JPH0448273Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はビル等の窓を清掃する場合等に使用さ
れる清掃用命綱等の吊り金具に関する。

「従来の技術」 従来、この種の吊り金具は笠木装置を備えた屋
上のパラペツトの内壁面に板状の固定金具の一端
部を埋設固定し、この固定された固定金具の先端
部に命綱等のロープが結ばれるリングを取付けて
構成していた。

このため、ロープをリングに結んでビルの外壁
面に吊り下げた場合、ロープが笠木装置に当接状
態で越えて吊り下げられるため、ロープにかかる
荷重が笠木装置にかかり、笠木装置がつぶれて壊
れるという欠点があつた。

「本考案の目的」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、命綱
等のロープを吊り下げた時に、該ロープが笠木装
置をつぶさないように吊り下げることができると
ともに、不使用時にはパラペツトの内側面に沿う
ように収納することができる簡単な構造の清掃用
命綱等の吊り金具を得るにある。

「本考案の目的を達成するための手段」 本考案は笠木装置を備えたパラペツトの内壁面
に埋設固定された板状の固定金具本体、この固定
金具本体の先端部に水平方向に回動可能に取付け
られた先端部が半円形状の回動板とからなる固定
金具と、この固定金具の回動板に回動可能に取付
けられるとともに、使用状態では該回動板の回動
を阻止し、前記笠木装置をつぶさないようにオー
バーハング状態にできる先端部に命綱等のロープ
が取付けられるロープ支持アームと、このロープ
支持アームと前記固定金具本体とを該ロープ支持
アームを使用状態に固定するロツクピンとからな
ることを特徴としている。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細
に説明する。

第１図ないし第３図の実施例において、１はビ
ル等の建物２の窓を清掃する場合に命綱等を取付
ける清掃用命綱等の吊り金具で、この吊り金具１
は前記建物２の屋上の笠木装置４を備えたパラペ
ツト５の内壁面５ａに固定された固定金具６と、
この固定金具６に前記笠木装置４をつぶさないよ
うなオーバーハング状態で取付けられた先端部に
前記命綱等のロープ３が取付けられるロープ支持
アーム７とから構成されている。

前記固定金具６は基端部が前記パラペツト５の
内壁面５ａに縦方向に埋設された板状の固定金具
本体８と、この固定金具本体８の先端部に基端部
が横方向へ回動可能にピン９で枢支された先端が
半円形状に形成された接続具の一部を構成する回
動板１０とで構成され、前記固定金具本体８の先
端寄りの略中央部には横方向に貫通する接続具の
一部を構成するピン挿入孔１１が形成されてい
る。

前記ロープ支持アーム７は基端部が前記固定金
具６の回動板１０の先端部に接続具の一部を構成
する枢支ピン１２で縦方向に回動可能に該回動板
１０を両側から挟着状態で枢支された一対のアー
ム板１３，１３からなる第１の支持アーム１４
と、この第１の支持アーム１４の基部寄りに設け
られた該第１の支持アーム１４を先端が前記パラ
ペツト５側へ略60度の角度に傾斜した状態で回動
を阻止する第１の回動阻止部材１５と、前記第１
の支持アーム１４の先端部に基端部が該第１の支
持アーム１４のアーム板１３，１３に挟着された
状態で枢支ピン１２で回動可能に枢支された先端
部に前記命綱等のロープ３が取付けられるリング
１６を有する板状の第２の支持アーム１７と、前
記第１の支持アー１４の先端寄りに取付けられた
該第１の支持アーム１４が前記第１の回動阻止部
材１５で阻止された状態で前記第２の支持アーム
１７を先端が若干下方へ下がつた傾斜状態に回動
を阻止する第２の回動阻止部材１８と、前記第１
の支持アーム１４のアーム板１３，１３にそれぞ
れ一体形成された前記第１の支持アーム１４，１
４を前記第１の回動阻止部材１５で阻止させた時
に、前記固定金具６の回動板１０が横方向に回動
しないように前記固定金具本体８の両側を挟むよ
うに突出する接続具の一部を構成する該固定金具
本体８のピン挿入孔１１と対応する部位にピン挿
入孔１９，１９を有する回動阻止板２０，２０と
で折畳み可能に構成されている。２１は前記吊り
金具１を使用する際に、前記第１の支持アーム１
４を前記第１の回動阻止部材１５で阻止させた傾
斜状態で前記ピン挿入孔１９，１１，１９に挿入
して該第１の支持アーム１４の回動をロツクする
ことのできるロツクピンである。

２２は第２図に示すように前記吊り金具１を不
使用時に該吊り金具１のロープ支持アーム７を折
畳んだ状態で前記パラペツト５の内壁面５ａに沿
つて略水平に支持する支持金具で、この支持金具
２２は前記パラペツト５の内壁面５ａに突設さ
れ、先端側の上部には前記ロープ支持アーム７の
第１の支持アーム１４が嵌合される嵌合溝２３が
形成されている。

上記構成の清掃用命綱等の吊り金具１にあつて
は、不使用時には第２図に示すように、固定金具
６の回動板１０を略直角に回動するとともに、ロ
ープ支持アーム７を折畳んだ状態に第２の支持ア
ーム１７を回動して、該第２の支持アーム１７を
支持金具２２の嵌合溝２３に嵌入支持させた状態
で該ロープ支持アーム７をパラペツト５の内壁面
５ａに沿わせた状態で格納しておく。

次に使用する場合には、ロープ支持アーム７を
若干上方へ起こして支持金具２２の嵌合溝２３に
嵌合支持されていた第２の支持アーム２７を外
し、この状態で固定金具６の回動板１０を固定金
具本体８と一直線となるように回動する。

しかる後、第１の支持アーム１４を第１の回動
阻止部材１５が固定金具６に当接するまで上方に
回動する。これによつて、回動阻止板２０，２０
が固定金具本体８を両側から挟んだ状態となり、
回動板１０は回動が阻止される。

しかる後、回動阻止板２０，２０と固定金具本
体８のピン挿入孔１９，１１，１９にロツクピン
２１を挿入して第１の支持アーム１４の回動をロ
ツクする。

次にリング１６に命綱等のロープ３を取付け
て、第２の支持アーム１７を上方へ第２の回動阻
止部材１８に阻止されるで回動して該第２の回動
阻止部材１８に阻止させることによつて使用準備
が完了する。

このようにセツトされた吊り金具１は、第１図
に示すようにロープ支持アーム７が笠木装置４の
上部をオーバーハング状態で建物２の外側に突出
しているので、命綱等のロープ３が笠木装置４に
触れることなく建物２の外壁面２ａに沿つて吊り
下げられる。このため、命綱等のロープ３に荷重
がかかつても従来のように笠木装置４がつぶれた
りすることがない。

「本考案の異なる実施例」 次に第４図および第５図に示す本考案の異なる
実施例につき説明する。なお、この実施例の説明
に当つて、前記本考案の実施例と同一構成部分に
は同一符号を付して重複する説明を省略する。

第４図および第５図の実施例において、前記本
考案の実施例と主に異なる点は、ロープ支持アー
ム７Ａをくの字形の屈曲形成された基端部が固定
金具６の回動板１０に、該回動板１０が挿入され
た状態で枢支ピン１２に枢支されたロープ支持ア
ーム本体２４と、このロープ支持アーム本体２４
の基端部寄りに該ロープ支持アーム本体２４の回
動を笠木装置４をオーバーハングした状態で阻止
できるように設けられた回動阻止部材２５と、前
記ロープ支持アーム本体２４の基端部に一体形成
された回動板１０の回動を阻止する回動阻止板２
０，２０とで構成した点で、このようにロープ支
持アーム７Ａを構成しても良い。

なお、前記本考案の実施例では吊り金具を清掃
用命綱等のロープを吊り下げる場合について説明
したが、避難用のロープ等を吊り下げる吊り金具
にも使用することができる。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあつ
ては次に列挙する効果がある。

(1) 笠木装置を備えたパラペツトの内壁面に埋設
固定された板状の固定金具本体、この固定金具
本体の先端部に水平方向に回動可能に取付けら
れた先端部が半円形状の回動板とからなる固定
金具と、この固定金具の回動板に回動可能に取
付けられるとともに、使用状態では該回動板の
回動を阻止し、前記笠木装置をつぶさないよう
にオーバーハング状態にできる先端部に命綱等
のロープが取付けられるロープ支持アームと、
このロープ支持アームと前記固定金具本体とを
該ロープ支持アームを使用状態に固定するロツ
クピンとで構成しているので、命綱等のロープ
をロープ支持アームに取付けた時に、該ロープ
が笠木装置に触れない状態で吊り下げることが
できる。したがつて、ロープに荷重がかかつて
も、従来のようにロープが笠木装置をつぶすの
を確実に防ぐことができる。

(2) 前記(1)によつて、構造が簡単であるので、比
較的安価に製造することができる。

(3) 前記(1)によつて、命綱等のロープによつて笠
木装置がつぶれることがないので、笠木装置を
修理したりする必要がない。

(4) 前記(1)によつて、不使用時にはロープ支持ア
ームをパラペツトの内側面に沿うように位置で
きるので、美観が損われず、かつ邪魔にならな
い状態で収納できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す使用状態を示
す側面図、第２図は格納状態を示す斜視図、第３
図はロープ支持アームを固定金具と一直線となる
ように延した状態の平面図、第４図および第５図
は本考案の異なる実施例を示す説明図である。 １……吊り金具、２……建物、３……命綱等の
ロープ、４……笠木装置、５……パラペツト、５
ａ……内壁面、６……固定金具、７，７Ａ……ロ
ープ支持アーム、８……固定金具本体、９……ピ
ン、１０……回動板、１１……ピン挿入孔、１２
……枢支ピン、１３……アーム板、１４……第１
の支持アーム、１５……第１の回動阻止部材、１
６……リング、１７……第２の支持アーム、１８
……第２の回動阻止部材、１９……ピン挿入孔、
２０……回動阻止板、２１……ロツクピン、２２
……支持金具、２３……嵌合溝、２４……ロープ
支持アーム本体、２５……回動阻止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 笠木装置を備えたパラペツトの内壁面に埋設固
   定された板状の固定金具本体、この固定金具本体
   の先端部に水平方向に回動可能に取付けられた先
   端部が半円形状の回動板とからなる固定金具と、
   この固定金具の回動板に回動可能に取付けられる
   とともに、使用状態では該回動板の回動を阻止
   し、前記笠木装置をつぶさないようにオーバーハ
   ング状態にできる先端部に命綱等のロープが取付
   けられるロープ支持アームと、このロープ支持ア
   ームと前記固定金具本体とを該ロープ支持アーム
   を使用状態に固定するロツクピンとからなること
   を特徴とする清掃用命綱等の吊り金具。