JPH0447212B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、比例制御弁を備えた燃焼装置に関す
る。

［従来の技術］ この種の装置に用いられる比例制御弁は、弁体
または弁体に連動する部材が少なくとも一方より
スプリングにより付勢され、弁体と連動するアー
マチユアをコイルの通電量を可変させることによ
り弁体を移動させて開度の設定を行なつている。

［発明が解決しようとする問題点］ 比例制御弁は上記の如くの構造を備えるため、
例えば、コイルへの通電量を増加させる場合と減
少させる場合とではスプリング、摺動抵抗、遊び
量等によるヒステリシス特性によつて弁体の設定
される位置が異なり、同一の通電量でも比例制御
弁の開度が異なる問題点を有していた。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的は、ヒステリシス特性を備えた比例制御
弁を用い、同一の通電量で常に一定の開度とする
ことのできる燃焼装置の提供にある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の燃焼装置は、上記の目的を達成するた
めに、次の２つの技術的手段を採用する。

（第１発明） 燃焼装置は、スプリングによるばね荷重と、コ
イルへの通電量による電磁力とにより変位する弁
体を有し、前記コイルへの通電量に応じて燃料の
供給量を制御する比例制御弁を備える。

そして、前記比例制御弁の開度は、前記コイル
への通電量の増加または減少のうちの一方のみに
よつて設定し、前記コイルへの通電量の増加また
は減少のうちの他方を用いる場合は、一旦前記他
方による通電を行なつてヒステリシスの少ない開
度に設定し、その後、前記一方による通電で開度
の設定を行なう。

（第２発明） 燃焼装置は、スプリングによるばね荷重と、コ
イルへの通電量による電磁力とにより変位する弁
体を有し、前記コイルへの通電量に応じて燃料の
供給量を制御する比例制御弁を備える。

そして、前記比例制御弁の開度は、前記コイル
の通電量を変化させる時、前記コイルへの通電量
の増加または減少のうちの一方のみによつて、常
に一旦、ヒステリシスの少ない開度に設定し、そ
の後、前記コイルへの通電量の増加または減少の
うちの他方による通電で、開度の設定を行なう。

［第１発明の作用および効果］ 上記構成よりなる第１発明は、燃焼装置の燃焼
量を変化させるべく比例制御弁の開度を変化させ
る場合で、コイルへの通電量の増加または減少の
うちの一方で開度を変化させる場合は、一方によ
る通電で比例制御弁の開度を目的の開度に設定す
る。

逆に、比例制御弁の開度を変化させる場合で、
コイルへの通電量の増加または減少のうちの他方
で開度を変化させる場合は、一旦、他方による通
電を行なつて、比例制御弁の開度をヒステリシス
の少ない開度に設定し、その後、一方による通電
で比例制御弁の開度を目的の開度に設定する。

以上の作動により、比例制御弁の開度を変化さ
せる場合、比例制御弁の開度がヒステリシスの影
響を大きく受けることなく、目的の開度に設定さ
れる。

［第２発明の作用および効果］ 上記構成よりなる第２発明は、燃焼装置の燃焼
量を変化させるべく比例制御弁の開度を変化させ
る場合は、一旦、一方による通電を行なつて、比
例制御弁の開度をヒステリシスの少ない開度に設
定し、その後、他方による通電で比例制御弁の開
度を目的の開度に設定する。

以上の作動により、比例制御弁の開度を変化さ
せる場合、比例制御弁の開度がヒステリシスの影
響を大きく受けることなく、目的の開度に設定さ
れる。

［実施例］ 次に、第２発明を適用した燃焼装置を図面に示
す一実施例に基づき説明する。

（実施例の構成） 第２図は本発明が適用されたガスコンロの概略
図を示す。

ガスコンロ１は、ガスバーナ２によるガスの炎
で、ガスバーナ２の上部に置かれた調理物等を加
熱調理するものである。そしてガスバーナ２に
は、燃料であるガスの供給を行なうガス供給路３
が接続されている。

このガス供給路３には、上流側に設けられ、通
電、非通電により開閉されるメインバルブ４１
と、該メインバルブ４１の下流に設けられ、失火
を感知すると閉じるセフテイバルブ４２と、該セ
フテイバルブ４２の下流に設けられ、供給される
ガスの調圧を行なうガバナ弁４３と、ガバナ弁４
３の下流に設けられ、通電量に応じて開口度合が
可変する比例制御弁４４と、該比例制御弁４４を
バイパスするバイパス路３１に設けられ、比例制
御弁４４の開閉状態に関係なく比例制御弁４４の
上流からガスバーナ２に一定量のガスを流出する
流量調節ネジ４５と、前記比例制御弁４４の上流
からガスバーナ２の火口付近に一定量のガスの供
給を行なう種火用ノズル３２とを備える。そし
て、上記メインバルブ４１、セフテイバルブ４２
および比例制御弁４４は、下述する電子制御装置
５により通電制御される。

上記比例制御弁４４は、第３図に示すように、
ガス供給路３内に設けられた円形穴４４ａ内に貫
通して配設され、図示上方に凸の円錐形状を呈し
た弁体４４ｂと、該弁体４４ｂに連動する部材４
４ｃを常に図示上方に付勢する主スプリング４４
ｄと、弁体４４ｂと連動するアーマチユア４４ｅ
と、該アーマチユア４４ｅの駆動を行なうコイル
４４ｆとを備える。この比例制御弁４４は、この
ような構造を備えるため、第４図に示すように、
コイル４４ｆへの通電量Ｖを増加および減少可変
する場合、比例制御弁４４の下流に発生するノズ
ル圧pmは、ヒステリシス特性を備える。なお、
図中に示す４４ｇおよび４４ｈは、主スプリング
４４ｄの付勢力を調節する調節用圧縮コイルスプ
リングと調節用螺子を示す。

電子制御装置５は、第５図のブロツク図に示す
ように、点火および消化の設定を行なう運転スイ
ツチ５１ａと連動し、一般家庭に供給される100
ボルトの交流電流を電子制御装置５で使用される
一定電圧の直流に変換する電源回路５１と、ガス
コンロ１の火力の設定を行なう火力調節スイツチ
５２ａと連動し、比例制御弁４４の通電量の制御
を行なう比例弁制御回路５２と、火力の設定状態
を使用者に表示する表示回路５３と、種火用ノズ
ル３２の上部に臨ませたサーモカツプル５４ａの
出力により炎の燃焼状態を検出する炎検出回路５
４と、種火用ノズル３２の上部に臨ませたスパー
ク電極５５ａで点火を行なうスパーカー駆動回路
５５と、前記炎検出回路５４の出力により異常燃
焼を検出するとセフテイバルブ４２を非通電とし
てガスコンロ１の燃焼を停止する異常燃焼検知回
路５６と、上記回路の制御を行なう点火シーケン
ス回路５７とからなる。

次に、上記比例弁制御回路５２の電子回路の一
実施例について第１図を用いて説明する。

この比例弁制御回路５２は、火力調節所理解路
６と、比例弁電流切換回路７と、比例弁駆動回路
８と、パルス発生回路９とからなる。

火力調節所理回路６は、使用者により操作され
る自動復帰型の火力調節スイツチ５２ａを備える
信号発生部６１と、該信号発生部６１の出力信号
の変換を行なうデコーダ６２とからなる。そして
この信号発生部６１は、火力調節スイツチ５２ａ
と、抵抗体６３，６４と、コンデンサ６５とから
なり、火力を５段階に設定できるようにそれぞれ
５組設けられている。

比例弁電流切換回路７は、ラツチ回路で、前記
デコーダ６２より入力された信号を新たな入力信
号が入力されるまで保持し、出力する。

比例弁駆動回路８は、電流値設定部８１と、マ
ルチプレクサ８２と、比例弁駆動部８３とからな
る。電流値設定部８１は、定抵抗体８４と可変抵
抗体８５からなり、火力調節スイツチ５２ａに応
じてそれぞれ５組設けられている。マルチプレク
サ８２は、比例弁電流切換回路７より入力された
信号に応じ、電流値設定部８１により設定された
電流値を出力する。比例弁駆動部８３は、マルチ
プレクサ８２により設定された出力をオペアンプ
８６ａを備えた定電流回路８６およびトランジス
タ８７を介して比例制御弁４４のコイル４４ｆに
伝達するものである。

パルス発生回路９は、デコーダ６２の出力を受
け、火力調節スイツチ５２ａが操作されることに
より所定時間Hiの出力を発生する単安定マルチ
バイブレータ９１と、その出力を反転するノツト
回路９２と、マルチプレクサ８２の各入力端子に
接続され、電流切換回路７の出力とノツト回路９
２の出力とを入力するアンド回路９３とを備え
る。これにより、火力調節スイツチ５２ａが操作
された所定時間、マルチプレクサ８２の各入力端
子の入力はLowとされ、マルチプレクサ８２の
出力は最大燃焼時の電流値とされる。

なお、本実施例における最大燃焼時の比例制御
弁４４のコイル４４ｆへの通電量は、第４図に示
すようにヒステリシス特性によるばらつきのない
Ａに設定されるものとする。

（実施例の作動および効果） 以上よりなる本実施例は、使用者が火力調整ス
イツチ５２ａを操作してガスコンロ１の火力の変
更を行なう場合、火力の変更を行なう毎に、パル
ス発生回路９により、一旦コイル４４ｆへの停電
量がＡに設定されて比例制御弁４４の開度が最大
燃焼時の開度に設定される。そしてその後に、火
力調整スイツチ５２ａで設定された燃焼量に相当
する通電量が火力調節処理回路６、比例弁電流切
換回路７および比例弁駆動回路８によりコイル４
４ｆに供給される。

このため、比例制御弁４４の開度はヒステリシ
ス特性に関係なく常に火力調節スイツチ５２ａの
設定状態に応じた所定の開度に設定される。

（変形例） なお、上記実施例では比例制御弁の開度を変化
させる時、常にヒステリシスが解除されるよう
に、一旦比例制御弁の通電量を最大燃焼時の通電
量に設定してから目的の通電量に設定した例を示
したが、一旦最小燃焼時の通電量に設定してから
目的の通電量に設定しても良い。

直接目的の通電量に設定してもヒステリシス特
性の影響を受けないコイルへの通電量の増加また
は減少のうちの一方の場合は、直接目的の通電量
に設定し、ヒステリシス特性の影響を受けるコイ
ルへの通電量の増加または減少のうちの他方の場
合のみ、一旦ヒステリシスが解除されるように比
例制御弁の通電量を設定してから目的の通電量に
設定しても良い（第１発明）。

また、本発明をガスコンロ以外の暖房装置、湯
沸器など他の燃焼装置に適用しても良い。

さらに、燃料にガスを用いた例を示したが、灯
油などを燃料とする燃焼装置に適用しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は比例弁制御回路の電子回路図、第２図
はガスコンロの概略図、第３図は比例制御弁の断
面図、第４図は比例制御弁のヒステリシス特性を
示すグラフ、第５図は電子制御装置のブロツク図
である。 図中、１……ガスコンロ、２……ガスバーナ、
５……電子制御装置、６……火力調節処理回路、
７……比例弁電流切換回路、８……比例弁駆動回
路、９……パルス発生回路、４４……比例制御
弁、４４ｂ……弁体、４４ｄ……主スプリング、
４４ｆ……コイル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スプリングによるばね荷重と、コイルへの通
   電量による電磁力とにより変位する弁体を有し、
   前記コイルへの通電量に応じて燃料の供給量を制
   御する比例制御弁を備えた燃焼装置において、 前記比例制御弁の開度は、前記コイルへの通電
   量の増加または減少のうちの一方のみによつて設
   定し、前記コイルへの通電量の増加または減少の
   うちの他方を用いる場合は、一旦前記他方による
   通電を行なつてヒステリシスの少ない開度に設定
   し、その後、前記一方による通電で開度の設定を
   行なうことを特徴とする燃焼装置。 ２ 前記ヒステリシスの少ない開度は、前記コイ
   ルに供給される通電量を最大燃焼時の通電量、ま
   たは最小燃焼時の通電量とすることにより設定さ
   れることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の燃焼装置。 ３ スプリングによるばね荷重と、コイルへの通
   電量による電磁力とにより変位する弁体を有し、
   前記コイルへの通電量に応じて燃料の供給量を制
   御する比例制御弁を備えた燃焼装置において、 前記比例制御弁の開度は、前記コイルの通電量
   を変化させる時、前記コイルへの通電量の増加ま
   たは減少のうちの一方のみによつて、常に一旦、
   ヒステリシスの少ない開度に設定し、その後、前
   記コイルへの通電量の増加または減少のうちの他
   方による通電で、開度の設定を行なうことを特徴
   とする燃焼装置。 ４ 前記ヒステリシスの少ない開度は、前記コイ
   ルに供給される通電量を最大燃焼時の通電量、ま
   たは最小燃焼時の通電量とすることにより設定さ
   れることを特徴とする特許請求の範囲第３項に記
   載の燃焼装置。