JPH0451799Y2

JPH0451799Y2 -

Info

Publication number: JPH0451799Y2
Application number: JP4791988U
Authority: JP
Priority date: 1988-04-08
Filing date: 1988-04-08
Publication date: 1992-12-07
Also published as: JPH01150949U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］この考案は、体腔内の汚液等を吸引するために
用いられる医療用吸引チユーブの改良に関する。

［従来の技術］一般に、この種の医療用吸引チユーブは、チユ
ーブの途中に開閉弁が接続されており、その開閉
弁によつてチユーブが開閉されるようになつてい
る。しかし、例えば衛生上の理由等からチユーブ
を使い捨てするような場合には、吸引物に接触し
た開閉弁もその都度廃棄することになるので、コ
ストが非常に高くついてしまう欠点がある。

そこで、例えば、可撓性のチユーブを側方から
圧迫してつぶすことによつてチユーブが閉じ、圧
迫を解除すると、チユーブが自己の復元力によつ
て元の開いた状態に戻るようにしたものなどがあ
つた。このようにすれば、吸引された汚物等がチ
ユーブ以外には接触しないので、一回の使用毎に
チユーブだけを廃棄すればよい。

［考案が解決しようとする課題］しかし、上述の従来の医療用吸引チユーブは、
チユーブ自体を側方から押しつぶす操作を必要と
していたので、その操作に多大な力が必要とな
り、しかもその力をある程度継続して加えなけれ
ばならないという問題がある。

そこで、チユーブの圧迫に必要な力量を小さく
するために、チユーブの肉厚を薄くすることなど
も考えられる。しかし、チユーブの肉厚を薄くす
ると、圧迫操作を解除した際の復元力が弱まり、
あるいは、吸引力でチユーブがつぶれて閉塞して
しまい、吸引を行うことができなくなつてしまう
欠点がある。

この考案は、そのような従来の欠点を解消し、
極めて簡単な構造で確実に吸引操作を行うことが
でき、しかも、小さな力量で吸引操作することが
できる医療用吸引チユーブを提供することを目的
とする。

［課題を解決するための手段］上記の目的を達成するために、本考案の医療用
吸引チユーブは、一端側が開口し他端側が吸引手
段に接続される可撓性のチユーブと、そのチユー
ブの途中に上記他端側から上記一端側の方向に斜
めに線状に切込まれた切込み部とよりなり、上記
チユーブを湾曲させると上記切込み部が開き、上
記チユーブを真直にすると上記切込み部が閉じて
上記一端側の開口から吸引が行われるようにした
ことを特徴とする。

［作用］可撓性の吸引チユーブを湾曲させれば、切込み
部が開いてそこから外気がチユーブ内に吸引さ
れ、端部の開口からは吸引が行われない。また、
チユーブを真直にさせれば、切込み部が閉じて端
部の開口から吸引が行われる。

［実施例］図面を参照して実施例を説明する。

第１図及び第２図は本考案の第１の実施例であ
る。図中、１は、例えば四フツ化エチレン樹脂製
の可撓性チユーブである。このチユーブ１の一端
は開口して端部開口２が形成され、他端は吸引手
段３に接続されている。尚、この端部開口２はチ
ユーブ１の側部に設けてもよい。

上記チユーブ１の途中には、吸引手段３に接続
される側から端部開口２側の方向に向つて斜めに
線状に切込まれた切込み部４が形成されている。
この切込み部４は、カミソリ等の鋭利な刃物によ
つて、例えば管軸に対して30度の角度で、チユー
ブ１の直径の約３分の２程度の深さまで切込まれ
て形成されている。

この切込み部４は、第１図に示されるように、
切込み部４付近でチユーブ１が真直であれば閉じ
ており、第２図に示されるように、切込み部４を
外面にしてチユーブ１を曲げれば、外気に向つて
開くようになつている。

このように構成された第１の実施例では、第１
図に示されるように、常態では、切込み部４付近
でチユーブ１が真直であるように形成されてい
る。したがつて、切込み部４は外気に向つて開口
していないので、吸引手段３を動作させると、端
部開口２から吸引が行われる。

次に、第２図に示されるように、側方からチユ
ーブ１を押して、切込み部４が外面になるように
チユーブ１を湾曲させると、切込み部４が外気に
向つて開く。したがつて、この切込み部４からチ
ユーブ１内に外気が吸引され、端部開口２からの
吸引は行われなくなる。

第３図及び第４図は、本考案の第２の実施例で
あり、チユーブ１１を湾曲形成し、常態で切込み
部４が外気に向つて開口しているようにしたもの
である。この場合には、第１の実施例とは逆に、
常態では、第３図に示されるように、切込み部４
から外気が吸引されて端部開口２からの吸引は行
われない。そして、第４図のようにチユーブ１１
を真直にすると、切込み部４が閉じて、端部開口
２から吸引が行われる。

なお、本考案の各実施例における切込み部４の
方向、深さなどは、以下の実験により効果が確か
められている。

第５図ないし第７図は第１ないし第３の実験を
示しており、チユーブ２１に形成された切込み部
２４ａ，２４ｂ，２４ｃが異なるだけで、他はす
べて同じ条件で行われている。これらの実験で
は、内径が2.6mmで外径が４mmの可撓性のチユー
ブ２１を使用し、これらチユーブ２１の一方に接
続された吸引手段２３（使用吸引圧約250mmHg）
によつて、他方の端部開口２２から水槽２５中の
水が吸引されるようになつている。この時、チユ
ーブ２１は半径が約25mmの弧を描くように湾曲さ
れており、各実験の切込み部２４ａ，２４ｂ，２
４ｃはその湾曲の頂部分に位置し、外気に向つて
常に開口した常態となつている。

第１の実験では、第５図に示されるように、切
込み部２４ａは、上述の各実施例と同じように、
吸引手段２３側から端部開口２２側の方向に向つ
て斜めに線状に切込んで形成されている。この実
験においては、第５図に示されるように、端部開
口２２中に水はほとんど吸い上げられなかつた。

第２の実験では、第６図に示されるように、切
込み部２４ｂが、第１の実験とは逆に端部開口２
２側から吸引手段２３側の方向に切込まれて形成
されている。この場合にも、切込み部２４ｂから
チユーブ２１内に外気の吸引が行われるが、第１
の実験に比べて切込み部２４ｂと端部開口２２と
の間に負圧が発生し、切込み部２４ｂ近くまでチ
ユーブ２１内に水が吸い上げられた。

第３の実験においては、第７図に示されるよう
に、切込み部２４ｃは、管軸方向の長径を４mm程
度とした穴を側方から穿設して形成されている。
この場合には、切込み部２４ｃと端部開口２２と
の間に大きな負圧が生じ、切込み部２４ｃの位置
まで水が吸い上げられた。その結果、少量の水が
切込み部２４ｃから外部に漏れたり、吸引手段２
３へ吸い込まれたりした。

なお、第１の実験及び第２の実験のときに発生
する吸引器の吸引圧力の低下は、夫々70mmHg、
及び、80mmHgであつた。これは切込みの向き
（第５図の２４ａ、及び、第６図の２４ｂ）によ
つて明らかに圧力損失に差が出ていることを示
し、これが水の吸い上げ高さの差を生ぜしめてい
るものと考慮される。

以上の実験結果から明らかなように、切込み部
２４ａを吸引手段２３側から端部開口２２側の方
向に斜めに線状に形成すれば、切込み部を外面に
してチユーブ２１を曲げたときに、チユーブの端
部開口２２にはほどんど吸引力が作用しないこと
がわかる。

ただし、上記各実施例では、切込み部４の切込
みの角度をチユーブ１の管軸に対して30度とし、
その深さをチユーブ１の直径の約３分の２とした
が、本考案はこれに限定されるものではない。即
ち、切込み部付近でチユーブが真直であるときに
切込み部が閉じ、切込み部を外面にしてチユーブ
を曲げれば切込み部が外気に向つて開いて端部開
口からほとんど吸引が行われないように、吸引手
段側から端部開口側の方向に斜めに線状に切込み
部が形成されているものであればよい。

［考案の効果］本考案の医療用吸引チユーブによれば、可撓性
のチユーブ自体に切込み部を設け、チユーブを曲
げたり真直にすることによつて吸引操作を行うこ
とができるようにしたので、極めて簡単な構造
で、使い捨てにしても非常に安価であり、しかも
簡単な操作で吸引操作を行うことができる。さら
に、硬質のチユーブを用いても操作性を全く損な
わないので、必要な硬度のチユーブを選択して、
確実な吸引操作を行うことができる優れた効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例の側面断面図、
第２図はその実施例を湾曲させた状態の側面断面
図、第３図は本考案の第２の実施例の側面断面
図、第４図はその実施例を真直にさせた状態の側
面断面図、第５図ないし第７図は第１ないし第３
の実験を示す側面断面図である。１，１１，２１……チユーブ、２，２２……端
部開口、３，２３……吸引手段、４，２４ａ，２
４ｂ，２４ｃ……切込み部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一端側が開口し他端側が吸引手段に接続され
る可撓性のチユーブと、そのチユーブの途中に
上記他端側から上記一端側の方向に斜めに切り
込まれた切込み部とよりなり、上記チユーブを
湾曲されると上記切込み部が開き、上記チユー
ブを真直にすると上記切込み部が閉じて上記一
端側の開口から吸引が行なわれるようにしたこ
とを特徴とする医療用吸引チユーブ。 (2) 前記チユーブは弾性部材よりなることを特徴
とする請求項１項記載の医療用吸引チユーブ。 (3) 前記切込み部の角度は、前記チユーブの軸に
対して15度から60度の間であることを特徴とす
る請求項１記載の医療用吸引チユーブ。 (4) 前記切込み部の角度は、前記チユーブの軸に
対して30度であることを特徴とする請求項３記
載の医療用吸引チユーブ。 (5) 前記チユーブは常時は真直で、前記切込み部
は閉じていることを特徴とする請求項１記載の
医療用吸引チユーブ。 (6) 前記チユーブは常時は湾曲しており、前記切
込み部は開いていることを特徴とする請求項１
記載の医療用吸引チユーブ。