JPH0448984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車室内に配設されているアシストグ
リツプの改良に関する。

（従来の技術） 一般に、自動車の車室内のルーフサイドパネル
やフロントピラーの内側面にはアシストグリツプ
が装着されており、悪路走行時や車両旋回時等に
は助手席または後部座席に着座した乗員が該アシ
ストグリツプを把持できるようになつている。そ
して、これまでのアシストグリツプとしてはルー
フサイドパネル等のインナ側から車室内へ常時突
出されているものが一般的であつたが、外観上好
ましいものではなかつた。このため、該アシスト
グリツプ周辺の見映えの向上に鑑みて、アシスト
グリツプが使用されていない時（以下、不要時と
言う）にはルーフサイドパネル等の車室側面に装
着されるガーニツシユと一体的に即ち、アシスト
グリツプがルーフサイドガーニツシユの表面に没
入されるような構成が要求されている。その一例
として、実開昭56−24337号公報に示されるよう
なアシストグリツプがある。該公報に示されてい
るものは、グリツプを形成する平板状の弾性心材
の両端部に上記心材の長手方向に沿わせた長孔を
設けると共に、該心材を取付けビスにより上記長
孔を介して車体側へスライド可能に取付け、グリ
ツプをその心材の弾性により常時は被取付け部材
面（例えばフロントピラートリム車室側面）に沿
つて伏せた姿勢にて略直線状に保持するように構
成されている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上述した構成にあつては、アシストグ
リツプ使用時にのみ乗員の把持が可能となるよう
にグリツプを車室内に突出させることが可能であ
るが、アシストグリツプ不要時において、グリツ
プはその厚さ寸法だけフロントピラートリム等の
ガーニツシユ表面から突出することになり、見映
えが悪いものであり、また、不要状態から使用状
態とするための操作が煩雑であつた。

そこで、本考案は、上記の如き平板状のアシス
トグリツプにおいて、その不要時にはガーニツシ
ユ表面から突出せず、しかも、簡単な操作で突出
させて使用状態にすることができるアシストグリ
ツプを得ることを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために本考案が講じた手
段は、自動車の車室内において突出、格納自在に
配設されたアシストグリツプを前提とし、ガーニ
ツシユに形成された凹溝と、該凹溝に格納され、
一端が車体パネルに連結され、他端が上記ガーニ
ツシユと車体パネルとの間で摺動可能に支持さ
れ、該摺動により上記凹溝から車室内へ突出自在
とされた可撓性を有する平板状のグリツプと、該
グリツプを車室側へ突出する方向に付勢する付勢
手段と、上記グリツプを上記付勢手段の付勢力に
抗して格納状態に保持するロツク手段とからなる
ことを特徴としている。

（作用） 上記構成による本考案の作用は、アシストグリ
ツプの格納時には、グリツプはロツク手段により
ガーニツシユの凹溝内へ没入されて車室内へ突出
されないために、格納時の外観が向上する。ま
た、アシストグリツプを使用状態とするべく車室
内へ突出させる時には上記ロツク手段のロツクを
解除すると、付勢手段の付勢力によりグリツプは
車室内に突出して乗員の把持が可能となる。従つ
て、簡単な操作でアシストグリツプの使用状態が
得られることになる。

（実施例） 次に、本考案における一実施例を図面に沿つて
説明する。

第１図および第３図に示すように、本考案に係
るアシストグリツプ１は、フロントピラー（本考
案でいう車体パネル）２の上部における車室側面
２ａに設けられ、グリツプ３、ロツク手段４およ
びスプリング（本考案でいう付勢手段）５を主要
部として構成されている。

以下、各部材について説明する。

グリツプ３は、第１図に示すような合成樹脂等
でなる可撓性を有する平板状部材であつて、その
上端３ａはフロントピラー２の車室側面２ａに固
着された支持基板６に立設する第１ブラケツト６
ａに支持されてフロントピラー２とピラートリム
（本考案でいうガーニツシユ）７との間に形成さ
れた空間Ａ内で支持されている。一方、下端３ｂ
はロツク手段４のラツク部８ｂに接着剤等の手段
によつて固着されている。また、該グリツプ３は
フロントピラー２の車室側面２ａに所定の間隙を
存して装着されているピラートリム７の２箇所に
設けられた開口部７ａ，７ｂに挿通されて、表面
３ｃが車室内に面するように配設されており、第
１図に示すような格納状態においては、ピラート
リム７の車室側面７ｃより車室側に突出すること
なく臨設されている。即ち、ピラートリム７の上
記開口部７ａ，７ｂ間のグリツプ３の裏面３ｄと
対面する部分はグリツプ３の厚さ寸法と同寸法、
若しくは僅かに大きくフロントピラー２方向へ後
退された凹溝７ｄが形成されている。更に、下方
に位置する開口部７ｂに近接した位置には第２ブ
ラケツト６ｂが立設され、該第２ブラケツト６ｂ
にはピラートリム７の幅方向に回転軸を有する２
つのローラ１１，１１が設けられており、両ロー
ラ１１，１１はグリツプ３を挾持して該グリツプ
３の突出、格納動作に伴う移動を案内する。

ロツク手段４は、レバー８、およびロツク機構
９から成つている。レバー８は、ピラートリム７
の上記開口部７ｂの下方でトリム長手方向に幅狭
に穿設されたレバー溝７ｅ内に摺動自在に挿入さ
れており、操作部８ａ、ラツク部８ｂおよびロツ
クピン８ｃが一体的に形成されている。操作部８
ａは、その一部が上記レバー溝７ｅより大きく形
成されると共に、前面に凸部を有してなり、レバ
ー溝７ｅからフロントピラー２側へ挿入された挿
入部８ｄの上方にはフロントピラー２に向かう面
に歯部が形成されたラツク部８ｂが設けられてい
る。また、該ラツク部８ｂは支持基板６に突設さ
れた第３ブラケツト６ｃにおいてピラートリム７
の幅方向の支軸を持つバランサ１０と噛合されて
いる。尚、該バランサ１０は、その支軸の回転速
度を抑制する手段、例えばシリコン系の粘性流体
によりその回転の抵抗となる手段が設けられてお
り、ロツク解除時におけるグリツプ３の車室内へ
の突出速度を調整している。一方、上記挿入部８
ｄの下方にはロツクピン８ｃが設けられ、該ロツ
クピン８ｃはその表面に係合溝若しくは係合孔
（図示省略）を有し、ロツク機構９内へ挿通され
て、該ロツク機構９によつて、その位置が規制さ
れている。ロツク機構９は上記レバー８の下方
で、支持基板６に固着されていると共に、ピラー
トリム７を貫通して、車室内にロツク解除ボタン
９ａが装着されている。また、該ロツク機構９と
レバー８の挿入部８ｄとの間にはコイルスプリン
グ５が介設されており、レバー８を常に、上方
へ、即ち、グリツプ３を車室内へ突出する方向に
付勢している。

次に、上記構成におけるアシストグリツプの使
用時について説明する。

先ず、第１図に示すようなアシストグリツプ不
要状態から、使用状態とする際には、ロツク機構
９のロツク解除ボタン９ａを押込むことにより、
ロツクピン８ｃのロツク機構９によるロツクを解
除し、レバー８をレバー溝７ｅ内で摺動可能とさ
せる。この摺動可能となつたレバー８はコイルス
プリング５の付勢力によつて第２図に示すように
上方へ移動し、この移動に伴つてグリツプ３を撓
ませて車室側に突出させることで乗員の把持を可
能とする。一方、グリツプ３の突出状態から不要
状態とする際には、レバー８の操作部８ａを持つ
て下方へ引き下し、ロツクピン８ｃをロツク機構
９内でロツクさせることによつて、再び第１図に
示す状態とする。

このように、該構成によれば、アシストグリツ
プの不要時においてグリツプはピラートリムの車
室側面から突出する部分がなく、外観が向上す
る。また、アシストグリツプの使用時にはロツク
解除ボタンを操作することによつて簡単に使用状
態とすることができる。

尚、上述した実施例においては、付勢手段とし
てコイルスプリングを採用したが、本考案はこれ
に限らず、グリツプを湾曲したバネ鋼で形成する
ようにしても良い。

（考案の効果） 上述したように、本考案によればアシストグリ
ツプの不要時には、グリツプはガーニツシユの凹
溝に格納されて車室内へ突出することがないため
に、外観が向上する。また、アシストグリツプを
使用状態とする時にはロツク手段のロツクを解除
すると、付勢手段によつてグリツプを車室内に突
出させて乗員の把持が可能となり、簡単な操作で
アシストグリツプの使用状態が得られ、操作性の
向上が図れるいう効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例を示し、第１
図は第３図の−線に沿つた縦断面図、第２図
はアシストグリツプの使用状態を示す第１図と同
部分の図、第３図はアシストグリツプ周辺の斜視
図である。 １……アシストグリツプ、２……フロントピラ
ー（車体パネル）、３……グリツプ、４……ロツ
ク手段、５……スプリング（付勢手段）、７……
ピラートリム（ガーニツシユ）、７ｄ……凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の車室内において突出、格納自在に配設
   されたアシストグリツプであつて、ガーニツシユ
   に形成された凹溝と、該凹溝に格納され、一端が
   車体パネルに連結され、他端が上記ガーニツシユ
   と車体パネルとの間で摺動可能に支持され、該摺
   動により上記凹溝から車室内へ突出自在とされた
   可撓性を有する平板状のグリツプと、該グリツプ
   を車室側へ突出する方向に付勢する付勢手段と、
   上記グリツプを上記付勢手段の付勢力に抗して格
   納状態に保持するロツク手段とからなることを特
   徴とするアシストグリツプ構造。