JPH0450276Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、トイレツトペーパ製造時に、その紙
管の切断する工程及び切断した紙管の外周にトイ
レツトペーパを巻取る工程の両方に使用できる紙
管切断兼トイレツトペーパ巻軸に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、トイレツトペーパの製造においては、ト
イレツトペーパの巻芯である紙管の所定の幅寸法
の切断の上、その所定の幅寸法の紙管を別工程で
再びトイレツトペーパ巻取装置の巻軸に挿入し、
その上にスリツターで切断したトイレツトペーパ
を巻付けするという２つの別工程が行なわれてお
り、上記紙管の切断工程と、ペーパ巻付工程とで
それぞれ別個に人手と時間とを要し、非能率的で
あり、自動化の妨げとなつており、また紙管とペ
ーパとの幅方向のずれなどが発生し、商品価値の
面でも問題があつた。

また、従来の紙管の切断工程においては、切断
前の紙管を軸に挿入し、紙管切断装置の回転刃
と、回転刃に対応した軸の外周位置に設けたカツ
ター用下刃とで切断しているが、この場合、カツ
ター用下刃に一般に使用されている鋼材は、一回
の切断で回転刃により傷つけられ、すぐに使用不
能になり、カツター用下刃をひんぱんに交換する
必要があり、この点が紙管切断工程の問題点とさ
れていた。

〔考案の目的〕

本考案は、前記従来の問題点を解消するために
なされたものであり、トイレツトペーパの製造工
程における紙管切断工程と、ペーパ巻取工程とを
一連の連続した工程にして自動化をはかりうると
共に、紙管切断時の軸のカツター用下刃の交換を
する必要が無い等、作業能率の向上をはかりうる
紙管切断兼トイレツトペーパ巻軸を提供すること
を目的としたものである。

〔考案の概要〕

上記の目的を達成するための本考案の紙管切断
兼トイレツトペーパ巻軸は、切断前に紙管を軸外
周に位置固定するストツパー及び巻取コアチヤツ
ク用ラグ等からなる固定装置を有し、かつ紙管の
切断時に紙管切断装置の回転刃に対応した軸の外
周位置に、その回転刃よりも高強度の、例えば焼
入れ処理をした鋼材からなる材料のカツター用下
刃を配設することにより、紙管を軸上に正確に位
置固定させた後切断し、かつカツター用下刃の交
換を不要として回転刃の方を再研摩して使用する
ようにしている。

また、上記の切断後の紙管を外周に正確な位置
に固定したままトイレツトペーパ巻取装置等に導
入して、ペーパ巻取軸としてそのまま使用するこ
とにより、ペーパと紙管との幅方向位置の正確度
が維持されると共に、紙管の切断工程とペーパ巻
取工程とを一貫した連続工程にすることができ、
作業の能率化及び自動化がはかれることになる。

〔実施例〕

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する
が、第１図は本考案の一実施例における紙管切断
兼トイレツトペーパ巻軸を示す一部断面の正面
図、第２図は第１図の巻軸による紙管切断装置に
よる切断工程及びペーパ巻取工程を説明する側面
図である。

まず、この巻軸は、第１図に示すごとく、切断
前の紙管１を巻軸本体５の外周に嵌入し、ストツ
パー２で位置決めの上、エアー注入口３からのエ
アーａの押圧力により作動する巻取コアチヤツク
用ラグ４を用いて紙管１の位置固定をするように
なつている。

また、この巻軸本体５は炭素繊維系材料からな
る軽量シヤフトであり、その外周に鋼製のスペー
サカラー６を嵌めているが、第２図にその全体を
示す紙管切断装置７の複数の回転刃８に対応した
巻軸本体５の外周位置に、これら回転刃８よりも
高強度の、例えばシヨア硬度が80から90程度の焼
入れ処理を施した鋼材からなる材料のカツター用
下刃９を配設している。

また、この巻軸本体５の端部には、シヤフト引
抜用溝１０が設けられている。

以上のごとく、ストツパー２及び巻取コアチヤ
ツク用ラグ４等の固定位置により切断前の紙管１
は巻軸本体５の外周の幅方向の正確な位置に固定
されることになり、また、回転刃８の材料がカツ
ター用下刃９の材料よりも弱いので、紙管１の切
断時には回転刃８の方が摩耗し、その回転刃８を
再研摩して繰り返し使用し、一方、カツター用下
刃９の方が摩耗や傷がつきにくいので、そのまま
何回も使用できることになる。

次に、この紙管１の切断工程を第２図で説明す
ると、切断前の紙管１は巻軸本体５と共に、図中
の右の方からガイド１１上を紙管切断装置７の多
軸ターレツト状に配設された複数の受ロール１２
のＡで示す位置に導入され、ここで、エアシリン
ダー１３で押下げられる回転刃８と前記カツター
用下刃９とにより、それぞれ第１図のＷで示す所
定幅Ｗで切断される。

そこで、紙筒１を切断された巻軸本体５は受ロ
ール１２のターレツトのＲ方向の回転と共に、図
中Ｂ，Ｃ，Ｄで示すごとく移動して受け台１７に
排出されたあと、スリツター１４などを装備した
トイレツトペーパ巻取装置１６にそのまま導入さ
れ、そこで、それぞれ切断された各紙管１に対し
て、スリツター１４で所定幅Ｗに切断されたトイ
レツトペーパロール１５からのペーパが巻取ら
れ、製品として取出されることになる。

なお、この実施例では第２図の紙管切断装置７
にはエアシリンダー１３により上下に移動する回
転刃８を前後２組設けているが、これらの２組を
交互に使用してもよく、また、それぞれを径の異
なる紙筒１、例えば右側の回転刃８を25mm径用、
そして左側の回転刃８を38mm径用のそれぞれ専用
としてもよい。

〔考案の効果〕

以上に説明したごとく、本考案の巻軸では、巻
軸外周のカツター用下刃を回転刃より高強度にし
て長時間使用可能とし、回転刃の方を再研摩使用
することにより経済的な紙管切断作業が行なえる
という効果がある。

また、この巻軸を使用して紙管切断作業を行な
い、その状態のままペーパ巻取を行なつて一貫し
た連続工程でトイレツトペーパを製造することが
できるので、製造工程の削減をはかり、かつ、作
業の自動化をはかることができるので、作業能率
の向上及び製造コストの削減をはかることができ
るという利点がある。

また、この場合、紙管は固定装置によつて巻軸
の外周に正確に位置固定されており、切断後もそ
のままペーパ巻取工程に導入されることにより、
スリツトされたペーパが各紙管に対してその幅方
向に正確に巻付けられることになり、良品質の製
品が得られるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における紙管切断兼
トイレツトペーパ巻軸を示す一部断面の正面図、
第２図は第１図の巻軸による紙管切断装置による
切断工程及びペーパ巻取工程を説明する側面図で
ある。 １……紙管、２……ストツパー、４……巻取コ
アチヤツク用ラグ、５……巻軸本体、７……紙管
切断装置、８……回転刃、９……カツター用下
刃、１６……トイレツトペーパ巻取装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切断前の紙管を、軸外周に位置固定する固定装
   置を有し、かつ紙管の切断時の紙管切断装置の回
   転刃に対応した軸の外周位置に、その回転刃より
   も高硬度の材料のカツター用下刃を配設すると共
   に、切断後の紙管を外周に位置固定したままトイ
   レツトペーパ巻取用の軸として使用する紙管切断
   兼トイレツトペーパ巻軸。