JPH0452080Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は刻印金属光沢模様素材に関する。さら
に詳細には、一種又は二種以上の美麗な凹陥型の
輝面部が形成されている刻印金属模様光沢模様素
材に関する。

（従来の技術） 従来、たとえば化粧品容器等のキヤツプで金属
光輝性を有するものとしては、直接金冠を被せた
もの、或いは金冠を被せる代わりに金属蒸着箔を
転写したものや、場合によつては線状の金属蒸着
箔を転写したもの、さらに予め腐食加工により模
様を付けた金冠や、腐食加工の模様状に金属蒸着
箔で転写したもの、また、蝕刻加工を施した版を
用いて転写したもの他、金属の真空蒸着や化学鍍
金等によるものがある。

（考案が解決しようとする課題） これらの金属光輝性を有するキヤツプでは、金
冠を被せたものでは金属本来の華麗、美観がみら
れるが、工程の煩雑さ、コスト面などで幾多の欠
点があり、金冠の代わりに金属蒸着箔を用いる場
合、コストが安い利点があつても、金属蒸着箔に
よる光輝性模様が付された範囲に止まり、金属光
輝模様本来の豪華さ、重厚さに欠ける。また、従
来の蝕刻版を用いたものは彫りが一定であるため
変化に乏しい。

本考案者はこれら従来の欠点にかんがみ本考案
に到達した。本考案は、プラスチツクス等の成形
素材からなる基材の表面に、所望の模様、図柄等
を穿設可能な押刻具によりホツトスタンプ箔を押
圧転写して一種又は二種以上の陥没型の輝面部が
形成されていることを特徴とする刻印金属光沢模
様素材を提供することを目的とする。

（実施例） 以下、本考案の構成を図示実施例に基づいて説
明する。

第１図〜第３図において、プラスチツクス素材
よりなる基材２の表面には、一種又は二種以上の
異なつた陥没状の刻印部３および３′にホツトス
タンプ箔が押圧転写された輝面部を有する金属光
沢模様１が形成せしめられている。上記刻印部３
および３′の陥没状の凹みではたとえば凹状部の
類型に属するものであつても、その凹部の底部分
が凸凹状の構成となつているもの等が形成されて
いる。４はホツトスタンプ箔の接着剤層、５は金
属蒸着層、６はトツプコート層である。

図中、基材２の表面に凹陥状に形成された刻印
部３および３′，３″は、一種の陥没状の刻印部３
のみからなる構成、或いは二種以上のそれぞれ刻
印部３および３′，３″の陥没状態の形状等の違つ
たものが形成され、その上面にホツトスタンプ箔
で転写された輝面層７，７′，７″の光輝性も著し
く相違した構成となつている。

本考案の刻印金属光沢模様素材は叙上の如き構
成であり、たとえば、AS樹脂の基材２からなる
成形素材の表面に、金属製刻印材を枠組した上に
シリコーンラバーを被覆するか、或いはロール形
態のシリコーンラバー材中に切断線条等の金属片
を埋め込んで押圧時に該金属片部分で刻印可能な
シリコーンロール、さらに外周に金属製チエーン
を装着、或いは金属製ネツト等を被せたシリコー
ンロール等の押刻具（図示しない）を用いて、適
宜加熱温度、時間、圧力で押圧転写して、ホツト
スタンプ箔の接着剤層４、金属蒸着層５及びトツ
プコート層６が接着剤層４を内側にして一体に接
着固定されているが、この場合前記シリコーンラ
バーの当接する部分では、ラバーの弾性機能が関
与して刻印効果が得られない非刻印部８が構成さ
れるのに対し、一方、金属製刻印材による露出押
圧部分では刻印効果が顕著であるため、両者の刻
印部３及び３′，３″の凹状の形態を均一又は不均
一の構成とすることが可能であり、さらにその表
面にホツトスタンプ箔により押圧転写が施され、
例えば種々の陥没状の底部形状の輝面層７，７′，
７″が形成された構成となつており、このような
輝面層７，７′，７″によつて光輝性が著しく異な
つた金属光沢模様を顕現しているものである。

なお、本考案の構成で刻印部の深さは500μ以
下程度が適当であり、好ましくは10〜300μ程度
である。刻印部が深いような場合、押圧が強すぎ
たり、温度が高すぎたり、或いは押圧時間が適当
でない場合、ホツトスタンプ箔がエツジで切断し
易く、蒸着箔の変化が生ずる他、基材が露出する
等の難点があり、押圧転写作業が円滑に行なわれ
難い。

本考案の構成は、コンパクト、キヤツプ等の化
粧品容器のほか、時計、或いは雑貨等の成形素材
からなるものであればいずれでもよい。

（考案の効果） 本考案の刻印金属光沢模様素材は、上記のよう
な構成からなり、成形素材等の基材の表面に形成
されている凹陥状の刻印部を一種又は二種以上の
違つた陥没形態の形状とされているものであるた
め、輝面層の光輝性はそれぞれ著しく異なり、金
属光沢模様の装飾効果を格段に向上せしめるもの
である。

また、シリコーンラバー等の弾性部材と金属製
刻印材との種々の組合わせにより、刻印された陥
没状部分の形状の異なつた組合わせを適宜採択
し、従来の凸状光輝模様とは違つた重厚な凹状光
輝模様であつて、装飾効果の高い金属光沢模様素
材を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の刻印金属光沢模様素材の模式
的拡大断面図、第２図は同じく一部平面図であ
る。 １……金属光沢模様、２……基材、３，３′，
３″……刻印部、４……接着剤層、５……金属蒸
着層、６……トツプコート層、７，７′，７″……
輝面層、８……非刻印部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクス等の成形素材からなる基材の表
   面に、所望の模様、図柄等を穿設可能な押刻具に
   よりホツトスタンプ箔を押圧転写して一種又は二
   種以上の陥没型の輝面部が形成されていることを
   特徴とする刻印金属光沢模様素材。