JPH0450295Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、エレベーターのかご枠に関し、特
にガイドシユーの取付けを容易にしたエレベータ
ーのかご枠に関するものである。

〔従来の技術〕

第５図、第６図は、従来一般に用いられている
エレベーターのかご枠を示す正面図および側面図
である。同図において、１はかご室、２はかご室
１の床、３は床２支持する下梁、４は下梁３の両
端部からそれぞれ上方に延在する竪わく、５はす
み板６を介して竪わく４の上端部相互を連結する
上梁、７は上梁５の両端部にそれぞれ配置された
取付金具、８はかご枠の上下両側にそれぞれ配置
されたガイドシユー、９は上梁５に取付板１０を
介して結合されたロープシヤツクル、１１はロー
プシヤツクル９に固定されてかご枠を吊り下げる
主索である。

この様に構成されたかご枠において、ガイドシ
ユー８は現地において取付を行つている。そし
て、このガイドシユー８の取付けは第７図に示す
ように、取付金具７にマジツク等を用いて工場で
施された合マーク１２にガイドシユー８の合マー
クを合せることによつて位置設定を行い、この状
態でボルトを用いて取付金具７に固定している。

また、工場では、第８図に示すようにガイドレ
ールと同一の幅を有する模擬レール１３を下梁３
に固定されている非常止め１４の制動子１５の間
に挟持させ、この模擬レール１３に合せてガイド
シユー８を一担取り付ける。そして、マジツク１
６を用いて取付金具７と下梁３に第９図に示すよ
うに合マーク１２を付した後、再び取り外して下
梁３とガイドシユー８を単体で出荷する形態が取
られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記構成によるエレベーターの
かご枠は、合マークが小さく見にくいことから、
据付に多くの時間がかかつてしまう。また、工場
での合マーク付け作業および単体での出荷作業に
多くの時間を要する等の問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るエレベーターのかご枠は、梁に
おける各ガイドシユー取付部に、少なくとも２個
以上の位置合せ用の孔を設けたものである。

〔作用〕 この様に構成されたエレベーターのかご枠にお
いては、据付時に位置合せ用の孔にガイドシユー
固定用の取付金具を位置合せして固定するのみ
で、位置出しが正確に行えることから、据付作業
が容易になる。また、位置合せ用の孔は、非常止
めを固定する取付板との関係において位置出しが
行われることから、従来の様に模擬レールを用い
て非常止めとの関係を求める作業が不用になるこ
とから、工場での製造も容易になる。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第１図はガイドシユー取付部分を示す第９図
相当図であつて、同一部分は同記号を用いて示し
てある。同図において、１７はガイドシユー取付
部としての下梁３に設けられた位置決め孔として
の角孔であつて、四角形をなしたガイドシユー取
付用の取付金具７の正規配置位置における三辺の
中央部にそれぞれ位置し、かつその一部が取付金
具７の領域に入り込むように設けられている。そ
して、取付金具７は、角孔１７の部分を逃げるよ
うに角孔１７の部分が三角形に切り欠かれて合マ
ーク１８となつている。また、この角孔１７は工
場において形成されるものであるが、第２図に示
すように制動子が組み込まれている非常止めを取
り付ける非常止め取付板１８にも角孔１７と一致
する部分に角孔１９が形成されている。そして、
治具用ピン２０を下梁３に形成されている角孔１
７と非常止め取付板１８に形成されている角孔１
９に通すことにより、両孔を一致させた状態で組
み合せて出荷する。

一方、据付時においては、角孔１７に合マーク
１８を一致させた状態でガイドシユー８を取り付
ければ、ガイドシユー８の中心と制動子の中心が
一致することになる。

従つて、この様に構成した場合には、従来の様
に工場で模擬レールを用いてガイドシユーを取り
付けたり、取り外したりする手間が省略されるこ
とから、生産性が向上することになる。また、据
付時においても、マジツクに替つて合マークが角
孔１７となることから、見えやすくなつて据付作
業も簡単になるる。

なお、上記実施例においては、位置決め用の孔
として角孔３個を用いた場合について説明した
が、第３図に示すように丸孔２１であつても良
く、その個数は２個以上であればいかなる個数で
あつても良い。また、この丸孔２１は必ずしもそ
の一部が取付金具７の領域に含まれる必要はな
く、この丸孔２１によつて取付金具７の位置が規
制されるものであればいかなる位置であつても良
く、２個の場合は例えば第３図に示すように、取
付金具７の角部に対向した位置になる。

更に、上記実施例においては、下梁にガイドシ
ユーを固定する場合についてのみ説明したが、上
梁にガイドシユーを固定する場合においても、第
４図に示すように、上梁５にガイドシユー取付用
の孔２２と位置決め用の角孔２３を設けることに
よつて、容易に行えるものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によるエレベー
ターのかご枠は、梁のガイドシユー取付部分に、
少なくとも２個以上の位置決め用の孔を設けたも
のであるために、この孔とガイドシユー取付用の
取付金具を位置合せして、ガイドシユーの固定を
行うのみで位置出しが確実に行えることになる。
従つて、据付の作業性が向上するとともに、工場
での生産性も向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例によるエレベータ
ーのかご枠を示すガイドシユー取付部の要部構成
図、第２図は第１図の側面図、第３図は他の実施
例を示すガイドシユー取付部の要部構成図、第４
図は更に他の実施例を示す上梁の斜視図、第５図
は従来のかご枠を示す正面図、第６図は第５図の
側面図、第７図は第５図に示すガイドシユーを示
す斜視図、第８図は第７図の側面図、第９図は第
７図におけるガイドシユー取付部の構成図であ
る。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下梁と、この下梁の両端部から上方に延在する
   竪わくと、この竪わくの上端相互間を連結する上
   梁とによつてかご室を取り囲むかご枠において、
   梁の各ガイドシユー取付部にそれぞれ非常止めの
   固定位置を基準として設けられたガイドシユー取
   付のための位置出しを行う孔をそれぞれ少なくと
   も２個以上設けたことを特徴とするエレベーター
   のかご枠。