:2.00%以下、
Mo:2.00%以下、Ni:3.00%以下、S
:0.050%以下、O:0.002%以下、B:0.
0040〜0.0200%、N:0.0050〜0.0
200%、必要に応じてA交:0.001〜0.100
%、残部:実質的にFeから成り、かつBとNとの間で
は重量比で0.5≦B/N≦4.0の関係を満足してい
るBN含有快削鋼鋼材を鍛造後、歯車形状に機械加工を
行い、さらに浸炭焼入れ焼もどしを行った後、アークバ
イトで0.3〜1.2mmAのショットピーニングを行
う構成としており、実施態様においては、浸炭焼入れ焼
もどしによる有効硬化層深さが歯面のピッチ点上で0.
9mm以上とすることにより、耐面圧強度をさらに向上
させる構成としたことを特徴としており、これらの高強
度歯車の製造方法を前述した従来のHWIを解決するた
めの手段としている。 次に、この発明に係わる高強度歯車の製造方法において
適用されるBN含有快削鋼鋼材の化学成分組成(重量%
)の限定理由について説明する。 C:0.10〜0.30% Cは焼入れ性および歯元硬度を向上させる働きのある重
要な元素であるため、0.10%以上が必要である。し
かし、0.30%を超えると歯元硬度が高くなりすぎて
靭性が低下するため、Cの範囲は0.10−0.30%
とした。 Si:1.00%以下 Siは鋼溶製時に脱酸のために必要な元素であり、かつ
また焼入れ性を高めるために添加するが、1.00%を
超えて添加すると靭性を低下させるため、Siの範囲は
i、oo%以下とした。 Mn:2.50%以下 Mnは有害なSと結合してMnSを作り、熱間脆化の防
止に寄与すると共に、焼入れ性を向上させるため、より
望ましくは0.3%以上含有させるが、2.50%を超
えて添加すると被削性を低下させるため、Mnの範囲は
2.50%以下、より望ましくは0.30〜2.50%
とするのがよい。 Ni:3.00%以下、Cr:2.00%以下、Mo:
2.00%以下 Ni、Cr、Moはいずれも焼入れ性を向上する元素で
あり、必要に応じて添加するのがよい、しかし、それぞ
れ3.0θ%、2.00%、2.00%を超えて添加す
ると被削性が大幅に低下するため、Niは3.00%以
下、Crは2.00%以下、Moは2.00%以下とす
る必要がある。 S :0.050%以下 SはM n Sとなって被削性向上に寄与するが、0.
050%を超えると強度が低下するため、Sの範囲は0
.050%以下とした。 B:0.0040〜0.0200%、N:0.0050
〜0.0200%、 B、Nは、潤滑性を有するBNとなって鋼中に析出する
ことにより、被剛性を高めるために有効な元素である。 このBNによって、機械的性質および熱間加工性を低下
させずに良好な被削性を得るためには、B、Nはそれぞ
れ0.0040%以上、0.0050%以上含有させる
ことが必要である。しかし、B、Nをともに0.020
0%を超えて含有させると、熱間加工性や鋼の鋳造性を
悪化させるので好ましくない、さらに、このB。 NKついては、両者の含有比B/Nを0.5≦B/N≦
4.0の関係を満足させることが必要である。この理由
は、B/N比が0.5より小さい場合は鋼の熱間加工性
が低下し、4.0より大きい場合は被削性の低下を生じ
るからである。 Q:0.002%以下 0は前述したように、Bと結合してB2O3を形成する
ことにより、被削性の向上に寄与するBNの形成を阻害
するため、0の含宥量は0.002%以下とする必要が
ある。 A交:0.001〜O,100% AfLは脱酸剤として有効であると同時に、必須元素で
あるBがB2O3を形成して無効となることを防止する
のに有効な元素であるので、必要に応じてo、ooi%
以上含有させることもよい。 しかし、0.100%を超えると地きず発生の原因とな
るため、含有させるとしても0.001〜0.100%
とするのがよい。 この発明に係わる高強度歯車の製造方法は、上記化学組
成になるBN含有快削鋼鋼材を素材としてこれを鍛造し
たのち、歯車形状に機械加工を行い、さらに常法等によ
り浸炭焼入れ焼もどしを行ったのちショットピーニング
を行うようにしているが、次に、前記ショットピーニン
グおよび前記浸炭焼入れ焼もどしによる有効硬化層深さ
について説明する。 ショットピーニング:アークハイト0.3〜1 、
2mmA 前述のように、従来の快削鋼ではショットピーニングの
効果が少なく、そのため−船釣には、快削鋼を用いた歯
車においては、ショットピーニングは行われていなかっ
た。しかし、BN含有快削鋼を用いた歯車においては、
ベース歯並の効果が期待できることから、この発明にお
いてはショットピーニングを行うこととした。この場合
、ショットピーニングによるアークハイトは0.3m
m A未満では疲労強度向上の効果がほとんどなく、1
.2mmA超過では面粗度が極端に低下するため、ショ
ットピーニングのアークハイトは0.3〜1.2mmA
とした。 有効硬化層深さ:0.9mm以上 ショットピーニングにより歯元の疲労強度は向上するが
、ケースクラッシュ等の歯面疲労については、ショット
ピーニングだけでは不十分である。この場合、ピッチ点
上の有効硬化層深さを0.9mm以上とすることにより
、歯面疲労強度を向上させることが可能であるので、浸
炭焼入れ焼もどしによる有効硬化層深さが歯面のピッチ
点上で0.9mm以上とすることがより望ましい。 (発明の作用) この発明に係わる高強度歯車の製造方法は、上記した構
成を有し、鋼素材中にB、Nが潤滑性を有するBN化合
物となって鋼中に析出することにより被削性が向上した
ものになっているので、機械加工による歯形成形時の被
削性に優れたものになっていると共に、浸炭焼入れ焼も
どし後のショットピーニングによる疲労強度向上の効果
が大きく、被削性と高強度とを両立させた高疲労強度の
歯車が製造されるようになる。 (実施例) この発明では、第1表に示すように基本的にクロム鋼の
化学成分を有するBおよびPbを含まないベース鋼(記
号X)と、従来の快削鋼であるPbを含む鉛快削鋼(記
号Y)と、Bを含みかつPbを含まないBN快削鋼(記
号Z)を各々素材とする各歯車について、ホブ切りによ
る被削性試験および疲労強度の比較を行った・ このときの被削性試験条件を第2表に示す。 第1図にBN含有快削鋼を含む3鋼種(記号X、Y、Z
)のホブ切りによる被削性試験の結果を示す。 第1図に示した結果より、BN含有快削鋼は鉛快削鋼と
同等の工具寿命を有し、いずれもベース鋼に比べ優れて
いることがわかる。 第2図にBN含有快削鋼を用いた本発明例の歯車ならび
にベース鋼および鉛快削鋼を用いた従来の歯車の動力循
環式歯車疲労試験機による疲労試験結果を示す。 また、第3表および第3図に疲労試験に用いた歯車の諸
元および形状を示す。 第3図(a)は小歯車1の形状を示すもので、dl =
64.5mm、d2 =50mm、t1 =10mmの
寸法を有する。また、第3図(b)は大歯車2の形状を
示すもので、d3=78.3mm、d4 =50mm、
t2 =15mm(7)寸法を有するものである。これ
らの歯車1.2はいずれも1200℃で熱間鍛造を行っ
た第1表に示す化学成分の粗材を機械加工により歯車形
状とした後、900℃で3時間の浸炭焼入れを行い、1
70℃で約90分間の焼もどしを行ったものである。そ
して、一部についてはさらに、遠心投射式ショットピー
ニング装置により、直径0.8mm、硬さHRC52〜
55のショットを用い、アークハイトがアルメンスリッ
プAで0.5mmとなるように、シ1ットビーニング処
理を行っている。 jPiZ図に示す結果より明らかなように、本発明によ
る歯車(記号Z+シ、ットピーニング)の疲労強度は、
従来の鉛快削鋼製歯車(記号Y+シ璽ットビーニング)
よりも大幅に優れており、ベース鋼製歯車(記号X+シ
ョットピーニング)と同等以上であることがわかる。す
なわち、本発明者らは、BN含有快削鋼を用いた浸炭歯
車は。 ショットピーニングの効果がベース鋼製歯車と同等以上
であることを発見したものである。そして、アークハイ
)0.7mmA以上の強力なショットピーニングを行っ
た場合、面粗度が低下することがあるため、必要なもの
についてはショットピーニング後にハードフィニツシユ
等の歯面研磨を行うが、本発明による歯車は、この場合
においても良好な切削性能を有しているため、砥石の寿
命向上も図れる。 第4図にFF車(前置エンジン前輪駆動車)用トランス
アクスルのファイナルギアセットにおけるモーターダイ
ナモによる実機耐久試験結果を示す、この結果は有効硬
化層深さと歯面疲労強度との関係を示したものであり、
破損形態はいずれもケースクラッシュであった。 ここで使用した歯車素材はいずれもBN含有快削鋼であ
り、アークハイト0.7mmAのシ、ットピーニングを
行っている。ただし、浸炭時間をコントロールすること
により、Hv550を基準硬さとした有効硬化層深さ0
.7mmおよび0.9mmとしている。 第4図に示した結果より明らかなように、有効硬化層深
さを0.9mm以上とすることにより、歯面疲労強度が
大幅に向上することがわかる。
C:O,lO〜0.30%、Si:1.00%以下、M
n : 2 、50%以下、Cr:2.00%以下、
Mo:2.00%以下、Ni:3.00%以下、S
:0.050%以下、O:0.002%以下、B:0.
0040〜0.0200%、N:0.0050〜0.0
200%、必要に応じてA交:0.001〜0.100
%、残部:実質的にFeから成り、かつBとNとの間で
は重量比で0.5≦B/N≦4.0の関係を満足してい
るBN含有快削鋼鋼材を鍛造後、歯車形状に機械加工を
行い、さらに浸炭焼入れ焼もどしを行った後、アークバ
イトで0.3〜1.2mmAのショットピーニングを行
う構成としており、実施態様においては、浸炭焼入れ焼
もどしによる有効硬化層深さが歯面のピッチ点上で0.
9mm以上とすることにより、耐面圧強度をさらに向上
させる構成としたことを特徴としており、これらの高強
度歯車の製造方法を前述した従来のHWIを解決するた
めの手段としている。 次に、この発明に係わる高強度歯車の製造方法において
適用されるBN含有快削鋼鋼材の化学成分組成(重量%
)の限定理由について説明する。 C:0.10〜0.30% Cは焼入れ性および歯元硬度を向上させる働きのある重
要な元素であるため、0.10%以上が必要である。し
かし、0.30%を超えると歯元硬度が高くなりすぎて
靭性が低下するため、Cの範囲は0.10−0.30%
とした。 Si:1.00%以下 Siは鋼溶製時に脱酸のために必要な元素であり、かつ
また焼入れ性を高めるために添加するが、1.00%を
超えて添加すると靭性を低下させるため、Siの範囲は
i、oo%以下とした。 Mn:2.50%以下 Mnは有害なSと結合してMnSを作り、熱間脆化の防
止に寄与すると共に、焼入れ性を向上させるため、より
望ましくは0.3%以上含有させるが、2.50%を超
えて添加すると被削性を低下させるため、Mnの範囲は
2.50%以下、より望ましくは0.30〜2.50%
とするのがよい。 Ni:3.00%以下、Cr:2.00%以下、Mo:
2.00%以下 Ni、Cr、Moはいずれも焼入れ性を向上する元素で
あり、必要に応じて添加するのがよい、しかし、それぞ
れ3.0θ%、2.00%、2.00%を超えて添加す
ると被削性が大幅に低下するため、Niは3.00%以
下、Crは2.00%以下、Moは2.00%以下とす
る必要がある。 S :0.050%以下 SはM n Sとなって被削性向上に寄与するが、0.
050%を超えると強度が低下するため、Sの範囲は0
.050%以下とした。 B:0.0040〜0.0200%、N:0.0050
〜0.0200%、 B、Nは、潤滑性を有するBNとなって鋼中に析出する
ことにより、被剛性を高めるために有効な元素である。 このBNによって、機械的性質および熱間加工性を低下
させずに良好な被削性を得るためには、B、Nはそれぞ
れ0.0040%以上、0.0050%以上含有させる
ことが必要である。しかし、B、Nをともに0.020
0%を超えて含有させると、熱間加工性や鋼の鋳造性を
悪化させるので好ましくない、さらに、このB。 NKついては、両者の含有比B/Nを0.5≦B/N≦
4.0の関係を満足させることが必要である。この理由
は、B/N比が0.5より小さい場合は鋼の熱間加工性
が低下し、4.0より大きい場合は被削性の低下を生じ
るからである。 Q:0.002%以下 0は前述したように、Bと結合してB2O3を形成する
ことにより、被削性の向上に寄与するBNの形成を阻害
するため、0の含宥量は0.002%以下とする必要が
ある。 A交:0.001〜O,100% AfLは脱酸剤として有効であると同時に、必須元素で
あるBがB2O3を形成して無効となることを防止する
のに有効な元素であるので、必要に応じてo、ooi%
以上含有させることもよい。 しかし、0.100%を超えると地きず発生の原因とな
るため、含有させるとしても0.001〜0.100%
とするのがよい。 この発明に係わる高強度歯車の製造方法は、上記化学組
成になるBN含有快削鋼鋼材を素材としてこれを鍛造し
たのち、歯車形状に機械加工を行い、さらに常法等によ
り浸炭焼入れ焼もどしを行ったのちショットピーニング
を行うようにしているが、次に、前記ショットピーニン
グおよび前記浸炭焼入れ焼もどしによる有効硬化層深さ
について説明する。 ショットピーニング:アークハイト0.3〜1 、
2mmA 前述のように、従来の快削鋼ではショットピーニングの
効果が少なく、そのため−船釣には、快削鋼を用いた歯
車においては、ショットピーニングは行われていなかっ
た。しかし、BN含有快削鋼を用いた歯車においては、
ベース歯並の効果が期待できることから、この発明にお
いてはショットピーニングを行うこととした。この場合
、ショットピーニングによるアークハイトは0.3m
m A未満では疲労強度向上の効果がほとんどなく、1
.2mmA超過では面粗度が極端に低下するため、ショ
ットピーニングのアークハイトは0.3〜1.2mmA
とした。 有効硬化層深さ:0.9mm以上 ショットピーニングにより歯元の疲労強度は向上するが
、ケースクラッシュ等の歯面疲労については、ショット
ピーニングだけでは不十分である。この場合、ピッチ点
上の有効硬化層深さを0.9mm以上とすることにより
、歯面疲労強度を向上させることが可能であるので、浸
炭焼入れ焼もどしによる有効硬化層深さが歯面のピッチ
点上で0.9mm以上とすることがより望ましい。 (発明の作用) この発明に係わる高強度歯車の製造方法は、上記した構
成を有し、鋼素材中にB、Nが潤滑性を有するBN化合
物となって鋼中に析出することにより被削性が向上した
ものになっているので、機械加工による歯形成形時の被
削性に優れたものになっていると共に、浸炭焼入れ焼も
どし後のショットピーニングによる疲労強度向上の効果
が大きく、被削性と高強度とを両立させた高疲労強度の
歯車が製造されるようになる。 (実施例) この発明では、第1表に示すように基本的にクロム鋼の
化学成分を有するBおよびPbを含まないベース鋼(記
号X)と、従来の快削鋼であるPbを含む鉛快削鋼(記
号Y)と、Bを含みかつPbを含まないBN快削鋼(記
号Z)を各々素材とする各歯車について、ホブ切りによ
る被削性試験および疲労強度の比較を行った・ このときの被削性試験条件を第2表に示す。 第1図にBN含有快削鋼を含む3鋼種(記号X、Y、Z
)のホブ切りによる被削性試験の結果を示す。 第1図に示した結果より、BN含有快削鋼は鉛快削鋼と
同等の工具寿命を有し、いずれもベース鋼に比べ優れて
いることがわかる。 第2図にBN含有快削鋼を用いた本発明例の歯車ならび
にベース鋼および鉛快削鋼を用いた従来の歯車の動力循
環式歯車疲労試験機による疲労試験結果を示す。 また、第3表および第3図に疲労試験に用いた歯車の諸
元および形状を示す。 第3図(a)は小歯車1の形状を示すもので、dl =
64.5mm、d2 =50mm、t1 =10mmの
寸法を有する。また、第3図(b)は大歯車2の形状を
示すもので、d3=78.3mm、d4 =50mm、
t2 =15mm(7)寸法を有するものである。これ
らの歯車1.2はいずれも1200℃で熱間鍛造を行っ
た第1表に示す化学成分の粗材を機械加工により歯車形
状とした後、900℃で3時間の浸炭焼入れを行い、1
70℃で約90分間の焼もどしを行ったものである。そ
して、一部についてはさらに、遠心投射式ショットピー
ニング装置により、直径0.8mm、硬さHRC52〜
55のショットを用い、アークハイトがアルメンスリッ
プAで0.5mmとなるように、シ1ットビーニング処
理を行っている。 jPiZ図に示す結果より明らかなように、本発明によ
る歯車(記号Z+シ、ットピーニング)の疲労強度は、
従来の鉛快削鋼製歯車(記号Y+シ璽ットビーニング)
よりも大幅に優れており、ベース鋼製歯車(記号X+シ
ョットピーニング)と同等以上であることがわかる。す
なわち、本発明者らは、BN含有快削鋼を用いた浸炭歯
車は。 ショットピーニングの効果がベース鋼製歯車と同等以上
であることを発見したものである。そして、アークハイ
)0.7mmA以上の強力なショットピーニングを行っ
た場合、面粗度が低下することがあるため、必要なもの
についてはショットピーニング後にハードフィニツシユ
等の歯面研磨を行うが、本発明による歯車は、この場合
においても良好な切削性能を有しているため、砥石の寿
命向上も図れる。 第4図にFF車(前置エンジン前輪駆動車)用トランス
アクスルのファイナルギアセットにおけるモーターダイ
ナモによる実機耐久試験結果を示す、この結果は有効硬
化層深さと歯面疲労強度との関係を示したものであり、
破損形態はいずれもケースクラッシュであった。 ここで使用した歯車素材はいずれもBN含有快削鋼であ
り、アークハイト0.7mmAのシ、ットピーニングを
行っている。ただし、浸炭時間をコントロールすること
により、Hv550を基準硬さとした有効硬化層深さ0
.7mmおよび0.9mmとしている。 第4図に示した結果より明らかなように、有効硬化層深
さを0.9mm以上とすることにより、歯面疲労強度が
大幅に向上することがわかる。
この発明に係わる高強度歯車の製造方法では、B:0.
0040〜0.0200%、N:0.0050〜0.0
200%を含むBN含有快削鋼を用いた鍛造粗材を機械
加工により歯車形状とし、浸炭焼入れ焼もどしを行った
後、アークノーイトで0.3〜1.2mmAのシ、ット
ピーニング処理を行う構成とし、より望ましくは浸炭焼
入れ焼もどしによる有効硬化層深さがピッチ点上で0.
9mm以上となるようにしたため、機械加工時の被削性
に優れていると共に、歯元の曲げ疲労強度が高い高強度
歯車を提供することが可能となり1機械加工時の被削性
と使用時の高疲労強度とを両立させた高強度歯車を得る
ことができるという著しく優れた効果がもたらされる。
0040〜0.0200%、N:0.0050〜0.0
200%を含むBN含有快削鋼を用いた鍛造粗材を機械
加工により歯車形状とし、浸炭焼入れ焼もどしを行った
後、アークノーイトで0.3〜1.2mmAのシ、ット
ピーニング処理を行う構成とし、より望ましくは浸炭焼
入れ焼もどしによる有効硬化層深さがピッチ点上で0.
9mm以上となるようにしたため、機械加工時の被削性
に優れていると共に、歯元の曲げ疲労強度が高い高強度
歯車を提供することが可能となり1機械加工時の被削性
と使用時の高疲労強度とを両立させた高強度歯車を得る
ことができるという著しく優れた効果がもたらされる。
第1図はBN含有快削鋼を含む3鋼種のホブ切りによる
被剛性試験の評価結果を示すグラフ、第2図はBN含有
快削鋼を含む3鋼種からなる各歯車の疲労試験結果を示
すグラフ、第3図(a)(b)は第2図の疲労試験に供
した歯車の形状を示す部分縦断面説明図、第4図は有効
硬化層深さと歯面疲労強度(耐久寿命比)との関係を調
べた結果を示すグラフである。 第4図 特許出願人 日産自動車株式会社
被剛性試験の評価結果を示すグラフ、第2図はBN含有
快削鋼を含む3鋼種からなる各歯車の疲労試験結果を示
すグラフ、第3図(a)(b)は第2図の疲労試験に供
した歯車の形状を示す部分縦断面説明図、第4図は有効
硬化層深さと歯面疲労強度(耐久寿命比)との関係を調
べた結果を示すグラフである。 第4図 特許出願人 日産自動車株式会社
Claims (1)
- (1)重量%で、 C:0.10〜0.30%、 Si:1.00%以下、 Mn;2.50%以下、 Cr:2.00%以下、 Mo:2.00%以下、 Ni:3.00%以下、 S:0.050%以下、 O:0.002%以下、 B:0.0040〜0.0200%、 N:0.0050〜0.0200%、 残部:実質的にFe から成り、かつBとNとの間では重量比で 0.5≦B/N≦4.0 の関係を満足しているBN含有快削鋼鋼材を鍛造後,歯
車形状に機械加工を行い、さらに浸炭焼入れ焼もどしを
行った後、アークハイトで0.3〜1.2mmAのショ
ットピーニングを行うことを特徴とする高強度歯車の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16374390A JP2946653B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | 高強度歯車の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16374390A JP2946653B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | 高強度歯車の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0452266A true JPH0452266A (ja) | 1992-02-20 |
JP2946653B2 JP2946653B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=15779838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16374390A Expired - Fee Related JP2946653B2 (ja) | 1990-06-21 | 1990-06-21 | 高強度歯車の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2946653B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006159339A (ja) * | 2004-12-06 | 2006-06-22 | Kanazawa Univ | 鋼の切削方法及び切削装置 |
CN110184522A (zh) * | 2019-05-31 | 2019-08-30 | 邯郸钢铁集团有限责任公司 | 一种生产风电齿轮用含硫齿轮钢的方法 |
-
1990
- 1990-06-21 JP JP16374390A patent/JP2946653B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006159339A (ja) * | 2004-12-06 | 2006-06-22 | Kanazawa Univ | 鋼の切削方法及び切削装置 |
JP4552010B2 (ja) * | 2004-12-06 | 2010-09-29 | 国立大学法人金沢大学 | 鋼の切削方法及び切削装置 |
CN110184522A (zh) * | 2019-05-31 | 2019-08-30 | 邯郸钢铁集团有限责任公司 | 一种生产风电齿轮用含硫齿轮钢的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2946653B2 (ja) | 1999-09-06 |
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