JPH0451594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、電子レンジ等によるマイクロ波加熱
によつて温められる加熱容器入りパン食品に関す
る。

従来の技術及び問題点 例えばハンバーガーのような、パンの間に惣菜
を挟んだパン食品を電子レンジ内に置き、マイク
ロ波加熱によつて該パン食品を温める場合、パン
のみが早く熱せられて熱くなり、惣菜が所望温度
となるまで加熱を続けると、パンは加熱によつて
蒸し状態になり、のちに乾燥し硬化するという問
題があつた。従つて、従来においては、マイクロ
波加熱によつてパン及び惣菜を同時に温めた場
合、そのパン食品の旨味を十分に味わえなかつ
た。

かと言つて、パンのみ、又は惣菜のみをマイク
ロ波加熱によつて別々に温めるのは、手間及び時
間を要する。

本考案の目的は、上記問題点を解消し、パン及
び惣菜の旨味を十分に味わえ、かつ手間及び時間
を要せず、しかもパン及び惣菜がマイクロ波加熱
によつて均一に所望温度にまで温められ得るパン
食品を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本考案の前記目的は、パンと、該パンとともに
食される惣菜と、マイクロ波透過性部材により形
成され前記パン及び惣菜を収容した加熱用容器と
を備える加熱容器入りパン食品であつて、前記容
器内に収容されたパンの上部及び下部の近傍、又
は側部近傍にマイクロ波遮蔽部材が配設されてい
ることを特徴とする加熱容器入りパン食品により
達成される。

前記マイクロ波透過部材は、例えばコート紙、
マイクロ波加熱対応の樹脂、陶器等種々選択され
得る。要は、マイクロ波加熱によつて、溶融変形
及び燃焼せず且つ人体に対し無害のものであれば
よい。

前記マイクロ波遮蔽部材としては、アルミ箔等
の金属箔、金属薄板、マイクロ波の漏出を防止す
るための網状又はパンチング状板等を用いること
ができる。

前記パンには、通常に食されるパンのみなら
ず、マイクロ波加熱によつて解凍可能な冷凍流通
用のものも含まれる。

前記惣菜としては、コロツケ、ミンチカツ、白
身魚フライ、イカフライ、ハンバーグ等が適宜用
いられる。

実施例 以下に、本考案の実施例を、添附図面を参照し
つつ説明する。

第１図及び第２図に示す加熱容器入りパン食品
は、上下に２分された丸いパン１と、該パン１と
ともに食される惣菜２と、マイクロ波透過性部
材、例えばコート紙により形成されパン１及び惣
菜２が収容された平面視六角形状の加熱用容器３
とを備えている。該容器３の底には、該容器３の
底面の略全体を覆う平面視六角形状の下部マイク
ロ波遮蔽板４が配設されている。該下部遮蔽板４
は、容器３と同材質の板体５の上面略全体にアル
ミ箔６が貼着されて形成されており、該下部遮蔽
板４上にパン１が載置されている。該パン１上に
は、下部遮蔽板４と略同形状の上部マイクロ波遮
蔽板７が載置されている。該上部遮蔽板７は、下
部遮蔽板４と同様に、容器３と同材質の板体８を
基体とし、該板体８の下面全体にアルミ箔９が貼
着されている。従つて、パン１は、上部及び下部
の遮蔽板７，４により挟まれて容器３内に収容さ
れている。上部遮蔽板７上には、惣菜２が載置さ
れ、該惣菜２は、容器３の上部開校を閉じる蓋１
０によつて覆われている。上部遮蔽板７には、該
上部遮蔽板７周縁の一部より上方へ延びる舌片１
１が設けられている。該舌片１１を引き上げるこ
とによつて惣菜２が容器３から容易に取り出され
るようになつており、上部遮蔽板７を持つことに
よつて手を汚すことなくパン１の間に惣菜２を挟
むことができる。勿論、下部遮蔽板４に上記のよ
うな舌片を設けてパン１の取り出しを容易にする
ことも可能である。

上記のように構成された加熱容器入りパン食品
は、マイクロは照射域、例えば電子レンジ内に載
置され、所定時間マイクロは加熱するだけでよ
く、手間を要しない。マイクロ波は、容器３を透
過し、パン１及び惣菜２に吸収される。上下の遮
蔽板７，４によつて挟まれたパン１は側方から照
射されるマイクロ波を主として吸収し、惣菜２は
側方だけでなく上方から照射されるマイクロ波も
吸収する。従つて、放射されたマイクロ波は、惣
菜２により多く吸収されるため、該惣菜２はマイ
クロ波によつて加熱され易いパン１とともに十分
に温められ、パン１のみが過度の加熱によつて硬
化するということもない。本考案加熱容器入りパ
ン食品のパン１及び惣菜２がマイクロ波加熱によ
つて解凍可能な冷凍流通用のものであつても、前
述と同様の作用により、一方のみの未加熱又は過
加熱を生じることなく、旨味を十分に味わい得る
状態に加熱することができる。

なお、上部及び下部の遮蔽板７，４に備えられ
る平面視六角形状のアルミ箔９，６は、共にその
角部が丸く形成されており、マイクロ波放射によ
る放電が防止されている。

実施例では、惣菜が上部マイクロ波遮蔽板に載
置されていたが、該惣菜は、下部遮蔽板と容器の
底との間に配設されてもよく、パンの上方及び下
方の両側に配設されてもよい。下方の惣菜は、側
方及び下方からのマイクロ波を主として吸収する
こととなる。

更に、実施例では、パンの上部及び下部の近傍
にマイクロ波遮蔽板が配設されていたが、パンが
上下方向からのマイクロ波を主として吸収するよ
うに、パンの側部近傍周面にマイクロ波遮蔽部材
が配設されていてもよい。

実施例では、加熱用容器が平面視六角形状の筒
体に形成されていたが、該容器の形状は、パン及
び惣菜の形状、配設位置により適宜に決められ
る。

考案の効果 以上の如く、本考案によれば、マイクロ波透過
性部材により形成された加熱用容器内にパン及び
惣菜が収容され、該パンの上部及び下部の近傍、
又は側部近傍にマイクロ波遮蔽部材が配設されて
いるので、マイクロ波を照射することによつて前
記パン及び惣菜の旨味を損ねることなく、かつ手
間及び時間を要せずに該パン及び惣菜を均一に温
めることができる加熱容器入りパン食品を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案加熱容器入りパン食品の１実施
例を示す分解斜視図、第２図はその縦断側面図で
ある。 １……パン、２……惣菜、３……加熱用容器、
４……下部マイクロ波遮蔽板、６，９……アルミ
箔、７……上部マイクロ波遮蔽板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パンと、該パンとともに食される惣菜と、マイ
   クロ波透過性部材により形成され前記パン及び惣
   菜を収容した加熱用容器とを備える加熱容器入り
   パン食品であつて、前記容器内に収容されたパン
   の上部及び下部の近傍、又は側部近傍にマイクロ
   波遮蔽部材が配設されていることを特徴とする加
   熱容器入りパン食品。