JP2017193774A - 除錆剤および除錆剤の製造方法 - Google Patents

除錆剤および除錆剤の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017193774A
JP2017193774A JP2016206022A JP2016206022A JP2017193774A JP 2017193774 A JP2017193774 A JP 2017193774A JP 2016206022 A JP2016206022 A JP 2016206022A JP 2016206022 A JP2016206022 A JP 2016206022A JP 2017193774 A JP2017193774 A JP 2017193774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rust
rust remover
remover
acid
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016206022A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6298137B2 (ja
Inventor
寿治 久保田
Toshiharu Kubota
寿治 久保田
健太郎 長
Kentaro Cho
健太郎 長
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Office At Co Ltd
Original Assignee
Office At Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Office At Co Ltd filed Critical Office At Co Ltd
Priority to JP2016206022A priority Critical patent/JP6298137B2/ja
Publication of JP2017193774A publication Critical patent/JP2017193774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6298137B2 publication Critical patent/JP6298137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

【課題】取扱いが簡単で、金属部材に発生した錆を十分に除去することができ、また、除錆後の金属部材に錆が再発生するのを抑制することができる除錆剤の提供。【解決手段】5〜40重量%のリン酸と、0.5〜20重量%の、ホスホン酸系キレート剤を含むキレート剤と、0.1〜10重量%の界面活性剤と、0.001〜0.1重量%の尿素系化合物と、を含有する除錆剤。【効果】前記除錆剤を、金属部材(除錆対象物)に接触させるだけで、金属部材に発生した錆を確実に除去することができ、また、除錆後の金属部材に錆が再発生するのを長期間にわたって抑制することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、除錆剤およびかかる除錆剤の製造方法に関し、特に、船舶を構成する金属部材に発生する錆を除去するための除錆剤およびその製造方法に関する。
鉄道車両や船舶等に発生する錆を除去する除錆剤として、塩酸を主成分とする除錆剤が用いられている。このような除錆剤では、塩酸が、錆とともに、金属表面の酸化被膜(不動体膜)も溶解させてしまうことがある。この場合、除錆後の金属部材が、除錆前よりも錆び易くなる。また、このような除錆剤は、強酸である塩酸を主成分とするため、その取扱いに十分に注意を払わなければならない。
一方、非塩酸系の除錆剤として、リン酸を主成分とする除錆剤も知られている(例えば、特許文献1)。この除錆剤では、錆除去性を得るために、除錆剤中のリン酸濃度を高くしなければならない。除錆剤中のリン酸濃度を高くすると、人体への悪影響が生じて安全性に問題があるとともに、環境への負担が大きくなる。また、除錆剤中のリン酸濃度を高くしても、十分な錆除去性を得られない。さらに、リン酸を主成分とする除錆剤においても、除錆後の金属部材が錆び易いという問題がある。特に、海水に晒される船舶の金属部材は、除錆後、比較的短時間で錆が発生してしまうため、除錆作業に従事する者の負担が大きい。
特開平6−330362号公報
本発明の目的は、取扱いが簡単で、金属部材に発生した錆を十分に除去することができる除錆剤を提供することにある。また、除錆後の金属部材に錆が再発生するのを抑制することができる除錆剤を提供することにある。また、本発明の別の目的は、かかる除錆剤を容易に製造することができる除錆剤の製造方法を提供することにある。
このような目的は、以下の(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1) 5〜40重量%のリン酸と、
0.5〜20重量%のキレート剤と、
0.1〜10重量%の界面活性剤と、
0.001〜0.1重量%の尿素系化合物と、
を含有することを特徴とする除錆剤。
(2) 前記キレート剤は、0.2〜15重量%のホスホン酸系キレート剤と、0.2〜15重量%のオキシカルボン酸系化合物とを含む上記(1)に記載の除錆剤。
(3) 前記尿素系化合物は、チオ尿素誘導体を含む上記(1)または(2)に記載の除錆剤。
(4) 前記除錆剤中の、前記リン酸の含有率をX[重量%]、前記尿素系化合物の含有率をY[重量%]としたとき、X/Yの値が、10以上40000以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の除錆剤。
(5) 前記除錆剤の粘度は、3〜7000mPa・sである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の除錆剤。
(6) 所定量の増粘剤をさらに含む上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の除錆剤。
(7) 前記増粘剤は、ポリオキシエチレンを含む上記(6)に記載の除錆剤。
(8) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の除錆剤の製造方法であって、
水性媒体と、前記キレート剤とを混合して第1の混合液を得る工程と、
前記第1の混合液と、前記リン酸とを混合して第2の混合液を得る工程と、
前記第2の混合液と、前記界面活性剤および前記尿素系化合物とを混合して除錆剤を得る工程と、
を有することを特徴とする除錆剤の製造方法。
(9) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の除錆剤の製造方法であって、
水性媒体と、前記界面活性剤とを混合して第1の混合液を得る工程と、
前記第1の混合液と、前記増粘剤とを混合して第2の混合液を得る工程と、
前記第2の混合液と、前記キレート剤とを混合して第3の混合液を得る工程と、
前記第3の混合液と、前記リン酸および前記尿素系化合物とを混合して除錆剤を得る工程と、
を有することを特徴とする除錆剤の製造方法。
本発明によれば、金属部材(除錆対象物)に接触させるだけで、金属部材に発生した錆を確実に除去することができる。また、除錆後の金属部材に錆が再発生するのを長期間にわたって抑制することができる。また、本発明の除錆剤は、取扱いが簡単で、環境への負担も小さい。さらに、本発明の除錆剤は、継続使用した際にも、その錆除去性が劣化し難い。そのため、除錆作業に従事する者の負担を軽減することができる。
図1(a)は、SUS304試験片(試験板)に赤錆を発生させた状態を示す写真であり、図1(b)は、図1(a)に示す試験片を実施例1の除錆剤に10分浸漬させ、その後水洗した状態を示す写真である。 図2(a)は、SPCC試験片(JIS G3141)に赤錆を発生させた状態を示す写真であり、図2(b)は、図2(a)に示す試験片を実施例1の除錆剤の10倍水希釈液に10分浸漬させ、その後水洗した状態を示す写真である。 図3(a)は、船舶の甲板に赤錆が発生した状態を撮影した写真であり、図3(b)は、図3(a)の甲板に実施例1の除錆剤および比較例2の除錆剤を塗布して10分間放置し、水洗した後の状態を撮影した写真であり、図3(c)は、図3(a)の甲板に実施例1の除錆剤を塗布して1時間放置し、水洗した後の状態を撮影した写真である。 図4(a)は、船舶の転落防止用チェーンに赤錆が発生した状態を示す写真であり、図4(b)は、図4(a)の転落防止用チェーンを実施例1の除錆剤に30分間浸漬させ、水洗した後の状態を示す写真である。
以下、本発明の除錆剤および除錆剤の製造方法について、詳細に説明する。
<除錆剤>
まず、本発明の除錆剤について説明する。本発明の除錆剤は、5〜40重量%のリン酸と、0.5〜20重量%のキレート剤と、0.1〜10重量%の界面活性剤と、0.001〜0.1重量%の尿素系化合物とを含む。このような除錆剤は、金属部材(除錆対象物)により接触(塗布や浸漬等)させるだけで、金属部材に発生した錆を確実に除去することができる。また、除錆後の金属部材に錆が再発生するのを長期間にわたって抑制することができる。また、この除錆剤は、除錆剤中のリン酸含有率が比較的小さいため、取扱い易い。さらに、この除錆剤は、継続使用した際にも、その錆除去性が劣化し難い。そのため、錆び易い船舶等の金属部材(転落防止用チェーンやドアノブ等)への使用が効果的である。
(リン酸)
リン酸は、金属部材に発生した錆を除去(溶解)する主成分として作用する。また、リン酸は、錆を除去するとともに、除錆された金属部材表面に被膜(リン酸金属塩)を形成するようにも作用する。例えば、鉄鋼部材に発生した錆を除去する際には、鉄鋼部材表面にリン酸鉄の被膜が形成され、この被膜によって、鉄鋼部材に錆が再発生するのを抑制するように作用する。リン酸の含有率は、除錆剤全体に対して5〜40重量%であるが、8〜30重量%が好ましく、10〜25重量%がより好ましく、12〜20重量%が最も好ましい。リン酸の含有率が前記範囲内であることにより、除錆する金属部材の素材にかかわらず、錆を確実に除去することができる。また、除錆された金属部材表面に確実に被膜を形成して、金属部材に錆が再発生するのをより確実に抑制することができる。そのため、この除錆剤は、特に、海水や潮風に晒される船舶の金属部材に有効である。
(キレート剤)
キレート剤は、金属部材に発生した錆の除去を促進するように作用する。より具体的には、キレート剤は、キレート作用により錆中の金属イオンと配位結合して、錆の金属イオンを除去するように作用する。そのため、リン酸との相乗効果で、除錆剤の錆除去性が向上する。また、錆中の金属イオンがキレート剤によって除去されることにより、リン酸の錆に対する溶解力が落ち難い。そのため、本発明の除錆剤は、継続使用した際にも、その錆除去性が劣化し難い。
このようなキレート剤としては、特に限定されず、例えば、ホスホン酸系キレート剤、アミノカルボン酸系キレート剤、オキシカルボン酸系化合物、アミノ酸系キレート剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホスホン酸系キレート剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、およびこれらの塩等を含む。これらの中でも、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸は、ヒドロキシエチリデンに対して対称的に2つのホスホン酸が結合した構造を有する。かかる化合物は、1分子中に金属イオンをキレートすることができるとともに、異なる分子のホスホン酸基間で金属イオンをキレートすることができ、高いキレート作用を発現するため、特に好ましい。
アミノカルボン酸系キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、シクロヘキシルジアミノ四酢酸(CyDTA)、およびこれらの塩等を含む。
オキシカルボン酸系化合物は、クエン酸、乳酸、グルコール酸、グリセリン酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロアクリル酸、タルトロン酸、グリオキシル酸、サリチル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、プロトカテク酸、マンデル酸、没食子酸、およびこれらの塩、水和物等を含む。これらの中でも、クエン酸およびクエン酸の水和物は、1分子中にカルボン酸を3つ備えた構造を有しており、高いキレート作用を発現するため、特に好ましい。
アミノ酸系キレート剤は、例えば、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン、およびメチオニン、ならびにこれらの塩等を含む。
キレート剤の含有率は、除錆剤全体に対して0.5〜20重量%であるが、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましく、3〜8重量%が最も好ましい。キレート剤の含有率が前記範囲内であることにより、錆中の金属イオンに対するキレート作用を十分に高めることができ、除錆剤の錆除去性がより向上する。
また、上述したキレート剤のうち、2種以上を組み合わせて用いる場合には、ホスホン酸系キレート剤とオキシカルボン酸系化合物とを併用するのが好ましい。ホスホン酸系キレート剤は、リン酸と類似した化学構造を有しているため、リン酸との相溶性が良好な化合物である。また、オキシカルボン酸は、その構造中に、水酸基とカルボン酸とを有しているため、リン酸およびホスホン酸系キレート剤との相溶性が高い。そのため、除錆剤中のリン酸、ホスホン酸系キレート剤およびオキシカルボン酸系化合物は、均一に混ざり合う。このため、リン酸によって溶解された錆の金属イオンが、ホスホン酸系キレート剤およびオキシカルボン酸系化合物によって効率良くキレートされ、除錆剤の錆除去性がより向上する。
また、キレート剤として、ホスホン酸系キレート剤とオキシカルボン酸系化合物とを併用する場合、ホスホン酸系キレート剤の含有率は、除錆剤全体に対して0.2〜15重量%が好ましく、1〜8重量%がより好ましく、2〜5重量%が最も好ましい。一方、オキシカルボン酸系化合物の含有率は、除錆剤全体に対して0.2〜15重量%が好ましく、1〜8重量%がより好ましく、1.5〜5重量%が最も好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、金属部材の表面に付着した汚れ(塗料、油、泥、ほこり等)を除去(洗浄)するように作用する。例えば、錆の内部や錆表面に油汚れ等が付着している場合に、界面活性剤の作用によってこれらの油汚れが除去されるため、リン酸が直接錆と接触して、錆を溶解し易くなる。また、除錆後の金属部材表面に光沢感を付与するようにも作用する。
界面活性剤は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤を含む。これらの中でも、ノニオン界面活性剤は、ハンドリング性も良く、非イオン性であることから、キレート剤による金属イオンのキレート作用を阻害することがないため、特に好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルグリコシド、メチルグルコシド脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、金属部材表面の汚れに対する洗浄力が特に大きいため、好ましい。
アニオン界面活性剤としては、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム塩、コール酸ナトリウム水和物、N−ラウロイルサルコシンナトリウム塩、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸、3−(N,N−ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンスルホン酸、3−(N,N−ジメチルオクチルアンモニオ)プロパンスルホン酸分子内塩、アルキルベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。
なお、これらの界面活性剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的に、ノニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の組合せ、アニオン界面活性剤と両性界面活性剤の組合せ、ノニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤の組合せ、ノニオン界面活性剤と両性界面活性剤との組合せ等、自由に組み合わせることができる。
また、界面活性剤の含有率は、除錆剤全体に対して0.1〜10重量%であるが、0.2〜8重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましく、0.8〜2重量%が最も好ましい。界面活性剤の含有率を前記範囲内とすることにより、除錆剤に適切な量の界面活性剤が含まれるため、より大きな洗浄力が得られる。また、界面活性剤の含有率を前記範囲内とすることにより、リン酸およびキレート剤による高い錆除去性を維持しつつ、金属部材表面の洗浄性をより高めることができる。
(尿素系化合物)
尿素系化合物は、リン酸による金属部材表面の腐食を防止するように作用する。より具体的には、尿素系化合物が除錆された金属部材表面に付着し、リン酸により金属部材が溶解されるのを抑制する。本発明の除錆剤を用いて金属部材を除錆することにより、除錆後の金属部材表面にはリン酸由来の被膜と、尿素系化合物由来の被膜とが形成される。例えば、除錆後の金属部材表面に、尿素系化合物由来の被膜が形成された後、リン酸由来の被膜が形成されたり、逆に、リン酸由来の被膜が形成された後、尿素系化合物由来の被膜が形成される。また、金属部材表面の一部の領域にリン酸由来の被膜が形成され、その他の領域に尿素系化合物由来の被膜が形成されたりもする。このため、除錆後の金属部材表面が保護され、除錆後の金属部材に錆が再発生するのを長期間にわたって抑制することができる。
このような尿素系化合物としては、チオ尿素、尿素、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、スルホニル尿素、アリル尿素、グアニジン、アセチルチオ尿素、フェニル尿素、アラントイン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、チオセミカルバゾン、グアネチジン、およびこれらの誘導体または縮合物等が挙げられる。これらの中でも、特に、チオ尿素の誘導体(チオ尿素誘導体)を含むことが好ましい。この縮合物を用いることにより、除錆後の金属部材に錆が再発生するのをより長期間にわたって抑制することができる。
また、尿素系化合物の含有率は、除錆剤全体に対して0.001〜0.1重量%であるが、0.003〜0.08重量%が好ましく、0.005〜0.06重量%がより好ましく、0.01〜0.04重量%が最も好ましい。尿素系化合物の含有率が前記範囲内であることにより、除錆剤に適切な量の尿素系化合物が含まれるため、リン酸による金属部材表面の腐食をより確実に抑制することができる。また、除錆後の金属部材に錆が再発生するのをより長期間にわたって抑制することができる。
本発明の除錆剤は、水性媒体、増粘剤をさらに含んでいてもよい。
(水性媒体)
水性媒体は、金属部材に対する除錆剤の錆除去性を調整するように作用する。水性媒体としては、水(蒸留水、イオン交換水および水道水等)や各種アルコール等が挙げられる。
除錆剤中の水性媒体の含有率は、除錆する金属部材の種類および除錆する面積に応じて任意に調整することができるが、除錆剤全体に対して50〜90重量%が好ましく、60〜85重量%がより好ましく、65〜80重量%が最も好ましい。
例えば、金属部材(除錆対象物)がステンレス製部材である場合には、発生する錆を除去することが困難であるため、除錆剤中の水性媒体の含有率が比較的小さい除錆剤を用いることが好ましい。また、金属部材が鉄製部材である場合には、発生する錆がステンレス製部材に比べて除去し易いため、除錆剤中の水性媒体の含有率が比較的大きい除錆剤を用いることができる。
なお、本発明の除錆剤は、リン酸、キレート剤、界面活性剤および尿素系化合物を上述したような含有率で含ませることにより、極めて高い錆除去性を有する。そのため、除錆剤中の水性媒体の含有率を十分に大きくしても、除錆剤の錆除去性を十分に高くすることができる。また、この除錆剤は、高い錆除去性を有するため、多量の水等で希釈して使用することができる。例えば、錆取り面積が大きい船舶等の金属部材を除錆する際に、除錆剤を多量の水で希釈することにより、使用する除錆剤のコストを抑えることができる。
(増粘剤)
増粘剤は、除錆剤の粘度を調整するよう作用し、除錆対象物によって除錆剤を増粘したい場合に使用する。所定量の増粘剤を含むことにより、ドアノブ、壁、天井等のような鉛直部材に対する除錆を行う場合であっても、除錆剤を除錆対象物に留まらせることができるため、確実に除錆を行うことができる。
このような増粘剤としては、ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系増粘剤;カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム等のガム;ポリサッカライド;寒天などのアルギン酸塩;ヒドロキシアルキルセルロースエーテル等のセルロースエーテル;アクリル酸コポリマー;デンプンなどが挙げられる。
これらの増粘剤のうち、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンが好ましく、特に、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、その繰り返し単位中に1つの水酸基を有するため、分子構造中に水酸基を有する化合物と分子間水素結合する。分子構造中に水酸基を有する化合物としては、例えば、前述した、リン酸、ホスホン酸系キレート剤、オキシカルボン酸系キレート剤等の化合物が挙げられる。そのため、除錆剤中にポリビニルアルコールを含むことにより、ポリビニルアルコールと上記化合物との間で水素結合し、除錆剤を増粘し易い。また、ポリビニルアルコールの添加量が少量でも、ポリビニルアルコールと上記化合物との間で十分に水素結合し、高い増粘効果を有する。したがって、除錆剤の粘度を高く調整する際にも、除錆剤中のポリビニルアルコールの含有率を低くすることができるため、上述した各成分の作用が阻害されない。すなわち、増粘剤として、ポリビニルアルコールを用いることにより、除錆剤の錆除去性を維持しながら、除錆剤の粘度を自由に調整することができる。また、ポリビニルアルコールと上記化合物との間の水素結合は安定しているため、長期間にわたって増粘効果が維持される。
増粘剤の含有率は、除錆剤全体に対して0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.5〜3重量%が最も好ましい。増粘剤の含有率が前記範囲内であることにより、リン酸の作用効果と増粘剤の作用効果とを、バランス良く発現することができるため、除錆剤の錆除去性を維持しながら、除錆剤の粘度を適切に設定することができる。
なお、ドアノブ、壁、天井等のような鉛直部材に塗布して除錆する除錆剤を調製する場合、増粘剤の含有率は、除錆剤全体に対して0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましく、1〜3重量%であることが最も好ましい。
一方、取り外し可能な部材(船舶の転落防止用チェーン等)を浸漬させたり、床等の水平部材に塗布して除錆する除錆剤を調製する場合、増粘剤の含有率は、除錆剤全体に対して0.01〜2重量%であることが好ましく、0.05〜1.5重量%であることがより好ましく、0.05〜1重量%であることが最も好ましい。また、このような除錆剤は、当然、増粘剤を含まなくてもよい。
(その他の成分)
本発明の除錆剤は、上記成分以外に、その他の成分として、pH調整剤等の添加物等を含んでいてもよい。
以上のような成分を含む除錆剤は、除錆剤中の、リン酸の含有率をX[wt%]、尿素系化合物の含有率をY[wt%]としたとき、X/Yの値が、10以上40000以下であるのが好ましく、30以上10000以下であるのがより好ましく、50以上5000以下であるのが最も好ましい。リン酸と尿素系化合物とが、上記関係を満足するように除錆剤に含まれることにより、高い錆除去性と、優れた防錆性とを両立することができる。
また、除錆剤中の、リン酸の含有率をX[wt%]、キレート剤の含有率をZ[wt%]としたとき、X/Zの値が、1以上20以下であるのが好ましく、1.2以上15以下であるのがより好ましく、2以上10以下であるのが最も好ましい。リン酸とキレート剤との含有比率が上記関係を満足することにより、リン酸の作用効果とキレート剤の作用効果とを、バランス良く発現することができるため、除錆剤の錆除去性をより向上させることができる。また、継続使用した際にも、その錆除去性が劣化し難い除錆剤とすることができる。
また、除錆剤の20℃での粘度は、3〜7000mPa・sであるが、3〜5000mPa・sであることが好ましく、5〜3000mPa・sであることがより好ましい。除錆剤中に含まれる増粘剤の含有量を調整することにより、除錆剤の粘度を上記範囲内に自由に調整することができる。
取り外し可能な部材や水平部材に用いられる低粘度タイプの除錆剤の粘度は、3〜100mPa・sであることが好ましく、3〜50mPa・sであることがより好ましく、5〜10mPa・sであることが最も好ましい。除錆剤の粘度がこのような粘度範囲であると、除錆剤の金属部材への濡れ性が良好となる。このような除錆剤は、複雑な形状の金属部材や、金属部材同士を連結させてなる転落防止用チェーン等に用いた際に、より効果的に除錆を行うことができる。
一方、鉛直部材に用いられる高粘度タイプの除錆剤の粘度は、1000〜7000mPa・sであることが好ましく、1500〜5000mPa・sであることがより好ましく、2000〜3500mPa・sであることが最も好ましい。除錆剤の粘度がこのような粘度範囲であると、除錆剤は、除錆対象物の金属部材(ドアノブ、壁等)上に長時間留まることができる。そのため、上記成分と金属部材との接触時間が長くなるため、確実に除錆することができる。
除錆剤のpHは、0.2〜4であることが好ましく、0.2〜3であることがより好ましい。除錆剤のpHが上記範囲内であることにより、除錆剤の錆除去性がより向上する。
なお、本発明の除錆剤は、透明から淡黄色液体であり、引火点はない。
以上のような除錆剤は、例えば、船舶等に備えられた転落防止用チェーン、ドアノブ、壁、配管等に発生した錆を除去するのに用いられる。
<除錆方法>
次に、本発明の除錆剤を用いた除錆方法について説明する。かかる除錆方法は、上述した各成分を所定量含む除錆剤を、錆が発生した金属部材(除錆対象物)に接触させることにより、除錆する工程と、除錆後の金属部材を水洗する工程とを含む。
除錆剤を金属部材に接触させる方法としては、低粘度タイプの除錆剤を用いる場合には、金属部材を除錆剤が注がれた容器内に浸漬させる方法(浸漬方法)、除錆剤を金属部材に塗布する方法(塗布方法)、または、除錆剤を噴霧(スプレー)手段により金属部材に吹き付ける方法(噴霧方法)等が挙げられる。特に、船舶の転落防止用チェーン等は、船舶の固定具から取り外し可能な部材であり、非常に長く、除錆する面積が大きいため、大量の錆を除去しなければならない。このような金属部材に対しては、除錆作業者の負担を軽減する観点から、上述した浸漬方法により除錆するのが好ましい。
一方、高粘度タイプの除錆剤を用いる場合には、上述した塗布方法が用いられる。特に、船舶のドアノブ、壁、配管等の金属部材は、船舶から取り外すことができないため、高粘度タイプの除錆剤を金属部材に塗布し、所定時間放置することにより、効果的に除錆を行うことができる。
除錆剤の金属部材への接触時間は、除錆する金属部材の材質および発生した錆の量により適宜調整することができるが、1〜30分程度が好ましく、3〜20分程度がより好ましく、5〜15分程度が最も好ましい。本発明の除錆剤であれば、このような比較的短時間であっても、確実に除錆することができる。
また、除錆時における除錆剤の温度は、特に限定されないが、0〜40℃程度が好ましく、1〜35℃程度がより好ましく、5〜28℃程度が最も好ましい。特に、本発明の除錆剤は、比較的低温(1〜2℃程度)でも、高い錆除去性を有するため、寒冷地等で使用する場合であっても、金属部材の錆を確実に除去することができる。
上記のような条件で金属部材の除錆を行った後、金属部材に付着した除錆剤を水洗により除去する。以上の方法により、金属部材を除錆することができる。
<除錆剤の製造方法>
次に、上述した増粘剤の製造方法について説明する。なお、以下に説明する除錆剤の製造方法では、水性媒体として水を含む除錆剤の製造方法について説明する。
<<増粘剤を含まない除錆剤の製造方法>>
まず、増粘剤を含まない除錆剤の製造方法について説明する。かかる除錆剤の製造方法は、水性媒体(水)と、キレート剤とを混合して第1の混合液を得る工程(第1の工程)と、第1の混合液とリン酸とを混合し、第2の混合液を得る工程(第2の工程)と、第2の混合液と、界面活性剤および尿素系化合物とを混合し、除錆剤を得る工程(第3の工程)とを含む。以下、各工程を詳細に説明する。
(第1の工程)
第1の工程は、水性媒体と、キレート剤とを容器内で混合し、第1の混合液を得る工程である。水性媒体とキレート剤とを容器に入れる順番は特に限定されず、どちらが先であってもよく、同時であってもよい。また、キレート剤が2種以上組合せて用いられる場合も各キレート剤を容器に入れる順番は特に限定されず、どちらが先であってもよく、同時であってもよい。水性媒体とキレート剤との混合は、撹拌しながら行われる。
混合する温度は、特に限定されないが、10〜30℃程度が好ましい。また、混合する時間は、水性媒体とキレート剤とが完全に混合される限り特に限定されないが、1〜10分程度が好ましい。
(第2の工程)
第2の工程は、第1の工程で得られた第1の混合液に、リン酸を混合し、第2の混合液を得る工程である。リン酸の混合は、第1の混合液を撹拌しながら行われる。
混合する温度は、特に限定されないが、10〜30℃程度が好ましい。また、混合する時間は、第1の混合液とリン酸とが完全に混合される限り特に限定されないが、1〜10分程度が好ましい。
(第3の工程)
第3の工程は、第2の工程で得られた第2の混合液に、界面活性剤と、尿素系化合物とを混合し、除錆剤を得る工程である。界面活性剤と尿素系化合物とを第2の混合液に混合する順番は特に限定されず、どちらが先であってもよく、同時であってもよい。なお、界面活性剤および尿素系化合物と、第2の混合液との混合は、撹拌しながら行われる。
混合する温度は、特に限定されないが、10〜30℃程度が好ましい。また、混合する時間は、界面活性剤と尿素系化合物とが第2の混合液に完全に混合される限り特に限定されないが、1〜10分程度が好ましい。
なお、上述した第1の工程〜第3の工程は、各混合液(第1の混合液、第2の混合液)を撹拌しながら行われる。各混合液の撹拌は、回転数が200〜8000rpmとなるように実行されることが好ましく、回転数が300〜5000rpmとなるように実行されることがより好ましい。これにより、短時間で十分に撹拌することができる。
以上のような工程を経て、除錆剤が得られる。
<<増粘剤を含む除錆剤の製造方法>>
次に、増粘剤を含む除錆剤の製造方法について説明する。かかる除錆剤の製造方法は、水性媒体(水)と、界面活性剤とを混合して第1の混合液を得る工程(第1の工程)と、第1の混合液と増粘剤とを混合し、第2の混合液を得る工程(第2の工程)と、第2の混合液とキレート剤とを混合し、第3の混合液を得る工程(第3の工程)と、第3の混合液と、リン酸および尿素系化合物とを混合し、除錆剤を得る工程(第4の工程)とを含む。以下、各工程を詳細に説明する。
(第1の工程)
第1の工程は、水性媒体と、界面活性剤とを容器内で混合し、第1の混合液を得る工程である。水性媒体と界面活性剤とを容器に入れる順番は特に限定されず、どちらが先であってもよく、同時であってもよい。水性媒体と界面活性剤との混合は、撹拌しながら行われる。
混合する温度は、特に限定されないが、10〜30℃程度が好ましい。また、混合する時間は、水性媒体と界面活性剤とが完全に混合される限り特に限定されないが、1〜10分程度が好ましい。
(第2の工程)
第2の工程は、第1の工程で得られた第1の混合液に、増粘剤を混合し、第2の混合液を得る工程である。増粘剤の混合は、第1の混合液を撹拌しながら行われる。
混合する温度は、特に限定されないが、10〜30℃程度が好ましい。また、混合する時間は、第1の混合液と増粘剤とが完全に混合される限り特に限定されないが、1分〜24時間程度が好ましい。
(第3の工程)
第3の工程は、第2の工程で得られた第2の混合液に、キレート剤を混合し、第3の混合液を得る工程である。キレート剤の混合は、第2の混合液を撹拌しながら行われる。なお、キレート剤が2種以上組合せて用いられる場合も各キレート剤を第2の混合液に入れる順番は特に限定されず、どちらが先であってもよく、同時であってもよい。
混合する温度は、特に限定されないが、10〜30℃程度が好ましい。また、混合する時間は、第2の混合液とキレート剤とが完全に混合される限り特に限定されないが、1〜10分程度が好ましい。
(第4の工程)
第4の工程は、第3の工程で得られた第3の混合液に、リン酸と、尿素系化合物とを混合し、除錆剤を得る工程である。リン酸と尿素系化合物とを第3の混合液に混合する順番は特に限定されず、どちらが先であってもよく、同時であってもよい。なお、リン酸および尿素系化合物と、第3の混合液との混合は、撹拌しながら行われる。
混合する温度は、特に限定されないが、10〜30℃程度が好ましい。また、混合する時間は、リン酸と尿素系化合物とが第3の混合液に完全に混合される限り特に限定されないが、1〜10分程度が好ましい。
なお、上述した第1の工程〜第4の工程は、各混合液(第1の混合液、第2の混合液、第3の混合液)を撹拌しながら行われる。各混合液の撹拌は、回転数が200〜8000rpmとなるように実行されることが好ましく、回転数が300〜5000rpmとなるように実行されることがより好ましい。これにより、短時間で十分に撹拌することができる。
以上のような工程を経て、除錆剤が得られる。
なお、上記の説明では、構成成分として水性媒体(水)を含む除錆剤について説明したが、上記と同様の方法を用いて水性媒体を含まない除錆剤を得ることもできる。例えば、増粘剤を含まない除錆剤を製造する場合には、上述した第1および第2の工程の代わりに、キレート剤と、リン酸とを容器内で混合して第1の混合液を得る工程後に、上述した第3の工程を行えばよい。
以上、本発明の除錆剤および除錆剤の製造方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、除錆剤を構成する各成分は、同様の機能を発揮し得る任意の成分と置換することができる。また、任意の成分が除錆剤に付加されていてもよい。
また、本発明の除錆剤は、船舶、航空、車両、建物、壁、手すり等、あらゆる種類の金属部材の錆を除去するために用いられる。特に、後述するように、海水に晒される船舶では、その金属部材が海水や潮風に晒されており、錆び易く、発生した錆を除去し難い。本発明の除錆剤は、このような金属部材に対しても、錆を確実に除去することができるとともに、長期間にわたって錆の再発生を抑制することができるため、船舶への使用に特に適している。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.除錆剤の製造
(実施例1)
まず、容器に739kgの水(水道水)を入れた。これを撹拌しながら、キレート剤である、キレストPH−210(キレスト社製 ホスホン酸系キレート剤)の25.1kg、およびクエン酸・1水塩(扶桑化学社製)の25.1kgを、この順に加え、第1の混合液を得た。次に、第1の混合液を撹拌しながら、200.4kgの75%リン酸(大和化成社製)を第1の混合液に加え、第2の混合液を得た。次に、第2の混合液を撹拌しながら、界面活性剤であるノイゲンXL−80(日油社製)の10kgと、尿素系化合物(チオ尿素誘導体)を含むメタレックスAI(油化産業社製)の2.5kgとを、第2の混合液に続けて加えた。これにより、除錆剤(増粘剤を含まない低粘度タイプの除錆剤)を得た。
なお、除錆剤中、水は73.75重量%、キレストPH−210は、2.5重量%、クエン酸・1水和物は2.5重量%、75%リン酸は20重量%(リン酸成分は15重量%)、ノイゲンXL−80は1重量%、メタレックスAIは0.25重量%(チオ尿素誘導体成分は、0.02重量%)であった。
また、除錆剤のpHは0.5(23℃)であり、除錆剤の20℃での粘度は6mPa・sであった。なお、pHの測定はJIS K 0102に従って行い、粘度の測定はB型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて、JOCS 2.3.9.5−71またはJIS Z8803の規定に従って行った。
(実施例2)
水を779.2kg、キレート剤である、キレストPH−210を5kg、クエン酸・1水塩を5kg使用した以外は、実施例1と同様にして除錆剤(低粘度タイプの除錆剤)を得た。なお、除錆剤中、水は77.75重量%、キレストPH−210は0.5重量%、クエン酸・1水塩は0.5重量%だった。
(実施例3)
まず、容器に718.9kgの水(水道水)を入れた。これを撹拌しながら、界面活性剤であるノイゲンXL−80の10kgを加え、第1の混合液を得た。次に、第1の混合液を撹拌しながら、増粘剤であるアルコックスE−75(明成化学工業社製 ポリオキシエチレン)の20kgを第1の混合液に加え、第2の混合液を得た。次に、第2の混合液を撹拌しながら、キレート剤である、キレストPH−210の25.1kg、およびクエン酸・1水塩の25.1kgを、この順に第2の混合液に加え、第3の混合液を得た。次に、第3の混合液を撹拌しながら、200.4kgの75%リン酸と、尿素系化合物であるメタレックスAIの2.5kgとを、第3の混合液に続けて加えた。これにより、除錆剤(増粘剤を含む高粘度タイプの除錆剤)を得た。
なお、除錆剤中、水は71.75重量%、キレストPH−210は、2.5重量%、クエン酸・1水和物は2.5重量%、75%リン酸は20重量%(リン酸成分は15重量%)、ノイゲンXL−80は1重量%、メタレックスAIは0.25重量%、アルコックスE−75は2重量%であった。
また、除錆剤のpHは0.5(23℃)であり、除錆剤の20℃での粘度は2800mPa・sであった。なお、pHの測定はJIS K 0102に従って行い、粘度の測定はB型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて、JOCS 2.3.9.5−71またはJIS Z8803の規定に従って行った。
(比較例1)
水を899.4kg、75%リン酸を40kg使用した以外は、実施例1と同様にして除錆剤(低粘度タイプの除錆剤)を得た。なお、除錆剤中、水は89.9重量%、75%リン酸は4質量%(リン酸成分は3質量%)だった。
(比較例2)
有機酸を主成分とする市販の除錆剤(ワイエステック社製、商品名「スーパーサビノンG」)を準備した。
2.評価
2.1 除錆性評価I
各実施例で得られた除錆剤および比較例1で得られた除錆剤について、短時間での腐食除去性(除錆性)を以下のようにして評価した。
まず、SUS304の試験片(横70mm、縦70mm、厚さ0.4mm)を用意した。この試験片の片側の表面に対して、30日間にわたって、2%食塩水を毎日所定の時間に噴霧することにより、試験片に赤錆を発生させた(試験片を腐食させた)。
次に、このように腐食した試験片を除錆剤に接触させ、除錆した。具体的には、実施例1、2および比較例1については、試験片を載置可能な容器に除錆剤を注ぎ、その後、試験片を容器内に載置して、腐食した試験片を除錆剤に浸漬させた。なお、試験片の除錆剤への浸漬は、試験片および除錆剤の温度を20〜25℃に維持した状態で、10分間行った。一方、実施例3については、試験片および除錆剤の温度を20〜25℃に維持した状態で、試験片の腐食面に除錆剤を塗布した後、10分間放置した。
その後、試験片を十分に水洗した。水洗後の試験片について、除錆前後の赤錆の除去率を目視で確認し、以下の基準に従って評価した。その結果を表1に示す。
A:赤錆を除去できた。
B:赤錆を除去できたが、不十分であった。
C:赤錆を除去できなかった。
なお、図1(a)は、SUS304試験片(試験板)に赤錆を発生させた状態を示す写真であり、図1(b)は、図1(a)に示す試験片を実施例1の除錆剤に10分浸漬させ、その後水洗した状態を示す写真である。
表1から明らかなように、各実施例の除錆剤は、除去し難いSUS304試験片の赤錆を、短時間(10分間)で50%以上除去することができた(図1(a)および(b)参照)。一方、比較例1の除錆剤では、SUS304試験片の赤錆を、短時間で除去することができなかった。
2.2 除錆性評価II
各実施例で得られた除錆剤および比較例1で得られた除錆剤について、継続的に使用した際の腐食除去性(除錆性)を以下のようにして評価した。なお、本評価は、除錆剤を継続的に使用することにより、除錆剤中の有効成分量が減少することに着目し、除錆剤を10倍に水希釈した10倍水希釈液を用いて行った。
まず、SPCC試験片(JIS G3141、横70mm、縦70mm、厚さ0.4mm)を用意した。この試験片の片側の表面に対して、5日間にわたって、2%食塩水を毎日所定の時間に噴霧することにより、試験片に赤錆を発生させた(試験片を腐食させた)。なお、SPCC試験片の発錆は、JIS K2246の項目6.4(6.4.4)に記載の錆発生度で、腐食面がE級となるまで腐食させた。
次に、このように腐食した試験片を除錆剤の10倍水希釈液に接触させ、除錆した。具体的には、実施例1、2および比較例1については、試験片を載置可能な容器に10倍水希釈液を注ぎ、その後、試験片を容器内に載置して、腐食した試験片を10倍水希釈液に浸漬させた。なお、試験片の10倍水希釈液への浸漬は、試験片および除錆剤の温度を20〜25℃に維持した状態で、10分間行った。一方、実施例3については、試験片および10倍水希釈液の温度を20〜25℃に維持した状態で、試験片の腐食面に10倍水希釈液を塗布した後、10分間放置した。
その後、試験片を十分に水洗した。水洗後の試験片について、除錆前後の赤錆の除去率を目視で確認し、以下の基準に従って評価した。その結果を表1に示す。
A:赤錆を除去できた。
B:赤錆を除去できたが、不十分であった。
C:赤錆を除去できなかった。
なお、図2(a)は、SPCC試験片(JIS G3141)に赤錆を発生させた状態を示す写真であり、図2(b)は、図2(a)に示す試験片を実施例1の除錆剤の10倍水希釈液に10分浸漬させ、その後水洗した状態を示す写真である。
表1から明らかなように、各実施例の除錆剤の10倍水希釈液は、SPCC試験片の赤錆を、短時間(10分間)でほぼ完全に(98%以上)除去することができた(図2(a)および(b)参照)。したがって、各実施例の除錆剤は、継続使用した際にも、その錆除去性が劣化し難いことが分かった。一方、比較例1の除錆剤では、SPCC試験片の赤錆を、短時間で除去することができなかった。したがって、比較例の除錆剤は、継続的に使用し続けると、その錆除去性が劣化してしまい、継続使用には適さないことが分かった。
2.3 防錆性評価
上記2.2 除錆性評価IIを行った後のSPCC試験片を、常温(23℃程度)で、30日間室内で保管した。30日間経過後のSPCC試験片について、赤錆の発生状況を目視で確認し、以下の基準に従って評価した。その結果を表1に示す。なお、上記2.2の除錆性評価IIを行った直後に認められた赤錆と、本評価において新たに発生した赤錆とを合わせた赤錆の発生率を評価した。
A:赤錆の発生が認められない。
B:赤錆の発生が認められる。
表1から明らかなように、各実施例の除錆剤(10倍水希釈液)により除錆したSPCC試験片では、除錆後、十分に赤錆の発生が抑制されていることが分かった(発錆がSPCC試験片全面積の2%未満)。一方、比較例1の除錆剤により除錆したSPCC試験片では、上記2.2 除錆性評価IIを行った後の状態から、変化がなかった。
Figure 2017193774
このように、各実施例で得られた除錆剤では、錆除去性および防錆性ともに優れた結果が得られた。以上の結果から、実施例1〜3の除錆剤のように、上述した本発明の所定の成分およびその含有量を満たすことで、錆除去性および防錆性を両立できることが分かった。
2.4 除錆性評価III
次に、実施例1で得られた除錆剤と比較例2の除錆剤について、実際の船舶の甲板の金属部分に対する除錆性を評価した。
図3(a)は、船舶の甲板の金属部分に赤錆が発生した状態を撮影した写真であり、図3(b)は、図3(a)の金属部分に実施例1の除錆剤および比較例2の除錆剤を塗布して10分放置し、水洗した後の状態を撮影した写真であり、図3(c)は、図3(a)の金属部分に実施例1の除錆剤を塗布して1時間放置し、水洗した後の状態を撮影した写真である。
まず、図3(a)に示すような赤錆が発生した甲板の金属部分に対して、実施例1の除錆剤および比較例2の除錆剤を塗布して10分間放置した。
その後、金属部分の各除錆剤が塗布された部分を十分に水洗した。水洗後の金属部分の状態を図3(b)に示す。なお、図3(b)中、「領域A」は、実施例1の除錆剤が塗布された領域を示し、「領域B」は、比較例2の除錆剤が塗布された領域を示す。
図3(b)に示すように、領域Aでは、短時間(10分間)で大部分の赤錆が除去された。これに対して、領域Bでは、その大部分で赤錆が残留しており、短時間で十分に赤錆を除去することができなかった。
さらに、図3(a)の状態の甲板の金属部分に対して、実施例1の除錆剤を塗布して1時間放置し、水洗した後の状態を図3(c)に示す。
図3(c)に示すように、実施例1の除錆剤を用いることにより、甲板の赤錆をほぼ完全に除去することができた。
2.5 除錆性評価IVおよび防錆性評価II
次に、実施例1で得られた除錆剤が、実際の船舶に用いられている転落防止用チェーンに対して除錆性を有しているか否か評価した。
図4(a)は、船舶の転落防止用チェーンに赤錆が発生した状態を示す写真であり、図4(b)は、図4(a)の転落防止用チェーンを実施例1の除錆剤に30分間浸漬させ、水洗後の状態を示す写真である。
まず、図4(a)に示すように赤錆が発生した転落防止用チェーンを用意した。次に、容器内に実施例1の除錆剤を注ぎ、赤錆が発生した転落防止用チェーンを容器内に載置して、除錆剤に浸漬させた。なお、かかる浸漬は、転落防止用チェーンおよび除錆剤の温度を20〜25℃に維持した状態で、30分間行った。
その後、試験片を十分に水洗した。水洗後の転落防止用チェーンの状態を図4(b)に示す。図4(b)に示すように、除錆前後の赤錆の除去率は、目視で確認したところ、100%であった。したがって、実施例1の除錆剤は、実際の船舶に用いられている転落防止用チェーンに対して優れた除錆性を有していることが分かった。
なお、船舶の転落防止用チェーン等の金属部材は、海水が付着、乾燥することにより、その表面に塩化ナトリウムが付着している。塩化ナトリウムの一部は、塩化物イオン(Clイオン)となり、錆を攻撃することで、リン酸およびキレート剤の錆除去のきっかけ(開始剤)として作用する。そのため、実施例1で得られた除錆剤は、海水に晒される金属部材に対して、特に優れた除錆性を発現する。
また、除錆後の転落防止用チェーンを船舶に取り付け、一ヵ月後に赤錆の発生状況を目視で確認したところ、赤錆の発生率は5%未満であった。船舶の転落防止用チェーン等の金属部材は、海水や潮風に晒されるため、錆び易いが、除錆後の転落防止用チェーンは、赤錆の発生が長期間にわたって十分に抑えられており、実施例1の除錆剤が転落防止用チェーンに対して優れた防錆性を有していることが分かった。
以上のことから、実施例1で得られた本発明の除錆剤は、船体に使用される転落防止用チェーンのような、錆び易く、発生した錆を除去し難い金属部材を、短時間に簡単に除錆することができることが分かった。特に、大型船舶では、転落防止用チェーンが非常に長く、従来の除錆剤では十分に除錆を行うことができなかったため、実際には、研磨材を用いて錆を除去する方法が用いられてきた。しかしながら、本発明の除錆剤を用いることにより、除錆作業時間を大幅に短縮でき(研磨材を用いる場合の約1/10)、作業者の負担を軽減することができる。また、実施例1で得られた低粘度タイプの除錆剤は、転落防止用チェーン以外にも、船舶の床等を除錆するのに、効率的に使用することができる。
また、実施例3で得られた高粘度タイプの除錆剤は、船体のドアノブ、壁面、天井部などの垂直面(垂直面に面した部材)で液だれがなく、効率的に使用することができる。

Claims (9)

  1. 5〜40重量%のリン酸と、
    0.5〜20重量%の、ホスホン酸系キレート剤を含むキレート剤と、
    0.1〜10重量%の界面活性剤と、
    0.001〜0.1重量%の尿素系化合物と、
    を含有することを特徴とする除錆剤。
  2. 前記キレート剤は、0.2〜15重量%の前記ホスホン酸系キレート剤と、0.2〜15重量%のオキシカルボン酸系化合物とを含む請求項1に記載の除錆剤。
  3. 前記尿素系化合物は、チオ尿素誘導体を含む請求項1または2に記載の除錆剤。
  4. 前記除錆剤中の、前記リン酸の含有率をX[重量%]、前記尿素系化合物の含有率をY[重量%]としたとき、X/Yの値が、10以上40000以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の除錆剤。
  5. 前記除錆剤の粘度は、3〜7000mPa・sである請求項1ないし4のいずれかに記載の除錆剤。
  6. 所定量の増粘剤をさらに含む請求項1ないし5のいずれかに記載の除錆剤。
  7. 前記増粘剤は、ポリオキシエチレンを含む請求項6に記載の除錆剤。
  8. 請求項1ないし5のいずれかに記載の除錆剤の製造方法であって、
    水性媒体と、前記キレート剤とを混合して第1の混合液を得る工程と、
    前記第1の混合液と、前記リン酸とを混合して第2の混合液を得る工程と、
    前記第2の混合液と、前記界面活性剤および前記尿素系化合物とを混合して除錆剤を得る工程と、
    を有することを特徴とする除錆剤の製造方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の除錆剤の製造方法であって、
    水性媒体と、前記界面活性剤とを混合して第1の混合液を得る工程と、
    前記第1の混合液と、前記増粘剤とを混合して第2の混合液を得る工程と、
    前記第2の混合液と、前記キレート剤とを混合して第3の混合液を得る工程と、
    前記第3の混合液と、前記リン酸および前記尿素系化合物とを混合して除錆剤を得る工程と、
    を有することを特徴とする除錆剤の製造方法。
JP2016206022A 2016-10-20 2016-10-20 除錆剤および除錆剤の製造方法 Active JP6298137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206022A JP6298137B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 除錆剤および除錆剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206022A JP6298137B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 除錆剤および除錆剤の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016083896A Division JP6030791B1 (ja) 2016-04-19 2016-04-19 除錆剤および除錆剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017193774A true JP2017193774A (ja) 2017-10-26
JP6298137B2 JP6298137B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=60154669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016206022A Active JP6298137B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 除錆剤および除錆剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6298137B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230052367A1 (en) * 2021-07-02 2023-02-16 The Boeing Company Corrosion inhibition compositions and associated methods for inhibiting corrosion on metallic substrates
US12031058B2 (en) * 2021-07-02 2024-07-09 The Boeing Company Corrosion inhibition compositions and associated methods for inhibiting corrosion on metallic substrates

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5393128A (en) * 1977-01-26 1978-08-15 Otsuka Kagaku Yakuhin Rust removing antirust agent
JPS5580475A (en) * 1978-12-13 1980-06-17 Kiresuto Giken:Kk Rust-removing under-coating composition
JP2011212591A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Kurita Water Ind Ltd スケール除去方法及びスケール除去剤
JP2013071111A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 金属製フィルタの洗浄方法及び金属製フィルタ洗浄装置、並びに金属製フィルタ用洗浄液

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5393128A (en) * 1977-01-26 1978-08-15 Otsuka Kagaku Yakuhin Rust removing antirust agent
JPS5580475A (en) * 1978-12-13 1980-06-17 Kiresuto Giken:Kk Rust-removing under-coating composition
JP2011212591A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Kurita Water Ind Ltd スケール除去方法及びスケール除去剤
JP2013071111A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 金属製フィルタの洗浄方法及び金属製フィルタ洗浄装置、並びに金属製フィルタ用洗浄液

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230052367A1 (en) * 2021-07-02 2023-02-16 The Boeing Company Corrosion inhibition compositions and associated methods for inhibiting corrosion on metallic substrates
US12031058B2 (en) * 2021-07-02 2024-07-09 The Boeing Company Corrosion inhibition compositions and associated methods for inhibiting corrosion on metallic substrates

Also Published As

Publication number Publication date
JP6298137B2 (ja) 2018-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017531735A (ja) pH中性脱錆剤組成物
JP2010070805A (ja) スケール除去・防錆剤
JP2007182591A (ja) 錆取り・防錆剤及びこれを用いた錆取り方法
CN104264173A (zh) 一种环保中性除油除锈钝化剂及其制备方法
JP5902552B2 (ja) 洗浄剤組成物、希釈洗浄剤組成物、及び、金属の洗浄方法
JP2007297697A (ja) 二相合金ステンレス鋼用の酸洗浄剤及びその酸洗方法
RU2627377C1 (ru) Композиция для растворения коррозионных отложений
ES2301049T3 (es) Procedimiento para eliminar escoria de laser.
KR101618863B1 (ko) 수계 중성 녹제거용 조성물
JP6030791B1 (ja) 除錆剤および除錆剤の製造方法
JP6193425B2 (ja) 水性塗膜剥離剤
CN106319544A (zh) 环保型除锈剂
JP2010077342A (ja) 水溶性洗浄剤組成物
JP6298137B2 (ja) 除錆剤および除錆剤の製造方法
JP2017513988A (ja) 錠剤コーティングを除去するために有用な組成物及び方法
CN106637220A (zh) 一种不锈钢化学抛光液
JP2004143530A (ja) 金属表面洗浄剤
JPS62260082A (ja) ステンレス鋼表面の化学洗浄法
JP2015112557A (ja) 析出抑制剤
JPS60144398A (ja) 液体洗浄剤組成物
JP2000297391A (ja) 酸洗浄剤及びその製造方法
JP2012005730A (ja) 消火液
JPWO2019221091A1 (ja) スケール用洗浄剤、及び該洗浄剤を用いてスケールを除去する方法
JP6712019B1 (ja) 医療器具用洗浄剤
JP2012180562A (ja) さび除去剤水溶液

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6298137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250