JPH0451145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、粉状洗剤、食品その他の内容物を収
納するカートン、ボトル類或いは段ボールケース
に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、カートンの開口部を封鎖するのに、内
外蓋片と内側片（フラツプ）とを折り曲げ重合し
て貼着されることが封函行程で行われるが、内側
片の上に内蓋片を折り曲げ外蓋片を重合させたと
きに内側片の折り曲げ部付近で外蓋片と内側片と
の間に間隙ができて十分な接着が行われず不完全
封函のものができる場合が多い。

このため従来では内外蓋片又は内側片とを全面
にわたつて接着させることが試みられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来、充填ラインで予め下側の内外蓋片を接着
により下面部を形成したカートンは、内容物を充
填したのち、下面部と同様に上面部が形成される
が、この上面部は内外蓋片を重ね合せて外側から
の圧力で接着しても、両サイドに隙間が生ずるこ
ととなつて、内容物の漏れ現象が発生しやすい状
態となり、前記従来技術では十分に防ぎきれない
ので問題があり、また開封する際には全面接着で
あると、引掛り部がなく開封困難で、改装や排棄
などの目的でカートンを開封するときには支障と
なる欠点があつた。

本考案は、これら従来の欠点を除去しようとす
るもので、折り重ね貼着したい内外蓋の貼着性が
サイドにある内側片との関係で２段接着機能をは
たし良好で内容物の漏れがなく機械加工性もよく
また開封の際には空白部に指や爪を引掛けて開封
し易くし材料の節約と加工が簡単で安価な形態で
提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、折曲線１で区画連接された側片２，
２，２，２と、その側片２の上下両端縁に折曲線
３を介して設けた蓋片となる内蓋片４、外蓋片５
とサイドフラツプとなる内側片６，６とをもつて
函形に組み立てられ、かつ内側片６，６、内蓋片
４と外蓋片５とを順次内方へ折り曲げラツプ状態
下に重合し接着剤で貼着して開口部を封鎖される
カートンであつて、前記内蓋片４の両側先端に切
欠部８，８を設け、この内蓋片４を内側片６に折
り重ねた際に前記切欠部８に対応する内側片６，
６にそれぞれエンボス加工による鉤状隆起部７を
設け、該隆起部７と、切欠部８とを一部突き合わ
せて折曲線３の側縁部に近接して外蓋片５に貼着
されない空白部９を内側片６上の接合面に形成し
て備えたものである。

〔実施例〕

本考案の実施例につき第１〜６図を参照して説
明すると、正面、背面、左右両側面となる四つの
側片２が折曲線１で区画連接され、各側片２の上
下端縁にそれぞれ折曲線３で蓋片となる内蓋片４
と外蓋片５とフラツプとなる内側片６，６とを備
え、この内側片６，６と内蓋片４、外蓋片５とを
順次内方へ折曲重合して函形に組立てられるよう
になつている。前記内側片６の折曲線３の側縁部
に近接して内蓋片４の先端部分に空白部９を形成
するようにエンボス加工による隆起部７と切欠部
８とを前記内側片６と内蓋片４との当接面部に配
備した粉漏れ防止構造として前記内外蓋片４，５
が重合して沿うようにしてあつて、函の上面部が
形成されるようになつている。各蓋片相互に十分
な接着を行うことができ封函を適確にできるよう
になつている。この場合、前記隆起部７は内側片
６にエンボス加工で形成し、この隆起部７に沿う
切欠部８で内蓋片４の両側先端部分に設けてある
が、階段状の輪郭縁部の隆起部７となる。即ち第
１〜３図例のように前記折曲線１と折曲線３とに
平行な平行線の連続線で階段状に形成するか、第
７図例のように凹凸線の輪郭縁部とし、これに沿
う階段状の切欠部８を内蓋片４の自由端角隅部に
設けた組合せ構成で内側片６の折曲側縁部に接し
て内蓋片４の先端部分に外蓋片５に貼着されない
空白部９を設ける。さらに内蓋片４と外蓋片５の
巾は、形成される上面部又は下面部の巾にほぼ等
しく、または少なくともラツプ部分ができる巾に
形成され密封性を確保すると共に、二重に貼着さ
れる部分が間隙をつくらず同一平面上で均一で貼
着できるようにしてある。

前記内外蓋片４，５においては、適確な貼着に
よつて粉漏れ防止をはかることができるため内外
蓋片のラツプ巾を大幅に少なくでき材料節減をは
かることができる。いずれにしても内蓋片４と外
蓋片５とは相互に相対関係の大きさにすればよ
い。また上下面部を形成する内蓋片４と外蓋片５
とはそれぞれ同一側片２の上下端縁に対向して形
成してあるが、適宜選んで設けることもできる。

第８図例では、隆起部７は内側片６上に折曲線
３に平行な直線状の段付部を設けてあり、内蓋片
４の重合部分となる自由端の角隅部の切欠部８と
で空白部９を形成したものであり、また第９図例
では内側片６に鉤状の隆起部７を設けたものであ
る。

第１図において１０は折曲線、１１はのり代片
であれう。なお接着面部は、必要に応じ接着剤の
固着を確実にするためのミシン目で裏半切れが形
成される。

しかしてカートンの閉蓋時にカートンの外側か
らの圧力だけで各フラツプを重合する貼着する
際、内側片６，６と、内蓋片４、外蓋片５を順次
内方へ折曲げ重合すると、対応接合面に介在され
る接着剤で貼着されるが、第３図及び第４図に示
すように、内蓋片４に設けた切欠部８と、内側片
６に設けた隆起部７とで形成される空白部９は、
外蓋片５で重厚されても接着されずに覆われ、内
側片６の折曲側縁部付近とエンボス加工による隆
起部７付近とは接着剤で接着され（第３図及び第
５図）、かつ内側片６と内蓋片４とは外蓋片５に
空白部９を除いて接着剤で接着されること（第３
図及び第６図）となるために、接着効果を向上で
き、確実に粉洩れを防止できるし、内容物取出し
の際の開封や改装は排廃棄などの目的でカートン
を開封する際には、空白部があるために指や爪で
引掛けて開封し易く用いられ得るものである。

〔考案の効果〕

本考案は、内蓋片の両側先端に切欠部を設け、
この内蓋片を内側片に折り重ねた際に前記切欠部
に対応する内側片にそれぞれエンボス加工による
鉤状隆起部を設け、該隆起部と、切欠部とを一部
突き合わせて折曲線の側縁部に近接して外蓋片に
貼着されない空白部を内側片上の接合面に形成し
て備えたことにより、内容物の漏れ特に洗剤など
の粉漏れ防止に役立ち、外蓋片と内蓋片との間隙
を確実に閉塞し、しかも外蓋片と内蓋片とを折り
重ねて押圧するだけで内側片と一体化されない各
片相互に適確な貼着が可能となり、接着効果を向
上しつつ内容物の漏れを防止し、かつ強度を損な
わずに蓋片を含むフラツプ部分が単純な形態で構
成され、その大きさも可及的に縮小でき材料の節
約に寄与するほか、内容物取出しの際の開封や、
改装、排廃棄などの目的でカートンを開封する際
には、貼着されない空白部があるために指や爪で
引掛けて開封し易く取扱簡便である製函機による
自動組立のための適合性も大きく加工も簡単で著
しく安価な形態とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は展開図、第２図は組立状態の斜面図、
第３図はその一部平面図、第４図は第３図線
の縦断面図、第５図は第３図線の縦断面図、
第６図は第３図線の縦断面図、第７図は他の
実施例の斜面図、第８図及び第９図はそれぞれ他
の組立状態の一部平面図である。 １……折曲線、２……側片、３……折曲線、４
……内蓋片、５……外蓋片、６……内側片、７…
…隆起部、８……切欠部、９……空白部、１１…
…のり代片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折曲線１で区画連接された側片２，２，２，２
   と、その側片２の上下両端縁に折曲線３を介して
   設けた蓋片となる内蓋片４，外蓋片５とサイドフ
   ラツプとなる内側片６，６とをもつて函型に組み
   立てられ、かつ内側片６，６，内蓋片４と外蓋片
   ５とを順次内方へ折り曲げラツプ状態下に重合し
   接着剤で貼着して開口部を封鎖されるカートンに
   おいて、前記内蓋片４の両側先端に切欠部８，８
   を設け、この内蓋片４を内側片６に折り重ねた際
   に前記切欠部８に対応する内側片６，６にそれぞ
   れエンボス加工による鉤状隆起部７を設け、該隆
   起部７と、切欠部８とを一部突き合わせて折曲線
   ３の側縁部に近接して外蓋片５に貼着されない空
   白部９を内側片６上の接合面に形成して備えたこ
   とを特徴とするカートン。