JPH0449699B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放射線画像システムにおける放射線画
像記録装置に係り、更に詳しくは蓄積性螢光体
（以下単に螢光体という）シートを用いてこれに
放射線画像を記録し、次いでこの放射線画像を励
起光で照射することにより読出して再生し、これ
を記録材料に画像して記録する放射線画像システ
ムにおいて、繰返し使用される前記螢光体シート
のノイズを効果的に消去して放射線画像記録を可
能にした放射線画像記録装置に関する。

従来、放射線画像を得るために銀塩を使用し
た、いわゆる放射線写真が利用されているが、近
年特に地球規模における銀資源の枯渇等の問題か
ら、銀塩を使用しないで放射線像を画像化する方
法が望まれるようになつた。

上記の銀塩を使用した放射線写真法にかわる方
法として、被写体を透過した放射線を螢光体に吸
収せしめ、しかる後この螢光体をある種のエネル
ギーで励起してこの螢光体が蓄積している放射線
エネルギーを螢光として放射せしめ、この螢光を
検出して画像化する方法が考えられている。この
具体的な方法として、例えば英国特許第1462769
号、特開昭51−29889号公報、米国特許第3859527
号、特開昭55−12144号公報および特開昭55−
12429号公報などによる技術開示がなされている。
このようにして得られた最終的な画像は、ハード
コピーとして再生したものでもよいし、CRT上
に再生したものであつてもよいが、この放射線画
像システムに用いられる螢光体シートは繰返し使
用することが経済的である。

ところで螢光体シートは、読出し時に充分な強
度の励起光を照射すれば画像として蓄積されてい
た放射線エネルギーはすべて螢光として放射され
る筈であるが、実際には読出し時に照射する励起
光のみでは完全に放射されてしまわないで、残像
として螢光体シート中に残る。従つて螢光体シー
トを繰返し使用する場合には、前回の残像が次回
の撮影像のノイズとなつてしまう。

更にまた螢光体中には²²⁶Ra、⁴⁰K等の放射性同
位元素が微量存在するために、これらの放射性同
位元素から放射される放射線によつて、螢光体シ
ートは経時によつて放射線エネルギーを蓄積す
る。

更に宇宙線や他のＸ線源からのＸ線等の環境放
射線によつても放射線エネルギーを蓄積する。こ
れらの経時によつて蓄積される放射線エネルギー
（以下これをカブリという）もまた次回の撮影像
に対してノイズとなる。

よつて螢光体シートを繰返し使用する場合に
は、前記の残像とカブリとを撮影前に消去する必
要がある。

残像の起因するノイズおよびカブリに起因する
ノイズの発生を防止する方法は、例えば特開昭56
−11392号公報および特開昭57−116300号公報等
によつて提案されているように、螢光体シートに
放射線画像を記録する前に該螢光体の励起光波長
領域の光を含む波長の光で螢光体シートを励起せ
しめて、蓄積された放射線エネルギーを十分に放
出させる方法がある。

更にこれに関連して特開昭57−119340号公報
は、カブリに起因するノイズ防止のためにノイズ
消去用光照射手段を備えた放射線画像記録装置の
提案がなされている。この提案にかかる装置にお
いては、ノイズ消去用光照射手段は螢光体シート
を収納したシート供給部と放射線画像の記録位置
との間に設けているためにシート供給手段が複雑
となり、装置が大型となつてしまう欠点を有して
いる。また螢光体シートに均一にしかもノイズ消
去に十分な光量を与えるためには、前記螢光体シ
ートは一定速度でかつ平面性を保持しながら搬送
されることが必要で、このことはシート供給手段
を複雑にし、装置を大型としている。

本発明は上記の欠点を除去し、複雑なシート供
給手段を用いる必要がなく、小型で安価な放射線
画像記録装置を提供することを目的としたもの
で、この目的は放射線画像記録再生用の螢光体シ
ートを収納したシート供給体を着脱可能にしたシ
ート供給体装着部又は前記螢光体シートを収納し
たシート供給部、装着された前記シート供給体又
は前記シート供給部から前記螢光体シートを放射
線画像記録部へ供給するシート供給手段、前記放
射線画像記録部に前記螢光体シートを保持するシ
ート保持手段、放射線画像記録後前記螢光体シー
トを前記放射線画像記録部から取出しシート受納
部又は放射線画像読取再生装置へ送り出すシート
送り出し手段、および前記放射線画像記録再生用
の蓄積性螢光体シートのノイズ消去用光照射手段
を蓄積性螢光体シート面に対し平行移動する走査
ミラーを介して該シート面を照射するようにして
前記放射線画像記録部に設け、前記光照射手段の
光量と走査ミラーの移動速度を制御して、前記螢
光体シート上の光照射量を2000〜10万lx秒に制御
するようにしたことを特徴とする放射線画像記録
装置により達成される。

本発明において、ノイズ消去のための光照射量
は用いる螢光体の感度によつて異なるが通常は
2000lx秒〜10万lx秒の範囲中から選ばれる。光源
の光強度と照射時間は上記の照射量が得られれば
任意に選択しうるものである。

以下本発明の実施態様について、図面を用いて
詳細な説明を行なう。

第１図は本発明の実施態様を説明するための参
照例の概略構造を示すものである。本体装置部１
の右上部には螢光体シート２を多数枚収納可能な
供給用マガジン３を着脱可能とした供給用マガジ
ン装着部４が設けられており、装置部１の右下部
には記録を終了した螢光体シート２の受納する受
納用マガジン５を着脱可能にした受納用マガジン
装着部６が設けられている。

前記供給用マガジン装着部４に装着された供給
用マガジン３の開口部７の近くには、螢光体シー
ト２を真空吸着によつて１枚宛取出すための取出
しアーム８が設けられている。

供給用マガジン装着部４の斜下方には、取出し
アーム８により取出された１枚の螢光体シート２
を受けて放射線画像記録部１０の方向へ移動させ
るシート供給用ローラ９と、このシート供給用ロ
ーラ９へ螢光体シート２を案内する供給用ガイド
１１が設けられている。

放射線画像記録部１０には、螢光体シート２を
放射線画像記録部１０内の記録位置に搬入する供
給用ローラ１２と、螢光体シート２を放射線画像
記録部１０内の記録位置に保持する保持ローラ１
３，１４が設けられている。

受納用マガジン装着部６の斜上方には放射線画
像記録部１０より搬出された螢光体シート２を受
納用マガジン開口部１５まで移動させるシート受
納用ローラ１６と受納用ガイド１７が設けられて
いる。

前記受納用マガジン装着部６に装着した受納用
マガジン５の開口部にあたる受納用マガジン開口
部１５の近傍には真空吸着により搬送された螢光
体シート２を受納用マガジン５に収納するための
収納アーム１８が設けられている。

放射線画像記録部１０には放射線源３６より放
射された放射線は透過するが、螢光体の励起光波
長域の光を含む光は遮蔽する材料で形成された放
射線透過窓１９が設けられていて、放射線源３６
より放射された放射線は放射線透過窓１９を透過
して、保持ローラ１３，１４で保持された螢光体
シート２に吸収されるようになつている。

また装置部１の所要部分には、放射線および励
起光波長域の光を含む光が螢光体シート２に当る
ことを防ぐための遮蔽板２０が設けられている。

更にノイズ消去用発光体２１が放射線画像記録
部１０中に設けられている。前記発光体２１は発
光走査アーム２２に取付けられ、放射線画像記録
部１０内で、保持ローラ１３，１４により保持さ
れた螢光体シート２に沿つて平行に移動する。

ノイズ消去用発光体２１には、タングステンラ
ンプ、螢光灯、ナトリウムランプ、クセノンラン
プ、沃素ランプ、レーザ等が多く用いられるが、
之等に限定されるものではない。また供給用ロー
ラ９、受納用ローラ１６や給送用ローラ１２等の
搬送用のローラは、螢光体シート２を一定速度で
搬送できるベルト、チエーン等に代替することが
できる。また取出しアーム８は供給用マガジン３
から螢光体シート２を１枚宛取出せるものであれ
ばいからなる手段であつてもよい。収納アーム１
８について同様である。更に発光体走査アーム２
２は、発光体２１を螢光体シート２に沿つて一定
速度で走査できるものであればいかなる手段であ
つても差支えない。

以上の構造態様において、供給用マガジン３内
に収納された複数枚の螢光体シート２は、供給用
アーム８により真空吸着されて１枚宛取り出され
る。取り出された螢光体シート２は、供給用ロー
ラ９および給送用ローラ１２によつて放射線画像
記録部１０に送られ、螢光体シート２は保持ロー
ラ１３，１４によつて放射線画像記録部１０内の
記録位置に保持される。

螢光体シート２が記録位置に保持終了と同期し
て発光体２１が発光し、発光体走査アーム２２が
前記螢光体シート２に沿つて平行に一定速度で走
査する。このときの螢光体シート２上の光照射量
は2000lx秒〜10万lx秒であり、発光体２１の光強
度の発光体２１を取付けた走査アーム２２の走査
速度とにより上記の光照射量が確保し得るようコ
ントロールされる。

ノイズ消去用の光が照射されたのち、放射線源
３６の放射により放射線画像記録がなされる。放
射線画像記録を終えた螢光体シートは給送用ロー
ラ１２により放射線画像記録部１０より取出さ
れ、受納用ローラ１６および収納アーム１８によ
り前記螢光体シートは受納用マガジン５に収納さ
れる。

第２図は本発明の第１の実施例の概略構造を示
すものである。第１図に示した参照例と比較し
て、発光体２１が固定され、その前面に集光レン
ズ２３があり、走査アーム２２には走査ミラー２
４が取付けられて、集光レンズ２３によつて平行
光とした光を走査ミラー２４で反射させて、記録
位置に保持された螢光体シート２上に当てるよう
にしたもので、これ以外は参照例と同じである。

また発光体２１はコンパクト化に支障のない限
り、放射線画像記録部の外壁に断熱透明板を介し
て付帯させることが好ましい。

前記態様においては、走査ミラーの移動に割く
べき空間は薄い単純な形の直方体で事足り、コン
パクト化、コスト低減には甚だ効果的である。

更に発光体を外壁に付帯させた態様において
は、記録部内温度の上昇を回避でき、蓄積性螢光
体シートの感度変動及び装置の高温障碍を防止す
ることができる。

第３図は第２の参照例の概略構造を示すもので
ある。第１図に示した第１の参照例と比較して、
受納用マガジン装着部６、収納アーム１８、シー
ト受納用ローラ１６と受納用ガイド板１７が省か
れ、放射線画像記録後、直接放射線画像読取再生
装置２６へ螢光体シート２を送り出すための送り
出しローラ２５が新たに設けられている点が異な
つている。第１の参照例と同様に螢光体シート２
は、記録位置でノイズ消去用の光が照射されたの
ち、放射線源３６の放射により放射線画像記録が
なされる。記録が終了した螢光体シート２は送り
出しローラ２５により、読取用励起光照射手段お
よび発光光検出手段等を有した放射線画像読取再
生装置２６へ直接送り出される。

第４図は本発明の第２の実施例の概略構造を示
すものである。本実施例は第２図に示した第１実
施例と比較すると、第２参照例と同様に、受納用
マガジン装着部６、収納アーム１８、シート受納
用ローラ１６と受納用ガイド板１７が省かれ、螢
光体シート２は記録位置でノイズ消去用の光が平
行移動する走査ミラーを介して照射されたのち放
射線画像記録がなされる。記録後の螢光体シート
２は、新たに設けた送り出しローラ２５によつ
て、直接放射線画像読取再生装置２６へ送り出さ
れる点が相違している。

第５図は本発明の第３の参照例の概略構造を示
すものである。参照例においては、螢光体シート
２として帯状のものを使用している。本体装置部
１内には、その一端に螢光体シート２をロール状
に巻いたシート供給体２７を着脱可能にしたシー
ト供給体装着部２８が、他端に帯状の螢光体シー
ト２を放射線画像記録後ロール状に巻き取るシー
ト受納部２９を着脱可能にしたシート受納体装着
部３０が設けられている。

前記第３及び第４の参照例において、平行移動
する走査ミラーを介して消去用光を照射する態様
を採ることによつて、参照例に対応する本発明の
実施例３及び４が構成される。

シート供給体装着部２８およびシート受納体装
着部３０の上部には、帯状の螢光体シート２を搬
送するためのシート搬送用ローラ３１，３２が設
けられており、放射線画像記録部１０の記録位置
には螢光体シート２を保持するためのシート保持
用ローラ３３，３４が設けられ、更にノイズ消去
用発光体２１が設けられている。

ノイズ消去用発光体２１は発光体走査アーム２
２先端に取付けられ、放射線画像記録部１０内
で、シート保持用ローラ３３，３４により記録位
置に保持された螢光体シート２に沿つて、螢光体
シート２上を発行体２１自身が平行に移動する。

更に放射線画像記録部１０には、シートフイル
ム２の記録位置に対応して、反射線源３６より放
射された放射線は透過するが励起光波長域の光を
含む光は遮蔽する材質で形成された放射線透過窓
１９が設けられ、この周縁は放射線および励起光
波長域の光を含む光を遮蔽する材質で形成された
遮蔽板２０及び３５が設けられている。

以上の構造態様では、シート供給体２７に巻か
れた螢光体シート２の一端をシート受納体２９に
巻付け、シート受納体２９の巻取軸を回転し、一
定長の螢光体シート２をシート供給体２７より引
き出す。その後、ノイズ消去用発光体２１を発光
させ、シート保持用ローラ３３，３４により記録
位置に保持された螢光体シート２上を走査してノ
イズを消去する。ついで放射線源３６によつて放
射線透過窓１９を通して放射線画像記録がなされ
たのち、螢光体シート２はシート受納体２９に巻
取られる。

螢光体シート２のすべてについて撮影が完了し
たとき、シート受納体２９に巻取られた状態で取
り出されるか、あるいはシート供給体２７に巻戻
されたのち、シート供給体２７に巻取られた状態
で取り出される。

第６図は本発明の第４の参照例の概略構造を示
すものである。本参照は第５図に示した第３の参
照例と較べて、シート受納体装着部３０を有して
いない点が相異している。記録位置でノイズ防止
用の光が照射され、ついで放射線画像記録を終了
した螢光体シート２は、直接放射線画像読取再生
装置２６へ送り出される構造となつている。

以上、第１乃至第４の実施例によつて説明した
本発明による放射線画像記録装置は、いずれもノ
イズ消去用発光体を放射線画像部に設けたもの
で、このことにより放射線画像記録装置は小型に
しかも安価に製造することができるようになつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図はそれぞれ本発明の第１乃至
第６実施例を示す概略構造図である。 １……本体装置部、２……螢光体シート、３…
…供給用マガジン、４……供給用マガジン装着
部、５……受納用マガジン、６……受納用マガジ
ン装着部、１０……放射線画像記録部、１９……
放射線透過窓、２１……発光体、２２……発光体
走査アーム、２３……集光レンズ、２４……走査
ミラー、２６……放射線画像読取装置、２７……
シート供給体、２８……供給体装着部、２９……
シート受納体、３０……シート受納体装着部、３
６……放射線源。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 放射線画像記録再生用の蓄積性螢光体シート
   を収納したシート供給体を着脱可能にしたシート
   供給体装着部又は前記蓄積性螢光体シートを収納
   したシート供給部、装着された前記シート供給体
   又は前記シート供給部から前記蓄積性螢光体シー
   トを放射線画像記録部へ供給するシート供給手
   段、前記放射線画像記録部に前記蓄積性螢光体シ
   ートを保持する保持手段、放射線画像記録後前記
   蓄積性螢光体シートを前記放射線画像記録部から
   取出しシート受納部又は放射線画像読取再生装置
   へ送り出すシート送り出し手段、および前記放射
   線画像記録再生用の蓄積性螢光体シートのノイズ
   消去用光照射手段を蓄積性螢光体シート面に対し
   平行移動する走査ミラーを介して該シート面を照
   射するようにして前記放射線画像記録部に設け、
   前記光照射手段の光量と走査ミラーの移動速度を
   制御して、前記螢光体シート上の光照射量を2000
   〜10万lx秒に制御するようにしたことを特徴とす
   る放射線画像記録装置。