JPH0451353B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、特許請求の範囲の第１項の前提項に
記載の、オフセツト印刷機の胴の清掃装置に関す
る。

［従来の技術］ オフセツト印刷機においては、印刷は１つの
胴、すなわちいわゆる版胴に取付けられる。版胴
には、インキ着けローラがそれに押し当ることに
よつて、印刷インキが塗布される。版胴に塗布さ
れたインキはそこから別の胴、すなわち胴面にゴ
ム布が設けられている胴に移行する。このゴム布
が設けられた胴がいわゆるゴム胴である。ゴム胴
に相対して圧胴がある。圧胴は、印刷装置に送入
それた紙葉、つまりインキの印刷されるべき紙葉
をゴム胴に押し付ける役目をする。したがつて、
インキの移送は、インキ着けローラから版胴を経
てゴム胴へと行われる。

文句なしの印刷絵柄が得られるためには、何よ
りも先ず、上記のインキ移送の間において、イン
キ、版胴およびゴム胴の清浄さの見地での最適の
条件が整つていることが前提となる。版胴およ
び／またはゴム胴の上に塵埃とか汚れやインキの
残りがあると、版胴からゴム胴へ、またはゴム胴
から紙葉への、文句なしのインキ移送は保証され
ない。

印刷インキの移行が文句なしに行われるのでな
ければ、印刷紙葉上に斑点が生ずる。このような
斑点が生じたならば必然的に損紙が発生するの
で、その損紙の量が限定されうるような算段を実
行せねばならない。

実行しうる１つの算段は、機械を停止させたう
えでの、版胴および／またはゴム胴の手作業清掃
である。しかしこの方法は時間を要し、また印刷
の生産性を著しく低下させる。

生産性の損失を減らすために往々行われること
になるのは、機械の運転者（印刷工）が、機械の
運転中に、可能な限りにおいて、汚れを手作業で
除去することである。これは、もし清掃用具など
が機械に引き込まれたならば災害や機械の損傷に
つながるという、極めて危険な方法である。さら
に、清掃すべきときに機械を止めないので、多重
の損紙が生ずることになる。

清掃のための手作業を不必要にするために、現
状技術においては、汚れを機械的に除去できるよ
うな公知の装置もある。

例えばDE−0S−3410376は版胴の清掃のため
の１つの装置を開示している。この装置は、版胴
に平行の方向にある横方向部材を有していて、こ
の部材は同時に、そもそもの清掃装置の案内棒に
なつている。版胴の部分的汚れが生じた際には、
清掃装置が案内棒上で移動し、汚れに相対する場
所に位置決めされる。

その次の段階で、清掃装置が版胴の方へ、刷版
の表面に至るまで動かされ、この場所にある汚れ
は清掃装置によつて取り去られる。

他の場所に汚れが生じたら、清掃装置を改めて
案内棒上で版胴に平行に移動させ、位置決めする
ことになる。この清掃の方式は、清掃を行う前
に、その度ごと、位置決めのための移動が行われ
ねばならず、特に版胴上に同時に幾つかの場所で
汚れが生じた場合とか、汚れが広い面積にわたつ
て生じた場合には、この移動のための必要時間が
長くなるという欠点を有する。一般に印刷速度は
速いので、この時間内に多量の損紙が生ずる。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、印刷機の運転中に遠隔操作に
よつての、版胴および／またはゴム胴上の汚れの
迅速で確実な除去が保証されるような装置を提供
することである。

［課題を解決するための手段］ この課題は、特許請求の範囲第１項の特徴項に
よつて解決される。

［作用］ 本発明の利点は、印刷機の運転中に遠隔操作で
スタートされる清掃が行われ得て、清掃が版胴お
よび／またはゴム胴に沿う複数の場所で同時に行
われうることにある。

［実施例］ 次に、本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

第１図に示された実施例において、版胴１、ゴ
ム胴２、回転マグネツト３、およびかき落し要素
４がある。印刷ニツプ部７の後方でそれと同じ高
さに回転マグネツト３が配置されていて、それに
かき落し要素４が固定結合されている。かき落し
要素４には、２つのインキドクタ５，６が設けら
れていて、１つのインキドクタ５はゴム胴２に向
いており、他方のインキドクタ６は版胴１に向い
ている。

第３図に示した実施例は、版胴１（またはゴム
胴２）を示している。回転マグネツト３には、そ
の動きにかき落し要素４が追従できるように、か
き落し要素４が固定結合されている。回転マグネ
ツト３は、所望の運転中位置についての指令を、
制御配線１０を経て受取る。制御配線１０は、図
示していない制御コンピユータ、つまりマイクロ
コンピユータシステムに接続されている。

第２ｂ図に示されているキー８，９は、操作台
上に配置されていて、図示していないマイクロコ
ンピユータシステムと接続されている。

１つの汚れが版胴上に生じた場合には、例えば
キー９を操作すると、マイクロコンピユータシス
テムと制御配線１０が経由されて、回転マグネツ
ト３が一方向に回転運動をするように励磁され
る。第１図で見られるかき落し要素４は、回転マ
グネツト３の運動に従つて版胴１の方へと動く。
そして、かき落し要素４のインキドクタ６を形成
している。側が刷版の表面に接触するに至る。そ
れにより、表面にある汚れは掻き取られる。この
掻き取りの接続時間は、予め決められた一定時間
になるようにもできるが、運転者が操作キー８ま
たは９を押し続けている限り掻き取りが行われる
ように制御系を作ることもできる。清掃が完了し
た後には、回転マグネツト３が再びその休止の位
置へと戻り、それにより、インキドクタ６と版胴
１の表面との接触はなくなる。清掃の時間がライ
トペンによつて個々に選択または設定されるよう
な実施例も考えられる。

ゴム胴２の上に汚れがあるときは、清掃のプロ
セスは同様の順序の作動によつて行われる。先
ず、キー８を操作すると、それにより回転マグネ
ツト３は、ゴム胴２の方に向つて動くように励磁
される。そしてかき落し要素４が動いて、それの
インキドクタ５として形成された側がゴム胴２と
接触するに至り、それにより、汚れの掻き取りが
達せられる。

上記の説明は、１個だけのかき落し要素４に関
していたが、本発明の実施例では、相隣つて配置
された多数のこのようなかき落し要素４を用いる
こととしている。このかき落し要素の数は、場合
ごとの要求に従つて変えられうる。このかき落し
要素の数が多ければ多いほど、個々のかき落し要
素の作動領域の胴の長さに対しての大きさは小さ
くなる。

ここに示した実施例では、胴１つ当り32個のか
き落し要素が設けられているので、胴１つに対し
て32個の清掃ゾーンが作られている。各々の清掃
ゾーンが個別に作動させられうるように、やはり
32個ある二重機能のキー、または64個の単一機能
のキーが設けられている（第２ｂ図）。例えば版
胴１の上で、清掃ゾーンのうちの３′，５′，８′，
１１′，３２′の領域において汚れが確認された場
合には、それら清掃ゾーンに対応しているキー
８，９を操作する。そうすると、それら場所で同
時に清掃が遂行される。

同様のステツプで、ゴム胴２上の清掃はキー８
によつて行われうる。

キー８およびキー９によつての上記かき落し要
素の作動は、また、他の入力装置によつても行わ
れうる。例えばハイデルベルグ社
（Heidelberger Druckmaschinen A.G.
Heidelberg）のCPCシステムに設けられている
ようなライトペン１１によつて行われる。この場
合ライトペン１１は、操作盤を経てインキゾーン
デイスプレイ１２に接続されている（第２ａ図）。

例えば清掃ゾーン３′，５′，８′の領域で汚れ
が生じた場合には、ライトペン１１をインキゾー
ンデイスプレイ１２におけるインキゾーン３′，
５′，８′にもつて行く。このシステムは、清掃が
行われる間には清掃モードにあるように作られて
いるので、この際にインキゾーンの調節が行われ
ることはない。つまり、清掃モードの間において
は、かき落し要素が作動させられる。上記の例に
おいては、かき落し要素の作動領域はインキゾー
ンの領域に対応している。

版胴だけ、またゴム胴だけが清掃されるような
実施例もありうる。そのような場合には、回転マ
グネツトは一方向にだけ動くように作動させられ
る。

さらに別の実施例として考えられるのは、回転
マグネツトを用いることは止め、個々のかき落し
要素を往復運動部材として構成することであつ
て、この場合これらかき落し要素は、対応してい
る一つの胴、つまり版胴１、ゴム胴２のいずれか
一方にだけ関係して作動する。つまり、ゴム胴２
と版胴１のための両用の作動をするものとはなら
ない。ゴム胴２と版胴１の清掃が同時に行われる
べきであるならば、ゴム胴２に対応する往復運動
部材と版胴１に対応する往復運動部材を同時に作
動させなければならない。

さらに別の実施例として、回転マグネツトの代
りに電動機の、例えばギヤードモータを用いるこ
とが挙げられる。

多くの印刷機においては既に、ゾーン別インキ
調整のための手段（例えばハイデルベルグ社の
CPCシステム）が実用化されているので、さら
に別の実施例として、インキ調整のために設けら
れたキーを、かき落し要素を作動させることのた
めにも利用することが挙げられる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、印刷機の運転中
に遠隔操作で清掃を開始し、版胴および／またゴ
ム胴に沿う複数の場所で清掃を同時に行うことに
より、版胴および／またはゴム胴上の汚れを迅速
かつ確実に除去できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ゴム胴、版胴と共に印刷ニツプ部の
後方に配置された本発明による装置を示す図、第
２ａ図はライトペンを含めたインキゾーンデイス
プレイを示す図、第２ｂ図は、機能を選択するた
めのキーボードの図、第３図は、隣り合つて配置
された複数のかき落し要素の回路配置図である。 １……版胴、２……ゴム胴、３……回転マグネ
ツト、４……かき落し要素、５，６……インキド
クタ、７……印刷ニツプ部、８，９……キー、１
０……制御配線、１１……ライトペン、１２……
インキゾーンデイスプレイ、１′〜３２′……制御
配線またはキー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オフセツト印刷機の胴の清掃装置であつて、
   胴の外套面に平行に配置されているかき落し装置
   と、該かき落し装置を胴に近づけたり胴から離し
   たりする駆動装置と、前記かき落し装置を作動さ
   せうる制御装置とからなる、オフセツト印刷機の
   胴の清浄装置において、 前記かき落し装置が互いに隣り合つて配置され
   ている複数のかき落し要素４を有し、各かき落し
   要素４は回転駆動装置３に取付けられ、各かき落
   し要素４は版胴１の外套面のみならずゴム胴２の
   外套面の方へも動かされうることを特徴とする、
   オフセツト印刷機の胴の清掃装置。 ２ 各かき落し要素４が往復運動部材として構成
   されている請求項１に記載の清掃装置。 ３ インキゾーン調整のキーボードが、かき落し
   要素４を作動させるために利用される、請求項１
   に記載の装置。 ４ インキゾーン調整のライトペンが、かき落し
   装置４を作動させるために利用される、請求項１
   に記載の装置。 ５ 清掃時間が、キーを押している時間または予
   め決められた一定の時間またはライトペン１１で
   入力された値の時間で定まるようになつている、
   請求項１に記載の装置。