JPH0430317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、天井裏の収納庫へ出入りするため
のはしご装置に関するものである。

〔背景技術〕

第７図および第８図に従来例を示す。第７図に
おいて、１０は天井であり、天井１０の開口部１
４の周囲には、開口枠１２が天井１０内の補強根
太１５に取付けられている。この開口枠１２の一
端には、蓋体１６が開閉回動自在に取付けられて
いる。また、１８，２０，２２はヒンジ２４，２
６で相互に折り曲げ可能に連接した複数の単位は
しごであり、これら単位はしご１８，２０，２２
からはしご２３が構成されている。上端の単位は
しご１８は、蓋体１６の内面に取付金具２８，３
０で固定されている。さらに、はしご２３を降ろ
す際に開き状態で蓋体１６を支持する一対のリン
ク装置３２が、はしご２３の両側にそれぞれ取付
けられている。リンク装置３２は、互いに回動可
能に連結した２本の節３４，３６からなり、節３
４の端部は開口枠１２に固定した取付金板３８に
回動可能に取付けられており、節３６の端部は蓋
体１６の内面に固定した取付金物４０に回動可能
に取付けられている。なお、４２は単位はしご１
８に取付けた手すりであり、４５は天井裏の照明
器具のスイツチであり蓋１６が開くとオンにな
る。また、単位はしご２２の下端にはゴムキヤツ
プ４４が取付けられており、かつ開口枠１２と節
３６との間には、蓋１６の開閉を緩やかに行なう
ための引張ばね４８が取付けられている。

第７図の実線は、はしご２３が蓋体１６の内面
に沿つて下方に延び、下端が床４６に達した使用
状態を示している。また、破線は、はしご２３を
折り畳んで天井１０内に収納した状態を示してい
る。

また、第８図に示すように、取付金板３８には
ストツパ５０がボルトナツト５２で固定されてい
る。このストツパ５０には、はしご２３の使用状
態時に節３４の周縁部が当接する。すなわち、は
しご２３が下向きに延びて単位はしご２２の下端
がちようど床４６に達した状態で、節３４の周縁
部がストツパ５０に当接し、節３４がそれ以上回
動しないように支持する。なお、天井１０の高さ
が変わると蓋体１６の開き角度が変わり、そのた
め節３４の回動角度も変化するため、各回動角度
に応じて形状、大きさの異なるストツパ５０を準
備しておいて、使用している。

このように、複数種のストツパ５０の用意しな
ければならないため、製造コストが高くつくとい
う問題があつた。しかも、ストツパ５０は開口枠
１２内に位置しているため、床４６から手が届か
ず、ストツパ５０をはしご２３の傾きに合せて取
替え、調整するのが困難であつた。

これに対して、節３４に係止するストツパ片を
開口枠１２に設けボルトで調整できるようにした
ものがあつた（たとえば実公昭58−029756号）
が、ボルトの操作部が開口枠内で天井側向いてい
るため、前記と同様に調整がきわめて困難であ
り、しかもボルトの回転操作は作業が煩雑になつ
た。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、リンク装置の回動角度を規
制するストツパが安価に製造でき、かつ天井の高
さに応じて容易にストツパの調整が行なえるはし
ご装置を提供することである。

〔考案の開示〕

この考案のはしご装置は、天井面に設けた開口
枠と、この開口枠の一端に開閉回動自在に取付け
られ開口枠を塞ぐとともに下方に回動して開口枠
を開く蓋体と、相互に伸縮可能に連接した複数の
単位はしごからなり前記蓋体を開いた状態で前記
蓋体の内面に沿つて下向きに延びるはしごと、前
記開口枠に回動可能に取付けた第１節と前記蓋体
に取付けた第２節とを互いに回動可能に連結して
なるリンク装置と、前記蓋体を開いた状態で前記
第１節の前記第２節連結部より下端側に回転可能
に取付けられ回転軸心から各辺までの距離がそれ
ぞれ異なる多角形状に形成されて一辺に前記第２
節が開き角度を規制されて当接するストツパとを
備えたものである。

この考案の構成によれば、つぎの作用がある。

すなわち、ストツパは回転軸心から各辺までの
距離がそれぞれ異なる多角形状をしており、かつ
回転可能に第１節に取付けられているため、取付
け角度を変えることがリンク装置の第２節の開き
角度を変えることができる。したがつて、天井の
高さが変化してはしごの傾斜角度が変わり第２節
の開き角度が変つた場合に、第２節に当接する一
辺を有したストツパをあらかじめ準備しておく
と、１種類のストツパでストツパの辺の数に等し
い種類の高さの異なる天井に対応できる。このた
め、ストツパ種類が少なくて済み、しかも構造が
簡単であるのでストツパを安価に製造することが
できる。またストツパは少しの回転操作で角度を
調整できるので、従来例と比較して調整操作の作
業が簡単であり、そのうえストツパは蓋体を開い
た状態で第１節の第２節連結部より下端側に取付
けられているので、床から手を延ばして容易に調
整することができる。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第６図に基
づいて説明する。すなわち、この実施例のはしご
装置は、第１図に示すように、天井面１０に設け
た開口枠１２と、この開口枠１２の一端に開閉回
動自在に取付けられ開口枠１２を塞ぐとともに下
方に回動して開口枠１２を開く蓋体１６と、相互
に伸縮可能に連接した複数の単位はしご１８，２
０，２２からなり前記蓋体１６を開いた状態で前
記蓋体１６の内面に沿つて下向きに延びるはしご
２３と、前記開口枠１２に回動可能に取付けた第
１節５４と前記蓋体１６に取付けた第２節５６と
を互いに回動可能に連結してなるリンク装置５８
と、前記蓋体１６を開いた状態で前記第１節５４
の前記第２節５６連結部より下端側に回転可能に
取付けられ回転軸心から各辺までの距離がそれぞ
れ異なる多角形状に形成されて一辺に前記第２節
５６が開き角度を規制されて当接するストツパ６
０とを備えたものである。

なお、第７図と同一部分は同一符号を付してあ
り、その一部は説明を省略する。

第２図はリンク装置５８部分の拡大図である。
図において、６２は開口枠１２にボルトナツト６
４で固定したハツト形の取付金具であり、この取
付金具６２の突片６６に第１節５４の端部が回動
可能に取付けられている。また、第２節５６の端
部は蓋体１６内面にボルトナツト６８で固定した
取付金具４０に回動可能に取付けられている。

また、第３図に示すように、蓋体（図示せず）
を開いた状態で第１節５４の第２節５６連結部よ
り下端側において、第２節５６連結側面に、ボル
ト７０が突設されている。なお、ボルト７０は、
第１節５４と第２節５６を連結するピン５５の延
長線上に設けられている。このボルト７０にスト
ツパ６０のボルト挿通孔７６を挿通し、ワツシヤ
７２を介してナツト７４を螺合して、ストツパ６
０を取付ける。

さらに、ストツパ６０は第４図に示すように、
略四角形状に形成されており、軸心となるボルト
挿通孔７６の中心から各辺６０ａ，６０ｂ，６０
ｃ，６０ｄまでの距離ａ，ｂ，ｃ，ｄは、天井の
高さが変化して第２節５６の回動角度が変化した
場合に、いずれかの一辺に第２節５６の周縁部が
当接するように長さを異にして（ａ＞ｄ＞ｃ＞
ｂ）形成されている。なお、各辺６０ａ，６０
ｂ，６０ｃ，６０ｄの近傍にはＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄの
符号が付されている。

動 作 第５図および第６図を用いて動作を説明する。
第５図は、辺６０ａに第２節５６の周縁部が当接
するようにストツパ６０を取付けたものであり、
第２節５６の開き角度は小さく、そのためはしご
２３の傾斜が緩やかになつて、天井の高が低い場
合に適用される。また、第６図は辺６０ｄに第２
節５６が当接するように取付けたものであり、第
２節５６の開き角度は第５図の場合に比べ大きく
なり、はしご２３の傾きが若干急傾斜になる。し
たがつて、第５図の場合より天井の高さが高くな
つた場合に適用される。以下同様に、辺６０ｃ，
６０ｂに第２節５６を当接することで、より天井
の高さの高い場合に適用できる。

このように構成されたはしご装置によると、ス
トツパ６０は回転軸心から各辺６０ａ，６０ｂ，
６０ｃ，６０ｄまでの距離がそれぞれ異なる多角
形状をしており、かつ回転可能に第１節５４に取
付けられているため、取付け角度を変えること
で、リンク装置５８の第２節５６の開き角度を変
えることができる。したがつて、天井の高さが変
化してはしご２３の傾斜角度が変わり第２節５６
の開き角度が変つた場合に、第２節５６に当接す
る一辺を有したストツパ６０をあらかじめ準備し
ておくと、１種類のストツパ６０で４種類の高さ
の異なる天井に対応できる。このため、ストツパ
６０の種類が少なくて済み、しかも構造が簡単で
あるのでストツパ６０を安価に製造することがで
きる。またストツパ６０は少しの回転操作で角度
を調整できるので、従来例の比較として調整操作
の作業が簡単であり、そのうえストツパ６０は蓋
体１６を開いた状態で第１節５４の第２節５６連
結部より下端側に取付けられているので、床から
手を延ばして容易に調整することができる。

さらに、ストツパ６０の各辺６０ａ，６０ｂ，
６０ｃ，６０ｄに符号Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄが付してあ
るため、天井の高さが変化した場合、符号Ａ，
Ｂ，Ｃ，Ｄを目印としてストツパ６０の調整がで
き、作業が行い易い。

なお、ストツパの形状は回転軸心から各辺まで
の距離が異なつておれば、三角形や五角形以上の
多角形であつてもよい。

また、はしご２３の各単位はしご１８，２０，
２２はスライド式に伸縮するものであつてもよ
い。

〔考案の効果〕

この考案のはしご装置によれば、次の各効果が
得られる。

ストツパは回転軸心から各辺までの距離が異な
る多角形状をしており、かつ回転可能に第１節に
取付けられているため、取付け角度を変えること
でリンク装置の第２節の開き角度を変えることが
できる。したがつて、天井の高さが変化してはし
ごの傾斜角度が変わり第２節の開き角度が変つた
場合に、第２節に当接する一辺を有したストツパ
をあらかじめ準備しておくと、１種類のストツパ
でストツパの辺の数に等しい種類の高さの異なる
天井に対応できる。このため、ストツパ種類が少
なくて済み、しかも構造が簡単であるのでストツ
パを安価に製造することができる。またストツパ
は少しの回転操作で角度を調整できるので、従来
例と比較して調整操作の作業が簡単であり、その
うえストツパは蓋体を開いた状態で第１節の第２
節連結部より下端側に取付けられているので、床
から手を延ばして容易に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の側面図、第２図
はその部分拡大側面図、第３図はその部分分解斜
視図、第４図はそのストツパの正面図、第５図お
よび第６図はその動作説明図、第７図は従来例の
側面図、第８図はその部分拡大斜視図である。 １０……天井、１２……開口枠、１６……蓋
体、１８，２０，２２……単位はしご、２３……
はしご、５４……第１節、５６……第２節、５８
……リンク装置、６０……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井面に設けた開口枠と、この開口枠の一端に
   開閉回動自在に取付けられ開口枠を塞ぐとともに
   下方に回動して開口枠を開く蓋体と、相互に伸縮
   可能に連接した複数の単位はしごからなり前記蓋
   体を開いた状態で前記蓋体の内面に沿つて下向き
   に延びるはしごと、前記開口枠に回動可能に取付
   けた第１節と前記蓋体に取付けた第２節とを互い
   に回動可能に連結してなるリンク装置と、前記蓋
   体を開いた状態で前記第１節の前記第２節連結部
   より下端側に回転可能に取付けられ回転軸心から
   各辺までの距離がそれぞれ異なる多角形状に形成
   されて一辺に前記第２節が開き角度を規制されて
   当接するストツパとを備えたはしご装置。