JPH0451651B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 本発明は、内燃機関が集合的に連結されるとと
に、排気ガス海面下に排出されるようにした、船
舶の内燃機関に対する排気システムに関するもの
である。

本発明の課題は、スペースの使用を最適化する
ことができると同時に、海損、あるいは排気ガス
の漏れが生じた場合に、機関が作動を続ける限り
排気システムも作動し続けねばならないというこ
とを考慮して、周囲の環境に、低騒音かつ低温度
の排気ガスを排出することができる排気システム
を提供することである。

本発明の別の課題は、検査されたコンポーネン
トを用いることによつて、機能の分離が可能な排
気システムを提供することである。

以下、単一チヤンネルの排気システムについて
説明するが、多数の内然機関の集合するシステム
に対しても適用可能である。

発明の構成および効果 上述の課題を解決するため、本発明は、船舶の
内燃機関に対する排気システムであつて、前記内
燃機関が前記内燃機関からの排気ガスを受けるた
めの消音器に集合的に連結されているものにおい
て、前記排気ガスを海面下に排出するための主排
気管路手段と、前記排気ガスを海面上に排出する
ための非常用排気管路手段と、前記非常用排気管
路手段を閉鎖するが前記主排気管路手段を開放す
る第１の位置と、前記主排気管路手段は閉鎖する
が前記非常用排気管路手段を開放する第２の位置
との２つの位置をとり得る切換弁手段と、前記主
排気管路手段が予め決定される深さまで水没する
場合を含む前記船舶の緊急運転状態に応答して、
前記切換弁手段に前記第２の位置をとらせるよう
に作動する手段と、前記主排気管路手段に連結さ
れ、前記主排気管路手段によつて排出される排気
ガスを冷却するための排気ガス冷却手段と、前記
船舶の両舷における前記船舶の設計喫水線上また
はその近傍に配置され、実質上前記船舶の長さ方
向にバナナ形状に湾曲してのびる管形状を有し、
両端に前記船舶の外板に開口する実質上楕円形状
の平坦な開口が形成された排気ガス排出手段とを
有し、前記主排気管路手段が、前記排気ガス排出
手段における前記開口の間に接続され、前記船舶
が前進および後退する間に、前記排気ガス排出手
段が可動部分なしに外部海水を取り入れるべく作
動することを特徴とする船舶の内燃機関に対する
排気システムを構成したものである。

以下、添付図面を参照して本発明の実施例につ
いて説明する。

ここに説明する排気システムは、発電機を駆動
する複数の付加的なデイーゼルエンジンを含む多
数のエンジン、この場合には４つのエンジンを備
えた推進駆動システムの一部を形成している。船
舶内の実際の空間的な作り、および位置関係によ
つて、発電機駆動用の２つのデイーゼルエンジ
ン、および２つの機関室内のそれぞれ一方に収容
された２つの推進駆動用エンジンが存在する。発
電機駆動用デイーゼルエンジンおよび推進駆動用
エンジンの各１対が、１つの排気管路によつて結
合されねばならない。しかしながら、本発明にお
いては、付加的なエンジンは単一の排気システム
に結合される。

第１図には、推進用デイーゼルエンジンＥ１、
および発電機Ｇに結合する発電用デイーゼルエン
ジンＥ２を示してあり、エンジンＥ１およびＥ２
によつて放出された高温の排気ガスが、放出され
る騒音を予め選択される吸収係数にしたがつて吸
収するための共通の消音器２を、矢印で示した方
向に通過する。消音器２の出口の下流側には、適
当な制御モータ３′によつて所定の配置をとるよ
うに制御されるフラツプ式切換弁３が配置され
る。このフラツプ式切換弁３は、船舶の緊急運転
状態が生じたとき、排気ガスを非常用排気管路４
を通じて船舶１０の外部に排出し、かつ主排気管
路６を水密状態に閉鎖するように作動する。この
ような緊急運転状態は、船舶の部分的な沈没によ
つて、通常の喫水線、すなわち設計喫水線
（CWL）がかなり上方に変位し、排気ガス排出部
７が海面Ｗの下側に位置し、船舶１０内に水漏れ
が生じる場合に該当する。この場合、主排気管路
６を閉鎖し、船舶１０内への水漏れの危険性を除
去する必要がある。緊急状態の間の冷却されない
排気ガスは、そのとき、非常用排気管路４を通じ
て大気中に放出される。

このような緊急状態において、海面レベルの上
昇が、例えば主排気管路６中に設けられた圧力セ
ンサ、または海面レベル検知器、または乗組員に
よつて検知され、フラツプ式切換弁３が制御モー
タ３′によつて駆動される。その結果、排気ガス
は、喫水線のかなり上方、好ましくは主甲板の高
さレベルよりも上方の大気中に開口する非常用排
気管路４を通じて排出される。

推進用デイーゼルエンジンＥ１は、シヤフト
PWを介してプロペラＰを駆動させる。新鮮な空
気が空気取り入れ管路F.L.を通じて推進用デイー
ゼルエンジンＥ１に供給される。

第２図は、船体外板９、並びに推進用デイーゼ
ルエンジンＥ１と発電機Ｇに結合したエンジンＥ
２を含む第１図に示した排気システムを備えた船
舶１０の斜視図である。消音器２は、排気を行う
ためのフラツプバルブ３を介して、主排気管路６
および排気ガス冷却装置５に接続し、さらには、
保護格子１２を備えたガス出口開口１１が両端に
形成された湾曲管８を含む排気ガス排出部７に接
続している。

第３ａ図は、主排気管路６、排気ガス冷却装置
５および閉止弁１３、並びに船体外板９に取り付
けられ、かつ両端にガス出口開口１１が形成さ
れ、排気ガスを船舶を取り巻く外部海水中に排出
するための湾曲管８を示す上面図である。

第３ｂ図には、排気ガス冷却装置５、閉止弁１
３および湾曲管８を通じて排気ガスを船舶１０外
部に排出するための主排気管路６を、詳細に示し
てある。

第４図は、主排気管路６、排気ガス冷却装置５
および閉止弁１３、並びに２つのガス出口開口１
１を備えた湾曲管８を示す斜視図である。開口１
１は、それぞれ、外板９の面に対して船舶１０の
縦方向に約3゜〜7゜の角度をなすように配置されて
いる。

第５ａ図は、両端に楕円形状の２つの開口１１
を有する湾曲管８に接続された主排気管路６を示
す斜視図である。２つの開口１１は、それぞれ保
護格子１２を備えている。ガイドプレート１４
が、各開口１１に取り付けられている。

第５ｂ図は、外部海水に連絡するガス出口開口
１１を備えた湾曲管８を含む、排気ガス排出部７
を示す上面図である。外板補強部材は、船舶が海
面上を前進しているときに、船体前方から図中右
側の開口１１を通じて進入する外部海水が、湾曲
管８内を流れ、図中左側の開口１１を通じて排水
されるように湾曲管８を成形、補強する。これに
よつて、少なくとも部分的に海水面Ｗの下側に排
出される加熱された排気ガスが冷却される。

第６図は、湾曲管８、外板補強部材１５、湾曲
管８両端に形成された楕円形の開口１１、および
各開口１１に取り付けられた保護格子１２を示す
拡大図である。

第４図に示したように、冷却装置５は、冷却水
入口２１および冷却水出口２３を有している。そ
して、これら冷却水入口および出口を通じて、海
水が図示しない適当なポンプ装置によつて供給お
よび排出され、冷却装置５を通過する排気ガスが
冷却される。

通常、および船舶１０の非常運転状態を除い
て、主排気管路６は、フラツプ式切換弁３の作用
によつて開放されており、一方非常用排気管路４
は閉鎖されている。このとき、排気ガスは、下方
へ向かつて略海面Ｗのレベルに導かれる。排気ガ
スは、冷却装置５を通じて排気ガス排出部７へと
導かれる。排気ガス排出部７は、船舶１０の側部
の外板９内に配置され、かつ吸排水開口１１を通
じて周囲の海水を供給される。高温の排気ガス
（約350℃〜500℃）は、冷却装置５内で低温の海
水の噴霧を受けて約80℃〜90℃まで冷却される。
その後、排気ガスは、排気ガス排出部７内で周囲
の海水と混合されることにより、さらにその温度
を低下させる。排気ガス排出部７は船舶の前進お
よび後退時いずれの場合にも機能すること、およ
び排気ガス排出部の中心線が、近似的に通常の喫
水線CWLのレベルに位置していることが重要で
ある。より良好な作動のために、湾曲管８は、実
質上腎臓形断面を有する湾曲形状を有しており、
吸排水開口１１は、ガイドプレート１４によつて
付与されるスプーン状の輪郭を有していることが
好ましい。

排気ガス排出部７は対称的に形成されており、
その結果、船舶１０が前進するとき、および後退
するときの両方の場合において、同一の作動状態
が得られる。排気ガス排出部７は、船体外板９の
内側に直接取り付けられる。排気ガス排出部７
の、断面形状、長さおよび曲率等の幾何学的大き
さは、単位時間あたりに排出される排気ガスの体
積、排気ガスの温度、冷却水処理量、積み荷の関
数としての船舶１０の沈み込み、船舶１０の速度
および要求される排気ガスの排出時の温度によつ
て決定される。

第６図において、外板補強部材１５は、湾曲管
８を被覆し、補強する。湾曲管８と外板補強部材
１５との間のスペースは、二重壁面構造を形成
し、運転中に、このスペース内を、冷却のために
海水が流れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による排気システムを備えた
船舶内の、内燃機関の配置を概略的に示した図で
ある。第２図は、第１図の排気システムの概略的
な斜視図であり、喫水線の位置にある主排気管路
の端部に排気ガス出口を備えた排気システムを示
したものである。第３図〜第５図は、設計喫水線
CWLに沿つて配置された排気システムの構造を
詳細に示した図である。第６図は、排気システム
に組み込まれた排気ガス混合管路の構造を詳細に
示した図である。 Ｅ１……推進用デイーゼルエンジン、Ｅ２……
発電用デイーゼルエンジン、２……消音器、３…
…フラツプ式切換弁、４……非常用排気管路、５
……排気ガス冷却装置、６……主排気管路、７…
…排気ガス排出部、９……外板、１０……船舶、
Ｇ……発電機、Ｐ……プロペラ、PW……プロペ
ラシヤフト、FL……空気取り入れ管路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 船舶の内燃機関に対する排気システムであつ
   て、前記内燃機関が前記内燃機関からの排気ガス
   を受けるための消音器に集合的に連結されている
   ものにおいて、 前記排気ガスを海面下に排出するための主排気
   管路手段と、 前記排気ガスを海面上に排出するための非常用
   排気管路手段と、 前記非常用排気管路手段を閉鎖するが前記主排
   気管路手段を開放する第１の位置と、前記主排気
   管路手段は閉鎖するが前記非常用排気管路手段を
   開放する第２の位置との２つの位置をとり得る切
   換弁手段と、 前記主排気管路手段が予め決定される深さまで
   水没する場合を含む前記船舶の緊急運転状態に応
   答して、前記切換弁手段に前記第２の位置をとら
   せるように作動する手段と、 前記主排気管路手段に連結され、前記主排気管
   路手段によつて排出される排気ガスを冷却するた
   めの排気ガス冷却手段と、 前記船舶の両舷における前記船舶の設計喫水線
   上またはその近傍に配置され、実質上前記船舶の
   長さ方向にバナナ形状に湾曲してのびる管形状を
   有し、両端に前記船舶の外板に開口する実質上楕
   円形状の平坦な開口が形成された排気ガス排出手
   段とを有し、 前記主排気管路手段が、前記排気ガス排出手段
   における前記開口の間に接続され、前記船舶が前
   進および後退する間に、前記排気ガス排出手段が
   可動部分なしに外部海水を取り入れるべく作動す
   ることを特徴とする船舶の内燃機関に対する排気
   システム。 ２ 前記排気ガス排出手段の開口が、前記船舶の
   外板の面に対して前記船舶の長さ方向に、約3゜〜
   約7゜の角度をなしていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項に記載の排気システム。 ３ 前記排気ガス排出手段が、実質上腎臓形状の
   断面を有していることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項または第２項に記載の排気システム。 ４ 前記排気ガス排出手段の前記開口が、それぞ
   れ保護格子を備えていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項〜第３項のいずれかに記載の排気
   システム。 ５ 前記切換弁手段と前記排気ガス冷却手段との
   間に、閉止弁が配置されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項〜第４項のいずれかに記載
   の排気システム。 ６ 前記排気ガス排出手段が海水を取り入れるた
   めのガイドプレートを有していることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項〜第５項のいずれかに記
   載の排気システム。 ７ 前記排気ガス排出手段が、前記開口の間に配
   置された二重壁構造の補強部材を有しており、冷
   却のために、海水が前記二重壁構造の補強部材中
   を流れることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   〜第６項のいずれかに記載の排気システム。