JPH0450393B2

JPH0450393B2 -

Info

Publication number: JPH0450393B2
Application number: JP62269988A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Kita; Etsuko Morimi; Kozo Kitazawa
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1987-10-26
Filing date: 1987-10-26
Publication date: 1992-08-14
Also published as: JPH01111889A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明は、工業用金属材料の洗浄用水溶液組成
物に関し、更に詳しくは金属材料のブラシ洗浄の
際に使用し、金属材料表面に付着している金属
粉、埃等の固体汚れを効果的に除去する水溶液組
成物に関する。〔従来の技術及びその問題点〕一般に金属材料は、熱間加工、冷間加工等、幾
多の加工整形を経た後、更に各目的に応じてメツ
キ処理等の表面処理が施される。この際、金属材
料の各種加工整形後、及び各種表面処理工程前で
は、洗浄処理が必須となり、洗浄性の優劣は、金
属材料の光沢度の向上だけでなく塗装性、メツキ
の付き廻り性等の表面処理性をも大きく左右す
る。このような金属材料の洗浄では、金属加工油、
防錆油等の油状汚れ、及び加工時に生じる金属
粉、埃等の固体汚れがその対象となる。従来、金属材料の洗浄剤としては、アルカリ剤
等の各種ビルダーと界面活性剤とからなるものが
主流であり、界面活性剤の浸透、乳化、分散作用
及びアルカリ剤の中和、鹸化作用によつて油状汚
れを除去している。しかし、金属材料に付着した金属粉、埃等の固
体汚れは非常に小さいこともあり、除去が困難で
ある。而して、金属材料の洗浄には、一般に電解
洗浄、浸漬洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄又は
これらの組合せが採用されているが、固体汚れの
洗浄には、特にブラシ洗浄等の物理的手段に頼ら
なければならないのが現状である。しかしながら、固体汚れは、水中の硬水成分で
あるカルシウムイオン、マグネシウムイオンの影
響、油の付着、金属粉の形状の影響等もあつて除
去が極めて困難であり、その有利な解決法が望ま
れていた。〔問題点を解決するための手段及び作用〕本発明者らは、かかる実状において金属粉、埃
等の固体汚れを効果的に除去する薬剤を提供すべ
く鋭意研究を行なつた結果、水溶性ポリカルボン
酸またはその塩、および界面活性剤を洗浄液成分
として用いることにより該目的が達成されること
を見いだし、本発明を完成した。すなわち本発明は、平均分子量が600以上15万
以下の水溶性ポリカルボン酸またはその塩0.001
〜10重量％、および界面活性剤0.005〜0.5重量％
を含有し、酸を含有しないことを特徴とする金属
洗浄用水溶液組成物である。このポリカルボン酸またはその塩は、ブラシ効
果等の物理的作用が加わる洗浄工程において、メ
ツキ等に悪影響を及ぼす固体汚れを効率よく脱離
し良好なる清浄面を得、表面性状を向上させるも
のである。ポリカルボン酸またはその塩は、種々
の金属に対する腐食性がきわめて小さいため、ア
ルミニウム、亜鉛等の金属材料に有効に用いるこ
とができ、また金属粉に限らず埃、粘土質汚れ等
に対しても非常に有効に作用する。本発明においてポリカルボン酸の製造に用いる
単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸等、分子中に重合性
不飽和結合を有するカルボン酸またはその塩や無
水物が挙げられ、またこれらはエステル結合を有
していてもよい。これら単量体は、それぞれ単独
で、または２種以上を組み合わせて用いられる。本発明に用いられる水溶性ポリカルボン酸また
はその塩としては平均分子量が600以上15万以下
であることが必要である。平均分子量が20万以上
になると凝集作用が発現して凝集状態となり、当
初の目的を達成することができない。また、平均
分子量が500以下のように小さくなりすぎると分
散力が不足することになる。また、塩としては例
えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミ
ン塩等が挙げられる。水溶性ポリカルボン酸また
はその塩は、単独でまたは２種以上を組み合わせ
て用いられる。本発明の金属用洗浄薬剤は、上記のような水溶
性ポリカルボン酸またはその塩を含有するもので
あり、その濃度には限定されないが、使用に当た
つては通常水溶性ポリカルボン酸またはその塩の
濃度が0.001〜10重量％、特に0.05〜10重量％に
なるように水に溶解して用いるのが好ましい。また、本発明で用いられる界面活性剤として
は、非イオン型界面活性剤、アニオン型界面活性
剤、カチオン型界面活性剤及び両性界面活性剤の
いずれでも良く、例えば以下のものが挙げられ
る。非イオン型界面活性剤例えば次の一般式で示される非イオン型界面
活性剤 ○イ RO（C₂H₄O）_oＨ ○ロ R′O（C₂H₄O）_o（C₃H₆O）_nＨＲ：C₆〜C₃₀のアルキル基、アルケニル基 R′：C₆〜C₃₀のアルキル基、アルケニル基 R″：C₄〜C₁₂のアルキル基ｍ：１〜50 ｎ：１〜50 Ｒ：C₆〜C₂₀のアルキル基又はアルケニル基ｍ＋m′：０〜35 ｌ＋l′：３〜40 Ｒ：C₆〜C₂₀のアルキル基、アルケニル基ｍ＋m′＋m″：０〜35 ｌ＋l′＋l″：３〜40 アニオン型界面活性剤例えば次の一般式で示されるアニオン型界面
活性剤。 ○イＲ−SO₃−Ｍ ○ロＲ−Ｏ−SO₃−ＭＲ：C₆〜C₃₀のアルキル基、又はアルケニル
基Ｍ：アルカリ金属、アンモニウム、低級アミ
ン両性界面活性剤例えば次の一般式で示される両性界面活性
剤。Ｒ：C₆〜C₂₀のアルキル基又はアルケニル基Ｍ：アルカリ金属、アンモニア、低級アンモ
ニウムこれらの界面活性剤は、単独でまたは２種以上
を組合わせて使用することができ、全組成中に
0.005〜0.5重量％配合される。また、本発明の金属洗浄用水溶液組成物は、水
溶性ポリカルボン酸またはその塩、および界面活
性剤を含むのみで著しい効果が得られるが、更に
無機ビルダー、有機ビルダーを含有させるか、こ
れらを併用することにより相乗効果を得ることが
できる。この際、使用時の濃度で無機ビルダーは
0.1〜5.0重量％、有機ビルダーは0.01〜2.0重量％
とするのが好ましい。本発明に用い得る無機ビルダー及び有機ビルダ
ーの例を以下に示す。無機ビルダー水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム等の強アルカリ剤；硫酸、塩酸、硝
酸、リン酸、ホウ酸、ケイ酸等の無機酸のアル
カリ金属塩、アンモニウム塩、低級アミン塩
等；炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが用い
られる。有機ビルダーグリシン、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミ
ン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のア
ミノカルボン酸類；クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、グルコン酸、粘液酸等のオキシカルボン酸
類のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、低級ア
ミン塩などが用いられる。これらの無機ビルダー及び有機ビルダーは金
属材料の種類、汚れ成分の種類等により必要に
応じて、単独でまたは２種以上を組み合わせて
使用することができる。本発明の金属洗浄用水溶液組成物は、特にブ
ラシ洗浄に際しスプレー噴射または浸漬する洗
浄液として好適であるが、更にドラム洗浄等、
高圧噴霧洗浄システムなどに使用する洗浄液に
も適用することができる。〔実施例〕次に実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。実施例１熱間圧延したアルミニウム板を50×150mmの寸
法に切断したものを試験片とし、浸漬により洗浄
液を含ませたブラシにより３回／面ブラツシング
した。洗浄液は表−１に示すポリカルボン酸塩の
0.5重量％水溶液とし、予め60℃に保温したもの
を用いた。なお、比較のため界面活性剤水溶液
（0.1重量％ポリオキシエチレンノニルフエニルエ
ーテル）、0.5重量％アクリル酸ナトリウムモノマ
ー水溶液、0.5重量％マレイン酸ナトリウムモノ
マー水溶液及び水を60℃に調整したものについて
も試験を行なつた。評価は、洗浄前及び洗浄後のアルミニウム板表
面のアルミニウム粉を拭き取り法により回収し、
塩酸溶液に溶解後、原子吸光法により定量し、下
記の計算式からアルミニウム粉除去率を求めるこ
とにより行なつた。アルミニウム粉除去率（％）＝(A)−(B)／(A)×100 Ａ：洗浄前のアルミニウム粉量Ｂ：洗浄後のアルミニウム粉量この結果を表−１に示す。

【表】この結果から明らかなように、各種ポリカルボ
ン酸水溶液は優れたアルミニウム粉除去効果を有
する。また、各種ポリカルボン酸ナトリウムの分
子量効果については、各モノマー単独では効果が
全く認められないが、その重合物及び共重合物で
は顕著な効果が認められる。実施例２表−２に示す組成の0.5重量％（固型分濃度）
の洗浄液を用いる以外は実施例１と同様にしてア
ルミニウム粉除去率を求め、ポリカルボン酸ナト
リウムと界面活性剤及び／または有機ビルダーと
の併用効果を調査した。なお、比較のため0.4重
量％エチレンジアミン４酢酸４ナトリウム水溶液
及び0.4重量％グルコン酸ナトリウム水溶液のそ
れぞれに界面活性剤としてポリオキシエチレン
（10）ノニルフエニルエーテルを0.1重量％添加し
たものについても試験を行なつた。この結果を表
−２に示す。

【表】

【表】この結果から、ポリカルボン酸塩類は、界面活
性剤及び／または有機ビルダーの併用により、ア
ルミニウム粉の除去性が一層向上することが分か
る。これらは、界面活性剤及び／または有機ビル
ダーのみを含有する場合に比べ著しい効果が認め
られる。実施例３ポリカルボン酸塩類としてポリアクリル酸ナト
リウム（分子量：7000）及びアクリル酸、マレイ
ン酸共重合物のナトリウム塩（分子量：1200）を
用い、それぞれの0.01、0.05、0.10及び0.30重量
％水溶液を調製し、界面活性剤としてポリオキシ
エチレン（10）ノニルフエニルエーテルを0.1重
量％併用し、実施例１と同様にしてアルミニウム
粉除去率を求め、ポリカルボン酸塩類の添加量効
果を調査した。この結果を表−３に示す。

【表】この結果から、ポリカルボン酸塩類の添加量は
0.05重量％以上でアルミニウム粉除去効果が顕著
であることが認められる。また、添加量が0.01重
量％ではアルミニウム粉除去率が低下する傾向に
あるが、その添加効果が認められる。実施例４冷間圧延直後に採取した鋼板を50×150mmの寸
法に切断したものを試験片とし、表−４に示す組
成の洗浄剤を用いて実施例１と同様にブラシ洗浄
処理を施し、ポリカルボン酸単独、界面活性剤及
び各種ビルダーとの併用効果を調査した。評価は、洗浄前及び洗浄後の鋼板表面の鉄粉を
セロテープ剥離し、このセロテープの反射率測定
値を用い、下記の計算式から鉄粉除去率を求める
ことにより行なつた。鉄粉除去率（％）＝(E)−(D)／(C)−(D)×100 Ｃ：セロテープ自体の反射率Ｄ：未洗浄鋼板からの剥離セロテープの反射率Ｅ：洗浄後の鋼板からの剥離セロテープの反射
率なお、比較のため、有機ビルダー（エチレンジ
アミン４酢酸４ナトリウム）0.5重量％のみを含
有する試料及び無機ビルダー（オルソ珪酸ソー
ダ）0.5重量％のみを含有する試料についても試
験を行なつた。この結果を表−４に示す。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明によれば、従来の金属用
洗浄剤では除去が困難であつた金属粉、埃等の固
体汚れを高い除去率で除去できる金属用洗浄薬剤
が提供される。

Claims

【特許請求の範囲】

１平均分子量が600以上15万以下の水溶性ポリ
カルボン酸またはその塩0.001〜10重量％、およ
び界面活性剤0.005〜0.5重量％を含有し、酸を含
有しないことを特徴とする金属洗浄用水溶液組成
物。