JPH0448888Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、卓上丸鋸において切削の際、加工材
を固定するための加工材支持装置に関するもので
ある。

〔考案の背景〕

従来、加工材を固定する支持装置としては、ス
クリユーを有する押え具にてフエンス面に横方向
から押圧し固定するものが一般的である。しか
し、加工材の幅方向が斜めになつている材料を角
度切りする場合には、横方向から押し固定するの
が困難となる。

また、加工材を上面から押圧し固定する構成も
あるが、加工材の上面が傾斜した状態のまま固定
し切削する場合には、この構成では不適当とな
る。上記の様に、横方向又は上面からのどちらか
一方向のみの固定では、固定が困難な形状の加工
材が生ずる欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、様々な形状をした加工材の固定をできるよ
うにすると共に、併せて、安価で操作性の良い加
工材支持装置を提供することである。

〔考案の概要〕

本考案は、加工材の形状に応じて上面又は側面
より押圧できれば、様々な加工材を安定して固定
できる点に着目し、支持装置を着脱可能とし、テ
ーブル上面又は側面にあけた支柱穴により、上面
または側面方向から加工材を固定できるように工
夫したものである。

〔考案の実施例〕

本考案の実施例を第１図〜第３図を用いて説明
する。ギヤカバー１はヒンジシヤフト２を支点と
してヒンジ３に揺動自在に支持されている。上記
ギヤカバー１には、図示していない電動機と動力
伝達部が設けられ丸鋸４を駆動している。上記ヒ
ンジ３とターンテーブル５は一体に固着され、テ
ーブル６に回動自在に支持されている。上記テー
ブル６上には、加工材７の案内となるフエンス８
が固定され、フエンス８の後方には、支柱９が着
脱可能に嵌合する支柱穴１０がテーブル６上面に
対し垂直に設けられている。

上記支柱９の一端には、アーム１２がピン１３
により固定され、上記アーム１２の先端には、ハ
ンドル１４を有するスクリユー１５がネジ嵌合
し、さらに上記スクリユー１５の一端に押え具１
１が上記フエンス８の前方にでるように設けられ
ている。

上記押え具１１は上記ハンドル１４の回転によ
り上下動する。また、上記テーブル６の後方側面
にはノブ１６があり、上記支柱９の上下動を固定
する。

上記テーブル６の前方側面には、上記テーブル
６上面とほぼ平行で上記フエンス８の案内面に対
しほぼ垂直な支柱穴１７が設けられ、支柱穴１７
にも上記支柱９が摺動自在に嵌合する。

グリツプ１８は上記ヒンジ３にネジ嵌合し、上
記グリツプ１８を回すことにより上記テーブル６
の側面を押圧し、テーブル６に対する上記ターン
テーブル５、上記ヒンジ３の回転を規制する。

上記構成において、加工材７の側面が傾斜して
おり横方向からの固定が不適当な場合は、フエン
ス８後方のテーブル６上に設けた支柱穴１０に支
柱９を差し込み、上記加工材７の上面に押え具１
１を当て、ノブ１６により上記支柱９を固定す
る。次にハンドル１４を回転し、スクリユー１５
を介し押え具１１により上記加工材７をテーブル
６上面に押圧し固定する。

また上述とは逆に、加工材７の上面が傾斜して
おり上面からの固定が不適当な場合は、上記テー
ブル６の前方側面に設けた支柱穴１７に上記支柱
９を差し込み、ハンドル１４を回転させスクリユ
ー１５を介し押え具１１により加工材７を上記フ
エンス８の案内面に押圧し、固定する。

上記支柱穴１７に支柱９を差し込んだ際の上記
支柱９の固定は、押え具で加工材を押付けた時に
生ずるモーメントにより、上記支柱穴１７の端面
と上記支柱９間に生ずるくさび作用により行う。

上記したように、支柱９を支柱穴１０、または
１７に差し込むことにより、様々な形状の加工材
を安定した状態で固定することが可能となる。次
にターンテーブル５を回動させ、必要な切削角度
に設定し、グリツプ１８によりターンテーブル
５、ヒンジ３の回転を規制し、ギヤカバー１部を
押し下げ切削を行う。

また、押え具１１部がテーブル６上面に位置す
ることが邪魔な場合には、支柱９を抜き取り、別
に保管することも簡単にできると共に、上記支柱
９を回転させ、上記押え具１１部が上記テーブル
６上面に位置しないところへ待避させることも可
能である。本実施例では、支柱穴１０，１７をテ
ーブル６にそれぞれ１個ずつ設けた例を用いて説
明したが、テーブル６の左右または適所に複数個
設ければ、加工材の形状にあつた最適の位置で固
定できる事になる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、加工材の固定を上面または側
面より１組の加工材支持装置を用いてできる様に
したため、加工材の形状にあわせ最も安定した位
置で固定できる。これにより、切削中に加工材が
丸鋸によりはねあげられる危険もなく、精度の良
い切削作業を提供できるという実用上優れた効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による卓上丸鋸の加工材支持装
置の一実施例を示す側面図、第２図は第１図の上
面図（ただし丸鋸、ギヤカバー部を省略してあ
る。）、第３図は加工材支持装置部を示す側面図で
ある。 図において、６はテーブル、７は加工材、８は
フエンス、９は支柱、１０は支柱穴、１１は押え
具、１２はアーム、１３はピン、１４はハンド
ル、１５はスクリユー、１６はノブ、１７は支柱
穴である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テーブル上に加工材を案内するフエンスを設け
   た卓上丸鋸において、上記フエンス後方のテーブ
   ル上面にテーブル上面と垂直に支柱穴を設け、支
   柱穴には上下摺動自在に支柱を嵌合し、支柱の上
   端にアームをほぼ直角に設け、アームの先端に、
   ハンドルの回転により上下動可能な押え具を上記
   フエンスの前方に位置する様にネジ嵌合して設け
   るとともに、テーブル側面に上記支柱穴と同径の
   支柱穴をテーブル上面とほぼ平行で、かつフエン
   ス案内面に垂直に設けたことを特徴とする卓上丸
   鋸における加工材支持装置。